41.銀錫の曲~シルバーブレット~(106.
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さて柚紀が激突して開いた穴まで戻ってきた三人だが、かなりの高度がある時に敵の砲撃を食らったせいで此処からでは兵隊蟻達や太刀川達の姿を捕らえられない状態であった。が、"敵を狙撃しているスナイパーらしい人影"を目敏く見つけた時枝がそちらに行く事を二人に意見する。【戦闘音がする方に行かないのか?】と佐鳥が意見したのに対して柚紀が『状況把握出来ていない状態で前線に行くのは自殺行為』と手厳しく指摘すればすんなり引き下がったのであった。そして合流先に居たのは
「(ストン!)古寺、状況はどんな感じ?」
「あっ!?良かった、無事に鶴ヶ峰さんを見つけて保護出来たんだ!?……あれから"毒性トリオンの追加効果"が判明して、もし二人が見つける前に彼女が囚われていたらと思うと………色々恐いからね、うん」
「???……話がよく分からないけど、とりあえずそれは後にしよっか!えっと声からして出水先輩も合流出来ているならコッチが戦況有利の筈……って!"三輪先輩を抱えながら"戦ってるのっ!?なんで??!」
『(えっ?!……確かベイルアウトって自発的に使えるよね?私が吹き飛ばされた以上、片腕無くしている先輩が狙われるのはご理解されている筈)…………まさかっ、…【ベイルアウトが出来ない】??』
〔正解だ柚紀ちゃん!?……俺は損傷はしたが軽度だったし、そこからベイルアウトするまでに掛かった時間もかなり短かった。だが秀次の損傷具合や毒性トリオンに晒されている時間が長い事から【遅効性の効果が現れちまった】……それが"獲物を逃がさないための効果"らしい。因みに柚紀ちゃんもベイルアウト不可だから気を付けてくれよ?〕
三人の近くに居た古寺は柚紀の姿を見て明らかに安堵の表情を浮かべていた。少し前なら分かるが、今の柚紀は正隊員と同じトリオン体なので奥の手である"ベイルアウト"が使えるのだ。シールド・グラスホッパーを使っている姿を見ている彼が何故……と考える前に前線状況を見て流石に疑問を感じてしまう佐鳥。片腕で三輪を支えながら出水が敵と対峙していたのだった。幾ら何でも三輪だって"自分が足手まとい"になると自覚がある筈と考えながら"追加効果"の言葉から、柚紀は理由を推測する。通信障害を引き起こした亜種が居たので【別の基本機能を使用不可にする事】も有り得るのでは、と考えたのだ。コレに対して答えたのは離脱してしまった米屋だった。時枝が「何故ソコに……検査室にいらっしゃるのですか?」と訊ねると〔俺のトリガー・トリオン体を分析に使用しているから、…まぁ念のために〕と返事が返ってきたのだ
さて、シロと感覚共有しているせいか"名順応現象が起きてしまい"眩しくて目を閉じていた柚紀(……実は先程まで居た薄暗い建物内部でも通常(生身)の視力状態で、暗視が効いていなく見えにくかったのだった)もう大丈夫かとゆっくり目を開く際に〔((歌姫ちゃ~ん!ご注文の効果付けたけど……多分かなり"想像を絶する光景"だから気を付けてね~))〕と、巽から通信が入り一応覚悟を決めて目を開き地上の前線を見た瞬間
『に、ニャアァアアアー!!!き、気色悪い~~!!?だ、ダメダメダメ!!ソコに居たら絶対に駄目ー!!?時枝くん!古寺くん!!至急三輪先輩を此処に連れてきて下さぁ~い!!で、出水先輩は早急に"汚物を消毒"して~!!若しくは"浄化の雨"~!!?……ウゥウゥゥ~(ジワッ)…ふえぇ~~ん(メソメソエグエグ)』
「ええぇっ?!!な、何でいきなり泣くんですか鶴ヶ峰さ…「(スタン!)一先ず指示に従え章平。……そう言実さんからも指示されているだろ?彼女は俺が何とかする」!?な、奈良坂先輩っ!?わ、分かりました。……時枝っ!サポート宜しく頼むよ?!(バッ!)」
「(コクリ)………(チラッ…バッ!)」
見た瞬間に錯乱状態に陥ってしまう柚紀はそれでも"こうするべき"と一部意味不明な指示出しをする。そして見た風景が思った以上に駄目だったのか思わず泣き出してしまい差はあれど三人ともアタフタしてしまう。そんな中、駆けつけた奈良坂が冷静に行動を促し泣き止ませるのに四苦八苦している佐鳥に一直線に近づく。……今、この場に居ても役に立たないと察した二人は彼女の指示通りに三輪を引き取りに向かう
さて、佐鳥から奪い取る形で柚紀を抱き上げる奈良坂は意外と慣れた手つきであやしながら「何故泣いた?……何が見えたんだ??」と原因を訊ねる。が、中々口に出さない柚紀に代わって"理由を唯一知る"この方から通信が入る
〔ならっち~、佐鳥く~ん。巽お姉さんだよ~!ってそんな事を言っている場合じゃないか。……あのね、歌姫ちゃんから【毒性トリオンを視覚化出来ないか】と依頼されて、今のその子には空気中に浮遊する不可視のソレが見えている状況な訳です。で、やっぱり毒ってあんまり良いイメージじゃないでしょ?……此処まで言えばもう分かるよね?〕
『ウゥ~(エグエグ)…凄く、どす黒い霧みたいだけど、……何か蠢いていて、イキモノみたいで………あ~いうの、ダメ何です私。……昔、【アレみたいなのが見えて、嫌な出来事】あったから(メソメソ)』
「(ナデナデ)(嫌な出来事……トラウマの一つだよね多分。なら…)((ヒナ姐、それオレにも見えるように出来ますか?……彼女一人だけ"違う風景"を見せたら駄目な気がします。他人との認識や経験の違いによる軋轢、………コレが彼女のトラウマ要因の根源、……不安の元だと思うから))」
巽の説明で理由を察した二人。奈良坂は"地上の風景を見せない様に"然り気無く移動をし、逆に佐鳥は"柚紀と同じ体験をする"事を選択した。【知らなければ何もして上げれない、……苦しみから助けて上げれない】と、前から感じていたからだ。そして〔どう見えるかは"君の想像力に左右される"……あまり具体的なイメージを抱かないようにね〕と、諸注意を受けた後、改めて地上の様子を見てみると【黒い雲海】の様な風景が広がっており、先程まで見えていた出水や三輪、太刀川もだがあの兵隊蟻集団も見えなく……時折、出水が放った弾が気流を生み出し一時的に晴れて姿が確認出来るが直ぐに見えなくなってしまう
とりあえず一度視線を外した佐鳥は、【そこまで自分はグロく見えないが、彼女が昔見た"黒いソレ"はナニが可視化・具現化したのか】を考えていると、三輪を古寺が支えた状態で二人が帰還する。「彼女は?」と古寺に訊ねられて言葉にはせず指差す佐鳥。一先ず
そちらに三輪を連れていくのを見送り、相変わらず動かずナニかを考えている佐鳥に問い掛ける時枝。少し躊躇したが巽に「とっきーにも同じ風にして下さい。……そっちの方が手っ取り早いので」と、同じ風景を見させて……納得させ、同じく考えさせる事にしたのだった
因みに顔半分が変色している三輪を見た瞬間に、再び錯乱状態になりつつゲームに出てくる回復呪文を色々唱えながら手を翳して可視化されたトリオンを放つ姿に最初は呆然と見つめていたが、我に返った古寺の焦り声に二人も思考の底から浮上して駆け寄り何とか落ち着かせたのだった
「(ストン!)古寺、状況はどんな感じ?」
「あっ!?良かった、無事に鶴ヶ峰さんを見つけて保護出来たんだ!?……あれから"毒性トリオンの追加効果"が判明して、もし二人が見つける前に彼女が囚われていたらと思うと………色々恐いからね、うん」
「???……話がよく分からないけど、とりあえずそれは後にしよっか!えっと声からして出水先輩も合流出来ているならコッチが戦況有利の筈……って!"三輪先輩を抱えながら"戦ってるのっ!?なんで??!」
『(えっ?!……確かベイルアウトって自発的に使えるよね?私が吹き飛ばされた以上、片腕無くしている先輩が狙われるのはご理解されている筈)…………まさかっ、…【ベイルアウトが出来ない】??』
〔正解だ柚紀ちゃん!?……俺は損傷はしたが軽度だったし、そこからベイルアウトするまでに掛かった時間もかなり短かった。だが秀次の損傷具合や毒性トリオンに晒されている時間が長い事から【遅効性の効果が現れちまった】……それが"獲物を逃がさないための効果"らしい。因みに柚紀ちゃんもベイルアウト不可だから気を付けてくれよ?〕
三人の近くに居た古寺は柚紀の姿を見て明らかに安堵の表情を浮かべていた。少し前なら分かるが、今の柚紀は正隊員と同じトリオン体なので奥の手である"ベイルアウト"が使えるのだ。シールド・グラスホッパーを使っている姿を見ている彼が何故……と考える前に前線状況を見て流石に疑問を感じてしまう佐鳥。片腕で三輪を支えながら出水が敵と対峙していたのだった。幾ら何でも三輪だって"自分が足手まとい"になると自覚がある筈と考えながら"追加効果"の言葉から、柚紀は理由を推測する。通信障害を引き起こした亜種が居たので【別の基本機能を使用不可にする事】も有り得るのでは、と考えたのだ。コレに対して答えたのは離脱してしまった米屋だった。時枝が「何故ソコに……検査室にいらっしゃるのですか?」と訊ねると〔俺のトリガー・トリオン体を分析に使用しているから、…まぁ念のために〕と返事が返ってきたのだ
さて、シロと感覚共有しているせいか"名順応現象が起きてしまい"眩しくて目を閉じていた柚紀(……実は先程まで居た薄暗い建物内部でも通常(生身)の視力状態で、暗視が効いていなく見えにくかったのだった)もう大丈夫かとゆっくり目を開く際に〔((歌姫ちゃ~ん!ご注文の効果付けたけど……多分かなり"想像を絶する光景"だから気を付けてね~))〕と、巽から通信が入り一応覚悟を決めて目を開き地上の前線を見た瞬間
『に、ニャアァアアアー!!!き、気色悪い~~!!?だ、ダメダメダメ!!ソコに居たら絶対に駄目ー!!?時枝くん!古寺くん!!至急三輪先輩を此処に連れてきて下さぁ~い!!で、出水先輩は早急に"汚物を消毒"して~!!若しくは"浄化の雨"~!!?……ウゥウゥゥ~(ジワッ)…ふえぇ~~ん(メソメソエグエグ)』
「ええぇっ?!!な、何でいきなり泣くんですか鶴ヶ峰さ…「(スタン!)一先ず指示に従え章平。……そう言実さんからも指示されているだろ?彼女は俺が何とかする」!?な、奈良坂先輩っ!?わ、分かりました。……時枝っ!サポート宜しく頼むよ?!(バッ!)」
「(コクリ)………(チラッ…バッ!)」
見た瞬間に錯乱状態に陥ってしまう柚紀はそれでも"こうするべき"と一部意味不明な指示出しをする。そして見た風景が思った以上に駄目だったのか思わず泣き出してしまい差はあれど三人ともアタフタしてしまう。そんな中、駆けつけた奈良坂が冷静に行動を促し泣き止ませるのに四苦八苦している佐鳥に一直線に近づく。……今、この場に居ても役に立たないと察した二人は彼女の指示通りに三輪を引き取りに向かう
さて、佐鳥から奪い取る形で柚紀を抱き上げる奈良坂は意外と慣れた手つきであやしながら「何故泣いた?……何が見えたんだ??」と原因を訊ねる。が、中々口に出さない柚紀に代わって"理由を唯一知る"この方から通信が入る
〔ならっち~、佐鳥く~ん。巽お姉さんだよ~!ってそんな事を言っている場合じゃないか。……あのね、歌姫ちゃんから【毒性トリオンを視覚化出来ないか】と依頼されて、今のその子には空気中に浮遊する不可視のソレが見えている状況な訳です。で、やっぱり毒ってあんまり良いイメージじゃないでしょ?……此処まで言えばもう分かるよね?〕
『ウゥ~(エグエグ)…凄く、どす黒い霧みたいだけど、……何か蠢いていて、イキモノみたいで………あ~いうの、ダメ何です私。……昔、【アレみたいなのが見えて、嫌な出来事】あったから(メソメソ)』
「(ナデナデ)(嫌な出来事……トラウマの一つだよね多分。なら…)((ヒナ姐、それオレにも見えるように出来ますか?……彼女一人だけ"違う風景"を見せたら駄目な気がします。他人との認識や経験の違いによる軋轢、………コレが彼女のトラウマ要因の根源、……不安の元だと思うから))」
巽の説明で理由を察した二人。奈良坂は"地上の風景を見せない様に"然り気無く移動をし、逆に佐鳥は"柚紀と同じ体験をする"事を選択した。【知らなければ何もして上げれない、……苦しみから助けて上げれない】と、前から感じていたからだ。そして〔どう見えるかは"君の想像力に左右される"……あまり具体的なイメージを抱かないようにね〕と、諸注意を受けた後、改めて地上の様子を見てみると【黒い雲海】の様な風景が広がっており、先程まで見えていた出水や三輪、太刀川もだがあの兵隊蟻集団も見えなく……時折、出水が放った弾が気流を生み出し一時的に晴れて姿が確認出来るが直ぐに見えなくなってしまう
とりあえず一度視線を外した佐鳥は、【そこまで自分はグロく見えないが、彼女が昔見た"黒いソレ"はナニが可視化・具現化したのか】を考えていると、三輪を古寺が支えた状態で二人が帰還する。「彼女は?」と古寺に訊ねられて言葉にはせず指差す佐鳥。一先ず
そちらに三輪を連れていくのを見送り、相変わらず動かずナニかを考えている佐鳥に問い掛ける時枝。少し躊躇したが巽に「とっきーにも同じ風にして下さい。……そっちの方が手っ取り早いので」と、同じ風景を見させて……納得させ、同じく考えさせる事にしたのだった
因みに顔半分が変色している三輪を見た瞬間に、再び錯乱状態になりつつゲームに出てくる回復呪文を色々唱えながら手を翳して可視化されたトリオンを放つ姿に最初は呆然と見つめていたが、我に返った古寺の焦り声に二人も思考の底から浮上して駆け寄り何とか落ち着かせたのだった