36.隠密の曲(101.
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さて、実際にカメレオンを使っている"つもり"の柚紀だが、本当に姿が見えなくなっているかが分からないので……とりあえず"普通に"歩いてみる事にしたが、見知らぬ人とすれ違いしそうになった際は反射的に隠れてやり過ごしてしまったのだった。そして、何となくB級作戦室エリアに来ると笹森と、クラスメートのB級隊員になったガンナーの少年を見つける。恐らく行き先は諏訪隊室と推理して何とか先回りし、二人に向かって【笑顔で手を降ってみる】。が、全く気づく気配もなく通り過ぎて行き部屋に入ったのを見て(本当に見えてないんだ)と納得するのであった
何だか面白くなってきた柚紀は、丁度部屋から諏訪と堤が出てきたのでコッソリ後を着いて行く。ついでに話を盗み聞きする。……笹森も少年とナニやら話をしていたが、【本当に見えていないのか】が不安で会話内容が頭に入ってきていなかったのだった(因みに会話内容は柚紀関連だったが"彼女"やら"アイツ"と明確に名を口にしていなかったので、気づかれていないのだ)
「ったくおサノの奴、【暇なら先生役やってくれ、大学生なら高校の勉強も楽勝でしょ?】とかぬかしやがってよ~。……高一の内容なんて覚えてねぇってんだよ!!?」
「まぁまぁ、科目によっては意外と覚えていたりしますし、今日は任務も入っていませんから良いじゃないですか。丁度次のランク戦まで日にちの余裕もありますから、今の内に勉強に励むのも俺は良いと思いますけどね?」
「勉強会ね~、ってかコレってよ~……ぶっちゃけ【鶴ヶ峰が俺達以外の隊員とは話せるようになる為】のつる姐が考えた策だろ?ならおサノ達まで便乗する必要なくねぇ?」
「でもラウンジなら"知り合いに遭遇する確率は高い"ですから割りといい気がしますよ?意外と年齢問わず仲が良い人が多いですし、年が上がる程"隊長を務めている人の割合"が増えます。隊長を務めている人は大体"お人好し"が多いので、年下に【勉強を教えて】と言われたら(クスッ)断れないですよね?違いますか諏訪さん」
「……………(プイッ)ウルセェ、そう言うお前が一番お人好しだろ?別に俺に付き合う必要ねぇだろう?」
「俺は日佐人と客人の飲み物を買いに行くだけなので気にしないで下さい」
そんなほのぼのとした心暖まる話や、……相変わらず自分の為に動いてくれる叔母に感謝の気持ちで嬉しくなり"クスッ"と柚紀は笑い声を溢してしまう。……その声が聞こえたらしい二人が足を止めて辺りを見渡したのを見て、口許に手を当てて静かに距離を取る。そして再び歩き出したのを確認して安堵のため息を漏らす
『(あ、危ない危ない。…姿は見えなくても"すり抜け"とかは無理だから物音を立てれば聞こえちゃうし、声も同じだね。あ、だから菊地原くんは"風間さん達がカメレオン使っても居場所が分かる"感じなのかな?……にしても)(ポツリ)……会話出来ないのは不便じゃないのかな?』
((……確かに声を出せば存在を気づかれるが、トリオン体に付属している"内部通話機能"を使えば伝えたい相手にだけ内容を伝達するのは可能だ。だが、制御を誤ると余計な奴にまで聞かれてしまうがな))
『!!(キョロキョロ、キョロキョロ)…!(あっ!?風間さんだ?!……あれ?私カメレオン解除してない…よね?見えているのかな?)(フリフリ)』
「(…スタスタ、ナデ)((カメレオン使用者同士でなら姿を認識可能だ。と言うか鶴ヶ峰、前回の任務中に出た"隠密型の亜種"に対抗するために"カメレオンによる完全隠密戦闘"を実現させたのを忘れたか?アレは"カメレオン中なら敵が消えていても姿が見える"と、お前は分かっていたからじゃないのか?))」
『(フルフルフルフル)(ち、違います!?アレはその、……あの時歌姫に使用した曲が"忍を題材にした物語の主題歌"だったのでそこからヒントを貰っただけで、……ってあれ?…………何で風間さん、私の考えが分かるんですか?今特に意識して内部通話使っているつもりないですよ?ってか、モドキを生身でやった際には"使うな"と当真先輩に言われましたし、あ!"機能がある"のは知っていましたが、やり方を言実さんや他の人からも習っていません。……何で使えるのかな?)(コテン)』
ポツリと呟いた独り言にまさかの解答が来て驚いた柚紀。周囲を見渡すと、トリオン体の風間が腕を組んで壁に寄り掛かった体制でこちらを見つめていたのだった。……念のため笹森にやったのと同じ動作をしてみると、一直線に歩み寄って来て頭を撫でられて(あ、見えているんだ)と納得したのだった。それとは別に、口を動かしていないのに脳内に風間の声が聞こえてきちんと会話が出来ている事から(コレが内部通話か)と感心する柚紀だが、ならば何故自分が出来ているのかが分からず不思議そうにする。これに対して風間は既に"ある可能性を"見出だしていた
((恐らくだが、お前が今使っているのが"正隊員用のトリオン体"だからだろうな。前まで使用していた言実さんの改造トリガーホルダーではスペックの関係上、"ベイルアウト機能"と"内部通話機能"を抜く必要があったらしくて、特に通信機能は耳と言うより脳に直接話し声が聞こえるから【脳内イメージを具現化させる】とも言えるであろう鶴ヶ峰の能力に悪影響を及ぼすのを危惧しての処置……なのだろうな。で、今すんなり使えているのは【トリオン体と体質の相性の良さ】が影響して、だろうな。……後で言実さんに調節して貰え。思考がただ漏れな状態だからな。ま、"トリオン体の相手限定"だろうが不便なのには変わりない))
『(わぁ~、それ凄く困ります!!私頭の中で色んな事を常に考えてますから、……ソレを知られるのも嫌ですが【私独自の考えを聞いて誰かが気分を害される】のも嫌だし、……でもラボには暫く帰りたくないし、…………どうしよう)(シュン)』
「((………俺に考えがある、上手くいけば"一時的だが思考が他人に漏れなくなる"だろう。この後、予定が無ければ少し付き合え。……ついでにカメレオンの訓練にもなるだろうしな。授業料は……(クイッ、ギュッ…‐ 臨時接続完了 ‐)お前のトリオンで勘弁してやる))」
『(ギュッ…)(よ、宜しくお願いします!……風間先生っ!!?)』
こんな感じで傍目から見えない所で、隠密戦闘のプロによるワンツーマン授業が開始されるのであった
何だか面白くなってきた柚紀は、丁度部屋から諏訪と堤が出てきたのでコッソリ後を着いて行く。ついでに話を盗み聞きする。……笹森も少年とナニやら話をしていたが、【本当に見えていないのか】が不安で会話内容が頭に入ってきていなかったのだった(因みに会話内容は柚紀関連だったが"彼女"やら"アイツ"と明確に名を口にしていなかったので、気づかれていないのだ)
「ったくおサノの奴、【暇なら先生役やってくれ、大学生なら高校の勉強も楽勝でしょ?】とかぬかしやがってよ~。……高一の内容なんて覚えてねぇってんだよ!!?」
「まぁまぁ、科目によっては意外と覚えていたりしますし、今日は任務も入っていませんから良いじゃないですか。丁度次のランク戦まで日にちの余裕もありますから、今の内に勉強に励むのも俺は良いと思いますけどね?」
「勉強会ね~、ってかコレってよ~……ぶっちゃけ【鶴ヶ峰が俺達以外の隊員とは話せるようになる為】のつる姐が考えた策だろ?ならおサノ達まで便乗する必要なくねぇ?」
「でもラウンジなら"知り合いに遭遇する確率は高い"ですから割りといい気がしますよ?意外と年齢問わず仲が良い人が多いですし、年が上がる程"隊長を務めている人の割合"が増えます。隊長を務めている人は大体"お人好し"が多いので、年下に【勉強を教えて】と言われたら(クスッ)断れないですよね?違いますか諏訪さん」
「……………(プイッ)ウルセェ、そう言うお前が一番お人好しだろ?別に俺に付き合う必要ねぇだろう?」
「俺は日佐人と客人の飲み物を買いに行くだけなので気にしないで下さい」
そんなほのぼのとした心暖まる話や、……相変わらず自分の為に動いてくれる叔母に感謝の気持ちで嬉しくなり"クスッ"と柚紀は笑い声を溢してしまう。……その声が聞こえたらしい二人が足を止めて辺りを見渡したのを見て、口許に手を当てて静かに距離を取る。そして再び歩き出したのを確認して安堵のため息を漏らす
『(あ、危ない危ない。…姿は見えなくても"すり抜け"とかは無理だから物音を立てれば聞こえちゃうし、声も同じだね。あ、だから菊地原くんは"風間さん達がカメレオン使っても居場所が分かる"感じなのかな?……にしても)(ポツリ)……会話出来ないのは不便じゃないのかな?』
((……確かに声を出せば存在を気づかれるが、トリオン体に付属している"内部通話機能"を使えば伝えたい相手にだけ内容を伝達するのは可能だ。だが、制御を誤ると余計な奴にまで聞かれてしまうがな))
『!!(キョロキョロ、キョロキョロ)…!(あっ!?風間さんだ?!……あれ?私カメレオン解除してない…よね?見えているのかな?)(フリフリ)』
「(…スタスタ、ナデ)((カメレオン使用者同士でなら姿を認識可能だ。と言うか鶴ヶ峰、前回の任務中に出た"隠密型の亜種"に対抗するために"カメレオンによる完全隠密戦闘"を実現させたのを忘れたか?アレは"カメレオン中なら敵が消えていても姿が見える"と、お前は分かっていたからじゃないのか?))」
『(フルフルフルフル)(ち、違います!?アレはその、……あの時歌姫に使用した曲が"忍を題材にした物語の主題歌"だったのでそこからヒントを貰っただけで、……ってあれ?…………何で風間さん、私の考えが分かるんですか?今特に意識して内部通話使っているつもりないですよ?ってか、モドキを生身でやった際には"使うな"と当真先輩に言われましたし、あ!"機能がある"のは知っていましたが、やり方を言実さんや他の人からも習っていません。……何で使えるのかな?)(コテン)』
ポツリと呟いた独り言にまさかの解答が来て驚いた柚紀。周囲を見渡すと、トリオン体の風間が腕を組んで壁に寄り掛かった体制でこちらを見つめていたのだった。……念のため笹森にやったのと同じ動作をしてみると、一直線に歩み寄って来て頭を撫でられて(あ、見えているんだ)と納得したのだった。それとは別に、口を動かしていないのに脳内に風間の声が聞こえてきちんと会話が出来ている事から(コレが内部通話か)と感心する柚紀だが、ならば何故自分が出来ているのかが分からず不思議そうにする。これに対して風間は既に"ある可能性を"見出だしていた
((恐らくだが、お前が今使っているのが"正隊員用のトリオン体"だからだろうな。前まで使用していた言実さんの改造トリガーホルダーではスペックの関係上、"ベイルアウト機能"と"内部通話機能"を抜く必要があったらしくて、特に通信機能は耳と言うより脳に直接話し声が聞こえるから【脳内イメージを具現化させる】とも言えるであろう鶴ヶ峰の能力に悪影響を及ぼすのを危惧しての処置……なのだろうな。で、今すんなり使えているのは【トリオン体と体質の相性の良さ】が影響して、だろうな。……後で言実さんに調節して貰え。思考がただ漏れな状態だからな。ま、"トリオン体の相手限定"だろうが不便なのには変わりない))
『(わぁ~、それ凄く困ります!!私頭の中で色んな事を常に考えてますから、……ソレを知られるのも嫌ですが【私独自の考えを聞いて誰かが気分を害される】のも嫌だし、……でもラボには暫く帰りたくないし、…………どうしよう)(シュン)』
「((………俺に考えがある、上手くいけば"一時的だが思考が他人に漏れなくなる"だろう。この後、予定が無ければ少し付き合え。……ついでにカメレオンの訓練にもなるだろうしな。授業料は……(クイッ、ギュッ…‐ 臨時接続完了 ‐)お前のトリオンで勘弁してやる))」
『(ギュッ…)(よ、宜しくお願いします!……風間先生っ!!?)』
こんな感じで傍目から見えない所で、隠密戦闘のプロによるワンツーマン授業が開始されるのであった