4.親交の曲~黒髪の池様編~(69.
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グループによるパス練習を終えてサープ練習となった。流石に両クラス全員では無理なので各クラスで一つのグループ毎に対面して打っていた。柚紀は威力は無く弧を描く様にサーブは安定して向こうコートに入れているのに対して、市河女子はスカしたり、ネットにボールが当たったりしているのを見て打つコツを自分なりにアドバイスをしていた。……これに対してサーブが苦手でグループによるパス練習で一緒だったクラスメート数人に「鶴ヶ峰さん、良ければ私達のも見てくれないかな?」と頼まれる事態に。一瞬戸惑ったが『う、上手く説明出来るかは分からないけど、…それでも良いなら』と一言断ってからアドバイスを始めた。一通り済んで、自分もサーブ練習を再開した際に"自分と同じ様な事"を向こう側でしている子を見つける
『彼女は確か……野々村さん、だっけ?(的確に指示やアドバイスをしている。…そう言えばパス練習でも"彼女を中心に"って感じだった印象が)……佐鳥くんが言っていた通り、スポーツ万能な人気者で頼りになる存在みたいだね』
「あっ、もしかして……佐鳥くんから聞いた?ノンちゃんについて。それで私と話す所を見ていたんだよね?………多分」
『……どっちかと言えば、…市河さん"が"気になったから野々村さんに気づいたって感じかな?だって私は知らないから、彼女がどんな人かって。あ、えっと……ただ、……佐鳥くんは可愛い人だって言っていたけど………私にはどちらかと言えば…"クールで格好いい"って思えちゃうんだよね。……何故か』
見た感じでは前回同様のツインテールも似合うし、規律内で可能なお洒落をしているのは分かるが、顔付きや雰囲気で人を判断する事が多い柚紀はそう感じていたのだ。それを聞いた市河女子は
「(ギュッ)だよね?!ノンちゃん格好いいよね!!私小さい頃から髪の事とかで虐められたら必ず助けてくれたもん!!あ~、嬉しいな~共感出来る人に巡り会えて!!?(ブンブンブン)」
『あ、えっと、市河…さん?(……何だろう?何か嵐山さんに見えてきた?…そっか、彼女は)……貴女は自分の為でなく、他人の為なら頑張れる人、なんだね(ニコッ)…それはきっと素敵な事で凄いことだよ』
「っ!!?(パッ)ご、ごめんなさいいきなりっ!!あ、あの鶴ヶ峰さんってさ……天然とか、無自覚とか、…言われた事……ない?」
『……あるけど、………何で分かるの?(コテン)』
幼馴染みの事を分かってくれた柚紀の手を掴み上下に振り嬉しさを笑顔付きで体全身で表現をする市河女子を見て、何時かの嵐山の姿に被り"きっとこんな人"と予測する。それを聞き更には自らの行動を恥ずかしく感じた市河女子は、うっすら顔を赤くさせ柚紀の性格を指摘する。それを不思議そうな表情で肯定した辺りで練習時間が終了してメンバー入れ換えが発生した
たが入れ換えの際に
‐ え~、やりたくないな~ ‐
‐ 折角良いところなのにさ~ ‐
‐ センセー、男子の応援しちゃダメ~?だって滅多に見れない組み合わせの試合しているんですよ~?! ‐
とブーイングの嵐が巻き起こるが「授業だ、ちゃんとしなさい!」と一喝してサーブ練習を始めさせるのであった。流石に柚紀も気になり脱いでいたジャージを羽織ながら男子側のコートを市河女子と一緒に見ると
「えっ?!!時枝くんと烏丸くんが一緒のチームなの?!それに、…相手側に佐鳥くんが居る!?わぁ~、これは確かにクラスの女子達が騒ぐの分かるかもな~」
『えっと、……そんなに珍しいの?だって(トリオン体なら兎も角、今は生身だよ?)……そこまで大差何て、出ないと思うし普通じゃ…ないの?』
「(テクテク)…とも言えないかな?やっぱりネイバーと日々戦っているせいなのか、動きが他の男子と明らかに違う。こう……無駄がないと言うか洗礼された動きをあの三人はしている。………見えている景色、…レベルが違うのよ」
『!!?』
「あ、ノンちゃん!」
他の女子達が黄色い声援を送る中、市河女子の言葉で珍しさは理解できたが自分はそう感じない柚紀に対して、いつの間に側に近付いてきて話し掛けてきた野々村女子の存在に驚く柚紀と嬉しそうな反応をする市河女子はそのまま話を進める
「珍しいねノンちゃんが授業中に私に声をかけてくるなんて。……(チラリ)アッチに居づらくなった?」
「まぁね、あたしは其処までミーハーじゃないしボーダーだからとか嵐山隊だからとかで一々騒いだりしない。それより、…シロが誰かと仲良くしている方が気になってね。(スッ)……転校生、アンタの名前は?」
『(ピクッ)えっと、…鶴ヶ峰柚紀と、言います。……市河さんには今日、日直だからってこ、事でい、色々お世話になってます(ペコリ)えっと、……野々村さん、だよね?佐鳥くん達と市河さんからその、少しですが話を聞いてます、………うん』
「……野々村風音だ。(…プイッ)…アンタさえ良ければシロと仲良くしてやってくれない?…この子見た目がコレだし少しドジでトロいけど…頑張り屋でいざと言うときは勇気を出せるイイコなんた。………だから、さ…」
幼馴染み同士の軽い会話を終えると柚紀を試すかの様な視線と共に話し掛ける野々村女子。一瞬怯むが"引いたら駄目"と直感し緊張しながらだが相手の目を見ながら何とか受け答えをする柚紀。それを見て"警戒心"を解いて視線を外せば、何かと苦労している幼馴染みの事情や性格を熟知している野々村女子が柚紀に頼み事をする。そんな姿を見て"やっぱり怖い人でも悪い人でもない"と結論を出した柚紀は
『えっと、……友達ってさ、他人から頼まれてなるモノじゃない。…互いに"そうなりたい"って考えれば自然となれると、私は思うの。あ!わ、私は………私も可能なら市河さんとは、友達になりたいかな?後、…野々村さんとも出来れば仲良くしたいです!!だから考えておいて下さい。にしても…(チラリ)向こうの熱気が凄いね。女子もだけど男子も盛り上がっている感じ?……一体どうして、何だろう?』