35.内心暴露の曲~少女の安寧を保つ為に~(100.
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暫く水を飲んでいた柚紀だが、ある程度声が出るようになると体も幾分か動かせる様になったのを迅に告げた。が、背凭れがない椅子に座るのは危ないのを視ていた迅は一人で座らせる気はないらしく、簡易ベッドに腰を降ろした自分の膝に柚紀を乗せる体制を取りお腹周りに腕を回す。それに対して抵抗をせずに従う柚紀。……以前、諏訪にもされたし迅とも同じ様な体制を経験していた。あの時は"向かい合わせ"だったが今は先程の失態後なのもあるが…………"目を見ながら話しづらい"事を聞きたいと、話さなければと互いに思っていたからだ。そして話を切り出したのは
『……ねぇ、迅さん。…………言実さんは?』
「ん?(……ナデナデ)あの人は多分仕事しているんじゃないかな?勿論トリオン体だろうからそこまで心配する必要はないよ?後、………ごめんね柚紀ちゃん。君が、……"痛みでトリオンを暴発させる未来"を確かに俺は視えてた。でも、………可能性がすごく低かったんだ。あの時、彼にぶつかってもポケットからトリガーホルダーが落ちない可能性の方が高かった。それに、………………"この先"の事を考えると【戦闘員とエンジニア間に生じている認識の違いの解消や立場の再認識】を互いにするには、……"きっかけ"が必要なんだ。だから……」
『………話し合いの場を設ける必要性を示すには、実際に証明する必要があった。【トリオン体の整備不調が如何に危険か】を、そして【自分が出来ない事を代わりにやってくれるエンジニアの人達の有り難みを感じる為に】…こんな感じですか?今回は私でしたから何とかなりましたが、他の人だったら………下手すると"ショック死"した可能性だってありますからね。因みにですが、……犯人には、どんな処罰が下されましたか?』
「……まだ、確定していないけど…………君のトリガーホルダーをすり替えた彼は"君に今後一切の接触を直接間接共に禁止"で、もし主犯が"本当に"彼じゃない別の人物が居るなら……………流石にボーダーから追放させられるだろうね。でないとサイアク言実さんがボーダーを去る事態になっちゃうから。(ナデナデ)組織としてそれは回避したいし、君だって此処に居たいでしょ?」
『……………………うん、……やりたい事や知りたい事が、私にはある。それに、………ボーダーじゃなければ、……会えない大切で仲良くなった人が沢山居る、ので(…同じ町に住んでいるから、会おうと思えば会える。でもやっぱり、皆さんだって学校とか友達付き合いもあるから……難しい、よね)』
表情が互いに見えないから淡々と話しているが、内容はかなり重たく重要な事ばかりであった。顔を見てしまうと柚紀は"迅を気遣うばかりに聞きたいことが聞けなくなり"、迅も"自分にとって妹みたいな子の悲しそうな顔は見たくない"のだ。でも話す必要がある
‐ ……知ってしまい、知らないままではいけない…"また"と、後悔しない……させない為にも ‐
そして、年齢や通っている学校が違う人でボーダー以外では中々接点がないであろう人……【自分が高校・大学生になっても決して同じ時を学校では過ごせない人物の一人】にして、……"父親と繋がりのある"人物に関して知っているであろう迅に、訊ねるのだ
『迅さんは、知ってましたか?風間さんのお兄さんである風間進さん、……旧世代の仲間内の家族について。風間さんが生前のお父さんに会っていた事を』
「…………進さんの事は勿論覚えているよ?でも、俺が風間さんに会ったのは今のボーダーにあの人が入ってきてから。でも、見た瞬間に弟さんだって直ぐに分かったよ。ってか風間さんが静樹さんに会った事あるのは、知らなかったな~。……多分プライベートか医者として会ったのかな?」
『……そう、らしいですよ?本人が言ってましたから。でも………何でお兄さんが今のボーダーにはいらっしゃらないのですか?……………ううん、私が本当に聞きたいのは、コレじゃない。ねぇ、迅さん。……【お父さんは何時、どうして死んでしまったの?】過去の新聞を調べても【お父さんが関わっていそうな事件はおろか、訃報一覧にもお父さんの名前は何処にも無かった】………私達に届けられた時には位牌だけで"遺骨もそれを燃やして出た灰"すら無かった。……【葬式の為に遺体を持って帰れる状況で無かった】【訃報を報せに来た林藤さんは分からなかったですが、……"城戸さん"は顔に包帯を巻くほどの大怪我をしてました】そして、【報告が遅くなった、でも"誕生日"には帰ると約束したと聞いたから、せめてその日までに報せるべきだと】って、言って、ました。(…ヒック)き、きっと……【近界に、遠征に行った先で】何だよね?(ヒック)……昔は、技術、発達してなくて(ヒック)一度行ったら、中々、帰ってこれなくて。だ、だからっ!……家に居なかった理由も、そうなんだよね?ねぇ、迅さんっ!!』
‐ ……ポタ、ポタポタ… ‐
「…………(ナデナデ、ナデナデ)」
……幾ら調べても旧世代のメンバーで現在ボーダーに居ない人の所在を知ることが出来ないのが気になっていた。言実に聞けば分かることもあるかも知れないが、彼女がボーダーに関わったのは"父親が居なくなってから"であり、柚紀が知りたいのはそれより前の事……【父親の死の原因】なのだ。大人には聞きづらく自分の知り合いで確実に知っていそうなのは、…………迅しか居なかった。だが、彼も多忙の身なので"聞きたくても聞けない日々"を過ごしていたのだ。そして、……【悩みを溜め込ませるのは柚紀の体に良くないが、誰かに聞かれて良い話ではない】それ等の配慮を怠った"末路"も視えていた迅は、今日この時間帯にコッソリ会いに来たのだ。………あの騒動のせいで"自由に"泣けなくなり、身の内に一段と溜め込みやすくなってしまった少女が…壊れないように、本音を吐き出しても平気なこの空間に居る間に、と
『……ねぇ、迅さん。…………言実さんは?』
「ん?(……ナデナデ)あの人は多分仕事しているんじゃないかな?勿論トリオン体だろうからそこまで心配する必要はないよ?後、………ごめんね柚紀ちゃん。君が、……"痛みでトリオンを暴発させる未来"を確かに俺は視えてた。でも、………可能性がすごく低かったんだ。あの時、彼にぶつかってもポケットからトリガーホルダーが落ちない可能性の方が高かった。それに、………………"この先"の事を考えると【戦闘員とエンジニア間に生じている認識の違いの解消や立場の再認識】を互いにするには、……"きっかけ"が必要なんだ。だから……」
『………話し合いの場を設ける必要性を示すには、実際に証明する必要があった。【トリオン体の整備不調が如何に危険か】を、そして【自分が出来ない事を代わりにやってくれるエンジニアの人達の有り難みを感じる為に】…こんな感じですか?今回は私でしたから何とかなりましたが、他の人だったら………下手すると"ショック死"した可能性だってありますからね。因みにですが、……犯人には、どんな処罰が下されましたか?』
「……まだ、確定していないけど…………君のトリガーホルダーをすり替えた彼は"君に今後一切の接触を直接間接共に禁止"で、もし主犯が"本当に"彼じゃない別の人物が居るなら……………流石にボーダーから追放させられるだろうね。でないとサイアク言実さんがボーダーを去る事態になっちゃうから。(ナデナデ)組織としてそれは回避したいし、君だって此処に居たいでしょ?」
『……………………うん、……やりたい事や知りたい事が、私にはある。それに、………ボーダーじゃなければ、……会えない大切で仲良くなった人が沢山居る、ので(…同じ町に住んでいるから、会おうと思えば会える。でもやっぱり、皆さんだって学校とか友達付き合いもあるから……難しい、よね)』
表情が互いに見えないから淡々と話しているが、内容はかなり重たく重要な事ばかりであった。顔を見てしまうと柚紀は"迅を気遣うばかりに聞きたいことが聞けなくなり"、迅も"自分にとって妹みたいな子の悲しそうな顔は見たくない"のだ。でも話す必要がある
‐ ……知ってしまい、知らないままではいけない…"また"と、後悔しない……させない為にも ‐
そして、年齢や通っている学校が違う人でボーダー以外では中々接点がないであろう人……【自分が高校・大学生になっても決して同じ時を学校では過ごせない人物の一人】にして、……"父親と繋がりのある"人物に関して知っているであろう迅に、訊ねるのだ
『迅さんは、知ってましたか?風間さんのお兄さんである風間進さん、……旧世代の仲間内の家族について。風間さんが生前のお父さんに会っていた事を』
「…………進さんの事は勿論覚えているよ?でも、俺が風間さんに会ったのは今のボーダーにあの人が入ってきてから。でも、見た瞬間に弟さんだって直ぐに分かったよ。ってか風間さんが静樹さんに会った事あるのは、知らなかったな~。……多分プライベートか医者として会ったのかな?」
『……そう、らしいですよ?本人が言ってましたから。でも………何でお兄さんが今のボーダーにはいらっしゃらないのですか?……………ううん、私が本当に聞きたいのは、コレじゃない。ねぇ、迅さん。……【お父さんは何時、どうして死んでしまったの?】過去の新聞を調べても【お父さんが関わっていそうな事件はおろか、訃報一覧にもお父さんの名前は何処にも無かった】………私達に届けられた時には位牌だけで"遺骨もそれを燃やして出た灰"すら無かった。……【葬式の為に遺体を持って帰れる状況で無かった】【訃報を報せに来た林藤さんは分からなかったですが、……"城戸さん"は顔に包帯を巻くほどの大怪我をしてました】そして、【報告が遅くなった、でも"誕生日"には帰ると約束したと聞いたから、せめてその日までに報せるべきだと】って、言って、ました。(…ヒック)き、きっと……【近界に、遠征に行った先で】何だよね?(ヒック)……昔は、技術、発達してなくて(ヒック)一度行ったら、中々、帰ってこれなくて。だ、だからっ!……家に居なかった理由も、そうなんだよね?ねぇ、迅さんっ!!』
‐ ……ポタ、ポタポタ… ‐
「…………(ナデナデ、ナデナデ)」
……幾ら調べても旧世代のメンバーで現在ボーダーに居ない人の所在を知ることが出来ないのが気になっていた。言実に聞けば分かることもあるかも知れないが、彼女がボーダーに関わったのは"父親が居なくなってから"であり、柚紀が知りたいのはそれより前の事……【父親の死の原因】なのだ。大人には聞きづらく自分の知り合いで確実に知っていそうなのは、…………迅しか居なかった。だが、彼も多忙の身なので"聞きたくても聞けない日々"を過ごしていたのだ。そして、……【悩みを溜め込ませるのは柚紀の体に良くないが、誰かに聞かれて良い話ではない】それ等の配慮を怠った"末路"も視えていた迅は、今日この時間帯にコッソリ会いに来たのだ。………あの騒動のせいで"自由に"泣けなくなり、身の内に一段と溜め込みやすくなってしまった少女が…壊れないように、本音を吐き出しても平気なこの空間に居る間に、と