39.寒露の曲~甘い中には冷たさも潜む~(104.
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とりあえず三人の意識が変わったのを見て小さく安堵する柚紀は、"自作の特設ステージ"から周囲を見渡す。高さは土竜の触手射程内ではあるがあれの打撃力はブレード攻撃よりも低いので、足場を破壊される心配はないのだった。これを破壊出来るとしたら……
『(バンダー……それも砲撃の威力が上がったあの亜種位かな?……ん?)……………佐鳥く~ん!!此方に来ませんか~?!!多分地上に居るよりは安心して狙撃出来るよ~??』
「!?そ、そうしたいのは山々だけど……君の歌の邪魔にならない?オレの側で………スナイパーの側で歌いながらって経験ない、よね?……大丈夫??(多分狙撃音を彼女は怖がらないし、今は伴奏…BGMなしだから変に気を使う必要はないか?)………あ、佐鳥は君の歌を間近で聞きたいですよ?!そんな機会滅多にないから!!?」
『っ!?(…ポン!…フルフル)(だ、駄目だよっ!!今は戦闘中だから集中しないと!!今の私は歌姫、……"彼より年上のお姉さん"何だから、…見た目は)(スゥーハァー……ニコッ)大丈夫、だよ。ではでは頼もしいスナイパー様一名、特別ステージにご案内しま~す(スウゥ…)』
……遠目ながらバンダーを視認してしまう。ただ、周囲の建物が高いせいか自分以外は気づいていない様子だ。…恐らくあのバンダーが居るのはこの"担当区域外"なのだろう。見つけてしまった以上流石に無視するのは忍びなくて一瞬戸惑うが、……"歌姫効果を付与すれば"攻撃射程範囲であろう佐鳥に声を掛ける
これに対して自分が懸念している事……柚紀が懸念しそうな事に対しては問題ないとハッキリと解答する佐鳥。それを聞いて一瞬顔を赤らめるが、直ぐに気持ちを切り換え……【自己暗示】を施せば、佐鳥を此処にお招きする準備をする。佐鳥を始めとした面々は"グラスホッパー"を用いると考えたのだが
~ 鳥たちは風にのり旅をしてゆく
今日から明日へと ~
‐ ビュ~~!!? ‐
「お?!(…フワッ)」
「……えっ?!(…フワッ)」
「えっ?!……えっ?!!(…フワフワ)」
『!?ひゃっ?!!(えっ?!えっ?!!わ、私"佐鳥くんだけ"のつもりだったけど、……"風はまだまだ"イメージ不足みたいだな~。日々精進しないと)(‐ ……ピタリ ‐)…あっ!!?』
歌の歌詞と相成って"上昇気流"を発生させて佐鳥を此処まで運ぼうと奇策する柚紀だったが、少し前の動揺とイメージ不足により"近くに居た二人"までも巻き込んでしまう
これに対して反省をしていた柚紀は……まだ三人共無事にステージに上がっていない状態で集中力を切らしてしまい
‐ ……ピュウゥーー! ‐
「うわっ!?っと!!(スタン!)……ふぅ、あんまり高度がなくて良かったよ~!?…とっきー、"他者による空中浮遊"を味わった感想は?」
「(…スタン!)トリオン体でなら問題ないけど生身では体験したくない、……かも知れない(少し感覚は違うけど鶴ヶ峰さんが"生身での移動時にしがみついてきた"のは、この"自分では操作不可能な感覚"が嫌だから何だろうな)…って木虎は??
‐ ……ゴオォーー!! ‐
「き、きゃあっ!!?」「!!!?」」
『いけないっ!?"人工的に風を発生させた"から気流が乱れて突風……ビル風がっ?!(ダッ!!)木虎ちゃんっ!!!』
佐鳥そして時枝は無事に着地出来たが、女子でやはり二人より軽い木虎は思った以上に空中に舞い上がり落下する前に発生した自然風により更に体が流されてしまう。……このままでは"ステージ外に落ちる"と直感した柚紀が反射的に追い掛けるが、「危ないよっ!?」「……どうやって木虎を助けるつもり?」と、二人に止められてしまう。それでも"自分のせいで彼女が危ない状態に"と責任を感じている柚紀は二人を【身体強化】させて振り切ろうとする……その前に
‐ ……ダン!! ‐
「……木虎は俺が助ける!!フォローを!」
『は、はいっ!!(ブォン!)』
‐ ………ガシッ!!ダン!ダン!…スタン!!……ストン ‐
「……(フゥ)…木虎、空中にいきなり体を放り出されて慌てるのは分かるが今は生身でなくトリオン体だ。……あのまま落下した所で怪我はしないが、敵に囲まれる可能性もある。……(ポン)が、冷静に対処して体制を整えれば問題ないさ。まだ現場経験が浅いから"想定外な事態への対応力や判断力不足"だが、…(ニッ!)そこは追々身に付く筈だ!!焦らずに行こう!!?」
「……はい、嵐山先輩。…助けて下さりまして有り難う、御座います(ペコリ……ジロッ)」
部下を回収しに嵐山が先に跳躍して柚紀に補助を要請。直ぐ様に要請内容を察した柚紀がグラスホッパーを展開してステージまでの道筋を示す。無事に着地して木虎を降ろしたら、隊長らしく"駄目な点やそれに対しての対処法や課題"を指摘する。それを素直に受け入れる木虎だったが"こうなった原因"である歌姫……柚紀を無意識に強めに睨み付けてしまう。それに反応して身を竦ませるが、直ぐに呼吸を整えてその視線を甘んじて受け入れる柚紀。……自分が悪いのだと自覚しているのだから
そんな少女の変化に二人も気づいているが、時枝は木虎の感じている事や考えに少なからず"正当性"を感じているので口出しはせずに居るのに対して、佐鳥は……それも理解した上でやはり柚紀の肩を持つ的な思考が強いので、二人の間に割り込もうとする動きを見せるが…………そんなの"隊長にはお見通し"らしく
「(ポン!ポン!)で、そんな木虎をサポートするのが先輩であるお前達の役目だろ?それにあの時は【充より賢の方が木虎の側に居たんだ】。……普段は遠距離狙撃で前線に居ないのは分かるが、その辺り配慮しないと、な?賢(ポン!)」
「……そう、ですね。前線に居てもオレの…佐鳥がやる事には代わりありませんからね!!?次からは気をつけます!!」
「(ニコッ)頼りにしているぞ賢!で、……充なら賢が動かないのを見てから助けにも行けた筈だ。…ま、"グラスホッパー"とか俺も未経験だからな!それで躊躇したのかも知れないが………(スッ)時には"未知の領域"に足を踏み込む覚悟を持つ必要もある筈だ。現に(チラッ)……彼女は飛ばされる木虎を助けようとしていた。グラスホッパーを使えば確かに不可能ではないが、体格がほぼ同じな上に"そんな事を今までした事がない"んだ。どうなるか分からない、だから二人は止めたんだろ?たが、それは本人だって承知している。でも動かずには居られない。理屈でなく本能的な理由で、な。そう言う子だろ?彼女は」
『「「「………」」」』
嵐山が三人の思考や感情を読み取り諭したのだった。これのせいで些か雰囲気が重くなるが、柚紀はこれも甘んじて受け入れていた。……全面的に肯定も否定も出来ないのだから
『(バンダー……それも砲撃の威力が上がったあの亜種位かな?……ん?)……………佐鳥く~ん!!此方に来ませんか~?!!多分地上に居るよりは安心して狙撃出来るよ~??』
「!?そ、そうしたいのは山々だけど……君の歌の邪魔にならない?オレの側で………スナイパーの側で歌いながらって経験ない、よね?……大丈夫??(多分狙撃音を彼女は怖がらないし、今は伴奏…BGMなしだから変に気を使う必要はないか?)………あ、佐鳥は君の歌を間近で聞きたいですよ?!そんな機会滅多にないから!!?」
『っ!?(…ポン!…フルフル)(だ、駄目だよっ!!今は戦闘中だから集中しないと!!今の私は歌姫、……"彼より年上のお姉さん"何だから、…見た目は)(スゥーハァー……ニコッ)大丈夫、だよ。ではでは頼もしいスナイパー様一名、特別ステージにご案内しま~す(スウゥ…)』
……遠目ながらバンダーを視認してしまう。ただ、周囲の建物が高いせいか自分以外は気づいていない様子だ。…恐らくあのバンダーが居るのはこの"担当区域外"なのだろう。見つけてしまった以上流石に無視するのは忍びなくて一瞬戸惑うが、……"歌姫効果を付与すれば"攻撃射程範囲であろう佐鳥に声を掛ける
これに対して自分が懸念している事……柚紀が懸念しそうな事に対しては問題ないとハッキリと解答する佐鳥。それを聞いて一瞬顔を赤らめるが、直ぐに気持ちを切り換え……【自己暗示】を施せば、佐鳥を此処にお招きする準備をする。佐鳥を始めとした面々は"グラスホッパー"を用いると考えたのだが
~ 鳥たちは風にのり旅をしてゆく
今日から明日へと ~
‐ ビュ~~!!? ‐
「お?!(…フワッ)」
「……えっ?!(…フワッ)」
「えっ?!……えっ?!!(…フワフワ)」
『!?ひゃっ?!!(えっ?!えっ?!!わ、私"佐鳥くんだけ"のつもりだったけど、……"風はまだまだ"イメージ不足みたいだな~。日々精進しないと)(‐ ……ピタリ ‐)…あっ!!?』
歌の歌詞と相成って"上昇気流"を発生させて佐鳥を此処まで運ぼうと奇策する柚紀だったが、少し前の動揺とイメージ不足により"近くに居た二人"までも巻き込んでしまう
これに対して反省をしていた柚紀は……まだ三人共無事にステージに上がっていない状態で集中力を切らしてしまい
‐ ……ピュウゥーー! ‐
「うわっ!?っと!!(スタン!)……ふぅ、あんまり高度がなくて良かったよ~!?…とっきー、"他者による空中浮遊"を味わった感想は?」
「(…スタン!)トリオン体でなら問題ないけど生身では体験したくない、……かも知れない(少し感覚は違うけど鶴ヶ峰さんが"生身での移動時にしがみついてきた"のは、この"自分では操作不可能な感覚"が嫌だから何だろうな)…って木虎は??
‐ ……ゴオォーー!! ‐
「き、きゃあっ!!?」「!!!?」」
『いけないっ!?"人工的に風を発生させた"から気流が乱れて突風……ビル風がっ?!(ダッ!!)木虎ちゃんっ!!!』
佐鳥そして時枝は無事に着地出来たが、女子でやはり二人より軽い木虎は思った以上に空中に舞い上がり落下する前に発生した自然風により更に体が流されてしまう。……このままでは"ステージ外に落ちる"と直感した柚紀が反射的に追い掛けるが、「危ないよっ!?」「……どうやって木虎を助けるつもり?」と、二人に止められてしまう。それでも"自分のせいで彼女が危ない状態に"と責任を感じている柚紀は二人を【身体強化】させて振り切ろうとする……その前に
‐ ……ダン!! ‐
「……木虎は俺が助ける!!フォローを!」
『は、はいっ!!(ブォン!)』
‐ ………ガシッ!!ダン!ダン!…スタン!!……ストン ‐
「……(フゥ)…木虎、空中にいきなり体を放り出されて慌てるのは分かるが今は生身でなくトリオン体だ。……あのまま落下した所で怪我はしないが、敵に囲まれる可能性もある。……(ポン)が、冷静に対処して体制を整えれば問題ないさ。まだ現場経験が浅いから"想定外な事態への対応力や判断力不足"だが、…(ニッ!)そこは追々身に付く筈だ!!焦らずに行こう!!?」
「……はい、嵐山先輩。…助けて下さりまして有り難う、御座います(ペコリ……ジロッ)」
部下を回収しに嵐山が先に跳躍して柚紀に補助を要請。直ぐ様に要請内容を察した柚紀がグラスホッパーを展開してステージまでの道筋を示す。無事に着地して木虎を降ろしたら、隊長らしく"駄目な点やそれに対しての対処法や課題"を指摘する。それを素直に受け入れる木虎だったが"こうなった原因"である歌姫……柚紀を無意識に強めに睨み付けてしまう。それに反応して身を竦ませるが、直ぐに呼吸を整えてその視線を甘んじて受け入れる柚紀。……自分が悪いのだと自覚しているのだから
そんな少女の変化に二人も気づいているが、時枝は木虎の感じている事や考えに少なからず"正当性"を感じているので口出しはせずに居るのに対して、佐鳥は……それも理解した上でやはり柚紀の肩を持つ的な思考が強いので、二人の間に割り込もうとする動きを見せるが…………そんなの"隊長にはお見通し"らしく
「(ポン!ポン!)で、そんな木虎をサポートするのが先輩であるお前達の役目だろ?それにあの時は【充より賢の方が木虎の側に居たんだ】。……普段は遠距離狙撃で前線に居ないのは分かるが、その辺り配慮しないと、な?賢(ポン!)」
「……そう、ですね。前線に居てもオレの…佐鳥がやる事には代わりありませんからね!!?次からは気をつけます!!」
「(ニコッ)頼りにしているぞ賢!で、……充なら賢が動かないのを見てから助けにも行けた筈だ。…ま、"グラスホッパー"とか俺も未経験だからな!それで躊躇したのかも知れないが………(スッ)時には"未知の領域"に足を踏み込む覚悟を持つ必要もある筈だ。現に(チラッ)……彼女は飛ばされる木虎を助けようとしていた。グラスホッパーを使えば確かに不可能ではないが、体格がほぼ同じな上に"そんな事を今までした事がない"んだ。どうなるか分からない、だから二人は止めたんだろ?たが、それは本人だって承知している。でも動かずには居られない。理屈でなく本能的な理由で、な。そう言う子だろ?彼女は」
『「「「………」」」』
嵐山が三人の思考や感情を読み取り諭したのだった。これのせいで些か雰囲気が重くなるが、柚紀はこれも甘んじて受け入れていた。……全面的に肯定も否定も出来ないのだから