33.臨界の曲~更なる高みの為に~(98.
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……シロが同調して呼び掛けがあるまでの間、柚紀は"精神世界の水底"に沈んで蹲っていた。耳を塞ぎ目を頑なに閉じて、外部の情報を完全に遮断しようとしていた。だが
‐ ……本当に良いのかい?何もかも放棄して ‐
『(私は、ナニも悪くない!!なのに何でこんな辛い目に遭わないといけないの?…もう、嫌だ!!"今度こそ"…楽になりたいよっ!)』
‐ ………あの時と今は違うだろ?思い出してご覧、…今の君は"独りぼっちじゃない"。それに、"やりたい事"があるんだろ? ‐
『(ピクッ)(……でも、それは私の我が儘だ。誰も望んでなんか…)』
‐ ……"待っててやるから早く追い付いてこい"。友人にそう言われただろ?そして聞こえる筈だ。…もう一人の友人の声が ‐
〔……"貴女はこれ以上の痛みを経験している!!"思い出してよっ!!…ユズちゃ、…柚紀っ!!!?〕
『!……フブキ、ちゃん。それに、シロ、ちゃん?(…そうだよ、やっと友達が出来たしまだまだやりたい事が残ってる。それに、)…"中途半端は駄目、やり始めたのなら…決めた事は責任を持って最後まで貫き通す"。それに、(スッ)分からないままは、嫌だ。きちんと理解したい!!(スクッ)だからっ!!?』
‐ ……もう大丈夫だね。さぁ、行きなさい。君が望む未来を掴むために、…迷ったって失敗したって構わない。だが、自分に嘘を付いては駄目だよ?そうすればきっと…… ‐
『辛くても時間が掛かってもきっと乗り越えられる!"私が私である限り"……もう後悔しない為にも私は、(ブォン)…もう一人じゃないから!!(ダン!!)』
……夏の騒動の時、初めてきちんと歌姫を使用した時に不安で沈みかけていた意識(精神体)を後押しした謎の声と問答を繰り返していくうちに、不安や迷いが無くなった柚紀は立ち上り、……当然の如くグラスホッパーを発動させて水面に上がって行くのだった
‐ ‐ ‐
‐ ‐
‐
‐ ガキンッ!ガキーン!…パリーン! ‐
『(パチリ)(えっと、多分オート機能のシールドが何かの攻撃を受けて砕けて…!……旋空みたいな、斬撃が伸びる攻撃かな?って考えてる暇じゃない!?回避は無理だから…)…シールド、(じゃ、もしかしたら耐久が足りないかも。だから、この場合は!)……フルガード!?』
‐ ……ガキィーーン!! ‐
シロが同調してシールドを張った事により、理由は分からないがトリオンの流出は止まり、迅の思惑通りになったが……固定シールドは"ニ発の斬撃"にしか耐えず消失してしまい、"保険で放った一撃"は気を取り戻した柚紀が自ら張ったシールドで防いで見せたのだった。そして状況が掴めず不安げに周囲を見渡していると一番近くに居た迅に気づき駆け寄って行く
『(タタタタタ)じ、迅さん!!ぁ、あのっ!えっと、………私、…やらかしました、よね?だって、感情を取り乱してしまった!!…あの時だって、それが原因でゲートがっ!(ジワッ)…皆に迷惑掛けたくない、だから……あまり本音を吐き出さない様にしていたのに。また、同じ事を繰り返したくなくてっ!?(…ズキ、ズキズキ)くっ!?わ、忘れてたっ!!う、腕、切り落とされてたのを。……ぃ、痛いよぉ~(メソメソ)』
「……………(ポン、ナデナデ)大丈夫、誰でも失敗はする。俺だって未来を読み違えて迷惑掛けた事あるんだよ?(ナデナデ)失敗しても、その後に挽回すれば良いんだからさ。出来なかった事を反省するのは良いけどあまり気負いし過ぎちゃ駄目だよ?(ナデナデ)……腕に関しては流石の俺でも治せないし、換装を解けば痛くはなくなるけど…(チラリ)まだ"その時じゃない"。(ナデナデ)難しいかも知れないけど"自己暗示"出来ないかな?【これはバージョンアップしたトリオン体で、痛覚はOFFになっている】ってさ。……敵の心配はしなくて大丈夫、…俺が君を護るから、ね?(ナデナデ、スッ)」
『………分かり、ました。…私は迅さんの戦っている姿を見たことないですが、皆さん揃って"あの人は強い"って言ってましたから。(ニコッ)信じます貴方を。だから(ギュッ!)私の期待、裏切らないで下さいね?』
感情の昂りや寝起きで思考が回らない的な理由で痛覚が一時的に麻痺していたが、やはり痛覚はONのままな状態なので泣きながら痛みを訴える柚紀。それを迅は頭を撫でながら先ずは落ち着かせようと語りかけ、"難しい事を同時進行させるのは危険"なのを視て知っているので、自分では対処できない事を本人にお願いする。それに対して"具体的にどう思い込めば良いか"を迅が先に言ってくれたので、イメージが出来た柚紀は【自分を狙ってくるであろう敵の対処】を迅を信じてに委ねる事を示す為に笑顔を浮かべたが、……期待を押し付ける際には俯いてしまい、でも"側から離れて行かない様に"とジャケットの裾を掴むのであった
それを振り解かず「勿論!!」と力強く断言すれば手に持ったままの風刃を納刀して柚紀をお姫様抱っこをし直ぐ様跳躍する。理由は
‐ ズドン!! ‐
「(本当に土竜型は柚紀ちゃん"しか"狙わないよな~。…ナニか理由でもあるのか?ま、それを突き止めるのは俺の役目じゃないか)誰か~、土竜何とかしてくれない?俺、お姫様抱っこしてるから相手出来ないんだよね~」
既にお決まりになりつつある土竜の奇襲を回避するためであった。そして片腕を無くした柚紀が万が一にも落としたら一大事なので、片手だけで支える愚行は行えず素直に仲間に助力を請う迅。……彼は"風刃使い"な故にシールドを含めた他のトリガーを使えないのだ