那須と熊谷、諏訪と笹森。二人一組で其々敵を倒して居ると隊長が各自で亜種を撃破したらしく敵は戦力を二分割して攻めてくる。数もそこそこ多く、オペレーターから隠密型も潜んでいると言われて警戒心を至る場所に割く必要な状況となっていた

「チッ！？見えない敵ってのはどうも面倒だな！特に怪我出来ねぇって言うのもネックだ！どうする…『(ｽﾀｯ)……諏訪さん！何時もの戦い方にシフトチェンジ願います！？』……はあぁ？！！おいっ鶴ヶ峰っ！！？」
「駄目よ、柚紀ちゃん！？危ないわっ！！？だって貴女は攻撃トリガー持っていないって先生から窺っているわ！？」
「……と、普通なら思うけど」
「鶴ヶ峰の場合だと……」

‐　……ヒュー！…ﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ…………ﾁﾘｰﾝ　‐

「「……鈴ですら武器になる訳だ」」

諏訪も那須も柚紀は日浦と一緒に遠方に退避すると思っていたが前線に姿が現れて驚く。だが、熊谷や笹森はそうでも無かった。"誰か"は不明だがシルバーブレットに関する事や鈴を用いて戦闘補助を可能としたのを知っていたので、バックを引っ提げて現れた柚紀を見て……予想が当たり、鈴を用いて敵を見事に無力化させたのだった
更に言実に隠密型が居る方角を教えて貰えば"鈴の種"を足元に大量にばら撒くと

‐　……ｼｭﾝ、…ｼｭﾝ、……ｼｭｼｭﾝ！　‐
「ぬおっ！！いきなり出てきやがったっ！？(ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ)ってか何で出てきたんだよ？！」
『理由は二つです。両方この(…ﾁﾘｰﾝ)鈴のお陰ですが、足元に小さくて大量のアレが転がっていれば滑らせて吃驚して、って理由と(ビュー……ｼｭﾝ！…ﾁﾘｰﾝ)……姿を消すにもトリオンを用いる筈ですから、そのトリオンが鈴に吸い取られて消せなくなって……こんな感じですね(にしても"素手で"コレに触ると私もトリオン吸い取られるな～。……手袋的なのを装備出来ないか後で言実さんに相談しよう)』
「これで隠密型と戦いやすくはなるけど、あまり無茶したら駄目よ柚紀ちゃん。透くんもシルバーブレットを弾丸にした銃を使ったらしいけど、かなりのトリオン量を消費するらしいから油断は禁物だからね？(キィーン……ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ)」

敵の視認が出来ればガンナー・シューターなら間合いさえ気にしていれば問題ない、と判断した柚紀は隠密型を優先的に狙うようにしていた。そしてアタッカー二人はそんな各隊長のガードを務めており、死角サポートを主にしていたが……

『……！！…土竜が来ます！(…スウゥー)"皆さん離れてください！？"』
「「「「！！？(バッ！)(身体が勝手にっ？！！)」」」」


そう、地上なら兎も角地中からの奇襲には中々気づけないモノだ。志岐は初見だが、小佐野は〔ごめん諏訪さん！柚紀ちゃんが居るなら土竜の警戒必要なの忘れていた！？〕と重要性を知りながら怠ったのを謝る始末だ。これに対して「土竜は鶴ヶ峰に任せて大丈夫だ、他の事に集中しろ！」と改めて指示出しをする。……ずっと土竜の相手をしている柚紀なら問題ないと分かっている諏訪だが、ある"違和感"を覚える。それは……

「おい鶴ヶ峰、何で"空中に逃げねぇ"んだよ！！足元から狙われているだろ？！！」
『大丈夫ですよ諏訪さん、だって
‐　ズドン！！　‐(……ザザッ！)
今の私は正隊員と同じ性能のトリオン体を使っていますから(…ｽｯ、ﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ…ﾁﾘｰﾝ)余裕で回避出来ます！(…ﾁﾘｰﾝ)……あ〜、上手く弱点に当てれない！！言実さ〜ん、当てるコツ無いですか〜？？』
《……日々の特訓としか言い様がないな。が、ヘイトを安定させるにはやはりお前に集めるのが得策だな。………仕方ない、少しだけ手助けをしてやる。一時的に"投げた鈴の軌道予測線"を見えるようにする。それで感覚を掴め》
『げっ！？視覚支援のみか〜。………あ、そっか、感覚共有はシロちゃんじゃなきゃ無理だよね〜。……うん、頑張ります』

太刀川隊との回避ゲームの経験が生きたのか、素早く後退する事で見事に土竜による奇襲を回避し鈴を投げつける柚紀だが、図体が大きいので当たりはするが弱点に中々当てれない様子。これに対してトリオン弾の命中率がかなり良い叔母にアドバイスを乞うが、実際に撃つ感覚を教えるのも見せるのも今は不可なのでサポートのみしてもらう事に。因みに那須や諏訪に聞かない理由は土竜が出てきた穴から追加の敵が現れ始めてそれの対処をしているからだ
さて、視覚支援を受けて弱点目掛けて投げてみるが"弾速が遅いのと真っ直ぐにしか投げれないので"簡単に回避されてしまう。これを見て【シューター系の弾トリガーが何故複数あるか】を柚紀は察する

『(……なる程、通常弾（アステロイド）じゃ敵にも回避されるから色んな種類があるんだ。……そう言う意味ではスナイパーもかな？じゃあアタッカーのトリガーが増えた理由って何だろう？)………ま、それはさておき(ザザッ！)…流石の私も鈴に追尾機能や爆破機能を付けれな……くもないか？追尾は……"なんちゃって系"だけど、【工夫次第では軌道を変えれる】ね(ｽｯ…………ﾌﾞｫﾝ)』

土竜に鈴を当てては居るが中々手強く、隠密型みたいに当てても怯んだりしないので隙を突く暇が無く、追随してきた敵を倒して手が空いたアタッカー二人が加勢する為に近寄って来るが、敵に集中していて柚紀は気づいていない。そして

-　…ピン！……ﾀﾞﾝ、…ﾀﾞﾝﾀﾞﾝ！……ﾁﾘｰﾝ　-
‐　ズドーン！！　‐
『……おっ？！上手く行ったみたい！？にしても(ﾁﾘｰﾝ)……何で"バイパー使う人が少ないか"がよーく分かったわ。うん、難しいよコレ』
「……あ、あのさ鶴ヶ峰。今、どうやって土竜を倒したんだ？角度が悪くて俺、よく見えなかったんだが」
「普通に考えたら弱点を攻撃したから、だろうけど今柚紀が居る位置からじゃ……鈴を投げても当たらないわよね？でも玲みたいに軌道を引くとか、その鈴にはそんな性能もない筈だけど……一体ナニをしたの？」

……見事に一人で土竜を沈黙させた柚紀を見て驚きのあまりに呆然としてしまう笹森と、何が起きたかを理解は出来ているが仕掛けが分からない熊谷。そんな二人に気づき『説明するより見せた方が早い、かな？』と、土竜を倒した事で側によって来る敵一体を見据えて種を一粒鈴に成長させ…両手でビー玉やおはじき等を弾き飛ばすかの様に身構えてタイミングを図る。そして……