39.寒露の曲~甘い中には冷たさも潜む~(104.
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~ 祈るように星のように
ちいさな光だけど何時(いつ)かは ~
‐ …パッ!パパパパ!!?……バチ!バチバチバチバチっ!? ‐
‐ ……ドーン!…ドーン!タタタタ、タタタタ……ドンドーン! ‐
‐ ボヨン!!ボヨボヨボヨ、ボヨーン!! ‐
~ もっと もっと つよくなりたい ~
‐ ドカーーン!! ‐
「……な、ナニが起きたんだ一体」
「ん?……先ず柚紀が張ったシールド五枚にバンダーの砲撃がヒットしただろ?で、それを嵐山達が撃った。すると【シールドがゴムみたいに変形して砲撃が跳ね返って】それが各自バンダーに命中した。こんな感じだろうな。ってかバンダーの砲撃を受けた時からシールドは変形してたな~。……アレか?さしずめ"シールドとグラスホッパーの合わせ技"ってか?能力有りきな事とは言えど本当に面白い奴だな~柚紀は。……早く"正式にボーダーに入隊"してくれねぇかな~?アイツが"シューター"になったら絶対に"面白い合成弾"作るぜ?なぁ、出水??」
「……(コリコリ)でしょうね。柚紀ちゃんの目下の目標は【サイドエフェクトも上手く駆使して皆と一緒に戦う】ですから。で、ポジションは明言してませんが、……あの子の良さを十二分に活かすなら、やっぱりシューターですかね?後はスコーピオン持ちのアタッカーで……スナイパーはないか。性格的に"我慢させ過ぎる"のは良くないですからね」
と、暢気に話をしている太刀川達であった。地上に柚紀が居ないお陰で土竜が出てこなく、新たなゲートも開いていない事もあり……倒しきってしまい暇をもて余していたのだった。………どうせだし、此処と柚紀は嵐山達に他の地域に加勢に行こうかと考えていた矢先
‐ ドンッ ‐
(嵐山隊)「!!?」
『えっ?!……誰かが、ベイルアウトした?それもアッチは……〔ちょっと太刀川くんっ!?手が空いているなら手伝いなさい!!"未登録の亜種"が出てきて、性質や対処法が見つからなくて……"米屋くんがやられた"わ!!このままじゃ、三輪くんだって落とされないとも限らないわ!!?〕…!!?(パッ、スッ…スススッ)未登録、…新種の、亜種?……それのせいで、米屋先輩が、……っ!!い、嫌っ!!?』
‐ …ピシッ!ピシピシピシピシ!! ‐
遥か彼方にて光の筋……誰かがベイルアウトしたのだ。これが地上にいたら気づかなかっただろうが、上空の特別ステージに居る五人には見えてしまったのだった。あのバンダー集団が居たのとは違う方角だが、視界に入ってしまったのだった。そして何故か月見の通信が柚紀にも聞こえて……"米屋が倒されたのは自分のせい"と分かってしまい、動揺し足元のステージと模していたシールドに皹が入る。……かなり大きなシールドを作ったせいで強度もだが柚紀が揺らげば簡単に影響を受けてしまう。……触れていた木虎から、…嵐山達から無意識に離れようと下がっていく柚紀の足元に皹があるのに気づいた木虎は
「だ、駄目です!?それ以上後ろに下がったら……危ないから止まって下さい!!……"鶴ヶ峰先輩っ"!!?」
「……えっ?!!」
「……木虎、何で彼女が……歌姫の正体を、……話してないよおれ達は…」
「"俺が話したんだ!!"現場で彼女に会う以上、もう知らないままで居させる訳にはいかないからな。って、それより……行っちゃダメだ!!?柚紀ちゃん!!(迅が言ってた【現場で彼女に会ったら一瞬たりとも離れたら駄目だ。サイアク……"彼女が手の届かない存在になる"と】……そんな事、俺は望まない!!)君のせいじゃない!?君は、此処に居て良いんだ!?だから……」
木虎と嵐山は懸命に名を呼んで自分を繋ぎ止めようとしてくれている。だが
‐ 二人に、名前で呼ばれていない。木虎にバレたって構わないのに……ドウシテ?アナタガワタシヲマモルノハ、"ウタヒメ"……"メズラシイサイドエフェクトモチ"ダカラ? ‐
と疑念を抱いてしまう。【……そんな事を思いたくない、疑いたくない、…でも】……こんな感じで完全に"精神が揺らいでしまい涙目な"柚紀にはもう、……足場を保つ余裕などある筈もなく
‐ パリーン!!パラパラパラ… ‐
‐ バチ!…バチバチ!! ‐
《いかん!?完全に柚紀の心に迷いが生じておる!?このままでは再びゲート発生率がっ!!(原因は、嵐山隊……彼奴等か?ならば)……太刀川、月見の通信を聞いたな?その子を連れて三輪隊に合流しろ。その場に留まるのは危険だ。【歌姫としての役目を果たせ】。……そう言えば例え辛くとも気持ちを切り替えれる筈だ》
「太刀川了解!(ブォン…ダン!!)」
《……出水、お前は「分かっています姐さん。ただ、……うっかりベイルアウトさせても文句言わないで下さいね?俺、……かなり頭にキテますから」………構わぬ、上がナニか申してきても私が責任を取る。遠慮せずに、…"ヤレ"》
足場となっていたシールドが崩壊して五人とも地上へと落下して行く。それと同時に再びゲートが開きだしたのと新種の亜種が出た以上は……と、言実は太刀川達に指示出しをする。一見冷静さを保っている風に窺える出水そして言実だが、…………柚紀が揺らいだのは佐鳥達が原因と、察する。そして……少女の期待を裏切り疑念を抱かせてしまった"罪"は重いと、内に怒りを秘めるのであった