33.臨界の曲~更なる高みの為に~(98.
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‐ …ザシュザシュ!!…ザンッ! ‐
「(スタン!)全く、サイドエフェクトで土竜が来るの分かるなら抱っこする前に片付けて下さいよ。こっちにはかなりの数押し寄せているんですよ敵、貴方だけ楽をしないで欲しいですよ」
「ハイハイ、ちゃんとこの後働くから拗ねない拗ねない。(…スッ)……確か元から露払いは菊地原の役目だったな?柚紀ちゃんを頼んでも良いか?((俺は(ナデナデ、クルッ…スチャッ)…"新種の片割れ"の対処する必要があるみたいだ))………京介!打ち合わせ通りに"アレ"頼むわ(スタスタ)」
「了解です迅さん。……"エスクード"!」
空中に居る二人目掛けて伸ばされた触手を切り落とし、一気に弱点を潰して土竜を撃破したのは風間隊であった。その三人の側に着地すると、何時もの様に迅相手でも毒舌を繰り出す菊地原に、"護る"と言いながらも柚紀の身柄を預ける迅は流れる様な動作で頭を一撫でして再び風刃を抜けば、こちらに合流してきた烏丸に指示を出す。然り気無く柚紀から距離を少しだけ置いて、それに少女が反応する前に
‐ ドドドドド ‐
『えっ??い、いきなり壁がっ!?……ぁっ、い、嫌だ!!迅さんっ!?迅さんっ!!?(ドンドン、ドンドン)』
「大丈夫だよ柚紀ちゃん、…今から君の嫌いな奴の相手をしなきゃならないなら"目隠し"させてもらった訳。……不安なら何か話ながら戦おうか?そうすれば君だって安心でしょ?」
「(ナデナデ)…巫山戯ていないで真面目にやれ迅。((片割れだと?…今回の新種は"カメレオンみたいに姿が消える奴"じゃないのか?))……後で言実さんに言いつけるぞ?」
「ゲッ!!?それだけは勘弁して下さいよ風間さぁ~ん!?俺だって言実さんに怒られるの嫌なんですからね?付き合いが長いからこそ他の人より、あの人の恐ろしさを実感してますから!!?((ソイツもですが、もう一種類……"砲撃威力や射程が格段に上がっているがあまり動かない、…動けないバンダー"が居るんですよ。……一撃目は"偶然"柚紀ちゃんが防いでくれましたが、アレがもし本部に当たってたらかなり大惨事になってましたからね?))……レイジさんと京介はさっきと動きは変わらずだけど(コン)…壁の向こうには一体たりとも通さないで。風間隊と歌姫はトリオン温存する必要があるから、今は休息させなきゃマズイ(("勝利へのピース"が揃ったら隠密型の相手は任せますよ?……アレは俺には視えないってのもありますが、目には目をで"ステルスには隠密戦闘のプロ"が相手をするのが妥当ですからね))」
「「了解(だ!/です!)」」
シールドと違い完全に姿が見えない壁型トリガー・エスクードを発動させて、迅と柚紀達の間に壁を形成する。…このトリガーを知らなかった柚紀はいきなり迅が見えなくなり泣きそうになりながら壁を叩いて迅の名を呼ぶ。……"一体目"もだが、"二体目"も自分が処理するのが一番安全なのは視て分かるが、"風刃の能力を柚紀に見せてはいけない"とサイドエフェクトが…自分の経験談が囁いており、それに従う形がこうなったのだった。【配慮不足は言実の怒りを買う元】と暗に告げながら柚紀を落ち着かせる風間に、"隠密型以外にも別の亜種が居る点"と"あくまでも自分達は助っ人であり、本命を倒すのは風間達"と言いたげな迅。…来た方角の敵を倒したらしい木崎と烏丸は柚紀達を一瞥して壁の向こう側に移動して行ったのだった
……壁越しに戦闘音や地響きを通常でも感じれる為か、不安そうにしている柚紀を見て小さく溜め息を風間が漏らせば……菊地原に少女の面倒を押し付け、自分は器用にエスクードの上に座って三人の戦いを観戦し始めたのであった
「……確かに鶴ヶ峰にはあまり見せれる風景じゃないな。…"エースは居ない"があの二人は実力テストにて言実さんに勝っているから問題ない。迅に関しては……あの太刀川との個人ランク戦において勝敗は半々な感じだ。これで実力は想像付くだろう?」
『……それなら、大丈夫そうですね(…あっ、そっか。迅さんは"フリーのA級隊員"で玉狛第一のメンバーじゃない、よね?確か実力テストの時、……確かあの人は調子悪かったよね。あ、でもそれならオオトリを太刀川隊と変えたり出来たか?ん~、……意外と謎が多い人だ)(‐ ズキ、ズキズキ ‐)ぬっ!えっと……ぃ、痛いの痛いの飛んで行け~…っと(サスサス)』
「……………本当に自他にもだけど、出来る事も多いよね君の能力。…だけど僕以上に面倒でもある。……今だって"一定の集中力が途切れて"痛み出したんでしょ?【ボーダーライン】分かるの?"どの程度集中する必要があるのか"的なの」
『あ~、…結局は"私が如何にそう思い込めるか"だからね。自分に今施している"痛覚遮断"だって【痛覚を切っているトリオン体での実体験があってこそ】出来る芸当。……"面倒とか無駄だと思った事がこうやって役に立つ"から本当に人生って分からないよね~。因みに他人に対しては……私の性格が分かっていれば、自分に施すよりは容易なのを理解できるよね?』
と、比較的和やかな雰囲気で話している三人に、彼等から少し離れた位置で周囲の警戒を継続させている歌川。そして宇佐美から〔トリオン兵接近中だけど、"二つのトリガー反応"がそれを対処しながら接近してる。……多分太刀川隊の二人かな?〕と通信が入り、戦闘音がする方に柚紀以外の三人が然り気無く視線を向ける中、…菊地原だけ"妙な表情を浮かべた"。それに気づいた柚紀が訊ねようとしたが"目視出来る様になった風間・歌川"も驚愕の表情をしたのに気づき、見た方が早いと理解して視線の先を見て………理由を察したのだった
「お!!居た居たって……その腕っ!?(ギロリ)…説明しろアンタ等、何で"ユズ"の片腕が切り落とされている事態になっていやがるんだっ!!!?」
「落ち着きなよ"野々村"、…トリオン体は痛覚をOFFに出来るからそこまで心配する必要はない。でも、……風間隊だって無傷じゃないし、何より………菊地原が居るのに"鶴ヶ峰さん"が損傷を負う事態になったのは…"新種の性能がそれだけ厄介"な訳であり、言実さんがソレを彼女に届けるためにおれ達を現場に派遣した理由になるかな?」