43.労り労いの曲(108.
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暫く歩いていると、前方で何やら揉めている声が聞こえて少し駆け足で先を急ぐ二人。さて、その声の主はと言うと……
「(クイッ!!)止めろ賢っ!?米屋に当たっても意味がないのはお前だって分かるだろう!?(ポン)柚紀ちゃんを心配する気持ちは皆同じだ、お前だけそう思っている訳じゃない。……一先ず落ち着け」
「(……コクン)……すみません米屋先輩、…佐鳥は柚紀ちゃんの事になるとどうも冷静さを失いやすくて、つい感情的になっちゃうみたいなんです。………こんな事、今まで無かったのに」
「あ~、……気にするな。始業式に遭った誤射事件で俺も似た経験をした。あれはかなり堪えるし、【汗が掻きづらい】柚紀ちゃんが高熱を出せば"命の危険性がある"ジャンか?だから佐鳥が取り乱すのも無理はないさ」
「(…スッ)あのおぉ~~、高熱が体内に長時間留まる危険性は分かりますが…………言実さん、米屋先輩が口に出された【ステージ3】とは"どんな状況を指し示す言葉"なんですか?……鶴ヶ峰さん関連なのは、…まぁ分かりますが」
トリオン体のままの佐鳥が険呑な雰囲気や表情で生身の米屋に掴み掛かっていたのだった。それを嵐山が隊長らしく叱咤した後に、落ち着かせようと肩を叩く。……表情から嵐山も心配している事を察した佐鳥は幾分か冷静さを取り戻して米屋に謝罪。気にするなと、とりあえず場が収まったのを確認してから古寺が
発言する。…挙手するのはお約束である
それからどうも冬島と連絡を取り合っていた言実がやり取りを終えて溜め息を付いた後に全員の視線が集まっているのに気づき『……移動しながら話すか』と、歩き始める。"嵐山達が来たのとは別の方角へ"
『それは【柚紀が現在どの位危うい状況か】を指し示す隠語で【ステージ1から4まで存在する】。数字が少ない程症状は軽度を現す。具体的に言えば【数時間寝れば通常に戻るのがステージ1】、【半日以上の休息が必要な状態をステージ2】……今回のは【確実に数日単位の時間を要し、更には発熱を起こしておる】故にステージ3だ。……無いとは思うが【トリオン量が少なく、生身が命に関わる程の負傷を負ってしまった場合】……これがステージ4だ。ま、その様な事態になる前に私はあの子を止めるか助けるかするがな』
「発熱………あ、あのお姉様。その発熱理由を……ご存知なのですか?その、原因は知っています。ですが、…………何故先輩があーなってしまったのかが、きちんと理解できません。一応ヒントは頂きました【放出と対になっているのは何だ】と、…分かりそうで分からないヒントを」
「それと、何故そちらに行くのですか?此方は"京介がメディカルチェックを受ける為に向かった方向で"……行き先に柚紀ちゃんは居ません。貴方も彼女が心配ではないのですか?」
「「「「「!!?/…………/えっ?!そうなのっ?!!ってか京介の奴、抜け駆け狡いわよっ!!!?」」」」」
言実の説明を聞いた後に、木虎と嵐山が各々気になる事を口にする。それを聞いて佐鳥達は驚き、太刀川隊の二人は何やら考え事をしており、小南は驚いた後に烏丸に対して一人勝手に怒っていた。……ナニをどう説明するかを整理していた言実が口を開く前に発言したのは
「そりゃあ【吸収】じゃねぇか?出したらその分取り込む的な感じでよ。……何もしてなきゃ恐らく柚紀は【食事をするだけで必要なトリオンを体内で作り出せる】筈だ。が、サイドエフェクトを使えば話は違うだろ?更に言えば…(…スッ)俺は無傷だが手は見ての通り変色しているのは分かるよな?……【あのトリオン漂う場に居れば、損傷の有無関わらず時間さえあれば必ず汚染される。で、サイドエフェクト使ってトリオンが減っているアイツが毒性があるとは言えトリオンが漂う場に居れば】………つまりこう言う事だ」
「ま、待ってよ太刀川さんっ!?柚紀ちゃんは鈴持っていたんだよ?!あれで浄化していた、なら汚染なんて…「普通なら無かっただろうな。だが、……"あの子の立ち位置が駄目だったんだ。"……あ~(ガシガシ)なぁ~んか違和感あったのはそれかよっ!!…ま、指摘しても柚紀ちゃんは動かなかっただろうけどさ」……出水先輩?…どういう意味ですか?」
「立ち位置?……多分佐鳥が彼女を連れておれ達に合流した後の事、ですよね?あの後は京介が女王が居た方角……"風上"から来る亜種と戦う彼奴の背中を守るような位置取りをして………!……まさかっ!!?」
『……そう、柚紀は兵隊蟻共の対処をしていたお前達より必ず"風上な位置"にて鈴を鳴らしていた。………万が一にも【鈴の浄化が不十分だった場合、自分が吸収すれば良い】と考えてな。…多少なら問題なかったが、……あの馬鹿め、【異変が生じても止めぬから重症化してしまい、恐らく本人もこうなるのを承知で続けておったのであろう】全く、誰に似たことやら』
つまりは【トリオン体だろうと生身だろうと、怪我の有無関係なくあの場に柚紀が居ること事態がかなりのハイリスクな状態】だったのだ。が、他の理由を考慮してもあの時はアレが最善と言実は判断したし、性格上止めてもあの姪は言うことを聞かないのを分かっていたので好きにさせたのだった。が、やはり代償は大きかったと重たい溜め息を漏らす言実を見て、小南が何やら複雑な表情を浮かべながらこう発言した
「……無茶するのは"親譲り"って感じかしら?静樹さんも平気な顔でかなり無茶して、いきなり倒れてその場が騒然となったのは一度や二度じゃないし、………あ!これはつる姐もだから、"鶴ヶ峰の人達は"になるのかな?……それでつる姐、准が言っている行き先についてだけど……どうして行かないの?」
『………………今のあの子は言ってしまえば【新種の感染病を患った状態】故に、下手に接触すれば二次感染する可能性がある。……"新たな亜種"が何時現れるか不明な以上、私まで身動き取れなくなるのは避けねばならぬ。……今は冬島さん達に任せて私は私のすべき事をするのみだ』
「……新たな亜種、ですか?それこそ迅の予知でどうにか…「……いや、"突然変異する可能性がある"以上、流石の俺も読み切れない。こればかりは念入りに調査する必要があるからね」……突然変異の可能性?……何が原因なんだ?」
『……あの毒性のトリオンだ。太刀川、女王の元へ行く際に遭遇した亜種は【全て金剛型の様に装甲強化されたモノばかり】ではなかったか?あのトリオン散布の目的は【自らの身を守る壁を生成するため】だ。ならば【より強固にする為に進化を促す作用】があっても可笑しくはない。そして呼吸はヒトのみでなく昆虫から植物、……【この惑星そのものが生きている】故に呼吸をしておる。……大地があのトリオンを吸収している可能性が少しでもある以上、それが敵に影響を及ぼさぬとは限らぬ。………ま、これはあくまでも私の推測だ。詳しく調べなければ何とも言えぬがな。……着いたぞ、トリオン体の者はコチラから中に入れ。(シュウゥゥ…スチャッ)生身の者と…古寺は換装を解いて私と来い』
長々と話をしている内に、検査室に到着すると換装を解いた言実がテキパキと指示出しをして行動を促すのであった。白衣はないが、眼鏡は常備しているらしく装着は忘れていないのだった
「(クイッ!!)止めろ賢っ!?米屋に当たっても意味がないのはお前だって分かるだろう!?(ポン)柚紀ちゃんを心配する気持ちは皆同じだ、お前だけそう思っている訳じゃない。……一先ず落ち着け」
「(……コクン)……すみません米屋先輩、…佐鳥は柚紀ちゃんの事になるとどうも冷静さを失いやすくて、つい感情的になっちゃうみたいなんです。………こんな事、今まで無かったのに」
「あ~、……気にするな。始業式に遭った誤射事件で俺も似た経験をした。あれはかなり堪えるし、【汗が掻きづらい】柚紀ちゃんが高熱を出せば"命の危険性がある"ジャンか?だから佐鳥が取り乱すのも無理はないさ」
「(…スッ)あのおぉ~~、高熱が体内に長時間留まる危険性は分かりますが…………言実さん、米屋先輩が口に出された【ステージ3】とは"どんな状況を指し示す言葉"なんですか?……鶴ヶ峰さん関連なのは、…まぁ分かりますが」
トリオン体のままの佐鳥が険呑な雰囲気や表情で生身の米屋に掴み掛かっていたのだった。それを嵐山が隊長らしく叱咤した後に、落ち着かせようと肩を叩く。……表情から嵐山も心配している事を察した佐鳥は幾分か冷静さを取り戻して米屋に謝罪。気にするなと、とりあえず場が収まったのを確認してから古寺が
発言する。…挙手するのはお約束である
それからどうも冬島と連絡を取り合っていた言実がやり取りを終えて溜め息を付いた後に全員の視線が集まっているのに気づき『……移動しながら話すか』と、歩き始める。"嵐山達が来たのとは別の方角へ"
『それは【柚紀が現在どの位危うい状況か】を指し示す隠語で【ステージ1から4まで存在する】。数字が少ない程症状は軽度を現す。具体的に言えば【数時間寝れば通常に戻るのがステージ1】、【半日以上の休息が必要な状態をステージ2】……今回のは【確実に数日単位の時間を要し、更には発熱を起こしておる】故にステージ3だ。……無いとは思うが【トリオン量が少なく、生身が命に関わる程の負傷を負ってしまった場合】……これがステージ4だ。ま、その様な事態になる前に私はあの子を止めるか助けるかするがな』
「発熱………あ、あのお姉様。その発熱理由を……ご存知なのですか?その、原因は知っています。ですが、…………何故先輩があーなってしまったのかが、きちんと理解できません。一応ヒントは頂きました【放出と対になっているのは何だ】と、…分かりそうで分からないヒントを」
「それと、何故そちらに行くのですか?此方は"京介がメディカルチェックを受ける為に向かった方向で"……行き先に柚紀ちゃんは居ません。貴方も彼女が心配ではないのですか?」
「「「「「!!?/…………/えっ?!そうなのっ?!!ってか京介の奴、抜け駆け狡いわよっ!!!?」」」」」
言実の説明を聞いた後に、木虎と嵐山が各々気になる事を口にする。それを聞いて佐鳥達は驚き、太刀川隊の二人は何やら考え事をしており、小南は驚いた後に烏丸に対して一人勝手に怒っていた。……ナニをどう説明するかを整理していた言実が口を開く前に発言したのは
「そりゃあ【吸収】じゃねぇか?出したらその分取り込む的な感じでよ。……何もしてなきゃ恐らく柚紀は【食事をするだけで必要なトリオンを体内で作り出せる】筈だ。が、サイドエフェクトを使えば話は違うだろ?更に言えば…(…スッ)俺は無傷だが手は見ての通り変色しているのは分かるよな?……【あのトリオン漂う場に居れば、損傷の有無関わらず時間さえあれば必ず汚染される。で、サイドエフェクト使ってトリオンが減っているアイツが毒性があるとは言えトリオンが漂う場に居れば】………つまりこう言う事だ」
「ま、待ってよ太刀川さんっ!?柚紀ちゃんは鈴持っていたんだよ?!あれで浄化していた、なら汚染なんて…「普通なら無かっただろうな。だが、……"あの子の立ち位置が駄目だったんだ。"……あ~(ガシガシ)なぁ~んか違和感あったのはそれかよっ!!…ま、指摘しても柚紀ちゃんは動かなかっただろうけどさ」……出水先輩?…どういう意味ですか?」
「立ち位置?……多分佐鳥が彼女を連れておれ達に合流した後の事、ですよね?あの後は京介が女王が居た方角……"風上"から来る亜種と戦う彼奴の背中を守るような位置取りをして………!……まさかっ!!?」
『……そう、柚紀は兵隊蟻共の対処をしていたお前達より必ず"風上な位置"にて鈴を鳴らしていた。………万が一にも【鈴の浄化が不十分だった場合、自分が吸収すれば良い】と考えてな。…多少なら問題なかったが、……あの馬鹿め、【異変が生じても止めぬから重症化してしまい、恐らく本人もこうなるのを承知で続けておったのであろう】全く、誰に似たことやら』
つまりは【トリオン体だろうと生身だろうと、怪我の有無関係なくあの場に柚紀が居ること事態がかなりのハイリスクな状態】だったのだ。が、他の理由を考慮してもあの時はアレが最善と言実は判断したし、性格上止めてもあの姪は言うことを聞かないのを分かっていたので好きにさせたのだった。が、やはり代償は大きかったと重たい溜め息を漏らす言実を見て、小南が何やら複雑な表情を浮かべながらこう発言した
「……無茶するのは"親譲り"って感じかしら?静樹さんも平気な顔でかなり無茶して、いきなり倒れてその場が騒然となったのは一度や二度じゃないし、………あ!これはつる姐もだから、"鶴ヶ峰の人達は"になるのかな?……それでつる姐、准が言っている行き先についてだけど……どうして行かないの?」
『………………今のあの子は言ってしまえば【新種の感染病を患った状態】故に、下手に接触すれば二次感染する可能性がある。……"新たな亜種"が何時現れるか不明な以上、私まで身動き取れなくなるのは避けねばならぬ。……今は冬島さん達に任せて私は私のすべき事をするのみだ』
「……新たな亜種、ですか?それこそ迅の予知でどうにか…「……いや、"突然変異する可能性がある"以上、流石の俺も読み切れない。こればかりは念入りに調査する必要があるからね」……突然変異の可能性?……何が原因なんだ?」
『……あの毒性のトリオンだ。太刀川、女王の元へ行く際に遭遇した亜種は【全て金剛型の様に装甲強化されたモノばかり】ではなかったか?あのトリオン散布の目的は【自らの身を守る壁を生成するため】だ。ならば【より強固にする為に進化を促す作用】があっても可笑しくはない。そして呼吸はヒトのみでなく昆虫から植物、……【この惑星そのものが生きている】故に呼吸をしておる。……大地があのトリオンを吸収している可能性が少しでもある以上、それが敵に影響を及ぼさぬとは限らぬ。………ま、これはあくまでも私の推測だ。詳しく調べなければ何とも言えぬがな。……着いたぞ、トリオン体の者はコチラから中に入れ。(シュウゥゥ…スチャッ)生身の者と…古寺は換装を解いて私と来い』
長々と話をしている内に、検査室に到着すると換装を解いた言実がテキパキと指示出しをして行動を促すのであった。白衣はないが、眼鏡は常備しているらしく装着は忘れていないのだった