34.共有の曲~雨降って地固まる?~(99.
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~ボーダー本部基地内~
‐ シュパッ!…スタン!スタスタスタン! ‐
「ん?(キョロキョロ)……何処だ此処は?多分基地内、だよな?……お前達、分かるか?」
「ん?ん~(キョロキョロ)……作戦室って感じじゃないよね、あるのは簡易ベッドに…………何かの機械かな?後、別室に続いていてその窓からコッチを見れる様になってる。佐鳥もこんな部屋知らないけど、二人は?」
いつの間にか足元にエンブレムが現れて室内に飛ばされた五人。が、周囲を見ても無人の部屋で少なくとも新人のフブキは知らない場所なので警戒をしながら三人に訊ね、先ずは佐鳥が返答をすれば残り二人に訊ねる
「おれもこの部屋は知らないけど、……此処に飛ばしたのが冬島さんなら、…………何か理由がある筈だ。例えば"今の鶴ヶ峰さんの状況を改善する手段がある"場所とか?菊地原は?((……何か変化あったりしない?もしサイドエフェクト関連に関係する場所なら、お前にも変化が出る気がするけど))」
「……僕は見覚えがあるよ。………確か此処は【特殊な素材で構成された部屋】で、鶴ヶ峰が検査や一寸した試験を受ける時に使用する部屋……な筈だけど、何で誰も居ないんだ?((此処では僕も一般人並みの聴覚になるんだよね、一体どんな仕組みかはさっぱり分からないけどね))(あ、此処の鍵……パスワード後で聞こうかな。此処なら多分彼女の声も、多分聞こえなくなるだろうからね)」
"だからそこに寝かせて大丈夫だよ"と菊地原は言ったのでフブキは意外と素直に従う。……何時もなら反論するが、佐鳥がずっと心配げに此方を見ているのが気になるし、シロに負担をずっと強いらせるのは本意ではないのだ。とりあえず簡易ベッドに寝かせた所に誰かが室内に入ってくる。それは
「お~、見事に揃ってるな~。一人か二人は居ると思ったんだが、……"流石"と言うべきか?コレ」
「諏訪さん?!と、……(スチャッ)その後ろに居るぽっちゃりした野郎は、誰だ?」
「君が野々村風音だね、言実さんが弧月とは言え苦戦を強いられる程の腕前を持つ将来有望の子。……色々噂になってるよ?太刀川に喧嘩を売ったりとか、あの風間とも良い勝負をしたとかね。俺は寺島雷蔵、この諏訪とは同級生で此処に来たのは言実さんの指示。…………トリオンをほぼ使い切っている姪に少しでも危険性のある奴を、あの人が派遣する筈がないのは君だって理解しているだろ?」
生身の諏訪とトリオン体の寺島だった。三人は二人を見て"まぁ妥当か"と判断できたが、フブキは寺島を知らないので弧月を手にかけた状態で警戒心を露にする。勿論、寺島本人を含めた全員が"この反応は仕方ない"と結論付けており、きちんと納得出来るように説明をして説得させる。それらを聞いて同級生を一瞥し、最後に諏訪が「ま、どっちにしろ今の鶴ヶ峰にアイツは触れねぇからそんな警戒スンナって」と断言したのを聞いて、やっと警戒を解くフブキであった
それを確認した後に、諏訪は寝ている柚紀に近づき側にある機械を何やら弄り始め、寺島も別の機械を操作し始める。……両方気になる中学生達だが、とりあえず比較的親しみのある諏訪に先ずは話し掛ける事に
「所で諏訪さん。……冬島さんは?」
「んあ?……おっさんは疲労でダウンしてっぞ?かなりの距離をこの人数をワープさせたんだ。トリオン消費も半端ないってこった。これに関しては、時枝なら理解できるんじゃねぇか?………よく分からねぇがおっさんがグロッキーになりながら愚痴ってたぜ?」
「まぁ、分からなくはないですね。(……冬島さんならテレポーターの事を知ってても不思議じゃないか)因みに諏訪さんは何故今日は本部に?防衛任務も入っていない筈ですし、今日は本部に居る隊員は"休日にしては少ない筈です"。……皆、"気疲れ"を起こしているのと、今日一日は"システムチェック"でC級ランク戦は出来ません。だから出水先輩や太刀川さんも居ないから、助っ人が現着するのに時間が掛かった。ですよね?」
「ま、隊員が本部に居る理由は大体がランク戦絡みだからな。……俺も最初は自宅でのんびりしてたぜ?あ、夕方から風間を居酒屋に誘って酒で酔い潰す計画は立てていたがな。だが、【暇なら本部に来い。面倒な事になったから手を貸せ】ってつる姐から連絡が入れば、……行くしかねぇだろ?今日あの人は非番だ。なのに"面倒な事"・"本部"・"手を貸せ"と言ったら、十中八九このお姫様案件な訳だ。…………風間隊との共同任務なのは知っていた、なのに問題が生じてB級の俺に声が掛かったのなら、……確実に【トラウマ関連の問題が発生した】から自由に身動きが取れて捕まりやすい俺に連絡をした。ま、こんな感じだな。(ガチャリ)……おーい、コレで良いのか?」
〔有り難う諏訪、それで問題ないよ。……君達もコッチに。作ったのは言実さんだけどこれ初運転だから、安全性が保証されていないんだ。今開発に携わった"子"を呼びに行ってる最中だけど、……あまり悠長な事もしてられないから始めるよ〕
佐鳥と時枝の問いに答えながら何やら"チューブに繋がれた金属製のリストバンド"を柚紀の右腕手首に装着させると、寺島から退室を促され諏訪にも物理的に押されて部屋には柚紀一人だけとなる。そして外の部屋には立派な機械が設置されており、モニター画面には心拍数や呼吸や血圧に体温、更にはトリオン関連らしい数値やグラブが表示されており、寺島は緊張と真剣な表情で慎重に機械を操作して何かを開始するのであった