34.共有の曲~雨降って地固まる?~(99.
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この後は歌姫効果で敵の動きが鈍ったり、限定ではあるが風間隊が"完全なる隠密戦闘"を駆使して敵を殲滅に掛かった。が、やはり色々万全ではなかったので何時もより効果が薄かったり、時々もはやお邪魔キャラ化した土竜型の強襲に遭ったりと些か苦戦もしたのだった。それでも何とか歌を完走するのと同時に柚紀は気を失って崩れ落ち、空にはいつのまにか雨雲が出来ていてポツポツと降りだしたのであった。……最後の方はただ柚紀の側に居るだけの状態だったフブキが倒れ混む前にキャッチし、雨でせめて髪が濡れないようにとフードを被せ、更に雨で気温が下がるのを考慮して自分が着ていた黒いジャケットを肩に掛けてやる。それらを見て男子達は"ギョッ"っと驚きを露にしたのだった
「ま、待ってくれ野々村っ!!君、……トリオン体のまま、だよな?…………平気なのか?鶴ヶ峰に触れて」
「ん???……どういう意味だ歌川。(スウゥ)まるで"俺がユズに触れたら駄目"的な発言に聞こえるのは、気のせいか?」
「(スタン!)えっとね、……多分今の柚紀ちゃんはトリオンを使い果たしている状態なんだよね。でさ、……同じトリオンを用いて形成されているトリオン体の佐鳥達が今の彼女に触れたらこう、……"トリオンを吸い取られる"感覚に陥るんだ。具体的には、力がどんどん入らなくなっていって、最後にはコッチかベイルアウトする可能性もあって、……と、兎に角彼女を支えられなくなるって訳!…………流石の風音ちゃんだって生身じゃ柚紀ちゃんを運ぶのは困難、でしょ?」
皆が注意していた行為を平然と行うフブキを心配して歌川が声を掛けるが、内容が気に食わなくて不機嫌そうにする。……その空気の変化で柚紀が覚醒しないとも限らないので、隠密戦闘中の風間隊に狙撃するのは危険と思い最後の方は合流の為に移動していた佐鳥が到着して理由を語る。それを聞いて「……前にも意識がある時に腰を抜かしたコイツを抱っこしたがあの時と変わらねぇぜ?ってか、男なら生身でも女子一人抱えれる位に鍛えやがれ!」と些か耳痛な正論を受けて怯んでしまう。その中でも"今回は"異変起きていない理由を察した風間は
「……大丈夫か市河、……まだ"繋がったまま"じゃないか?だから野々村が眠っている鶴ヶ峰に触れても平気でいる。…………違うか?」
〔……正解です風間さん、今の現状ではトリオン体解除は愚策。でも安全に運ぶとしたらやはりトリオン体が良いですからね。っ!……直ぐに、撤退を!?私も長くは、繋がっているのを、維持、出来ません、から〕
「(…スタン!)この辺の敵は一掃出来てますが、恐らく"ゲート抑制機能"は何時もより効果が薄い筈です。だから今すぐ退かないと後続が直ぐに(‐ バチ、バチバチ ‐)って、言ってる側から!……言実さんっ!?幾らなんでも助っ人遅すぎませんか??!」
《……一部が出動を渋ったのと、学業事情が理由で動くのに時間が掛かったのが理由だ。もうすぐ一部隊が現着する。それまで何とか凌げ!?それと可能な限り"全員一ヶ所に固まっていろ"!理由は直ぐに分かる!?》
シロが同調により"柚紀の体質を抑制"していたのだった。それを知ったのと声からして"かなり無茶をしている"と察する菊地原と時枝。そして壁の向こう側に居た迅が合流して、トリオン残量や疲労等を考えてもこれ以上の任務遂行は危ないと警鐘を告げている最中に、再びゲートが開いてしまう。"視えていた未来"とかかなり違う展開で思わず言実に状況を訊ねると、此方は声音から呆れや戸惑いを含めた状態で返答をする(気がついたのは一部の者のみだが)
そして一ヶ所に固まっていればやはり敵もソコを狙うわけで、襲いかかってくる敵を年上二人を中心に撃退していく。が、このタイミングで再び土竜型の強襲が発生して四方に各自回避。……柚紀を抱えるフブキの側には佐鳥がおり、同じ方向に回避したが着地地点付近にも敵が居てそれを撃ち抜きはしたが、迫り来る土竜の触手には対処が追い付かない。各自が柚紀若しくはフブキの名を呼び、触手に囚われそうになった瞬間
「……
‐ ブチブチ、…ガガガガガガガ…… ‐
「「「「!!?」」」」
「(スタン!)あ、アンタ、………誰だ?見たことねぇ顔だが…「(ポン)やっほぉ~野々村ちゃん!俺の事覚えてる?」!?……確か犬飼先輩、でしたよね?ん?同じ服装で見た目的にもアッチが年上、……アンタの所の隊長か?あの人」
先に現着したのは太刀川達でなく二宮隊メンバーであった。射程や弾数的な関係で二宮が土竜を撃沈させ、助けてくれた相手が見知らぬ人で警戒するフブキに、いつの間にか背後に立っていた犬飼が声を掛けて隊服や見た目から推測を口にすると「せいかーい!」と垢抜けた声で答え、……フブキが抱えているモノを見て然り気無く二宮に見えない様に位置取りし、一番近くに居る佐鳥や風間を一瞥しながら武器を構える
「……よくは分からないけど、また面倒な亜種やら数が多くて四苦八苦してるって事でウチに緊急要請が来たから出てきて上げたよ。確か風間さんって今日誕生日でしたよね?なので今回は"貸し借りなし"にしてあげますよ((早く此処から離れた方が良い。……二宮さんが"姪っ子ちゃん"に気づいたら色々面倒ですからね。確か冬島さんがスイッチボックスで基地内まで飛ばすって当真が話してました。恐らくそろそろ彼女を中心にして展開する筈ですよ?))」
「!!とっきー、コッチに!早くっ!!!」
「菊地原、……あの人が迎えに来るまでこの二人の側に居ろ。実力行使はないだろうが、万が一があったら流石の俺も気分が悪いからな」
犬飼から持たされた情報を聞いて言実の発言意図を察すると、"飛ばされた先"が何処なのかや、"夏の懸念事項再来"がないとも限らないので各自対処に適していて信頼している仲間を呼び寄せる。……呼ばれた二人が柚紀達の寄ってくるのを確認した風間が「(ナデ)……久しぶりにあの人について語れて、楽しかったぞ。野々村、知らない奴がコイツに近づこうとしたら容赦なく、……"倒せ"。俺が許可する」と最後の指示を出すと、スコーピオンを生成して残党狩りに着手するのであった。そしてフブキが返事を返して、寄ってきた三人が声を掛け様とした瞬間
‐ キイィン……パッ! ‐