43.労り労いの曲(108.
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さて、トリオン体組が入った室内に居たのは先にメディカルチェックを受ける為に此処に来ていた烏丸と、検査担当であろう寺島、更に……
「東さんに、……諏訪さん??えっ?何で二人も此処に居るんですか?二人も感染している可能性が???」
「お、現場組が来たか。任務ご苦労だったな、……って今回は討伐の方が適正か?……因みに俺達が此処に居るのは【鈴撒きに参加した隊員全員が検査を受けた理由を知る為】であり、全員実際の被害は受けていない。とりあえず諏訪が一番最初に見本として受けたんだが……」
「寺島の奴が"異変を見つけたからこのまま待機、下手に動けば二次被害が出る"とか抜かしやがってよ!?……で、何が異常だったかって聞いたら"肺に問題アリ"とか言い掛り付けてきたんだよ!……そりゃあ、喫煙してっから健康とは言い難いが、まだまだ異常が出るほど吸ってねぇから!!ったく、餓鬼共を脅すんじゃネェよ。お陰で素直に検査を疑う事なく受けてくれたのは、良かったけどよ~」
トリオン体の東と諏訪が何か資料らしきモノを見ながら烏丸のチェックを眺めていたのだった。予想外な二人が居て佐鳥が理由を訊ねて帰ってきた答えに、ある程度納得した面々。そんな中、検査中らしく椅子に腰掛けている烏丸に絡む小南や佐鳥・時枝を尻目に、諏訪が気になる事を訊ねる
「所でアイツ……姫様の姿がねぇのは何でだ?お前等二人と一緒だったろ?」
《……あの子は今、敵が放った毒性のトリオンが原因でかなり危険な状況故に別室で隔離させた状態で処置を受けておる。担当は冬島さんがしておるし、"当真やシロ"がサポートをしておる。………例えお前でも無闇な接触は許さんぞ?…諏訪》
「……ハア"ァア"ッ!!?毒だとっ?!何でそんな事に…………いや、良い。今の言葉で全部理解できたわ俺。(ガシガシ)……隔離って事は例の部屋だよな?………会うのも駄目なのかつる姐」
《…………ガラス越しでなら構わぬ。が、トリオン体で行くのが条件だ。今のあの子に生身で接触可能なのは……"生身の柚紀と臨時接続した"当真と、シロのみにしておる。解析が完了していない状態で不用意に近寄るべきではない。……私の言い付けを破ればどうなるか、分かっておろう?…諏訪》
太刀川に話し掛けた筈が、返答したのは言実であり、廊下で話した程の情報量は無いが"二人の鶴ヶ峰の事を知っているからこそ"色々察したらしく、"此処での目的は果たした"ので柚紀の元へ行こうとする諏訪。これに対して止めるつもりはないが真剣な表情で厳守事項を言実が告げれば「……了解した」と、諏訪も真剣な表情をして返答の後にそのまま部屋を後にするのだった
……そんな話の流れに付いていけない太刀川は、言実に話し掛けようとしたが向こう……ガラス・壁に仕切られた先で何やら話している姿を見て"今は多分話し掛けても無理"と察すると、………言実並みに指導者としての実績のある東に訊ねる事に。その内容は
「……あの様子だと諏訪さんは知っていたんですか?【柚紀が空気中に漂っている不可視のトリオンを"皮膚から"吸収している】のを。アイツが【汗の掻きづらい・寒がりな理由】は起きている間は常に放出されてしまうトリオンを最低限に止める為。……夏でも長袖を着ていたのもそれが理由、ですよね?」
「長袖関連の理由はそれが正解だが、吸収の件に関しては少し違うな。……諏訪と荒船の所との合同任務後、鶴ヶ峰が熱を出して療養していた時に代わる代わる看病していただろ?夜、言実さんを休ませる為に看病役を俺と諏訪が変わった事があってな、その時彼女が起きないと油断して俺がラボを離れた隙に"諏訪が一本だけラボ内で煙草を吸っていたんだ"。勿論、バレない様にと換気を十分にして煙が仮眠室に流れないようにした上でな。が、目を覚ました鶴ヶ峰が部屋に入った瞬間に………その場に崩れ落ちてしまったんだ。熱のせいで体の抵抗力や免疫力が低下していた鶴ヶ峰には"微量ながら空気中に漂っていた煙草の毒素"ですら、…猛毒に等しいモノだったらしい。あの時は大変だったな~、俺もついでに一本だけ吸った帰りだったせいで彼女に近寄れなくて、アラートが鳴ったせいで冬島さんと言実さんがすっ飛んできて……みっちり説教を受けたな諏訪が。その時に知ったんだ、鶴ヶ峰は【トリオン操作・放出及び、空気中に漂っているトリオンを吸収する】特殊な体質だとね。この基地はトリオンで出来ているから、空気中にやはり見えないトリオンが漂っているらしい。だから基本【鶴ヶ峰に休息が必要な場合、此処に留めている】のが現状だ。回復速度がやはり外とは異なるみたいだからな」
そんな東からの柚紀の体質講座が行われて居ると《と、言う訳だ。分かったか?》と生身組で柚紀の事をあまり知らない木虎と古寺に対しての説明を省く言実。そして東の話を聞いていなかった戦闘員三人(四人)のうち、小南が「柚紀ちゃんの事?!あたしにも説明しなさいよ!!」と太刀川に突っ掛かり、佐鳥・時枝は"あ、それか"と言った感じに焦りはない様子だ。それが気になった出水が二人に問い掛ける
「…………二人は驚かないんだな、柚紀ちゃんが【口からじゃなくて皮膚からもトリオンの出し入れしていた事実を知っても】……何でだ?」
「えっ??ん~っとですよ?……あ、出水先輩は知らないのか!?荒船隊の部屋で柚紀ちゃんが熱でグッタリしていた時に、前彼女から聞いた【トリオン放出は汗みたいな感じ】って話した事があるんです。で、トリオンが減った状態の柚紀ちゃんにトリオン体のままで触っちゃ駄目な原因は【自分達のトリオンが彼女に流れるから】でしょ?……だから彼女はトリオンを放出も吸収も出来る、こうなる訳です!!(でもその両方が柚紀ちゃんを危険な状態にしているなら、……やっぱりオレは)」
「別の観点から言うと、彼女の友達である市河さん……彼女のサイドエフェクトが鶴ヶ峰さんのと多少なりともニュアンスが似ています。市河さんの能力で特に稀有する点が"相手の考えを受信したり、一体化する点"であり彼女の場合だと……"トリオンを使って保有者・保有物に干渉する点"。なので、似た現象が起きても不思議ではないかと(サイドエフェクトの発生条件が"優れたトリオン能力者"とは聞いているが、なら何故出水先輩には無いんだろう、……他に何か条件でもあるのか?)」
出水の質問に元気に答えた後に少し浮かない表情をする佐鳥と、答えた後もナニかを考える素振りを見せる時枝。そんな二人を見て「ま、考え込むのは程々にして俺達もチェックを受けるぞ~」と、気持ちを切り換えさせる先輩であった
「東さんに、……諏訪さん??えっ?何で二人も此処に居るんですか?二人も感染している可能性が???」
「お、現場組が来たか。任務ご苦労だったな、……って今回は討伐の方が適正か?……因みに俺達が此処に居るのは【鈴撒きに参加した隊員全員が検査を受けた理由を知る為】であり、全員実際の被害は受けていない。とりあえず諏訪が一番最初に見本として受けたんだが……」
「寺島の奴が"異変を見つけたからこのまま待機、下手に動けば二次被害が出る"とか抜かしやがってよ!?……で、何が異常だったかって聞いたら"肺に問題アリ"とか言い掛り付けてきたんだよ!……そりゃあ、喫煙してっから健康とは言い難いが、まだまだ異常が出るほど吸ってねぇから!!ったく、餓鬼共を脅すんじゃネェよ。お陰で素直に検査を疑う事なく受けてくれたのは、良かったけどよ~」
トリオン体の東と諏訪が何か資料らしきモノを見ながら烏丸のチェックを眺めていたのだった。予想外な二人が居て佐鳥が理由を訊ねて帰ってきた答えに、ある程度納得した面々。そんな中、検査中らしく椅子に腰掛けている烏丸に絡む小南や佐鳥・時枝を尻目に、諏訪が気になる事を訊ねる
「所でアイツ……姫様の姿がねぇのは何でだ?お前等二人と一緒だったろ?」
《……あの子は今、敵が放った毒性のトリオンが原因でかなり危険な状況故に別室で隔離させた状態で処置を受けておる。担当は冬島さんがしておるし、"当真やシロ"がサポートをしておる。………例えお前でも無闇な接触は許さんぞ?…諏訪》
「……ハア"ァア"ッ!!?毒だとっ?!何でそんな事に…………いや、良い。今の言葉で全部理解できたわ俺。(ガシガシ)……隔離って事は例の部屋だよな?………会うのも駄目なのかつる姐」
《…………ガラス越しでなら構わぬ。が、トリオン体で行くのが条件だ。今のあの子に生身で接触可能なのは……"生身の柚紀と臨時接続した"当真と、シロのみにしておる。解析が完了していない状態で不用意に近寄るべきではない。……私の言い付けを破ればどうなるか、分かっておろう?…諏訪》
太刀川に話し掛けた筈が、返答したのは言実であり、廊下で話した程の情報量は無いが"二人の鶴ヶ峰の事を知っているからこそ"色々察したらしく、"此処での目的は果たした"ので柚紀の元へ行こうとする諏訪。これに対して止めるつもりはないが真剣な表情で厳守事項を言実が告げれば「……了解した」と、諏訪も真剣な表情をして返答の後にそのまま部屋を後にするのだった
……そんな話の流れに付いていけない太刀川は、言実に話し掛けようとしたが向こう……ガラス・壁に仕切られた先で何やら話している姿を見て"今は多分話し掛けても無理"と察すると、………言実並みに指導者としての実績のある東に訊ねる事に。その内容は
「……あの様子だと諏訪さんは知っていたんですか?【柚紀が空気中に漂っている不可視のトリオンを"皮膚から"吸収している】のを。アイツが【汗の掻きづらい・寒がりな理由】は起きている間は常に放出されてしまうトリオンを最低限に止める為。……夏でも長袖を着ていたのもそれが理由、ですよね?」
「長袖関連の理由はそれが正解だが、吸収の件に関しては少し違うな。……諏訪と荒船の所との合同任務後、鶴ヶ峰が熱を出して療養していた時に代わる代わる看病していただろ?夜、言実さんを休ませる為に看病役を俺と諏訪が変わった事があってな、その時彼女が起きないと油断して俺がラボを離れた隙に"諏訪が一本だけラボ内で煙草を吸っていたんだ"。勿論、バレない様にと換気を十分にして煙が仮眠室に流れないようにした上でな。が、目を覚ました鶴ヶ峰が部屋に入った瞬間に………その場に崩れ落ちてしまったんだ。熱のせいで体の抵抗力や免疫力が低下していた鶴ヶ峰には"微量ながら空気中に漂っていた煙草の毒素"ですら、…猛毒に等しいモノだったらしい。あの時は大変だったな~、俺もついでに一本だけ吸った帰りだったせいで彼女に近寄れなくて、アラートが鳴ったせいで冬島さんと言実さんがすっ飛んできて……みっちり説教を受けたな諏訪が。その時に知ったんだ、鶴ヶ峰は【トリオン操作・放出及び、空気中に漂っているトリオンを吸収する】特殊な体質だとね。この基地はトリオンで出来ているから、空気中にやはり見えないトリオンが漂っているらしい。だから基本【鶴ヶ峰に休息が必要な場合、此処に留めている】のが現状だ。回復速度がやはり外とは異なるみたいだからな」
そんな東からの柚紀の体質講座が行われて居ると《と、言う訳だ。分かったか?》と生身組で柚紀の事をあまり知らない木虎と古寺に対しての説明を省く言実。そして東の話を聞いていなかった戦闘員三人(四人)のうち、小南が「柚紀ちゃんの事?!あたしにも説明しなさいよ!!」と太刀川に突っ掛かり、佐鳥・時枝は"あ、それか"と言った感じに焦りはない様子だ。それが気になった出水が二人に問い掛ける
「…………二人は驚かないんだな、柚紀ちゃんが【口からじゃなくて皮膚からもトリオンの出し入れしていた事実を知っても】……何でだ?」
「えっ??ん~っとですよ?……あ、出水先輩は知らないのか!?荒船隊の部屋で柚紀ちゃんが熱でグッタリしていた時に、前彼女から聞いた【トリオン放出は汗みたいな感じ】って話した事があるんです。で、トリオンが減った状態の柚紀ちゃんにトリオン体のままで触っちゃ駄目な原因は【自分達のトリオンが彼女に流れるから】でしょ?……だから彼女はトリオンを放出も吸収も出来る、こうなる訳です!!(でもその両方が柚紀ちゃんを危険な状態にしているなら、……やっぱりオレは)」
「別の観点から言うと、彼女の友達である市河さん……彼女のサイドエフェクトが鶴ヶ峰さんのと多少なりともニュアンスが似ています。市河さんの能力で特に稀有する点が"相手の考えを受信したり、一体化する点"であり彼女の場合だと……"トリオンを使って保有者・保有物に干渉する点"。なので、似た現象が起きても不思議ではないかと(サイドエフェクトの発生条件が"優れたトリオン能力者"とは聞いているが、なら何故出水先輩には無いんだろう、……他に何か条件でもあるのか?)」
出水の質問に元気に答えた後に少し浮かない表情をする佐鳥と、答えた後もナニかを考える素振りを見せる時枝。そんな二人を見て「ま、考え込むのは程々にして俺達もチェックを受けるぞ~」と、気持ちを切り換えさせる先輩であった