48.鎮護の曲〜荒ぶる気よ、鎮まり給え〜(113.
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〜ボーダー本部基地内・ラウンジ〜
- ブス〜〜〜〜!……モグモグ -
「(ハァ〜)……菊地原、怒るか食べるかどっちかにしろ。折角の料理が不味くなる」
「それに鶴ヶ峰は調子が悪いとかで基地に来ていない訳じゃない、ちゃんと風間さんに理由付きで連絡来ているんだから問題ないだろ?………何が気に食わないんだ?」
「……(モグモグ、ゴックン)………僕だけない。"鶴ヶ峰が作った料理を食べた事が"。…合同任務の時に三人共"彼女が持参した料理"を食べちゃって、一人だけ宇佐美先輩が用意したのを食べてて……寂しそうだったから、仕方なく僕付き合ってあげたし(……モグモグ、ゴックン)後、……風の噂じゃ二人ともあの時以外にも鶴ヶ峰の料理、食べた事があるみたいじゃないですか〜!……………狡いですよ全く」
本日、散歩の予定が無ければ柚紀と一緒に居た筈の風間達。特に予定も無かったのでそのまま食事会に参加していたのだったが、……明らかに菊地原は不機嫌そうにしていた。それも"柚紀が自ら作る予定だった料理"を口にしながら、である。その彼のいい分を聞いて「俺宛でない奴のご相伴に運良く預かれただけだ」と返答する風間に対して、歌川は心当たりがない様子だ。嘘でないとオトで判断した菊地原はとりあえずお皿に盛った料理を平らげ、一息ついてから噂の根源を明かす
「……鶴ヶ峰本人からじゃないよ?お前さ"野々村が持っていたお握り"食べた覚えないの?市河に聞いたけど、彼女たまーに野々村用のお弁当作っているらしいよ?でも、ずっと世話になるのもって感じて少しずつ料理をする様にし始めたらしくてさ……"お握りならご飯とおかずが一度に取れる"とかで、一度見本を見せた後、休みの日にアイツ実践してるんだってさ。で、……確か見本が"お握りの中身が焼き鳥(塩味)"だったらしいよ?因みに野々村が作ったのは"中に冷食の唐揚げ入り"だったらしいけど…………思い出せないの?」
「お握り、お握り………!(ポン)あったな、確かに!!丁度鶴ヶ峰と市河が隔離明けの休みの日で、午前中から身体を鍛えるとかで身体を動かしていた野々村に遭遇して、…独特なカリキュラムを組んでいて興味を持った俺も便乗して、昼頃まで付き合っていて………あの時貰ったお握りか!!ん?……でも、焼き鳥だって売り物や缶詰めとかもあるぞ?」
「つまり"お昼御飯にそのお握りを食べた"だろ?夕飯なら兎も角、朝っぱらから焼き鳥何で先ず有り得ないでしょ?更に、鶴ヶ峰は食には人一倍五月蝿いだろ?……(ハァ〜)手抜きする筈がないんだよ、多分だけどね。つまりはそう言う事。ってか、ちゃっかりボーダー以外の所で野々村と会ってたみたいだけど、…それ偶然?市河の近所に彼女も住んでいるなら、歌川の家とかなりの距離あるよ?」
「ぐ、偶然、だぞ"アレは"っ!?む、向こうが俺のウチの近所にある公園と言うか、広場的な所まで走り込みであの日は来たらしい。……どうやら"教え子達"に身体を動かすのに適した"穴場"を聞いていて、何ヶ所か教えて貰った内の一つらしいからっ!!」
風間程ではないが何時も冷静で、菊地原の言い合いにも慣れている筈の歌川が珍しく動揺していた。そしてその原因がフブキらしく、風間も気になるらしく「偶然じゃない事もあったのか?」と追求する始末だ。まさか風間からの言葉で更に慌てふためく歌川。それに便乗して追い詰めていく菊地原。……そんな、三人に近づいてきた猛者がいた。相手は…
「おっ??歌川が慌ててるっ?!!何か珍しい光景だな〜!なぁ、奥寺??」
「……そうかな?結構野々村の奇想天外な行動や、発言で驚いている姿を見たりする気がするけど………ま、分からなくもないか。色々凄い経験しているからな〜野々村ってさ!聞いた中で一番印象深いのはアレだな、特訓の一環としてサバイバル生活を何度もした的な奴!!?……東さんは何がありますか?」
「ん?……野々村関連だと【忍田本部長と野々村が兄妹弟子関係】が俺は一番驚いたな。だが、同時に彼女があんなに強いのも納得出来たのも事実。………(クスッ)どんな練習を毎日しているのか少し興味があるね」
東隊の三人も食事会に参加していたらしく寄って来たのであった。そのまま小荒井と奥寺は同級生二人に合流して「で、野々村に関してだけど……」やら「そう言えば菊地原も鶴ヶ峰と……」的な話で盛り上がっており、隊長二人も其々談笑していた。そこに
「(スタスタ、…モグモグモグ)……四人は洗脳の後遺症とかは出てないみたいだね。やっぱり"周囲によるアフターケアー"がきちんとされていればって感じだね(モグモグ、モグ)………ま、身近に似た症例持ちが居るお陰でもあるのかな?」
「!…寺島か、お前ならこの手の催し物に参加するだろうとは思ったけど、……(スウゥ)昨日や一昨日は居なかったよな?何故今日は参加しようと?」
「症例って………彼女の事を指しているのか?否定はしないが……(スウゥ)本来アレはあまり良い事ではない、経験としてはヒトとしての成長には悪くはないが………彼女はそれで多大な苦労を強いられているのも事実だからな」
図体に比べて少ない量の料理が盛られた皿を片手に、寺島が戯れている(菊地原は否定しそうだが)中学生組を一瞥しながらやって来たのであった。……別に彼が居ても可笑しくはないのだが、"今日だけ"顔を出した事が気になる風間と"発言内容"を聞いて複雑な…何処か怒っている東を見て、一般隊員なら恐怖で引きそうだが所属柄言実と一緒に仕事をする寺島は平気らしく平然と話を続ける
「仕方ないでしょ?亜種解析に苦戦してたんだから。……最近のアレもだけど、土竜も中々解析が進まないんだ。"死骸"を回収して幾ら調べても【図体がデカイだけで、普通のモールモッドと変わらない】んだ。………だから、何故彼女だけを狙うかがサッパリたよ本当にさ。で(モグモグ)煮詰まっている俺の様子を見兼ねた言実さんに【食事会に息抜きとして参加してこい、ついでにあの子の料理でも食べて落ち着け。"栄養バランスが取れたモノ"を選定している故にな】と言われて、……この"具沢山リゾット"を食べている訳。それと……確かに軽率な発言かとは思いましたが"事実を言ったまで"です。でなければ、……彼女が生きてきた今までの出来事を全て否定してしまう。俺はそこまで思っていませんが、これは言実さんの考えです。……とりあえず保護者の意見を尊重する意味合いを込めての発言であり、悪気はありませんからね?」