38.白黒の曲 (103.
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~ 君が今僕を支えて 僕が今君を支える
だから迷いながらも共に生きていこうよ 未来へと
時に傷ついて壊れそうな日も 涙して困らせる日もあるけれど
僕達はそれを越えていくんだ 誰より上を目指して ~
誰にも邪魔されずに歌い切り満足そうにしている柚紀。ただ、視界に敵は見えなかったが歌姫目掛けて高層建築物をよじ登る敵はチラホラいたのだが……それはキッチリ出水と太刀川が始末していたのであった。そして未だに戦闘音が鳴り響いているのが気になり、様子を見に動こうとしたその時
‐ …ピシッ!……ピシピシピシピシ!! ‐
『ふへっ?(キョロキョロ)……何の音??まるでナニかに皹が入るような…《いかんっ!?直ぐに其処から退避しろ柚紀っ!!?》……言実、さん???
‐ ピシピシピシピシ……ズドン!!ドン!!? ‐
……………えっ!?……マズイっ!?土竜がっ!?(‐ ガクン! ‐)き、キャアァアーーー!!!』
「「「「!!?」」」」
聞き慣れない音がして周囲を見渡す柚紀は、言実の焦る声を聞いても歌の余韻のせいか思考が些か鈍ってしまっており動くのが遅れてしまう。そして更に大きな罅割れと共に現れた……二体の土竜型を見て"自分が犯したミス"に気づき焦りを感じる柚紀だが、建物を貫通して現れた事により、崩壊が始まってしまう。それを少女の悲鳴を聞いて四人は各自で"何処か感じていた不安感や疑問"の正体に気づくのだ
「そうだよ?!太刀川さんが別に気にかけなくたってあれだけ俺が亜種を倒していたら柚紀ちゃんを敵が狙う訳がない!!だけど気にしていたのは……」
「【土竜だけは必ず柚紀を狙う】……迅が以前そう話していたな。そして土竜が初め出てきた日、……あの日が柚紀の現場デビューを飾った」
「鶴ヶ峰さんが出てこないといけなかった理由、……それは【本部に居たら甚大な被害が出る】と迅さんの予知があったからだ!!」
「……現場とは言っても【前線である必要はなかった】!だけど敵は【建物すら掘り進んで柚紀ちゃんの元に行く】……もしかして東さんがベイルアウトした理由や冬島さんの側に居ずに前線の………おつるちゃんの側に居たのはそのせい?でも何で土竜だけこんな行動を取るの??ナニか特別な理由があるのかな???」
……そう、常に柚紀が前線で見晴らしのよい"大地"に立っていた理由が【土竜の奇襲警戒】が目的なのだ。無駄な建物破壊や、それに伴って生じる瓦礫で協力者が怪我したり…はトリオン体なら有り得ないが、実際に実験していないしまだまだ一般人的な思考が強いので心配なのと、瓦礫によってチーム連携の阻害やスナイパーの狙撃ポイントを潰さないかを危惧しての行動なのだ。そして何より
《……土竜の行動理由に関しては此方も未だに調査途中だ。故に今は気にするな。……己が今すべき事を各自行え!!あの子の無事を確認後"ゲート抑制の為に"もう一曲歌ってもらう必要がある故にな、……"もう一部隊"フォローに出す。歌えば"妨害型も高確率で邪魔者である歌姫を狙う。"……歌う理由が違えば"発揮される効果も異なる"。更にアレの見分けは難しい、ならば【役割分担】をしてしまうのが手っ取り早い》
「!!((うわ~、おつるちゃんの通信がオレ達にも聞こえているって事はつまり……))」
「……((おれ達の居場所がバレていて、尚且つ"増援は嵐山隊"な感じだね。なら……"先行していた"呈にすれば今彼女を助けに姿を見せても平気な筈だ))……(スチャッ)佐鳥、此処から瓦礫の隙間を縫って敵に当てれたりする?」
「(…スチャッ)……難しいけど"問題ない"かな?瓦礫が風に飛ばされなければ下に落下するだけで"軌道が読める"からね!!だけど慎重に予測したり狙いを定める必要があるから"テンポよく射つ"のは難しい(‐ ドドーン ‐)な。……よし!!一体潰したけどもう一体は体向きが悪くて撃ち抜くのは此処からじゃ難しい」
「(ダン!!)ならもう一体はおれが倒す。佐鳥は先に太刀川さん達に合流して!!((一体倒しているならもう"ターゲット"になっているだろ?……"来る途中に見分けづらい亜種を射った"と言えば敵を引き連れてやって来ても疑われないだろうからね。………おれは歌姫を回収してから合流するよ))(ダン!!)」
「((ほーい、気を付けろよー!!))……太刀川さん辺りが助けに行きそうなのに自分からとか、……やっぱりお前にとっては柚紀ちゃんが特別な存在なんだね。さてさて、……綾辻センパーイ!やっぱり佐鳥狙われてますか~?(バッ!!)」
言実の発言一つで状況が一変し、二人が動きやすくなると直ぐ様行動を開始する。佐鳥はすかさず狙撃し、時枝は瓦礫が降り注ぐ中で柚紀の姿が"きちんと"認識していないが危ない状況には変わりないので、前線にとりあえず向かう事に。それを見送った佐鳥は恐らく既にスタンバイしているであろう綾辻に連絡を入れながら移動を開始するのであった