40.兆しの曲~何かが変わろうとしている~(105.
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先行していた太刀川と柚紀は、三輪隊の担当地域に入るや否や言実からの指示でバックワームを着用していた。どうやら亜種対策の一環らしい。とは言っても着たのは太刀川"のみ"で柚紀はしていない。……抱っこされているのもあるし、トリガーセットしていないのも理由だ。別に【ホルダーの空きがない】訳ではないが、……とある理由によりわざとセットしていないのだ。それは………
「しっかし、まだまだ分からねぇ体質だよな~お前。……何で【バックワーム着用すると動きが鈍くなる】んだ?別に風の抵抗を受けたりとかはねぇだろ?トリオン体なら」
『……夏の騒動時は"生身だったし、熱が籠るから"でしたが……私は常に微量ながらトリオンを"起きている間は"放出しているから、こう……"蓋をされる感覚"なんだと思います。レーダーでの個人別探知は"トリオン反応"をベースにしていると聞いたせいなのか……兎に角バックワームとの相性が悪いんですよね、因みに短時間なら何とか大丈夫ですが、長時間は無理です。装着しているだけで、トリオン体に施されているセーフティー機能が発動しましたので』
「ま、柚紀の"戦闘スタイル"だと俊敏な動きが出来なくなるのは致命的だし、仕方ねぇな。……で、寝ている時は生命維持やら心の修復やらにトリオンを使うから放出しないし、逆に足りなくなるから周囲から吸収している……だっけか?(それに吸収する量も制御不可能だからつる姐はあれだけ【トリオン体での接触を禁止している】訳だ。……ってかトリオン体で"ミイラ"になったりは、ねぇか。維持が出来なくなれば解除されるよな普通は)」
この特殊な体質があってこそのサイドエフェクトなだけあって、色々注意点が多いのだ。別にこだわりさえなければここまで苦労はしないのだが、やはり頑固な一面がある柚紀は譲れない事案らしくデメリットを承知でバックワームは着ていないのだった。因みに今は太刀川が居るので"周囲を警戒する必要なし"と思っているので意識的に"トリオン放出を抑制"している状態である。……そんな話をしていると"目的"の隊員を目視出来る距離まで接近すると、目立つのを避けて使っていなかったグラスホッパーを使って一気に距離を積める。そこに居たのは
「(スタン!)よ!奈良坂。応援に来たぜ!!新種の亜種に関しては移動しながら一応月見から聞いたが、……状況は変わらずか?」
「!!太刀川さん?!それに………話には聞いていましたが、本当に現場に出てくるんだな君は。……バックワームを着ていないが、よく【敵に検知されないな】」
『えっと、……こう"不透明な膜を纏う"感じで反応検知をされ"にくく"していますので、変な事をしなければ大丈夫です、はい。今はヘイトを三輪先輩が集めて居ますから。で、……(ヒョコリ)……あれが【攻撃を無効化にして更に成長する亜種】ですか?見た感じ"巨体なだけ"であまり変わりませんよね、他と。それで先輩、【戦うならバックワーム必須と損傷は厳禁】と仰られた理由は何でですか?』
高所にある狙撃ポイントに居た奈良坂と合流する二人。普通なら地上で交戦中の三輪に合流すべきなのだが、月見……ひいては米屋から持たされた亜種に関する情報は"抽象的な説明ばかり"で中々イメージが掴めなかったからだ。(曰く、"吸血鬼に血を吸われる感覚"やら、"漂っていた綿毛がいきなりくっついてきた"との事である)……状況が分からない状態で敵に突貫するのはあまりにも無謀なので、何事も冷静に判断し観察力にも優れている奈良坂の元に向かったのだった。そして柚紀や太刀川の存在に気づいた古寺も合流してきたので、二人で状況を説明する
「あの亜種を認識出来たのは"二曲目の中盤位"……なんですよ。どうも此処はレーダーの不備が起こりやすいのか一曲目辺りから【其処ら一帯全体に"未登録の敵反応"に溢れていました】ので正確な出現したタイミングが分からなくて。……姿が見えない隠密型も疑いましたが、アレは既に判別可能ですからね。それで攻撃を無効化すると言いましたが……正確には【俺達の攻撃に用いたトリオンを吸収し成長、あまつさえ倒した敵の死骸すらアレは吸収したんです】」
「!!……成る程な、……コイツの歌の影響で"此処だってゲートが開いて敵が押し寄せた"にも関わらず…【敵の死骸が一体も転がっていない】のはそれが原因であり、三輪がアイツに攻撃をしていないのも"餌を与えない為"って訳か。……で、米屋がベイルアウトした理由や手傷を負うなって言うは何だ?アイツなら"カラクリ"が分かれば遅れを取らねぇだろ?」
「……ヘイトは陽介と三輪、どちらかに偏らない様に気を付けながら戦っていたました。ですが、…………陽介が損傷を負った瞬間に【その場に居た敵全てが陽介を狙い出した】んです。それでも何とか倒して数を減らしていたのですが……あの亜種が伸ばしてきた触手に陽介が触れた瞬間にベイルアウトしたんです。それを見た三輪はすかさず攻撃をしたのですが……【一部の装甲が触手に変化して弧月が絡め取られて三輪が反射的に手放したら目の前で溶かして呑み込まれてしまいました】。弾丸も同様でまるでダメージが通りません。今は逃げに徹していますが、あのままでは……」
状況はかなり悪いモノだった。例え亜種を倒せなくても通常ならスナイパーでも始末は可能だ。が、【倒せても"消滅"が不可能な以上】それは亜種に餌を与えるだけとなり、事態が悪化するだけなのだ。……………【方法は無くはない、だが明らかに今居るメンバーやトリガーでは"火力不足"】と柚紀そして言実は考えていた。とりあえず打開策を話そうとしたその時、古寺から焦りの声がしてそちらを見た瞬間
『み、三輪先輩っ!?(腕を斬られた?!でも敵の姿が見えないって事は……隠密型?!!このタイミングで見えない敵はマズイ!!………確信はないけど、一か八か、…やるしかない!?)……言実さん、出水先輩に早く合流する様に促して下さい。《……分かった、だが無茶はするな。此方も準備が出来次第合流する》……善処はしますが、約束は出来ません。………太刀川さん達はこのまま待機していて下さい。相手への対策が思いつかない以上、数が多くても意味はないので』
「……ナニをする気だ?お前があんな状態になった三輪を見過ごせる訳がねぇんだ。……!…まさか柚紀、お前っ!?」
"損傷を負う"トリガーを引いた以上、三輪が落とされるのは時間の問題であり、足止めが居なくなればあの敵は市街に進行する可能性がないとは断言出来ないこの状況となり……柚紀は決断するのだ。"今自分に出来る最大限の事をする"と。……性格的にナニをするかを察してしまった太刀川は、本音を言えば止めたかった。だが直ぐに無理だと諦めるのだ
‐ 今の柚紀の表情は、あの騒動の時に"もし上層部に喧嘩を売られたら買う"と断言したあの人と同じ。ならばこちらがナニを言っても聞く耳を持たないのだろうから ‐
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先行していた太刀川と柚紀は、三輪隊の担当地域に入るや否や言実からの指示でバックワームを着用していた。どうやら亜種対策の一環らしい。とは言っても着たのは太刀川"のみ"で柚紀はしていない。……抱っこされているのもあるし、トリガーセットしていないのも理由だ。別に【ホルダーの空きがない】訳ではないが、……とある理由によりわざとセットしていないのだ。それは………
「しっかし、まだまだ分からねぇ体質だよな~お前。……何で【バックワーム着用すると動きが鈍くなる】んだ?別に風の抵抗を受けたりとかはねぇだろ?トリオン体なら」
『……夏の騒動時は"生身だったし、熱が籠るから"でしたが……私は常に微量ながらトリオンを"起きている間は"放出しているから、こう……"蓋をされる感覚"なんだと思います。レーダーでの個人別探知は"トリオン反応"をベースにしていると聞いたせいなのか……兎に角バックワームとの相性が悪いんですよね、因みに短時間なら何とか大丈夫ですが、長時間は無理です。装着しているだけで、トリオン体に施されているセーフティー機能が発動しましたので』
「ま、柚紀の"戦闘スタイル"だと俊敏な動きが出来なくなるのは致命的だし、仕方ねぇな。……で、寝ている時は生命維持やら心の修復やらにトリオンを使うから放出しないし、逆に足りなくなるから周囲から吸収している……だっけか?(それに吸収する量も制御不可能だからつる姐はあれだけ【トリオン体での接触を禁止している】訳だ。……ってかトリオン体で"ミイラ"になったりは、ねぇか。維持が出来なくなれば解除されるよな普通は)」
この特殊な体質があってこそのサイドエフェクトなだけあって、色々注意点が多いのだ。別にこだわりさえなければここまで苦労はしないのだが、やはり頑固な一面がある柚紀は譲れない事案らしくデメリットを承知でバックワームは着ていないのだった。因みに今は太刀川が居るので"周囲を警戒する必要なし"と思っているので意識的に"トリオン放出を抑制"している状態である。……そんな話をしていると"目的"の隊員を目視出来る距離まで接近すると、目立つのを避けて使っていなかったグラスホッパーを使って一気に距離を積める。そこに居たのは
「(スタン!)よ!奈良坂。応援に来たぜ!!新種の亜種に関しては移動しながら一応月見から聞いたが、……状況は変わらずか?」
「!!太刀川さん?!それに………話には聞いていましたが、本当に現場に出てくるんだな君は。……バックワームを着ていないが、よく【敵に検知されないな】」
『えっと、……こう"不透明な膜を纏う"感じで反応検知をされ"にくく"していますので、変な事をしなければ大丈夫です、はい。今はヘイトを三輪先輩が集めて居ますから。で、……(ヒョコリ)……あれが【攻撃を無効化にして更に成長する亜種】ですか?見た感じ"巨体なだけ"であまり変わりませんよね、他と。それで先輩、【戦うならバックワーム必須と損傷は厳禁】と仰られた理由は何でですか?』
高所にある狙撃ポイントに居た奈良坂と合流する二人。普通なら地上で交戦中の三輪に合流すべきなのだが、月見……ひいては米屋から持たされた亜種に関する情報は"抽象的な説明ばかり"で中々イメージが掴めなかったからだ。(曰く、"吸血鬼に血を吸われる感覚"やら、"漂っていた綿毛がいきなりくっついてきた"との事である)……状況が分からない状態で敵に突貫するのはあまりにも無謀なので、何事も冷静に判断し観察力にも優れている奈良坂の元に向かったのだった。そして柚紀や太刀川の存在に気づいた古寺も合流してきたので、二人で状況を説明する
「あの亜種を認識出来たのは"二曲目の中盤位"……なんですよ。どうも此処はレーダーの不備が起こりやすいのか一曲目辺りから【其処ら一帯全体に"未登録の敵反応"に溢れていました】ので正確な出現したタイミングが分からなくて。……姿が見えない隠密型も疑いましたが、アレは既に判別可能ですからね。それで攻撃を無効化すると言いましたが……正確には【俺達の攻撃に用いたトリオンを吸収し成長、あまつさえ倒した敵の死骸すらアレは吸収したんです】」
「!!……成る程な、……コイツの歌の影響で"此処だってゲートが開いて敵が押し寄せた"にも関わらず…【敵の死骸が一体も転がっていない】のはそれが原因であり、三輪がアイツに攻撃をしていないのも"餌を与えない為"って訳か。……で、米屋がベイルアウトした理由や手傷を負うなって言うは何だ?アイツなら"カラクリ"が分かれば遅れを取らねぇだろ?」
「……ヘイトは陽介と三輪、どちらかに偏らない様に気を付けながら戦っていたました。ですが、…………陽介が損傷を負った瞬間に【その場に居た敵全てが陽介を狙い出した】んです。それでも何とか倒して数を減らしていたのですが……あの亜種が伸ばしてきた触手に陽介が触れた瞬間にベイルアウトしたんです。それを見た三輪はすかさず攻撃をしたのですが……【一部の装甲が触手に変化して弧月が絡め取られて三輪が反射的に手放したら目の前で溶かして呑み込まれてしまいました】。弾丸も同様でまるでダメージが通りません。今は逃げに徹していますが、あのままでは……」
状況はかなり悪いモノだった。例え亜種を倒せなくても通常ならスナイパーでも始末は可能だ。が、【倒せても"消滅"が不可能な以上】それは亜種に餌を与えるだけとなり、事態が悪化するだけなのだ。……………【方法は無くはない、だが明らかに今居るメンバーやトリガーでは"火力不足"】と柚紀そして言実は考えていた。とりあえず打開策を話そうとしたその時、古寺から焦りの声がしてそちらを見た瞬間
『み、三輪先輩っ!?(腕を斬られた?!でも敵の姿が見えないって事は……隠密型?!!このタイミングで見えない敵はマズイ!!………確信はないけど、一か八か、…やるしかない!?)……言実さん、出水先輩に早く合流する様に促して下さい。《……分かった、だが無茶はするな。此方も準備が出来次第合流する》……善処はしますが、約束は出来ません。………太刀川さん達はこのまま待機していて下さい。相手への対策が思いつかない以上、数が多くても意味はないので』
「……ナニをする気だ?お前があんな状態になった三輪を見過ごせる訳がねぇんだ。……!…まさか柚紀、お前っ!?」
"損傷を負う"トリガーを引いた以上、三輪が落とされるのは時間の問題であり、足止めが居なくなればあの敵は市街に進行する可能性がないとは断言出来ないこの状況となり……柚紀は決断するのだ。"今自分に出来る最大限の事をする"と。……性格的にナニをするかを察してしまった太刀川は、本音を言えば止めたかった。だが直ぐに無理だと諦めるのだ
‐ 今の柚紀の表情は、あの騒動の時に"もし上層部に喧嘩を売られたら買う"と断言したあの人と同じ。ならばこちらがナニを言っても聞く耳を持たないのだろうから ‐