46.探検の曲(111.
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次の日のお昼より前、言実の発言通りに柚紀は那須隊メンバーと一緒に危険・放置区域を探索していた。レーダー付きの隊員の標準装備であるマップでなく建物もちゃんと分かるマップを特別に搭載した柚紀がそれを見つつ、那須と熊谷の前衛組が"戦いやすい場所や注意が必要な場所"的なのも話してくれるので、"マーク"を着けて後で情報を纏めるようにしている。……さて、ならスナイパーの日浦はどうしているかと言うと……
‐ ……パラパラ~、パラパラ~ ‐
「……先生に言われた通り適当に撒いてますが、(スッ)鈴にしては小さいですね。それこそ節分で撒く豆位の大きさですし(フリフリ)……音が鳴らない。奈良坂先輩にシルバーブレットの事を聞きましたが、何か違いますよね。…………何でですかセンセ~!」
《正確に言えばそれは"シルバーブレットの元"だからな。ある程度トリオンを吸って大きくなり、中に玉が生成して奈良坂が撃ち出した弾と同じ役目を持つ。そして役目が終えれば朽ちて地に還る仕組み故に"回収する必要はない"。……ソレの残量は此方で確認できる様にしておるから"無くなった箇所にはある程度撒く必要がある"………一定期間減らなくなればソレの役目も終えるのだが》
〔ま、常に新しい子来るから定期的に撒く必要があるよね~。せめて"亜種が現れなくなれば"こんな苦労しなくて済むのだけどね~。……ん?日浦ちゃんが撒いているのは銀色だよね?………"金色"は?要らないの??〕
三人より一歩下がった位置に居る日浦が、トリオン体に肩下げショルダーバッグらしいものを下げてそこから豆程の大きさの銀色のモノを取り出してばら撒いている。言実の指示で行っているこの行動理由の説明を受け、撒いているのをシゲシゲと眺めている。そして"暫くは定期的に必要"と考える言実に対して、"新人が入る度に必要になるのでは"と感じている巽。……そこは大人達が考える事なので気にせず撒いている日浦に、ある程度説明を受け終えた柚紀が駆け寄って来る
- タタタタタ -
『ごめんね茜ちゃん、こんな面倒な事をお願いしちゃって!?……本来なら私がやるべきなんだけど体質的にする事が出来なくて。や、やろうとすれば出来るんだけど…』
「(ポン)無理するのは止めな柚紀、微量ながら常にトリオンを放出しているのを"意識的に止める"のは体に良くない。それだと反射的に能力が必要になった際に発動出来なくなる可能性がある。それにコレが柚紀のトリオンに触れたら役目が果たせなくなるみたいだし」
「それに此処は危険区域内、他の隊員が任務に就いているけど敵が現れたら高確率で柚紀ちゃんが狙われるのは紛れもない事実。(ナデナデ)でも安心して、私とくまちゃんが必ず守るから。後、状況次第では茜ちゃんもスナイパーのお仕事あるからその時はお願いね?」
日浦に雑用を任せてしまい申し訳なさそうにしている柚紀に、"こればかりは仕方ない"と諌める熊谷と冷静に万が一の時は"日浦を頼りにしている"とハッキリ言う那須。勿論日浦もそれらを分かっているので「ハイ!お任せください!!」と元気に返事を返すのだった。そして次のポイント指示を言実から受けている先輩二人に、バレない様に小さく溜め息を漏らす柚紀。それに目敏く気づいた日浦が声を掛ける
「大丈夫ですか先輩、お疲れだったりしますか?」
『ん?大丈夫だよ茜ちゃん。……ちょっと"たられば"の考えが頭を横切ってさ。あまりこう言うのを考えない様にしているんだけど、…………駄目なんだよね、最近は。ふとした時に思わず考えちゃうの』
「それって、嵐山隊ひいては佐鳥先輩達関係ですよね?柚紀先輩がどんな事を考えているのか私興味があります!?」
『……(ポン)た、確かにその………嵐山隊関連の事なのは認めるけど、あくまでも妄想の域だし【実現しない事】だって分かっているから、……あまり言いたくないな。不要な事を口にするべきじゃない、だって"言葉は言霊"だから』
日浦に期待が籠もった眼差しを向けられ、更に彼女が口にした言葉にほんのり顔を赤くさせる柚紀だが、後輩の期待に答えられないと寂しげに笑うのだった。それでも気になり"でもでも"と食い下がっている所に言実と打ち合わせを終えた二人が合流し、二人の様子が可笑しいのに気づき理由を訊ねる。双方の話を聞いた後に「言うだけ言ってみたら?柚紀ちゃんが叶えたいとかは抜きにして」と、隊長らしく那須が話を纏める。それに熊谷や日浦、志岐が同意したのを知るともう一度小さな溜め息を漏らして……願望を口にする
『……物凄く、自分勝手な考えだし、今の状況を作り出したのは私自身であり、まだ結果は出てないけどきっと"これで良い"って自他共に思えるとは思います。でも………心の何処かで"本当にあの子でなきゃ駄目なの?"って思っている自分がいる。"私じゃ駄目なのか?"って思ったりもした。………私は他人よりトリオンが多いから戦いには有利だし、…連携なら持ち前の観察力でソコソコ可能だと思う。でもさ、……嵐山隊に必要なのは"戦いの主軸と成りうるエース"であり"指示やサポートが得意な人"じゃない。それに、……私は目立つのが苦手だからやっぱり、…広報の仕事もある嵐山隊でやって行ける自信がない、かな(やろうと思えば多分出来るけど、……………"リスクが大きすぎる")』
具体的な名前は言わない柚紀、結果的には木虎が嵐山隊に入ったのだがこの条件にはフブキだって該当するのを本人は気づいていない。……"待っている"とフブキ本人から言われた事もあり、更には彼女のメイントリガーが弧月。チームに複数アタッカーが居た際、【殆どのチームは同じトリガーを互いに使用している】から嵐山隊とは合わない……そう無意識に思ってしまったのもあるし、彼女も広報の仕事には向かないとも柚紀は思ったのだった
そんな事を愚痴る柚紀を見て、とりあえず歩きながら話そうとなり移動を開始しながら意見を述べる事となった