40.兆しの曲~何かが変わろうとしている~(105.
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「…………とりあえず、敵は殲滅出来たか?ってか、お~い。大丈夫か~??生きているなら、……居るなら出てくるか返事しろ~!」
敵を一掃する為に容赦なく弾を放ったのが原因で周囲は建物な瓦礫の山が大量発生していた。…柚紀を狙う土竜のせいで一棟崩壊しているから増えても問題ないだろうと、出水は考え更に歌姫効果でパワーアップしたのも実感しており………些か調子に乗ってしまったのだった
そして"二人がベイルアウト"したまでは出水も確認はできたが、誰が飛んだかまでは知らないのだ。……とりあえず瓦礫に埋もれている生き残りを探している訳である。誰が居るかによって"後始末"が異なるのだ。そんな感じで呼び掛けながら歩いていると
‐ ガタン!…ガラガラガラ ‐
‐ ドカッ!………スタン ‐
「お!居た居た!!って…………まぁ何だ?"佐鳥"が居るのは、何となく分かっていたが……お前が残っていたのは意外だったぜ?てっきりあの木虎が居るって俺は予想していた。何時ものお前なら、絶対に仲間を庇うだろ?なぁ………"とっきー"??」
「「……………」」
出てきたのは佐鳥と時枝だった。互いにかなり複雑な表情をしており、顔を出水にすら見せようとしなかった。そんな"子ども染みた"態度を取る後輩二人に「先輩の顔を見やがれ!で、……あの二人が飛んだ理由は何だ?俺のせいか??」と二人を小突き、並べると腕を組んで尋問を始める。チラッと互いを見た後に、佐鳥から状況説明を開始する
「……まぁ、それもあります。弾丸の雨を回避するのに集中し過ぎて、…死角から接近する敵にオレは気づかなかった。で、……そんなオレを庇ったら木虎が相討ちする形でベイルアウト、しました。……年下に、それも女子に庇われる何て……流石に凹みますよ」
「……ま、スナイパーがあんだけの弾で狙われる事は滅多にねぇから対処に困るのは………分からなくもないか?で、……俺程じゃないにしろ弾丸の雨の経験があるであろう前衛とっきーは嵐山さんに庇われたって感じか?……"原因は何だ?"佐鳥みたいな経験不足とかじゃないだろ?何に対して動揺したんだよ?」
「……佐鳥のせいにする訳じゃないですが、………飛ぶ直前に木虎がナニか言われて、戸惑っていたコイツが今度は先輩の弾に当たりそうになったのを反射的にシールドを張って……そしたらおれも、………"弾と敵"への対処に遅れてしまって。そしたら嵐山さんがおれを"崩壊している建物の方に"押したんです。勿論直ぐに助けようとしましたが…………"隊長命令"をされてしまい、動けなかった一瞬のうちに……」
「瓦礫に埋もれたって感じだな。敵だって瓦礫を掻き分けてまでお前を追う理由がない。……これが柚紀ちゃんなら、話は変わるけどな。弾だって貫通能力は無いからあれだけ沢山の瓦礫があれば、とっきーに被弾する可能性は限りなくゼロだな。………因みに互いに"何を言われたんだ?"ここまで来たんだ、白状しやがれ。じゃねぇと…………姐さんに尋問してもらうぞ?」
二人の説明を聞いて出水も多少は……責任を感じては居た。が、あの時はアレが最善だと自分で判断して実行したので後悔はしていない。そして年下だがいずれA級隊員になるだけの実力を有する二人、……現場で"柚紀以外が原因で"動けなくなるのかが気になり、原因を更に追求する。ダメ押しで言実の名を出されればやはり二人もお手上げらしく、渋々ながら仲間に言われた事を口にする
‐ 先輩を泣かせておいてそのままにするつもりですか?"全ての女の子が好き"と明言している以上、ちゃんとご自分の言葉に責任持って下さい!! ‐
‐ 隊長命令だ!きちんと柚紀ちゃんに謝ってこい!!そうでないと、……彼女はボーダーにも学校にも行けなくなる!?あの子の居場所を奪うな!!?後からじゃ駄目だ!!……今すぐに仲直りして"三人"で帰ってこい! ‐
そんな二人には効果的な事を言う二人は、もしかすると【本人達以上に色々理解している】のかも知れない。……意外と他人の方が分かっている事もあるのだから。そんな仲間の後押しをされても中々動かない後輩を見て、大きく溜め息を漏らした出水は仕方なく助け舟を出す
「ったく(ガシガシ)……本当はお前達何て放っておいて太刀川さん達を追い掛けたいぞ俺は!だけどな、…………多分今の柚紀ちゃんは何時もみたいに亜種への対応が出来ない、気がする。槍バカが居ない状態で秀次に逢っているんだぞ?それもアイツ、太刀川さんとの相性も良くねぇし、……不安しかねぇ。ただでさえ今日二宮さんと遭遇してるし、……何か色々悩みがあるみてぇでさ………って、お前等もう少しあの子を気遣え!!ちゃんと見てれば分かる筈だぞ?!言わないから大丈夫?…うんな訳ねぇだろ!!!あの子の【心の傷は未だに完治してねぇ!!それ所か中途半端な優しさが悪化させているんだ!!】……いい加減自覚しろ?!彼女にとって自分達はどんな存在なのかを!!と、言うよりだ……(スウゥ)
一体何時まで"好きな子"を悲しませたり寂しい思いさせれば気が済むんだよ!?!とっとと告白して幸せにしやがれ!!!」
「「……へっ?!!/……えっ???」」
長々と文句やら愚痴を溢す出水の言葉を甘んじて聞き入れていた二人だが、最後の方に放たれた"爆弾発言"には流石に反応を示し、内容を理解すると……隊服に負けない位に顔を赤くさせたのだった
動揺し過ぎて言葉になっていないが"な、何でそんな事っ"やら"何故バレた"と言いたげな二人を見て「見てれば分かるぜ?お前等明らかにあの子に対しての接し方やら反応や表情、……眼差しとかが違うからな」と更にキッパリ断言した所に言実から通信が入る。内容は【新種の亜種に対する有効なトリガーを"今の"メンバーは持っていないから早急に合流しろ】との事だった。それを聞いて"欲しいトリガーは何か"の見当をつけた出水は、未だに赤くさせている後輩二人にこう囃し立てる
「おら!とっとと行くぞ!!……太刀川さんも言っただろ?【立ち止まらずに体と頭を動かし続けろ】ってな!!………別に今すぐに"あの子の一番"になるのは無理だろうし、それを伝えろなんて言えねぇが……ちゃんと応えてやれ。柚紀ちゃんは意外と寂しがり屋で泣き虫だろ?言えなくたってちゃんと"合図"は出しているし、………側にお前等が居たくないって言うなら、…話は別だけどな。違うだろ?頼られている野郎に対して焼き餅……【嫉妬】してるんだからさ」