43.労り労いの曲(108.
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一方で米屋以外の生身組には"感染防止の銀のブレスレット"を渡して装着を指示し、言実は今までの戦闘員の検査結果を纏めた資料や、米屋と烏丸の現在判明しているだけの検査内容が表示されパソコンを見ながら他の職員にテキパキ指示出しをしつつ、その合間に諏訪と会話し、太刀川と同じ疑問をぶつけられたので東の声を聞こえる様にして説明を省いた……までは良かったが、それで満足出来るわけもなく
「って!いきなり当真さんが出てきたのに何で向こうは誰も疑問に思わなかったんですか?後"臨時接続"って……トリオン体でのみの芸当では??」
「…………あ、そっか!章平含めた現場組は"当真さんが柚紀ちゃんをお迎えに来たのを知らなかったか"。……ほら、あの子って体質もだが対人関係に問題が…と言うより此処に来る前から野郎に対して【トラウマ持ち】ジャンか?で、ソレが再発して精神的に危うくなればトリオンコントロールが疎かになり、基地内ならまだ良いが、外でなれば……最悪"ゲートが開いちまう"」
「だから彼女に異変がないかと判断する為に、言実さん若しくは冬島さん特製のナニかを必ず身に付けている。今回は……腕時計はしていなかったから恐らくあの首飾りか?アレのお陰で彼女の呼吸や脈拍、トリオン数値変動何かが分かる様になっていて、主にモニタリングしているのが冬島さんだ。で、変動が起きていてマズイと判断された際に柚紀ちゃんを回収するのが当真の役目な訳だが。……その場面を太刀川さん達は知らない筈だ。何故驚かれない??」
「………(ギュッ)…男性が苦手だとは窺っていましたが、まさか【トラウマ】だなんて。……何で時枝先輩はちゃんと話してくれなかったんですか?………私はまだ信頼に値しない未熟者だから、先輩の秘密を、話して貰えないのですか?」
古寺は普通に驚いている内容に対して、今度は米屋と嵐山が解説する。それを聞いて"また"以前聞いた説明と異なるのに気づいた木虎は、……怒りや悲しみそして悔しさを感じていた。そんな少女を見て何時もの癖で頭を撫でてやりながら言実が柚紀のそして……時枝の考えを代弁する
『(ナデ)違うぞ木虎、そうではない。……あの子が今まで経験してきた事の中には【本来は経験しない、経験すべきではない事柄も多く含まれておる】。本人もそれが"稀な体験"と理解はしているが、……今までそんな【波乱万丈であり奇想天外な人生を送ってきた柚紀には"一般的な生活やら考え方"を知れても理解は出来ぬ】のだよ。(ナデ)実際に経験した事がない故にな。(ナデナデ、スッ)それが原因で周囲と軋轢を産み、同調出来ず、孤立を強いられ……酷い時には"虐めや嫌がらせ"を受けてしまい、それ等が積み重なった結果柚紀は【心に傷を……病を患ってしまった】。……それを時枝は恐らく本人から話を聞いて知っていた。だから無闇に全てありのままに話せなかったのだろう。だから二人を攻めないでくれ。………勿論、一部の者達は"そう言う考えもある"と手を差し伸べたモノもおるが、……それが"本心でなく自らの目的の為"である者も居れば、"本心ではあるが周囲の人間がそれを良しとせず、逆にもっと嫌な思いをした"なんて事もあった。……………それでも柚紀は【ヒトを信じるのを止めなかったし、役に立とうとする】。……あの子が一番嫌いなのは【孤独による寂しさ】だ。だから誰かの側に居たがるし、居る為に尽くそうとする。"役に立つ道具"なら、無闇に捨てたりはせぬ故にな』
「道具って!!そんなっ!!?」
偽りが嫌いな言実は淡々と事実を何時もの様に表情を変えずに語る……かに見えるが、瞳は悲しみや愁いを帯びており、それに恐らく気づいているのは嵐山のみだろう。(米屋に関しては不明)その言い分を否定したい木虎だが、今までそこそこ柚紀と関わった経験や第三者から聞いた過去の出来事を思い返せばそれは出来なかった。……過去を悔やんでも仕方ない、ならば…と自隊の隊長である嵐山に視線を向けて何かを話し出すのであった
それを横目で見ていた言実だが、ドアの開く音がしたのでそちらを見れば……"予想通りの人物"で少しだけ肩の力を抜く。さて誰が来たかと言うと
『貴方でしたか"林藤さん"。まぁ、…(チラリ)数少ない部下が敵の毒をトリオン体とは言えど身に受ければ、心配するのは必然か。……小南は恐らく問題ない、短時間だったしトリオン体のみでの接触・吸収故にな。が、烏丸はガイスト使用及び生身で感染並びに症状を引き起こした柚紀に臨時接続しておったし、トリオン体は義体故に問題ないがあの毒性トリオン漂う場所にて【生身のあの子の一番側に居た】のだ。……念の為一日様子を見る必要がある。済まぬが今日は自宅には帰せぬ』
「ま、病原菌を抱えたまま帰宅してそれで家族に感染……の方が京介は嫌がるだろうからな、そこは問題ないさ。………あるとすれば」
『(……スッ)その為に貴方を呼んだのだ。…これを根津さん及び上層部に渡してくれ。風向き的に居住地方面にアレが流れた可能性は低いが、絶対ではない。今はヒナに調べて貰っておるが……恐らく時間を要する。判明する前に万が一に備えて手を打つべきだ』
「……そう言う未来を見据えるの能力は迅並だよな~言実ちゃんは。心配しすぎな気もするが、柚紀ちゃんが関わる以上【常にサイアクの結果を想定して動いている】訳だ。…ま、俺も静樹さんには恩があるし、この位の事なら幾らでも協力するさ(ヒラヒラ)……確かに受け取ったから俺は行くぜ、あんまり無茶するなよ~」
やって来た林藤が用事を済ませれば部下に声も掛けずに早々に部屋を後にする。それから結果内容が更新されたパソコン画面を見ながら、ふと携帯を取り出して"誰かにメッセージを送り"小さく溜め息を漏らす。……それから意味深に此方を見ている古寺に気づき訊ねれば、少し躊躇いながらも口を開いた
「えっと……俺も今日は基地に留まりますか?後、……当真さんについてです。何故生身の鶴ヶ峰さんと臨時接続が出来たのでしょうか?それと嵐山さんが疑問に思われていた"それを聞いても太刀川さん達が驚かない点"も気になりますし、…………ご自分の状況を把握していれば鶴ヶ峰さんは例えトリオン体でも接触を拒みそうな、気がします。……違いますか?」
『ほぅ、中々鋭い所を突くな古寺。……手短に答えよう。留まるかはお前に任せよう、私と共におった故にあのトリオンを確実に摂取しておらぬからな。当真に関しては冬島さんの指示もあるが、……今回柚紀が危険な状態に陥った根源は【ラボをあの姿のまま出たから】だ。その理由がヒナに聞いてあの子が喜びそうな服を冬島さんが選び、………一定以上の露出を好まぬが故に着れず、"体質や寒がり以外の理由"を当真は知っていたが冬島さんには話さなかった。故に責任を感じたのだろう【話していればこんな事には】とな、……臨時接続の目的は主に"トリオン譲渡"だ。あの子の体質を知っていればこれで検討がつく筈だ。後、……柚紀が触れるのを許可した理由は彼奴が何か"小細工した"からだろう(それが本当に効果があるかは不明だがな)』
と、話が纏まった辺りで木虎達も話が終わったのを見計らい『済まぬが仕事の邪魔になる故に退室願おうか、後は自由にして構わぬ。……米屋は帰るなよ』と四人を追い出せば、こめかみを押さえながら重たい溜め息を漏らして……部下に差し出された予備の白衣を身に纏うと仕事モードに切り替えるのであった
「って!いきなり当真さんが出てきたのに何で向こうは誰も疑問に思わなかったんですか?後"臨時接続"って……トリオン体でのみの芸当では??」
「…………あ、そっか!章平含めた現場組は"当真さんが柚紀ちゃんをお迎えに来たのを知らなかったか"。……ほら、あの子って体質もだが対人関係に問題が…と言うより此処に来る前から野郎に対して【トラウマ持ち】ジャンか?で、ソレが再発して精神的に危うくなればトリオンコントロールが疎かになり、基地内ならまだ良いが、外でなれば……最悪"ゲートが開いちまう"」
「だから彼女に異変がないかと判断する為に、言実さん若しくは冬島さん特製のナニかを必ず身に付けている。今回は……腕時計はしていなかったから恐らくあの首飾りか?アレのお陰で彼女の呼吸や脈拍、トリオン数値変動何かが分かる様になっていて、主にモニタリングしているのが冬島さんだ。で、変動が起きていてマズイと判断された際に柚紀ちゃんを回収するのが当真の役目な訳だが。……その場面を太刀川さん達は知らない筈だ。何故驚かれない??」
「………(ギュッ)…男性が苦手だとは窺っていましたが、まさか【トラウマ】だなんて。……何で時枝先輩はちゃんと話してくれなかったんですか?………私はまだ信頼に値しない未熟者だから、先輩の秘密を、話して貰えないのですか?」
古寺は普通に驚いている内容に対して、今度は米屋と嵐山が解説する。それを聞いて"また"以前聞いた説明と異なるのに気づいた木虎は、……怒りや悲しみそして悔しさを感じていた。そんな少女を見て何時もの癖で頭を撫でてやりながら言実が柚紀のそして……時枝の考えを代弁する
『(ナデ)違うぞ木虎、そうではない。……あの子が今まで経験してきた事の中には【本来は経験しない、経験すべきではない事柄も多く含まれておる】。本人もそれが"稀な体験"と理解はしているが、……今までそんな【波乱万丈であり奇想天外な人生を送ってきた柚紀には"一般的な生活やら考え方"を知れても理解は出来ぬ】のだよ。(ナデ)実際に経験した事がない故にな。(ナデナデ、スッ)それが原因で周囲と軋轢を産み、同調出来ず、孤立を強いられ……酷い時には"虐めや嫌がらせ"を受けてしまい、それ等が積み重なった結果柚紀は【心に傷を……病を患ってしまった】。……それを時枝は恐らく本人から話を聞いて知っていた。だから無闇に全てありのままに話せなかったのだろう。だから二人を攻めないでくれ。………勿論、一部の者達は"そう言う考えもある"と手を差し伸べたモノもおるが、……それが"本心でなく自らの目的の為"である者も居れば、"本心ではあるが周囲の人間がそれを良しとせず、逆にもっと嫌な思いをした"なんて事もあった。……………それでも柚紀は【ヒトを信じるのを止めなかったし、役に立とうとする】。……あの子が一番嫌いなのは【孤独による寂しさ】だ。だから誰かの側に居たがるし、居る為に尽くそうとする。"役に立つ道具"なら、無闇に捨てたりはせぬ故にな』
「道具って!!そんなっ!!?」
偽りが嫌いな言実は淡々と事実を何時もの様に表情を変えずに語る……かに見えるが、瞳は悲しみや愁いを帯びており、それに恐らく気づいているのは嵐山のみだろう。(米屋に関しては不明)その言い分を否定したい木虎だが、今までそこそこ柚紀と関わった経験や第三者から聞いた過去の出来事を思い返せばそれは出来なかった。……過去を悔やんでも仕方ない、ならば…と自隊の隊長である嵐山に視線を向けて何かを話し出すのであった
それを横目で見ていた言実だが、ドアの開く音がしたのでそちらを見れば……"予想通りの人物"で少しだけ肩の力を抜く。さて誰が来たかと言うと
『貴方でしたか"林藤さん"。まぁ、…(チラリ)数少ない部下が敵の毒をトリオン体とは言えど身に受ければ、心配するのは必然か。……小南は恐らく問題ない、短時間だったしトリオン体のみでの接触・吸収故にな。が、烏丸はガイスト使用及び生身で感染並びに症状を引き起こした柚紀に臨時接続しておったし、トリオン体は義体故に問題ないがあの毒性トリオン漂う場所にて【生身のあの子の一番側に居た】のだ。……念の為一日様子を見る必要がある。済まぬが今日は自宅には帰せぬ』
「ま、病原菌を抱えたまま帰宅してそれで家族に感染……の方が京介は嫌がるだろうからな、そこは問題ないさ。………あるとすれば」
『(……スッ)その為に貴方を呼んだのだ。…これを根津さん及び上層部に渡してくれ。風向き的に居住地方面にアレが流れた可能性は低いが、絶対ではない。今はヒナに調べて貰っておるが……恐らく時間を要する。判明する前に万が一に備えて手を打つべきだ』
「……そう言う未来を見据えるの能力は迅並だよな~言実ちゃんは。心配しすぎな気もするが、柚紀ちゃんが関わる以上【常にサイアクの結果を想定して動いている】訳だ。…ま、俺も静樹さんには恩があるし、この位の事なら幾らでも協力するさ(ヒラヒラ)……確かに受け取ったから俺は行くぜ、あんまり無茶するなよ~」
やって来た林藤が用事を済ませれば部下に声も掛けずに早々に部屋を後にする。それから結果内容が更新されたパソコン画面を見ながら、ふと携帯を取り出して"誰かにメッセージを送り"小さく溜め息を漏らす。……それから意味深に此方を見ている古寺に気づき訊ねれば、少し躊躇いながらも口を開いた
「えっと……俺も今日は基地に留まりますか?後、……当真さんについてです。何故生身の鶴ヶ峰さんと臨時接続が出来たのでしょうか?それと嵐山さんが疑問に思われていた"それを聞いても太刀川さん達が驚かない点"も気になりますし、…………ご自分の状況を把握していれば鶴ヶ峰さんは例えトリオン体でも接触を拒みそうな、気がします。……違いますか?」
『ほぅ、中々鋭い所を突くな古寺。……手短に答えよう。留まるかはお前に任せよう、私と共におった故にあのトリオンを確実に摂取しておらぬからな。当真に関しては冬島さんの指示もあるが、……今回柚紀が危険な状態に陥った根源は【ラボをあの姿のまま出たから】だ。その理由がヒナに聞いてあの子が喜びそうな服を冬島さんが選び、………一定以上の露出を好まぬが故に着れず、"体質や寒がり以外の理由"を当真は知っていたが冬島さんには話さなかった。故に責任を感じたのだろう【話していればこんな事には】とな、……臨時接続の目的は主に"トリオン譲渡"だ。あの子の体質を知っていればこれで検討がつく筈だ。後、……柚紀が触れるのを許可した理由は彼奴が何か"小細工した"からだろう(それが本当に効果があるかは不明だがな)』
と、話が纏まった辺りで木虎達も話が終わったのを見計らい『済まぬが仕事の邪魔になる故に退室願おうか、後は自由にして構わぬ。……米屋は帰るなよ』と四人を追い出せば、こめかみを押さえながら重たい溜め息を漏らして……部下に差し出された予備の白衣を身に纏うと仕事モードに切り替えるのであった