37.頂点の曲(102.
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~とある危険区域内~
‐ ………ポーン、クルッ…ポーン……クルクル~…スタン ‐
『エヘヘ~たっのしぃ~!!?ねぇねぇ、どうだった?上手く出来てた??』
「お~~、ちょっと練習するだけで此処まで上達するもんなんだな~。なぁ出水」
「あ~、うん。大分危なげなく無くなった…って!……散歩の筈が何で"グラスホッパーの練習"になっているんだよ?!!」
よく任務で担当する地域とはまた違う地域に散歩に来た三人。その際にふと太刀川"も"グラスホッパー持ちだと思い出した柚紀がレクチャーを頼んだのだ。……風間隊との合同任務の際にコントロールが不十分で迷惑をかけてしまったから練習をしたいとは思っていたのだが、すり替え事件のせいで"理由もナシにトリオン体になるのを躊躇していた"ので今日まで出来なかったのだった
そしてコツを聞いて実際にやったら意外とスムーズに出来てしまい、それを見た太刀川が「本来グラスホッパーは移動や跳躍の為に使うが、……柚紀ならどんな事をやってみたいんだ?」と若干意味不明な問いをしたのに対して『ん~、……"空中で舞う"??』と此方も意味不明な解答をして、実際にやってみようとなって、冒頭に戻るのだ(出水がその都度突っ込みを入れたが見事にスルーされた)
「……ま、柚紀ちゃんの気分転換が目的で来たから楽しんで貰えているならいいけどさ俺は。………そう言えばシールドも"固定・集中"両方使えるようになったって聞いたけど本当?」
『あっ!えっと~……た、多分ですがハイ。ただ固定はこう、"半円のドーム状"になってしまいます。何かで見た"全体バリア"が球型だったので無意識に。で、集中は……(コリコリ)と言うより"フルガード"ですかね?私シールドの"二重張り"した事ないんです。………一番一撃の威力が高いであろう【アイビスですら一枚で防げましたから】。それに前のトリガーホルダーにセット出来たのも"シールド一つ"だけでしたし…』
「あ~、あれか?東さんが【スナイパー用トリガー性能を実感させる】為に三種類射った時、イーグレットとライトニングは兎も角アイビスの威力にびびって反射的にシールド張ったら防いじまった奴か?スナイパーでそこまでトリオン能力高い奴居ねぇから、……マジで【一枚で全員の狙撃防げちまう訳】だよな~。コレ出水でも無理だから、本当に柚紀のトリオンがスゲェ証だよな~」
実際に見たわけでもないのに柚紀の言い分を強く疑わない出水に、本来出来ない事ややらない事を可能にしたり希望しても否定も拒絶もせず受け入れる太刀川。……そんな二人の対応が嬉しくて、側に居るのが心地よくて表情が一段と柔らかくなる柚紀。だが、ふと"ナニかを思い出したのか"うっすらと表情に翳りが生じる。それに気づいた二人だが代表して太刀川が訊ねる。すると
『お二人……と言うより"太刀川隊の皆さん"は本当に自由奔放と言いますか、…自信に満ち溢れていますよね?"相手の言い分を疑わない"とか"好きにさせる"的なとこが。………私も、そうでありたい。【自分らしく自分のやりたい事を気兼ねなく行いたい】…そう、思っていても(ギュッ!)上手くいかなくて』
「…………そうなのか?結構柚紀も自由に動けるだろ?強制任務がある訳でもないし、ランク戦に参加する理由もない。知り合いだって沢山出来て楽しいだろ色々、……何が不満なんだ?」
『ふ、不満なんてないですよっ!!ただ、……"何かをしていないと過去を…余計な事を思い出しちゃうのが嫌なんです"。任務に集中しないと私も周囲の人も危険になるから別の事を考えずに済みますし、ランク戦は実況解説が無くても良いならROMを見ればいいし(あ!シロちゃんにお願いすれば聞けるかな?)後、……確かに色んな人と仲良く出来ています。だけど……………"一番仲良くなりたい人…達とは必要事項以外では中々会えなくて"……ちょっとだけ、………寂しい、です』
「……そっか。(ナデナデ)(会いたい人達、ね。……最近テストもだけど、新人効果でアッチも更に多忙だからな~。"ただ会いたい"ってだけじゃこの子は動けない。自分の事に関してはまだまだ我慢しちゃうから、……気づいてやらないと駄目だろ?何で分からない??これだけ"分かりやすい"のにあんだけ近い位置に居るのに、付き合いだって一番長いだろ?違うのか?……"二人とも")」
最近エンジニアと戦闘員"全員"との面談に基本参加していた言実を気遣い、……あまり本音や不満・不安事を口にしていなかった柚紀。少し前まではテスト勉強があったから良いが、今は落ち着いてしまい心の奥底に沈んでいた本音が浮上してきていたのだ。……シロとは変わらず一緒に居るがテスト期間中は【成績の良い柚紀に触るのは、何だが"ズル"している気分になる】と不安を漏らしていたので必要以上のスキンシップは控えていたのだ。そして何より、柚紀にとって一番の"ストレスの元"になっている事がある。それは
『……ごめんなさい先輩、……こんな事言うつもりなかった。あ、太刀川さんも悪くないですよ?聞かれたら嫌な事じゃないですから!!ても………駄目なんです。抱え込んだままじゃ"サイドエフェクトが暴走してしまう"、吐き出さないとって!!でも愚痴なんて誰も、聞きたくないじゃないですか?聞いて良い気持ちに何てならないっ!だから、私はっ………今までそんな時は"歌ってた"!!好きな歌を一人で、皆の邪魔にならない場所で!?発散していた!!でもっ、…(ヒック)今は、出来ないっ。私が歌えば、"歌声にトリオンが含まれてしまう"。それは敵を、……トリオン兵を引き寄せるっ!!もう、気軽には歌えないっ!!(…ヒック)……嫌だよ、そんなのっ!?好きな事が、自由に出来ないなんて、そんなの私はっ!!!(タエレナイ!?ワタシは、モット、ジユウニ……)』
‐ ……ポタポタ、ポタポタ、…ポタポタ ‐
‐ 毎日なんて我が儘は言わない。時々で良いから……好きな時に気兼ねなく好きな歌を歌いたい!!……歌っていたい!!お願いだから、歌わせて!!!私から歌を……奪わないでっ!!! ‐