39.寒露の曲~甘い中には冷たさも潜む~(104.
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‐ …スッ……キイィーン ‐
「!?固定シールドっ!!…何で、こんな事をっ!?(ドンドン)……答えてよ!?柚紀ちゃんっ!!?」
「それも固定シールドを二つ同時とか、……サイドエフェクトがあるからって無茶しちゃ駄目だ!?」
『…っ!?………今の二人は何時もとナニかが違う。何処か冷静さがない、……"君達らしくない"…そんな気がするの。……(ギュッ)言った筈だよ?私は、…コレが自分の役目だと納得している。例え大変でも、私がやるべき事だと……私が原因で新種の亜種が出たのなら、責任は自分で取ります』
「……頑固過ぎるよもう!?(ドン!)そうやって無茶した後、君は何時も倒れるじゃんかっ!?(ドンドン!)何で、学習しないのさっ!!?(…ドン!!)(俺は君が傷つく姿を見たくはないのに!?)」
「………偶然、何て言えないのは分かっている。…新種の亜種が出るのは決まって君が現場に居る時だ。でも、……それを一人で解決するのは…(ギュッ!)背負うのはあまりにも無謀すぎるよ(どうすれば、君の助けになるかがおれには分からない。だから、…教えて欲しい。……って言えたら良いのに)」
佐鳥と時枝に話し掛ける前に"動きを制限するが身の安全確保"の為にと、半球体の固定シールドを各自に張る柚紀。佐鳥は反射的にシールドを叩く傍ら、コレには時枝も動揺してしまい焦りや感情を露にする。そんな言動に何処か"嬉しさも悲しさも感じてしまう"柚紀は、以前にも断言した事を繰返し口にする。そしてこれに対する二人の言動を見聞きした柚紀は……【内心で悲しみが勝ったのを感じ、……それを表に出さない為に】……心に反する事を、表情をするのだ
『……(スウゥ)そうやって一方的に言うだけ、求めるだけ?じゃあ貴方達は私にナニをしてくれますか?私はちゃんと"自分の行動原理"を口にした。……何時も言っているよ?"私が私らしくある為に"と。……ねぇ、二人はどうして……私と、関わるの?私の側に、……側に置いてくれるの?』
「っ!?……君を、…女の子を気にするなって言われても佐鳥には無理です!……風音ちゃんやおつるちゃんは兎も角、やっぱり女の子は"か弱い存在"だから!」
‐ ……ズキッ ‐
「……鶴ヶ峰さんの抱えている事情は君一人でどうにか出来るモノじゃない。……あの言実さんだって色々苦戦しているし、あの人も仕事や立場がある。だからずっと側には居られない。だから……少しでも助けになれればと思って」
‐ …ズキッ、ズキッ ‐
……あの柚紀から"表情が一時的に消えたのだ"。まるで何時も無表情な言実の様に。最後の方は感情が滲み出て、泣きそうな表情を見せた彼女を見て【二人とも嘘偽りのない本心で語る】。だが、……【少女が欲しい言葉では無かった】のだった。故に……
‐ ……プツン… ‐
『……二人と、違う?……巫山戯ないでっ!!確かにあの二人は強いけど、普通の女の子であり一人の女性でしかない!!?それに私だって、……ずっと護られてばかりのお姫様で居るつもりもない!?…"いれる筈がないのっ"!!!
(ポタポタ)(私は、強くならなきゃいけない。そうでないと何時か後悔する……【大切な人を"私の抱えている事情"で危険な目に遭わせない為にも】……佐鳥くんだって例外じゃない、うぅん。君が傷つくのは、…笑顔が見れなくなるのは私にはタエラレナイ)』
「…………えっ?!?」
柚紀に怒鳴られた事に、その内容に……口は動いていないが確かに聞こえた少女の言葉に理解が追い付けず呆然としてしまう。そして泣いてしまった柚紀を見て「シールドを解いて!?」と訴える時枝を見つめながら、涙を拭わず寂しそうな表情をしながらこう言い放つ
『ほら、やっぱり。……何時もの君ならこんな時でも冷静さを失わないし、さっきの太刀川さんの言い分だって真に受けない。…【君とこの人では立場も立ち位置も……目指している場所が違う】から。そのシールドだって無理して二つ出しているから耐久はそこまで高くはない、……ちゃんと考えれば自力で出れるよ?例え私が君よりトリオン量が多くても、ソレにはそこまでトリオンは使っていないから((ねぇ時枝くん、君は"誰かの為に"とよく言うし、行動もその通りに動いているけど……【私と関わるな】と誰かに、言実さんに言われたら、そうするの?ねぇ、…答えてよ!?))』
「っ!!?……おれ、はっ!」
冷静に指摘した言葉とは裏腹に、内部通話では"ずっと聞けなかった事"を訊ねる柚紀。これに対して直ぐ様に行動も起こせず、…答えれない時枝。明らかに戸惑い困っている二人から目を逸らさず涙も拭わずに見つめる柚紀、だが……心は悲鳴を上げており側に居る太刀川の服をそっと握り締める。……"二人には見えない様にコッソリと"。それに太刀川もたが出水も気づき目配りをすれば、太刀川は頭を一撫でして再びお姫様抱っこをし、出水は「すみませんが姐さん、遠隔操作で"固定シールド"解除出来ますか?何か反射的に張ったのが解除出来なくなったみたいで」と、二人に施されたシールド解除を要求する。……二人を足止め・敵から守っていたモノが無くなり自由にも無防備にもなったのを確認した太刀川は、二人に背を向けた後に最後の追い討ちをかける
「ま、そう言うこった。……コイツが現状のまま良しとする奴じゃねぇ、常に前を歩き続ける………歩かなきゃならねぇ立場だ。そんな柚紀と"どう有りたいか"、答えが決まって無くても体を…頭を動かし続けろ。でねぇと、……(ギロッ)簡単に置いていかれると自覚しやがれ。(クルッ)…先に行く、後始末任せるぞ出水(ダン!!)」
「了解です!!終わらせたら直ぐに後を追いますんで!!……さて(キイィーン)……早速テストと行こうか?悪いが敵の数も多いし、お前等はあの人がA級になれるだろうと言っていた。……諏訪さん達が居た時みたいに"手加減する"つもりはない。この程度回避出来ねぇ奴を、妹みたいなあの子の側に居るのを……俺は認めないぜ?」
‐全攻撃追尾弾 ‐
背後から聞こえる壮大な戦闘音。……そして視界の隅に"光の筋が二本"見えた気がした柚紀は、気持ちを切り換える為に………"自分の安寧の為に"残り歌詞を小声で紡ぐ。……その歌詞が"少女の気持ちを体現している"風に感じた太刀川は何も言わずただ足を動かすのであった
「!?固定シールドっ!!…何で、こんな事をっ!?(ドンドン)……答えてよ!?柚紀ちゃんっ!!?」
「それも固定シールドを二つ同時とか、……サイドエフェクトがあるからって無茶しちゃ駄目だ!?」
『…っ!?………今の二人は何時もとナニかが違う。何処か冷静さがない、……"君達らしくない"…そんな気がするの。……(ギュッ)言った筈だよ?私は、…コレが自分の役目だと納得している。例え大変でも、私がやるべき事だと……私が原因で新種の亜種が出たのなら、責任は自分で取ります』
「……頑固過ぎるよもう!?(ドン!)そうやって無茶した後、君は何時も倒れるじゃんかっ!?(ドンドン!)何で、学習しないのさっ!!?(…ドン!!)(俺は君が傷つく姿を見たくはないのに!?)」
「………偶然、何て言えないのは分かっている。…新種の亜種が出るのは決まって君が現場に居る時だ。でも、……それを一人で解決するのは…(ギュッ!)背負うのはあまりにも無謀すぎるよ(どうすれば、君の助けになるかがおれには分からない。だから、…教えて欲しい。……って言えたら良いのに)」
佐鳥と時枝に話し掛ける前に"動きを制限するが身の安全確保"の為にと、半球体の固定シールドを各自に張る柚紀。佐鳥は反射的にシールドを叩く傍ら、コレには時枝も動揺してしまい焦りや感情を露にする。そんな言動に何処か"嬉しさも悲しさも感じてしまう"柚紀は、以前にも断言した事を繰返し口にする。そしてこれに対する二人の言動を見聞きした柚紀は……【内心で悲しみが勝ったのを感じ、……それを表に出さない為に】……心に反する事を、表情をするのだ
『……(スウゥ)そうやって一方的に言うだけ、求めるだけ?じゃあ貴方達は私にナニをしてくれますか?私はちゃんと"自分の行動原理"を口にした。……何時も言っているよ?"私が私らしくある為に"と。……ねぇ、二人はどうして……私と、関わるの?私の側に、……側に置いてくれるの?』
「っ!?……君を、…女の子を気にするなって言われても佐鳥には無理です!……風音ちゃんやおつるちゃんは兎も角、やっぱり女の子は"か弱い存在"だから!」
‐ ……ズキッ ‐
「……鶴ヶ峰さんの抱えている事情は君一人でどうにか出来るモノじゃない。……あの言実さんだって色々苦戦しているし、あの人も仕事や立場がある。だからずっと側には居られない。だから……少しでも助けになれればと思って」
‐ …ズキッ、ズキッ ‐
……あの柚紀から"表情が一時的に消えたのだ"。まるで何時も無表情な言実の様に。最後の方は感情が滲み出て、泣きそうな表情を見せた彼女を見て【二人とも嘘偽りのない本心で語る】。だが、……【少女が欲しい言葉では無かった】のだった。故に……
‐ ……プツン… ‐
『……二人と、違う?……巫山戯ないでっ!!確かにあの二人は強いけど、普通の女の子であり一人の女性でしかない!!?それに私だって、……ずっと護られてばかりのお姫様で居るつもりもない!?…"いれる筈がないのっ"!!!
(ポタポタ)(私は、強くならなきゃいけない。そうでないと何時か後悔する……【大切な人を"私の抱えている事情"で危険な目に遭わせない為にも】……佐鳥くんだって例外じゃない、うぅん。君が傷つくのは、…笑顔が見れなくなるのは私にはタエラレナイ)』
「…………えっ?!?」
柚紀に怒鳴られた事に、その内容に……口は動いていないが確かに聞こえた少女の言葉に理解が追い付けず呆然としてしまう。そして泣いてしまった柚紀を見て「シールドを解いて!?」と訴える時枝を見つめながら、涙を拭わず寂しそうな表情をしながらこう言い放つ
『ほら、やっぱり。……何時もの君ならこんな時でも冷静さを失わないし、さっきの太刀川さんの言い分だって真に受けない。…【君とこの人では立場も立ち位置も……目指している場所が違う】から。そのシールドだって無理して二つ出しているから耐久はそこまで高くはない、……ちゃんと考えれば自力で出れるよ?例え私が君よりトリオン量が多くても、ソレにはそこまでトリオンは使っていないから((ねぇ時枝くん、君は"誰かの為に"とよく言うし、行動もその通りに動いているけど……【私と関わるな】と誰かに、言実さんに言われたら、そうするの?ねぇ、…答えてよ!?))』
「っ!!?……おれ、はっ!」
冷静に指摘した言葉とは裏腹に、内部通話では"ずっと聞けなかった事"を訊ねる柚紀。これに対して直ぐ様に行動も起こせず、…答えれない時枝。明らかに戸惑い困っている二人から目を逸らさず涙も拭わずに見つめる柚紀、だが……心は悲鳴を上げており側に居る太刀川の服をそっと握り締める。……"二人には見えない様にコッソリと"。それに太刀川もたが出水も気づき目配りをすれば、太刀川は頭を一撫でして再びお姫様抱っこをし、出水は「すみませんが姐さん、遠隔操作で"固定シールド"解除出来ますか?何か反射的に張ったのが解除出来なくなったみたいで」と、二人に施されたシールド解除を要求する。……二人を足止め・敵から守っていたモノが無くなり自由にも無防備にもなったのを確認した太刀川は、二人に背を向けた後に最後の追い討ちをかける
「ま、そう言うこった。……コイツが現状のまま良しとする奴じゃねぇ、常に前を歩き続ける………歩かなきゃならねぇ立場だ。そんな柚紀と"どう有りたいか"、答えが決まって無くても体を…頭を動かし続けろ。でねぇと、……(ギロッ)簡単に置いていかれると自覚しやがれ。(クルッ)…先に行く、後始末任せるぞ出水(ダン!!)」
「了解です!!終わらせたら直ぐに後を追いますんで!!……さて(キイィーン)……早速テストと行こうか?悪いが敵の数も多いし、お前等はあの人がA級になれるだろうと言っていた。……諏訪さん達が居た時みたいに"手加減する"つもりはない。この程度回避出来ねぇ奴を、妹みたいなあの子の側に居るのを……俺は認めないぜ?」
‐
背後から聞こえる壮大な戦闘音。……そして視界の隅に"光の筋が二本"見えた気がした柚紀は、気持ちを切り換える為に………"自分の安寧の為に"残り歌詞を小声で紡ぐ。……その歌詞が"少女の気持ちを体現している"風に感じた太刀川は何も言わずただ足を動かすのであった