‐　シュッ！！…ｽｶｯ……ｼｭｳｩｩ…　‐
‐　……シュッ！！…ガキーン！…ザシュッ！！　‐
‐　……………シュッ！！………ピシッ！…ザシュッ！！　‐
「(ｻﾞﾝｯ！)大丈夫か？？！……警戒しろっ！もう一体居るぞ！？」
『っ！？だ、大丈夫です！(……"今回こそ"ステルスタイプな訳だね。ってか)…(ｻｽｻｽ、ﾎﾟﾂﾘ)……何で、頬に痛みが？少しだけ擦っただけなのに』

シロと菊地原の声が聞こえたのとほぼ同時に、いきなり視界に亜種モッドが現れ攻撃を仕掛けられる。…軽く精神的に揺らいだせいもあり反応が遅れてしまい、一体は攻撃回避できたが二体目のはオート機能によるシールドで防ぎ、残りからは頬に攻撃を受けてしまいトリオンが漏出してしまう。一体は身を潜め、残りからの更なる追撃が来る前に歌川と風間が倒し、後一体が潜伏しているので三方向から柚紀を取り囲む形で警戒する
そして頬を擦りながら柚紀は違和感を訴え、その小声を聞いて菊地原がナニかを言おうとした瞬間に……"またアイツの音"が聞こえたのだった

「っ！？(チッ！…また土竜が来るよ全く！？この面倒な亜種がまだ居るって言うのにさ)((……市河、土竜って結構接近してる？))」
〔えっ？？土竜型？……"レーダーには映ってないよ？"で、でも菊地原くんには聞こえてる訳だよね？………！！まさかっ、【隠密型と土竜型に雷が堕ちて"妨害型の性能とミックスされた"】？？！(…ｶﾀｶﾀｶﾀ)再度、聴覚情報を共有したいのですが皆さん大丈夫ですか？…コレ下手するとオペレーターのサポート速度じゃ、…私との連携じゃ対処が追い付かない可能性があります！！(宇佐美先輩は分析中、…中途半端にしたら多分良くない)〕
「………はぁ～、コレを任務中に複数回使うの初めてで絶対に疲れるじゃん僕が。…(ﾁﾗｯ)ま、それが一番手っ取り早いだろうから仕方ないか(……ｷｭｯ)…何時もは仕掛ける側ですが、仕掛けられると……かなり面倒ですね。でもまぁ、………"此方が一枚上手"だって事を思い知らせてやりましょうか(それに万が一にも……鶴ヶ峰が攻撃食らって損傷したら、…かなりヤバイね)」
「共有を許可する。…【戦術は"対策がされた後にどう対処するか"までがワンセット】だ。気を抜くなよ二人とも、…恐らく"他の亜種と妨害型の掛け合わせ"も存在する可能性もある。……確実に弱点を付いて仕留めろ」
「「了解！！」」

一抹の不安があるが"僕達なら…"そう思い推測を口にしない菊地原は髪を再度結び直してスタンバイするのだった。そして敵ではあるが"同じ戦闘スタイル"を用いる部隊としても負けられないと分かりづらいが意気込む風間と歌川。……程なくして聴覚情報の共有が開始されると、"三人同時に"視線が足元に言ったのを見て【土竜が来る】と察した柚紀が"意識的に聴覚強化を自らに施す"。そして

‐　ズドン！！　‐
‐　…バッ！？…バババっ！！？　‐

回避慣れしているだけあり、いち早く動いたのは柚紀であった。足元目掛けて浮上行動にさえ土竜が入れば、些か早めに動いても"相手が狙いを変更する事"はないのを経験上知っているからだ。……コレが言実特製でないのが分かった以上、"紙一重"は危険なのだ。そして、予想通り"穴だけ開いて敵の姿が見えない"が三人には所在が丸わかりなので、速攻でで始末に成功。……倒れる直前に姿が現れたのを見て【やはり性能はカメレオンとほぼ同じ】と解釈し、……"見えない敵の姿が見えた"事により思わず気が緩んでしまう柚紀。だが

‐　……ｶｻ、ｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻ　‐
「！！……何だこの音は？」
「ナニかが移動する音なのは確かだが、…何処から聴こえるんだ？……菊地原」
「この音と、方角は……！！？…マズイっ！？直ぐにソコから離れてっ！！まだ一体潜伏してる！？……逃げろっ鶴ヶ峰！！？君のトリオン体はっ！？

‐　…シュッ！！……ザシュッ！！……ポトン！　‐

"痛覚がON"になっているんだ！！！」
「「！！？」」
〔それだ！！市河ちゃんが言っていた違和感の正体はっ！！？生身で感じる痛覚が100%なら多分コレ半分の50%…かな？今、柚紀ちゃんのトリオン体の情報をリアルタイムで更新して比較と解析してるんだけど、明らかに反応が……えっ？ま、待って。…待って待って！！つまり、今、……柚紀ちゃんは…〕
〔(ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ)だ、駄目だ！？通信は出来るけど"トリオン体にそれ以上の干渉が出来ない"！！？このままじゃっ！？……ユズちゃんっ！！！〕



……まるで、スローモーション画像を見ているかの様に感じる柚紀は視界の片隅に敵の姿を視認し、回避行動をするまもなくブレード攻撃を腕に受けて………切断されてしまう。そして、オペレーター二人の声もだが風間隊の三人がナニかを言っているのは分かるが今の柚紀には"聞こえないのだ"。聞こえそして"感じるのは"

‐　ﾄﾞｸﾝﾄﾞｸﾝ、ドクンドクン、ドクンドクン、ドクンドクン　‐
‐　ｽﾞｷｽﾞｷ、ズキズキ、ズキズキ、ズキズキ、…ズキズキズキズキズキズキ　‐
『っぁ、あ…アッ…ア"ア"ア"ア"ァ"ア"ァ"ァ"ア"ア"ア"ーーー！！！！』
‐　パアァアアアアアア！！？‐

妙に脈打つ鼓動の音と、何故か感じる体験したことの無い痛み、そして地面に"自分の腕"が落ちていると認識したその瞬間に、…痛みが増大してしまい断末魔を放ちそれと同時に大量のトリオン粒子が放出されたのだった