38.白黒の曲 (103.
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〔あ、言実さんや冬島さんのサポートないから"歌姫による能力アップ機能"がないけど大丈夫そう?〕
「ん?問題ないだろ?亜種でも俺達は特に苦労せずに普通に倒せるし、防衛任務に来た訳じゃないからトリオン量にも余裕あるから平気平気」
「迅さんも"新種の亜種が出る"とか本当に言って来ていないなら、大丈夫じゃないっすかね?ま、姐さんも柚紀ちゃんが外にいるって知っているなら警戒はされるかと思いますし」
短い間奏部分でこのまま戦っても平気かを確認していると、やはり歌の影響かゲートが開いてトリオン兵が現れ始める。それを冷静に見つめながら太刀川は弧月を抜刀し、出水もトリオン弾を生成して迎え撃つ体制を整える。柚紀もゲートや敵の存在に気づいたがこちらも慌てる様子はない。……太刀川が"心配するな"と言ったのだ。実力なら信頼できる人なのだから
~ 仲間と戯れ それなりで居ても
もの足りなさを感じてしまう
冷めた目で見られて
乾いた時代の風に吹かれている ~
ゲートが発生したが四方八方からではなく、数も少ないので動かずにその場で歌い続ける柚紀。敵はいつも通り"歌姫をターゲットにしている"ので動きを見極めて無駄な動きや無駄撃ちを避けるように心掛ける二人。【本気で歌った柚紀の能力が如何なるものかはが未知数】なのだ。温存するに越したことがないのだった
《柚紀!!土竜が来るぞ!?》
‐ ……ブォン!……ダン!! ‐
‐ ズドン!! ‐
~ 諦めきれるモノならば 最初から興味もたない
忘れられるモノなら 必要さも感じないから ~
歌に集中していて土竜の接近に気づいていなかった柚紀だが、冷静にグラスホッパーを発動させてその場を退避。そして現れた土竜型は姿を見せた瞬間に二人に瞬殺されていたのだった
「出水~、コイツ出てきた穴に弾撃ち込め~。どうせ敵の追加が来るんだ……埋めろ」
「出水了解!!……
‐ ドン!!ドドッ!ドドンッ!! ‐
‐ ………スタン!! ‐
『(うわ~豪快!?ってかメテオラを誰かが使うの初めてみたかも。……アレかな?私に飛び火しない様にする為の配慮かな?ってそれは良いとして)
~ 不安な心と勇気が背中合わせになっている
だけど今なら夢をこの手で叶えてみせるよ ~』
【土竜が掘って出てきた穴から敵が追随する】までがほぼお決り…テンプレートになっているのを他の面子からの情報で知っているので"余計な面倒事を省く為に"と迷うことなく指示を出す太刀川に、それに反論せずに実行する出水。……穴から離れた位置に着地しながらそれを眺めていた柚紀は関心や珍しげな表情を浮かべたが、歌の手は止めずに続けていた
~ 傷ついて壊れそうな日も 涙して困らせる日もあるけれど
僕達はそれを越えていくんだ 誰より上を目指して ~
‐ …シュンッ!ザクッ?!……ズサー!! ‐
‐ ガサガサカガサ……シュルシュル!……バッ! ‐
『(スタン!)ちょっ!?隠密型と…妨害型??わぁ~、ダブルで来たよ~。……助けて~"慶お兄ちゃーん"!!?』
歌の影響でか"ゲートが断続的に開き続けており"、追加の敵が続々登場していた。そんな中、柚紀の死角を突いて隠密型が奇襲を仕掛けてくる。たが、言実から的確なアナウンスがあったので視界に写った瞬間に距離を取り、更に接近してきていた敵の触手による追撃をグラスホッパーを用いて回避し"亜種二体"を見据えながら助けを求める柚紀。……歌の邪魔をされたくなく【交渉の主導権を握りやすい、又は口喧嘩なら負けない方】に、……ちょっとした悪戯心を添えて。すると
‐ ザン!! ‐
「(スタン!…ナデナデ)大丈夫か"妹"よ。って、その呼び方歓迎会での一コマを思い出すな~。楽しかったがアレはカオスな空間だったよな~(ってかコイツ、確かつる姐と巽の姐さん以外で下の名前呼びいねぇよな?ダチ二人に関しては渾名呼びだし……"呼ばれた奴は特別な存在"確定だな)」
『……………(ニヤリ)ご所望なら"あの時のを完全再現"しましょうか?……のぅ、…"太刀川"』
「っ!!?……止めろ柚紀!?マジで似てたからソレ!?まぁ"つる姐の口調再現"なんてお前には造作もないのは分かるが…………纏う雰囲気すらソックリとか、洒落にならねぇから!!!」
『なら無闇に口に出さないで下さい!?……(プイッ)………アレ、私もかなり恥ずかしかったんですよ?……思い出したら、…(ポンっ!)(……駄目だ、顔が熱い……最近"ふとした時に"こうなるんだよな~。そして原因は必ず、"あの二人")…(ポツリ)……何でなんだろう?分からないよ、やっぱり(ジワッ)(ダレカ、オシエテヨっ!?)』
自分が敵はコッチでどうにかすると言ったのもあるが、"将来的にはそう言われたい(言われそう)"的な物言いをされれば……やはり気分が良くなるらしく"旋空弧月"により亜種二体を同時に沈黙させる太刀川。……見た目は通常のモールモッドと変わらないので【弱点の高さ】は変な動きさえしなければ変わらないので横一閃で仕留められる訳である
そして以前に"お兄ちゃん呼び"された場面を平然と振り返る太刀川が面白くなく、相手を赤面させたテクニックの一端を披露すれば顔を赤くして慌てふためさせる事に見事成功。ただあの時に顔を赤くさせたのは柚紀も同様で"とばっちり"を食らってしまい【あの時とは違い、今こうなっている別の原因も発生しており、こちらの明白な理由が分からない】状況で、"顔を赤くさせた状態で不安げな表情で涙目"となる柚紀の頭を撫でてやる太刀川。……言うのは簡単だが【絶対にそうだと言う確信がなく、対象も二人】なのだ。コレばかりは柚紀本人が気づかないと意味がない、そう思うから何も言わないのだ
そんな二人の様子を気にしながら戦闘を継続させている出水は、"少女の想い人達の原動力の無さ"には内心の呆れてしまう。……別に彼等が内気とか引込み思案な訳ではないのだが
((なぁ太刀川さん。……コレ、一回彼奴等シメテいいですか?なんで柚紀ちゃんはこんなにあからさまな反応をするのに気づいていないし、アッチだってこの子が………少なくとも佐鳥はそうですよ?俺に嫉妬してましたから))
((……向こうの態度次第だな。【彼奴等の言動で柚紀が悲しんだり拒絶反応を見せたら】………思い知らせるべき、だろうな。"何時までも自分達が有利な位置に、柚紀を一番分かっている頼りにされている"と思うなってな。あ、時枝もほぼ確定だぜ?……彼奴が顔を赤くさせている姿なんて、俺見たことねぇ。勿論、あ~なった理由はこのお姫様だろうな))