41.銀錫の曲~シルバーブレット~(106.
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"通称"を聞いた言実は《今、そちらに向かっている。それまでに二人を説得しろ》と言葉を残して通信を切る。それを聞いて小さくため息を漏らした後に『移動しながら話そうか』と行動を促し、歩み出したのと同時に語り始める
『……女王はちゃんと見てないけど、兵隊蟻に関してはほぼ攻略法は思いついているの。……【増殖する前に敵を全て叩く事、但し"可能性ならトリガーによる直接的でないのが好ましい"】。で、重要人物が出水先輩になる訳です』
「出水先輩???えっと、えーっと、……鍵はもしかして"メテオラ"?それとも"攻撃の手数"?そいつの性質がイマイチ分からないけど、何かゴリ押し戦法感強いよね?その攻略法」
「……鶴ヶ峰さんから出た"増殖"のワードと通称やトリガーによる直接攻撃を避けたい的な発言から察すると、今回の亜種は多分【大小様々な大きさをしている敵の集合体で、トリオンを媒体に増殖する】………で、合っている??」
『多分だけどね。……敵がいきなり成長したら分かりやすいんだけど、私と太刀川さんが現着してから誰もアイツにトリオン取られていないからまだ推測でしかないの。ただ近くでちゃんと観察すれば"表面が凸凹しているし、何か一個一個動いている感じしたし"極めつけは…あの四方八方から太さ細さや長さがバラバラな触手をが出る姿。アレは……あまり見たくない。アレはイキモノだろうけど………見た目が完璧にイソギンチャクだよ、うん。……あ、話が反れちゃったね!?兎に角【吸収や増殖をさせる暇(隙)を与えない】為には出水先輩並の火力が必要な訳です!で、メテオラが欲しい理由は"爆撃による爆風"でも多分敵を倒せる気がするの。……時枝くんなら"一個体はそこまで強くない"のは分かるよね?ってか(‐ カサカサカサカサカサ…ブチッ ‐)……二人とも普通にソレ潰して歩いているの、気づいてる?』
「えっ??(ヒョイッ)……わぁ~、何か靴裏に変なの居る。えっ?これも例の亜種なの???」
佐鳥に抱えられたまま移動している柚紀は、二人とも理解できる様に言葉を選んで説明をしている。最初に『まだ仮説の段階だよ?』と言っているので恐らく二人とも"全てを鵜呑み"にはしないだろうとも考えている。……佐鳥は全面的に信じているが、それも想定内なので割愛
そして"二人が側に居る安心感とは……恐らく別の要因"で、よくは見えないが"物音からして小さい亜種がそこらじゅうに潜伏している"と察している柚紀はあまり足元を見ないようにしていた。それに気づいた時枝が敢えて指摘せずに別で気になる事を訊ねる
「……幾つか良いかな?増殖やトリオン吸収をするとしても"弱点を攻撃すれば亜種は倒せる"よね?実際に小さめなモールモッドもそうだったし、多分三輪隊だって普通に攻撃した筈。でも倒せていない理由は??」
『そこは"通称の由来"が関係してくるの。……二人はさ【ベイト・ボール】って言う言葉知っている?』
「べ、べいとぼーる??えっと、……球技の名称?が、こんな時に使わないし多分今回の亜種に関係する事柄を指す言葉だよね?……………佐鳥は分かりません」
〔(クスッ)まぁ、普通に生活していたら使わない言葉だもんね。……ベイト・ボールは【被捕食者が捕食者から身を守る為に取る行動を指す言葉】だよ?ん~~……イワシやアンチョビが群を作って行動しているのを佐鳥くんはテレビで見たことない?〕
「ん?ん~……………あ!アレか!!確か大量の仲間と一緒に行動する事によって"自分は巨大な生物"と周囲に錯覚させる効果もあるよね?…ん?………あー、だからあの通称か~!浮遊していないから魚の行動を表した言葉を直接通称には使わず、モールモッド事態が虫に見えたりもするし集団行動する虫と言えば蟻が一番イメージしやすい!!………こんな感じか~」
「……つまりはスナイパーには"巨大な敵に見えて"高所からは"通常の弱点が狙えない"状態であり、前衛は"通常の弱点を攻撃しても倒せないから苦戦した"。………多分だけど、本当の弱点……この場合は"核"とか"中枢"と言うべきかな?それは何重にも守られた奥底にあるから、そこさえ潰されなければ幾らでも"壁"やら"兵士"を作り続けれる。まさに"蟻とか一部の昆虫や生物の生態に類似する"感じになるのかな?……所で、市河さんはどうして通信を繋いで来たの??………大丈夫なの?今、鶴ヶ峰さんと"同じ状況"なら大変な事になっていない?」
時枝の問いに対して使用した語源から説明しようとする柚紀。が、案の定佐鳥には理解できないらしく更に言葉を選ぼうとした柚紀に代わってシロが具体例を交えて説明しこれに納得。更には時枝独自の分析を加えた後に、シロの心配をする。……それに対してやはり"モヤモヤ感"を抱く柚紀は無意識に時枝から目を反らし、佐鳥に擦り寄る動作を取る。これを見て"寒いのかな?でも今はトリオン体だよね?"と少女の行動理由が掴めずに居ると、まるでこちらの様子などお見通しなシロが再び口を開く
〔大丈夫だよ時枝くん、確かにユズちゃんと繋がっているけどあくまでも"感覚共有"の状態で、私は毒素のあるトリオンを本当には取り込んでいないから平気。で、今はあの【特殊な検査室】に居て米屋先輩のトリオン体を分析しながら"毒素成分を抑えるトリオン"を私を使って編み出し中。……あ、コレも私には無害だから平気だよ?それに私を通じてユズちゃんにもその恩恵は流れているから、彼女に拒絶反応も出ない……筈だけし効果もあると思うけど、ナニか変化ある?((大丈夫だよユズちゃん、時枝くんは私"だけ"を心配している訳じゃないから。ちゃんと貴女の心配だってしてくれている。…と言うより私は"オマケ"だよ?彼が本当に心配しているのはきっと、ユズちゃんだもん!))〕
『!!?……(ポン!)………(プイッ)』
「えっと~~、……足の変色は確かに幾分か良くなったかな?で、お顔は~(ん?……確かに斑点は薄くなったけど、それ以上に顔赤くなっている??ナニかあったっけ?彼女が恥ずかしがったりする事)((……ねぇ柚紀ちゃん大丈夫?顔、赤いよ??))」
『!?(チラッ、チラッ)((だ、大丈夫じゃないかも。えっとさ、こうなっている理由、何となくしか私も分からなくてさ……でも、時枝くんに見られたら、多分追求されそうで、でもちゃんと答えれなくて、だから、その……))』
「((………(フワッ)つまりは、オレは平気でとっきーには見られたくないと!了解了解~!佐鳥に任せて!!))大丈夫そうだけど、やっぱり顔の斑点は消えてないね。だからとっきーは見ちゃ駄目だよ?……女の子は"そういうの"気にするんだから!!」
柚紀だけに聞こえたシロの言葉に顔を赤くさせ、それに気づいた佐鳥は理由が分からないので素直に訊ねれば"自分も曖昧できちんと説明できない"と素直に自白。その特別感が嬉しいのか、上手く時枝を丸め込む。対して"乙女心"は複雑なのと自分もあまり理解していないのを自覚しているので、ここはすんなり身を引いたのだった