34.共有の曲~雨降って地固まる?~(99.
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「……………一体、何しているんですか?音もしないから僕にもさっぱり分からないんですが」
「……簡単に言えば"少なくなったトリオンを補給している状態"かな?分かりやすく言うと輸血とか点滴のトリオンバージョン的な感じのさ。彼女のトリオン量が多いのは周知の事だけど、毎回亜種に対抗する為に歌姫を使ったり、敵の攻撃に対処や隊員のサポートしたりでトリオンを一度の任務でかなり消費するのも事実。……"これ以上学業に支障を出すべきじゃない"。そう思った言実さんが作り出したのがコレ等のシステム。ま、あの騒動で嵐山隊に介護を受けた時点で"必要になる"とは考えていたらしいけどね」
菊地原の問いに画面を見つめながら操作をしている寺島が答える。…よく見ると装着したリストバンドから"うっすらトリオン粒子"らしい光が漏れているのが分かる面々。そして今の所"任務終了後、柚紀は必ず寝てしまう"のは佐鳥は勿論、時枝も知っているので今行われている行為の重要性は理解できるのだった
……ただ、防衛任務に全く関わりがなく、更にトリオンや今まで柚紀の出来事を全てちゃんと把握していないフブキが素朴な疑問を口にする
「……あの、さ。俺、未だにトリオンに関してあんまり詳しくねぇんだが、それって"簡単に出来る"のか?…………不足したから補うって発想は分かるぜ?だが、……輸血なら血液型を気にする必要があるし、点滴は大丈夫かも知れねぇが世の中には【とある薬に入っている成分にアレルギー的な反応が出る】なんて奴だって居るんだぜ?…………俺はそんな経験ねぇが、家族にそれっぽい症状が出るのが居てさ、あれは大変だった。えっとあ、ア……"アレルゲン"ショック?」
‐ ガチャ、キイィィ ‐
「それを言うなら"アナフィラキシーショック"だよ、フウちゃん。アレルゲンはそう言う反応が出てしまう物質を指す言葉ね。……すみません堤さん、わざわざ運んで貰って」
「(ニコッ)この位お安いご用さ、"似たような事"を鶴ヶ峰にした時は気分を悪くさせちゃったから不安だったけど、市河には有効な手段だったみたいだね(スッ)」
「「「「!!?」」」」
「……来たか、お前も疲れているのを重々承知してんが、コレを作るのに携わっただろ?(ガシガシ)大人共が"対応や後始末"に追われちまってるかんな、安全性を考えるとやっぱり制作者が操作するのが一番って訳だ。頼むぜ市河」
フブキの言い間違えを指摘したのた、丁度良いタイミングでやって来たトリオン体のシロであった。……何故かバックワームに包まれて堤に抱っこされた状態で、シロ本人の物であろう上着と鞄も持参していた。そして荷物は預かったまま少女だけを降ろした堤に佐鳥が柚紀に同じことをした理由や経緯を訊ねる。シロも気になるが佐鳥はやはり柚紀の事を一番知りたいのだ。対して菊地原・時枝、そしてフブキは【シロが能力使用により、かなり疲弊しているのでは】と心配そうにしていた。勿論諏訪も無茶をさせている自覚はある。だが、……【トリオンが少な過ぎると命の危険がある】と、言実が危惧していたのも事実なのだ。"どちらが重要か"と問われれば…………やはり命になるのだ
さて、少しばかり覚束無い足取りで歩き寺島に明け渡された操作席に座ると、画面を見ながら手元を小刻みに動かしてナニやら微調整を始める。それをしながら、ふと気になる事があるので皆の方を見ずにだが話し掛ける
「所でフウちゃん。……何の話をしていたらアレルゲン何て言葉が出てくるの?」
「…………鶴ヶ峰に基地に蓄積されているトリオンを補給させて身体に影響が出ないかって話。ってか、基地を維持するのだってトリオン使うけど良いの?勝手に彼女に上げてさ、……機械なんかで測定できるのはトリオン量ってさ"本当の総括量"とは限らないでしょ?人って潜在的な力を持ってたりするし、"無意識"的なのもある。……違う?」
「(チラリ)……菊地原くんの言う通り、かな?多分だけど皆が聞かされる"トリオン量は生命維持に支障がない程度に使用可能な領域"なんだと思うの。でもユズちゃんは【必要と判断すればその領域以上のトリオンを使ってしまう】。あ、コレは生身ならの話です。トリオン体はそうならないようにプログラミングされているから皆が安心安全に使える訳です。後、……基地に蓄積されているのや私達のトリオンなら渡しても平気。"彼女に害を与えるモノ"でなければ吸収しても大丈夫!ただ、………本当なら点滴や輸血もしたいのだけど、コッチは難しいかな?」
「ん???……市河ちゃん、何で点滴や輸血が必要なの?栄養補給は…(ゴソゴソ、チラリ)……うん、晩ご飯の時間だから分からなくもないけど輸血?……彼女は怪我をしたけどあれはトリオン体で、だよ?」
シロの問いに言い間違えの恥ずかしさから復帰できていないフブキに代わって答えるついでにこちらも気になる事を訊ねる菊地原。……彼が一般人並みの聴覚になっているのを知らないシロは、"菊地原に嘘は無駄"と察して素直に推測の範囲ではあるが素直に答えるのであった(因みにそうなるのはあくまで柚紀が寝ている部屋内である)
それを少し前に堤の話を聞き終えて合流した佐鳥が、ナニやら意味深な発言をしたシロに更に訊ね返す。これに対しては大小複数あるモニターで大きい画面にナニかを表示させてから語り始める
「点滴は佐鳥くんの言う通りになるかな?まだ病み上りとも言えるユズちゃんには、きちんと栄養取って欲しいのだけど、……なんか【彼女、体に合わない薬とか成分が多いらしいの】。市販の薬もだけど、病院で処方される奴も駄目なのがあって小さい頃それこそ"アナフィラキシーショック"を起こして、"死にかけた経験"があるみたい。だから点滴は無理。輸血が必要かなと私が判断したのは、(ピッ)この血圧数値が異常に下がっているからなの。……確かに腕が切断されたのはトリオン体、でも"実際に腕が切られたらどうなるかを"……彼女だって理解している。年齢指定のゲームや映画、漫画とか深夜のアニメは"その手の規制はされない"のを見れますからね。更に今回は(痛覚があったから尚更、だね)……"色々タイミングが、悪かった"としか言えないかな?」
フブキは漫画とか類いでの理由で察したが、男子三人は違った。菊地原は"痛覚ON"を知っており、嵐山隊の二人は"実力テストでの精神・肉体的にもギリギリな彼女の姿を見ている"のだ。……偶然の積み重ねによってあの少女がまた危険な事態になってしまったのと思い、全員が表情を暗くするのであった
「……簡単に言えば"少なくなったトリオンを補給している状態"かな?分かりやすく言うと輸血とか点滴のトリオンバージョン的な感じのさ。彼女のトリオン量が多いのは周知の事だけど、毎回亜種に対抗する為に歌姫を使ったり、敵の攻撃に対処や隊員のサポートしたりでトリオンを一度の任務でかなり消費するのも事実。……"これ以上学業に支障を出すべきじゃない"。そう思った言実さんが作り出したのがコレ等のシステム。ま、あの騒動で嵐山隊に介護を受けた時点で"必要になる"とは考えていたらしいけどね」
菊地原の問いに画面を見つめながら操作をしている寺島が答える。…よく見ると装着したリストバンドから"うっすらトリオン粒子"らしい光が漏れているのが分かる面々。そして今の所"任務終了後、柚紀は必ず寝てしまう"のは佐鳥は勿論、時枝も知っているので今行われている行為の重要性は理解できるのだった
……ただ、防衛任務に全く関わりがなく、更にトリオンや今まで柚紀の出来事を全てちゃんと把握していないフブキが素朴な疑問を口にする
「……あの、さ。俺、未だにトリオンに関してあんまり詳しくねぇんだが、それって"簡単に出来る"のか?…………不足したから補うって発想は分かるぜ?だが、……輸血なら血液型を気にする必要があるし、点滴は大丈夫かも知れねぇが世の中には【とある薬に入っている成分にアレルギー的な反応が出る】なんて奴だって居るんだぜ?…………俺はそんな経験ねぇが、家族にそれっぽい症状が出るのが居てさ、あれは大変だった。えっとあ、ア……"アレルゲン"ショック?」
‐ ガチャ、キイィィ ‐
「それを言うなら"アナフィラキシーショック"だよ、フウちゃん。アレルゲンはそう言う反応が出てしまう物質を指す言葉ね。……すみません堤さん、わざわざ運んで貰って」
「(ニコッ)この位お安いご用さ、"似たような事"を鶴ヶ峰にした時は気分を悪くさせちゃったから不安だったけど、市河には有効な手段だったみたいだね(スッ)」
「「「「!!?」」」」
「……来たか、お前も疲れているのを重々承知してんが、コレを作るのに携わっただろ?(ガシガシ)大人共が"対応や後始末"に追われちまってるかんな、安全性を考えるとやっぱり制作者が操作するのが一番って訳だ。頼むぜ市河」
フブキの言い間違えを指摘したのた、丁度良いタイミングでやって来たトリオン体のシロであった。……何故かバックワームに包まれて堤に抱っこされた状態で、シロ本人の物であろう上着と鞄も持参していた。そして荷物は預かったまま少女だけを降ろした堤に佐鳥が柚紀に同じことをした理由や経緯を訊ねる。シロも気になるが佐鳥はやはり柚紀の事を一番知りたいのだ。対して菊地原・時枝、そしてフブキは【シロが能力使用により、かなり疲弊しているのでは】と心配そうにしていた。勿論諏訪も無茶をさせている自覚はある。だが、……【トリオンが少な過ぎると命の危険がある】と、言実が危惧していたのも事実なのだ。"どちらが重要か"と問われれば…………やはり命になるのだ
さて、少しばかり覚束無い足取りで歩き寺島に明け渡された操作席に座ると、画面を見ながら手元を小刻みに動かしてナニやら微調整を始める。それをしながら、ふと気になる事があるので皆の方を見ずにだが話し掛ける
「所でフウちゃん。……何の話をしていたらアレルゲン何て言葉が出てくるの?」
「…………鶴ヶ峰に基地に蓄積されているトリオンを補給させて身体に影響が出ないかって話。ってか、基地を維持するのだってトリオン使うけど良いの?勝手に彼女に上げてさ、……機械なんかで測定できるのはトリオン量ってさ"本当の総括量"とは限らないでしょ?人って潜在的な力を持ってたりするし、"無意識"的なのもある。……違う?」
「(チラリ)……菊地原くんの言う通り、かな?多分だけど皆が聞かされる"トリオン量は生命維持に支障がない程度に使用可能な領域"なんだと思うの。でもユズちゃんは【必要と判断すればその領域以上のトリオンを使ってしまう】。あ、コレは生身ならの話です。トリオン体はそうならないようにプログラミングされているから皆が安心安全に使える訳です。後、……基地に蓄積されているのや私達のトリオンなら渡しても平気。"彼女に害を与えるモノ"でなければ吸収しても大丈夫!ただ、………本当なら点滴や輸血もしたいのだけど、コッチは難しいかな?」
「ん???……市河ちゃん、何で点滴や輸血が必要なの?栄養補給は…(ゴソゴソ、チラリ)……うん、晩ご飯の時間だから分からなくもないけど輸血?……彼女は怪我をしたけどあれはトリオン体で、だよ?」
シロの問いに言い間違えの恥ずかしさから復帰できていないフブキに代わって答えるついでにこちらも気になる事を訊ねる菊地原。……彼が一般人並みの聴覚になっているのを知らないシロは、"菊地原に嘘は無駄"と察して素直に推測の範囲ではあるが素直に答えるのであった(因みにそうなるのはあくまで柚紀が寝ている部屋内である)
それを少し前に堤の話を聞き終えて合流した佐鳥が、ナニやら意味深な発言をしたシロに更に訊ね返す。これに対しては大小複数あるモニターで大きい画面にナニかを表示させてから語り始める
「点滴は佐鳥くんの言う通りになるかな?まだ病み上りとも言えるユズちゃんには、きちんと栄養取って欲しいのだけど、……なんか【彼女、体に合わない薬とか成分が多いらしいの】。市販の薬もだけど、病院で処方される奴も駄目なのがあって小さい頃それこそ"アナフィラキシーショック"を起こして、"死にかけた経験"があるみたい。だから点滴は無理。輸血が必要かなと私が判断したのは、(ピッ)この血圧数値が異常に下がっているからなの。……確かに腕が切断されたのはトリオン体、でも"実際に腕が切られたらどうなるかを"……彼女だって理解している。年齢指定のゲームや映画、漫画とか深夜のアニメは"その手の規制はされない"のを見れますからね。更に今回は(痛覚があったから尚更、だね)……"色々タイミングが、悪かった"としか言えないかな?」
フブキは漫画とか類いでの理由で察したが、男子三人は違った。菊地原は"痛覚ON"を知っており、嵐山隊の二人は"実力テストでの精神・肉体的にもギリギリな彼女の姿を見ている"のだ。……偶然の積み重ねによってあの少女がまた危険な事態になってしまったのと思い、全員が表情を暗くするのであった