39.寒露の曲~甘い中には冷たさも潜む~(104.
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落下している嵐山隊は完全に無視して柚紀だけを回収した太刀川は辛そうにしている少女に言実の伝言を伝える。それを聞いて小さく呟いた
‐ 彼の……彼等の為には、今は……歌えない。歌いたくない ‐
と
それを聞いて太刀川はこう返えす「なら俺の……出水の為に歌え。小声でも構わねぇ、……ちゃんと聞こえっからさ、な?」……それを聞いて出水に視線を向ければ、目敏く気づき笑顔で手を振ってくれたのだった。ちゃんと反応してくれてホッと安堵した柚紀は、独り言を呟くかの様に続きの歌を紡ぐ
~ 限界のない可能性がここにある この手に
I'ts gonna be your world ~
〔ん?……お~!!太刀川さんは微妙にだけど、いずみんのトリオン体の性能はちゃんとアップしてる~!?それとトリオン減少がほぼ無くなっている?……コレって結局どんな原理が働いているの???〕
《別に特別な事を柚紀はしておらぬ。"互いに思い合ってさえいれば"あの子のトリオンが他者の身体機能を増幅させる、……何かで言っていた【信じる心が力になる】を体現しておる訳だ。(後は自分を気遣ってくれた出水に対して些細なお礼として怪我を塞いだか?)〔言実、あんまりのんびりもしてられないよ?〕……お喋りは此処までにしよう、………太刀川》
「分かってますよつる姐。……悪いが三輪隊が担当する地域に新種の亜種が出た、それの対処の為に俺とコイツは此処を離れる。……これはあの人の指示だ、悪いが邪魔しないでくれ」
「!!?……新種の亜種が出た際に彼女…鶴ヶ峰さんの常識に囚われない自由で柔軟な発想力が、状況打開に導いたのは聞いていますが………太刀川さんだけで、大丈夫ですか?」
比較的近くに居る嵐山隊には数値変動はないが、出水にだけきちんと歌姫効果を受けているのが分からない国近に言実が簡潔に説明をしつつ、ベイルアウトした米屋が月見に状況を話しているのを知る巽に催促され、やはり"かなり面倒な亜種が出た"と察し太刀川に移動を促す。それを聞いた太刀川は嵐山達に断らずに行くのも出来たが、……"勝手な行動をされたら足手まとい"と思い言実の名を出して暗に【ついて来るな】と脅す。これに対してほぼ正論を口にする時枝だが、……相手が悪かった
「……言った筈だ、これは【つる姐の指示】だとな。あの人はコイツの護衛は俺だけで平気と判断した、………文句があるならあの人にいや、…俺に一度でも勝ってからにしろ。それからその言い分は聞いてやるよ、時枝」
「っ!?………………分かりました(‐ タタタタ ‐)」
「(‐ ドーン! ‐)ま、待って下さいっ!!今日は元々柚紀ちゃんは此処に来る予定じゃなかった!?たまたま居合わせただけなのに、どうして…「なら、何でお前は此処に居るんだ佐鳥」……えっ??……出水、先輩?」
……そう、相手は太刀川慶。ボーダーの"現役隊員"では最強と言っても過言ではない男なのだ。その相手に時枝は"勝てるか?"と問われても是とは言い返す自信のなく、……大人しく引き下がるのであった。が、次に佐鳥が異議を唱えると……これに反論したのは敵と対峙している出水であった(因みに嵐山達も各自戦いながら話しており、太刀川(と柚紀)は建物上に居る状態で戦闘には不参加だ)
「佐鳥だって防衛任務……いや、"今日は"本部に居なかっただろ?何でわざわざ来たんだ?」
「そ、それは……綾辻先輩から連絡が来て…、それで」
「……俺が綾辻達に合流した時は確かに携帯を気にしてはいたが、操作をしていなかった。多分だが"詳細は省いて"先ずは連絡した。で、落ち着いた若しくは俺達が居なくなってからお前は綾辻からのメッセージに気づいて連絡、状況を"途中までしか聞かずに"此処に来た。……確か諏訪さん達が彼女と任務に就いていた時だって、"同じ様な事"しただろ?」
「えっ?!諏訪さんに、任務?……!…あの妨害型の亜種が出た時の、ですよね??でも、時枝先輩は…………何で"嘘"を付いたんですかっ??!」
「「っ!!」」
出水、そして木虎の問いに瞬時に答えられず躊躇してしまう二人。……そのせいで切断はしなかったが各自敵からの攻撃を受けてしまう。…今まで嵐山達が手傷を負う姿を見たことが無かった柚紀には衝撃的で、小さく悲鳴を上げてしまう。……顔色が真っ青に近いのに気づいた太刀川が直ぐにこの場を離れようとしたが「柚紀ちゃん、答えてよっ!!どうして君が行かないといけないのさっ?!!」と佐鳥に言われてしまい……
『…………降ろして太刀川さん、…聞かれた事には答えないと。(……前にも言った筈なのに、忘れてしまったの?なら私は……)…何度も言わないと伝わらない、私が本気だって事を。中途半端な気持ちでない、……私が決めた、本心だって事を』
「……(スッ)手短にしろよ?多分向こうも長くは持たねぇぞ?」
『(コクン)……嵐山さんは本部に来ていたかは知りませんでしたが、…私のせいでご足労掛けちゃって御免なさい。でも有り難う御座います、来てくれて嬉しかったです』
「(‐ ゾクッ ‐)……俺にとって君はもう一人の妹みたいな存在だ!!だからこの位、苦じゃない!!?それに、…俺は勝手にだが決めたんだ!!【自由に動けない迅の分まで君を守る】と!だから謝らないでくれ柚紀ちゃんっ!?」
太刀川に降ろされた柚紀は"確かに微笑んでは居るが"、何処か寂しさや怒り、更には悲しみを抱いている印象を窺えてしまう。そして彼女が紡ぐ言葉がまるで"今生の別れ"に感じしまった嵐山には焦りの表情を浮かべていた
……理由は分からないが、何となく自分を引き留めようとしている嵐山から視線を外して次に見たのは
『木虎ちゃん、時枝くんを責めないで。……私の抱えている事情は複雑でとても面倒なの。貴女は覚える事や、やるべき事が沢山ある。………多分選択させたかったんだと思うの。…私と関わる事を貴女自ら望むかが、分からないから』
「っ!!そんなの、……望むに決まっていますよ!!?貴女は……私がこの隊に入る切っ掛けをくれた方と嵐山先輩から窺いました!!先輩は"そんな事"と軽率なお考えかも知れませんが、言実お姉様同様に感謝しています!!そんな方を無下には……"恩を仇で返す"何て私には出来ません!!!」
あの時枝が動揺してしまい怪我をした言葉を紡いだ木虎に対して【自分の事を思っての言動】と、分かって欲しくて泣きそうな表情でだが声音は"些か冷たさ"を感じさせるモノだった。そんな【本音と建前が合っていなく、何も詳しくは知らない、たが放っておけない】……何処か危うい柚紀に対していつも通りハッキリと明言する木虎。……そして、最後に
‐ 彼の……彼等の為には、今は……歌えない。歌いたくない ‐
と
それを聞いて太刀川はこう返えす「なら俺の……出水の為に歌え。小声でも構わねぇ、……ちゃんと聞こえっからさ、な?」……それを聞いて出水に視線を向ければ、目敏く気づき笑顔で手を振ってくれたのだった。ちゃんと反応してくれてホッと安堵した柚紀は、独り言を呟くかの様に続きの歌を紡ぐ
~ 限界のない可能性がここにある この手に
I'ts gonna be your world ~
〔ん?……お~!!太刀川さんは微妙にだけど、いずみんのトリオン体の性能はちゃんとアップしてる~!?それとトリオン減少がほぼ無くなっている?……コレって結局どんな原理が働いているの???〕
《別に特別な事を柚紀はしておらぬ。"互いに思い合ってさえいれば"あの子のトリオンが他者の身体機能を増幅させる、……何かで言っていた【信じる心が力になる】を体現しておる訳だ。(後は自分を気遣ってくれた出水に対して些細なお礼として怪我を塞いだか?)〔言実、あんまりのんびりもしてられないよ?〕……お喋りは此処までにしよう、………太刀川》
「分かってますよつる姐。……悪いが三輪隊が担当する地域に新種の亜種が出た、それの対処の為に俺とコイツは此処を離れる。……これはあの人の指示だ、悪いが邪魔しないでくれ」
「!!?……新種の亜種が出た際に彼女…鶴ヶ峰さんの常識に囚われない自由で柔軟な発想力が、状況打開に導いたのは聞いていますが………太刀川さんだけで、大丈夫ですか?」
比較的近くに居る嵐山隊には数値変動はないが、出水にだけきちんと歌姫効果を受けているのが分からない国近に言実が簡潔に説明をしつつ、ベイルアウトした米屋が月見に状況を話しているのを知る巽に催促され、やはり"かなり面倒な亜種が出た"と察し太刀川に移動を促す。それを聞いた太刀川は嵐山達に断らずに行くのも出来たが、……"勝手な行動をされたら足手まとい"と思い言実の名を出して暗に【ついて来るな】と脅す。これに対してほぼ正論を口にする時枝だが、……相手が悪かった
「……言った筈だ、これは【つる姐の指示】だとな。あの人はコイツの護衛は俺だけで平気と判断した、………文句があるならあの人にいや、…俺に一度でも勝ってからにしろ。それからその言い分は聞いてやるよ、時枝」
「っ!?………………分かりました(‐ タタタタ ‐)」
「(‐ ドーン! ‐)ま、待って下さいっ!!今日は元々柚紀ちゃんは此処に来る予定じゃなかった!?たまたま居合わせただけなのに、どうして…「なら、何でお前は此処に居るんだ佐鳥」……えっ??……出水、先輩?」
……そう、相手は太刀川慶。ボーダーの"現役隊員"では最強と言っても過言ではない男なのだ。その相手に時枝は"勝てるか?"と問われても是とは言い返す自信のなく、……大人しく引き下がるのであった。が、次に佐鳥が異議を唱えると……これに反論したのは敵と対峙している出水であった(因みに嵐山達も各自戦いながら話しており、太刀川(と柚紀)は建物上に居る状態で戦闘には不参加だ)
「佐鳥だって防衛任務……いや、"今日は"本部に居なかっただろ?何でわざわざ来たんだ?」
「そ、それは……綾辻先輩から連絡が来て…、それで」
「……俺が綾辻達に合流した時は確かに携帯を気にしてはいたが、操作をしていなかった。多分だが"詳細は省いて"先ずは連絡した。で、落ち着いた若しくは俺達が居なくなってからお前は綾辻からのメッセージに気づいて連絡、状況を"途中までしか聞かずに"此処に来た。……確か諏訪さん達が彼女と任務に就いていた時だって、"同じ様な事"しただろ?」
「えっ?!諏訪さんに、任務?……!…あの妨害型の亜種が出た時の、ですよね??でも、時枝先輩は…………何で"嘘"を付いたんですかっ??!」
「「っ!!」」
出水、そして木虎の問いに瞬時に答えられず躊躇してしまう二人。……そのせいで切断はしなかったが各自敵からの攻撃を受けてしまう。…今まで嵐山達が手傷を負う姿を見たことが無かった柚紀には衝撃的で、小さく悲鳴を上げてしまう。……顔色が真っ青に近いのに気づいた太刀川が直ぐにこの場を離れようとしたが「柚紀ちゃん、答えてよっ!!どうして君が行かないといけないのさっ?!!」と佐鳥に言われてしまい……
『…………降ろして太刀川さん、…聞かれた事には答えないと。(……前にも言った筈なのに、忘れてしまったの?なら私は……)…何度も言わないと伝わらない、私が本気だって事を。中途半端な気持ちでない、……私が決めた、本心だって事を』
「……(スッ)手短にしろよ?多分向こうも長くは持たねぇぞ?」
『(コクン)……嵐山さんは本部に来ていたかは知りませんでしたが、…私のせいでご足労掛けちゃって御免なさい。でも有り難う御座います、来てくれて嬉しかったです』
「(‐ ゾクッ ‐)……俺にとって君はもう一人の妹みたいな存在だ!!だからこの位、苦じゃない!!?それに、…俺は勝手にだが決めたんだ!!【自由に動けない迅の分まで君を守る】と!だから謝らないでくれ柚紀ちゃんっ!?」
太刀川に降ろされた柚紀は"確かに微笑んでは居るが"、何処か寂しさや怒り、更には悲しみを抱いている印象を窺えてしまう。そして彼女が紡ぐ言葉がまるで"今生の別れ"に感じしまった嵐山には焦りの表情を浮かべていた
……理由は分からないが、何となく自分を引き留めようとしている嵐山から視線を外して次に見たのは
『木虎ちゃん、時枝くんを責めないで。……私の抱えている事情は複雑でとても面倒なの。貴女は覚える事や、やるべき事が沢山ある。………多分選択させたかったんだと思うの。…私と関わる事を貴女自ら望むかが、分からないから』
「っ!!そんなの、……望むに決まっていますよ!!?貴女は……私がこの隊に入る切っ掛けをくれた方と嵐山先輩から窺いました!!先輩は"そんな事"と軽率なお考えかも知れませんが、言実お姉様同様に感謝しています!!そんな方を無下には……"恩を仇で返す"何て私には出来ません!!!」
あの時枝が動揺してしまい怪我をした言葉を紡いだ木虎に対して【自分の事を思っての言動】と、分かって欲しくて泣きそうな表情でだが声音は"些か冷たさ"を感じさせるモノだった。そんな【本音と建前が合っていなく、何も詳しくは知らない、たが放っておけない】……何処か危うい柚紀に対していつも通りハッキリと明言する木虎。……そして、最後に