37.頂点の曲(102.
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《……私からも頼む忍田さん。あの子…柚紀にとっての歌は【ストレス発散方にして感情や気持ちを素直に表現出来る数少ない手段】なんだ。今は相手に寄っては本音や愚痴を漏らせる様にはなったが、……少し前までのあの子にとっては"唯一の方法"と言っても過言ではなかった故にな》
「つる姐?!……歌が唯一の手段とか、アイツ今までどんな生活を強いられていたんだよ!?俺は確かに戦えなくなるのは嫌だけど、………好きなもんたらふく食ったり、寝たり、勉強しないで自由に過ごすだけでも結構満たされるぜ?柚紀は、……違うのか?」
〔……そんな些細な幸せすら、柚紀ちゃんは許されなかった。馬鹿な大人達の"世間体"を気にするがあまりに、……自分の幸福の為にあの子は犠牲になっていた。食べたくないのを食べされたり、時には食べることすら取り上げられていた。………頭が良いのだって半分は"完璧であるのを、優等生で居るのを"相手が強いた産物だ。言実さんが時折ボーダーを留守にしていたのは、そんな柚紀ちゃんの様子を見に行く為。"何故彼女を引き取らなかった?"何て聞かないでよ太刀川さん。……今の、今までの出来事を振り返れば理解できる筈だ【生半可な覚悟や準備不足では彼女を守りきれない】のをさ〕
更に言実からの通信も入り、その内容に他の人なら聞きづらい事を……誰もが疑問に抱いていた事を口にする太刀川。……【柚紀がどんな生活環境で生きていたのか】と。これに対して解答したのは迅だった。実力テストを期に"柚紀の過去を時折夢で見る"様になってしまい、その原因は"そんな夢を見た次の日、高確率で柚紀に多大なる精神的負荷が生じ不安定になり……泣いてしまう"からである。なので未来を正確に見通せない柚紀への対処は【過去の夢を見たら多少無茶してでも最優先で動く】…………そう決めたのだ。内容が覚えていなくても"目覚めが悪ければ"念の為、注意する様にもしている
そんな迅の説明を聞いて沈黙が続く中、太刀川は決めたのだ。【自分の立場を理解した上で】、"自分にとってナニを優先させる"かを
「なぁ忍田さん、……俺は馬鹿だけど遠征任務の重要性とか危険性は理解しているし、最近は亜種問題があるせいでA級隊員の重要性も分かるよ?だけどさ、多分……【ボーダーと柚紀、選ぶならどっち】て聞かれたら………俺は後者を選びます。戦えなくなったらつまんなくなるだろうけど、死にはしない。でも"柚紀の代わり"はいない。俺アイツと戯れるのが楽しいんです、たま~にやり過ぎて泣かせちゃいますが……本当にあんな妹が欲しいって思う位気に入ってます。一緒に居て全然飽きませんからね!………だから万が一にもボーダーが柚紀を"切り捨てる"なら、……俺はボーダーを抜けます」
《〔!!?〕》
〔…………本気で、言っているのか慶?〕
「俺の師匠であるアンタなら弟子が言っているのが本気か冗談か位分かりますよね?……どっちを選んでもきっと多少なりとも後悔をする、なら【諦めたくない方】を俺は選びます(柚紀も大切だけど、俺は……あの人がボーダーから居なくなるのが一番嫌だからな)」
【柚紀ひいては言実の為に】ときっぱり宣言したのだった。その潔さに迅と言実は驚きを隠せない。……ボーダーにおいて自分の立場や重要性を理解している二人。迅は学生の身である理由から自立は難しく、言実に関しては【柚紀が最優先事項】と口にはしているがボーダーを止める事には些か抵抗がある。……金銭や世間体"以外で"、きちんとした定職に就いていなくてはいけない理由があるのだ。忍田は声音から本気であると察し、再び沈黙が続いてしまう。……それを打ち破ったのは
‐ ………………クイッ ‐
『……太刀川さん、……ボーダー、辞めちゃうの?』
「…はあぁあっ?!!?ちょっ、太刀川さんっ?!アンタ何言ってるのさ??姐さんの事諦めたのかよ?!!ってか勝手に決めるな!!残されるコッチの身にもなれ!!!」
〔そうだぞ~!?辞めるなら後任先見つけてからにしろ~!隊に引き入れたのは太刀川さんなんだからね~~、最後まで面倒見てよ~!?〕
「………(プッ)辞める?俺がボーダーをか?無理無理、そんな事したら俺大学に通えなくなるし生活すらままならねぇから。少なくとも大学出るまではボーダーに居るつもりだぜ?(ナデナデ)だから心配するな柚紀。ってかやっと見つけた"お助けアイテム"や"最高の仲間"を見す見す手放す程、俺は馬鹿じゃないぜ?」
聞こえてしまった"不審なワード"のせいで不安げにその真意を訊ねてくる柚紀と、本気に取り反論や意見してくるチームメイト。それを見て何時もの表情や雰囲気で否定する太刀川。その言い分で"モノ扱い"されたのは些か気に入らない柚紀だったが《柚紀、歌いたいなら歌え。……我慢はするな》と言実からの通信が入り、あの物言いをした理由を理解したのであった。そして
「ま、何にしてもきちっと自分の役目を果たしますから自由にやらせて下さいよ、文句なら後で聞きますから。そんじゃあ……………そんな訳だから柚紀、敵とかゲートとか気にせず"思いっきり歌え"!忍田さんには後で怒られるかも知れないが、……(ナデナデ)お前が一緒なら多少は軽く済むだろうからさ」
『……私の我が儘を叶えてもらうせいで叱られるなら、私も同罪ですね。(クスッ)一緒に怒られましょう。(嬉しいって思ったら変だろうけど、あまり居ないからな私を叱ってくれる人。皆、私を気遣いすぎるから)……さて、じゃあ遠慮なく一曲歌わせて頂きます!!基本"歌いながら回避しか私はしません"からサポート宜しくお願い致します(ペコリ、…タタタ)』
と、半強制的に通信を切れば柚紀に歌わせる流れに持ち込む。久しぶりに歌えるのが嬉しくて"心の声が漏れている"のも"それが二人に聞こえている"のにも気づいていない柚紀。……二人もあの表情を曇らせたくないので、表面に出さずに歌うために距離を取る少女とを交互に見つめながら小さく頷いたり首を振ったりして意思疎通を図る。そして【歌い始める合図】が来たのを期に気持ちを切り換え戦闘体制に、そして
~ 君が今僕を支えて 僕が今君を支える
だから迷いながらも共に生きていこうよ 未来へと ~
今の自分の思いを気持ちを伝えるのに"一番適していそうな曲"を選定して、柚紀は歌い始めたのであった
「つる姐?!……歌が唯一の手段とか、アイツ今までどんな生活を強いられていたんだよ!?俺は確かに戦えなくなるのは嫌だけど、………好きなもんたらふく食ったり、寝たり、勉強しないで自由に過ごすだけでも結構満たされるぜ?柚紀は、……違うのか?」
〔……そんな些細な幸せすら、柚紀ちゃんは許されなかった。馬鹿な大人達の"世間体"を気にするがあまりに、……自分の幸福の為にあの子は犠牲になっていた。食べたくないのを食べされたり、時には食べることすら取り上げられていた。………頭が良いのだって半分は"完璧であるのを、優等生で居るのを"相手が強いた産物だ。言実さんが時折ボーダーを留守にしていたのは、そんな柚紀ちゃんの様子を見に行く為。"何故彼女を引き取らなかった?"何て聞かないでよ太刀川さん。……今の、今までの出来事を振り返れば理解できる筈だ【生半可な覚悟や準備不足では彼女を守りきれない】のをさ〕
更に言実からの通信も入り、その内容に他の人なら聞きづらい事を……誰もが疑問に抱いていた事を口にする太刀川。……【柚紀がどんな生活環境で生きていたのか】と。これに対して解答したのは迅だった。実力テストを期に"柚紀の過去を時折夢で見る"様になってしまい、その原因は"そんな夢を見た次の日、高確率で柚紀に多大なる精神的負荷が生じ不安定になり……泣いてしまう"からである。なので未来を正確に見通せない柚紀への対処は【過去の夢を見たら多少無茶してでも最優先で動く】…………そう決めたのだ。内容が覚えていなくても"目覚めが悪ければ"念の為、注意する様にもしている
そんな迅の説明を聞いて沈黙が続く中、太刀川は決めたのだ。【自分の立場を理解した上で】、"自分にとってナニを優先させる"かを
「なぁ忍田さん、……俺は馬鹿だけど遠征任務の重要性とか危険性は理解しているし、最近は亜種問題があるせいでA級隊員の重要性も分かるよ?だけどさ、多分……【ボーダーと柚紀、選ぶならどっち】て聞かれたら………俺は後者を選びます。戦えなくなったらつまんなくなるだろうけど、死にはしない。でも"柚紀の代わり"はいない。俺アイツと戯れるのが楽しいんです、たま~にやり過ぎて泣かせちゃいますが……本当にあんな妹が欲しいって思う位気に入ってます。一緒に居て全然飽きませんからね!………だから万が一にもボーダーが柚紀を"切り捨てる"なら、……俺はボーダーを抜けます」
《〔!!?〕》
〔…………本気で、言っているのか慶?〕
「俺の師匠であるアンタなら弟子が言っているのが本気か冗談か位分かりますよね?……どっちを選んでもきっと多少なりとも後悔をする、なら【諦めたくない方】を俺は選びます(柚紀も大切だけど、俺は……あの人がボーダーから居なくなるのが一番嫌だからな)」
【柚紀ひいては言実の為に】ときっぱり宣言したのだった。その潔さに迅と言実は驚きを隠せない。……ボーダーにおいて自分の立場や重要性を理解している二人。迅は学生の身である理由から自立は難しく、言実に関しては【柚紀が最優先事項】と口にはしているがボーダーを止める事には些か抵抗がある。……金銭や世間体"以外で"、きちんとした定職に就いていなくてはいけない理由があるのだ。忍田は声音から本気であると察し、再び沈黙が続いてしまう。……それを打ち破ったのは
‐ ………………クイッ ‐
『……太刀川さん、……ボーダー、辞めちゃうの?』
「…はあぁあっ?!!?ちょっ、太刀川さんっ?!アンタ何言ってるのさ??姐さんの事諦めたのかよ?!!ってか勝手に決めるな!!残されるコッチの身にもなれ!!!」
〔そうだぞ~!?辞めるなら後任先見つけてからにしろ~!隊に引き入れたのは太刀川さんなんだからね~~、最後まで面倒見てよ~!?〕
「………(プッ)辞める?俺がボーダーをか?無理無理、そんな事したら俺大学に通えなくなるし生活すらままならねぇから。少なくとも大学出るまではボーダーに居るつもりだぜ?(ナデナデ)だから心配するな柚紀。ってかやっと見つけた"お助けアイテム"や"最高の仲間"を見す見す手放す程、俺は馬鹿じゃないぜ?」
聞こえてしまった"不審なワード"のせいで不安げにその真意を訊ねてくる柚紀と、本気に取り反論や意見してくるチームメイト。それを見て何時もの表情や雰囲気で否定する太刀川。その言い分で"モノ扱い"されたのは些か気に入らない柚紀だったが《柚紀、歌いたいなら歌え。……我慢はするな》と言実からの通信が入り、あの物言いをした理由を理解したのであった。そして
「ま、何にしてもきちっと自分の役目を果たしますから自由にやらせて下さいよ、文句なら後で聞きますから。そんじゃあ……………そんな訳だから柚紀、敵とかゲートとか気にせず"思いっきり歌え"!忍田さんには後で怒られるかも知れないが、……(ナデナデ)お前が一緒なら多少は軽く済むだろうからさ」
『……私の我が儘を叶えてもらうせいで叱られるなら、私も同罪ですね。(クスッ)一緒に怒られましょう。(嬉しいって思ったら変だろうけど、あまり居ないからな私を叱ってくれる人。皆、私を気遣いすぎるから)……さて、じゃあ遠慮なく一曲歌わせて頂きます!!基本"歌いながら回避しか私はしません"からサポート宜しくお願い致します(ペコリ、…タタタ)』
と、半強制的に通信を切れば柚紀に歌わせる流れに持ち込む。久しぶりに歌えるのが嬉しくて"心の声が漏れている"のも"それが二人に聞こえている"のにも気づいていない柚紀。……二人もあの表情を曇らせたくないので、表面に出さずに歌うために距離を取る少女とを交互に見つめながら小さく頷いたり首を振ったりして意思疎通を図る。そして【歌い始める合図】が来たのを期に気持ちを切り換え戦闘体制に、そして
~ 君が今僕を支えて 僕が今君を支える
だから迷いながらも共に生きていこうよ 未来へと ~
今の自分の思いを気持ちを伝えるのに"一番適していそうな曲"を選定して、柚紀は歌い始めたのであった