37.頂点の曲(102.
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『……な、何で貴方が、此処に?!(スッ、スッ)』
「………あの休憩所は兎も角、此処を俺が利用していても不思議じゃないと思うが?……大学生だってレポート含めて勉強するものだ。それで、………お前は何故トリオン体何だ?勉強するだけなら生身で十分だろう?(コツ、コツ……コツ、コツ)」
実力テストの裏側で会った際にかなり失礼な態度を取ってしまい、尚且つあの時に同席していた人……"事情を知る味方"が居なくて思わず後退りをする柚紀。その言動を見聞きして自分の意見を述べながら近寄る二宮。この状況があまり良くないと察した面子(宇佐美・熊谷・小佐野)が少女の側に行こうとしたが、犬飼・辻・氷見に各々ガードされてしまう。「退いてください!」「あの人だって彼女と話したいんだ、邪魔しないでくれない?」……三組ともニュアンスは違えどこんな感じて攻防戦を繰り広げていた。それを横目で見て、……騒がしくなればやはり注目を更に集めてしまい………万が一にも"不仲説"が流れてしまったら、……それを心配する柚紀だが今の状況を打破する方法も思い付かず、二宮との距離も徐々に狭まり長身な彼が腕を伸ばせば少女に触れる距離になり、……思わず身をすくめ瞳を閉じてしまった。その時
‐ ………クイッ、……ポフンッ!…スッ ‐
「……あの時話した迅や俺の言葉を、忘れたのか?コイツに用があるならつる姐を通してからにしろって、忠告した筈だ。それともナニか?……この歌姫さまに興味が湧いたのか。なぁ~………二宮?」
『!!……す、諏訪さんっ!?(チラリ、…ギュッ)』
「………丸っきり興味がないと言えば嘘になりますが、その娘が"ボーダーに居るのが稀"ですよね?あの日以降、今日までその姿を見掛けたのは無かった。【緑色の髪を持つ、女子隊員】なんて噂も流れていない。……だがその服装から推測するとしたら、……エンブレムこそ無いがその娘は【玉狛所属のB級の"ソロ隊員"】なら…筋は通ります。最近発足したのを隠れ蓑にして"亜種対策の切り札"を導入した。……あそこならその位の小細工は可能でしょうからね。……違いますか?」
「さぁな、俺は不必要な発言は控えろってつる姐から"警告"を受けている。……知りたきゃあの人に聞きやがれ。……ほれ、"久しぶりにおサノに会いたい"って言ったから連れてきてやったんだ。これで満足しただろ?そろそろ行くぞ」
飲み物を買いに離れていた諏訪が戻ってくると、明らかに怯えている柚紀を自分の方に引き寄せ肩に手を置き二宮と対峙する。その諏訪のジャケットの裾を掴む少女と諏訪を見据えて【トリオン体の柚紀をあまり見掛けない理由】を解く二宮。それを聞いて(そう推測も出来るか。ま、その辺は頭が良い奴等でやり取りしやがれ)と肯定も否定もせず、答えなくても疑われない様な言い訳を口にして此処から柚紀を連れ去ろうとする。が
「え~~、もうその子連れて行っちゃうんですか~?……夏休み終わりに俺が防衛任務遅刻する理由になったの、その子に関わったからなんですよ~?他にも一人ぼっちで居た時、保護者が来るまで側に居ましたし~。仲良くしたって問題ないじゃないですか~。……君だって辻ちゃんやひゃみちゃん、…この人だって気にはなるでしょ?」
「なっ?!?(犬飼の奴っ!!事実を口にした上で鶴ヶ峰が断りづらい状況にしやがって!!?あ~、上手く行くか分からねぇが此処は"賭け"に出るか)…………そうしてやりたいのは山々だが、コイツには"先約"があってな。そこまで時間潰しのお供を俺がしているだけだ。姫様は人気者で引っ張りだこだ、明確な用事があるなら上司にあたるつる姐を通じてアポ取りしろ。コイツ機械音痴で連絡取るのも一苦労だし、早めに予定入れて"体調管理"とか気をつける必要があるんだよ」
「……………先約?……(スウゥ)誰に会う予定だ?此処に居るんだろ?」
『え?えっとあの、そのっ!!(や、約束なんてしてないよっ??それに私が……"歌姫"が関わる案件はほぼ"亜種絡み"だから下手にB級の子とか言ったら不味いよね?……A級のこの人が"私と組んでも違和感ない、納得する程の実力者"って言ったら………)』
まさかの犬飼のアシスト(邪魔)が入り、"在り来たりな嘘"を口で言うだけでどうにかなると踏んだ諏訪だったが、"その相手に会わせろ"的な雰囲気を醸し出す二宮。一段と鋭くなった眼孔で見つめられてどう答えるべきか、……相手をちゃんと納得させなければ"同じ事を繰り返す"そう感じた柚紀。然り気無く"該当者のチームメイト"を一瞥するが、宇佐美は首を振り綾辻は未だに携帯で連絡を取っている状況である。………直ぐには解決せず本格的に対処法に行き詰まり柚紀の瞳にうっすら目元に涙が溜まり始め流れ落ちそうになった。……そんなタイミングで
「…………えっと、……コレどうなっているんだ?おサノに"ラウンジに来い"って言われて来たんだが、って……二宮さん?それに………ちょっ!?(ダッ!)一体何したんですかっ?!この子が泣いたらどうなるか、まさか知らないんですか??!(バッ!!)例え二宮さんだろうと姐さんの怒りを買いますよ?この子はあの人にとってかけ換えのない存在なんですから!!!」
『……ぃ、…出水、先輩?』
私服姿の出水が一人でラウンジにやって来て呆然と最初はしたが、二宮と……涙目の柚紀を見て理由は何であれ"このままじゃ駄目"なのは察し一直線に近づき、二人の間に割り込めば二宮と真っ向から対峙したのだった(その後ろで諏訪は親指を立てて"よくやった"と自オペレーターにアイコンタクトをし、これに対してVサインを返したのであった)