31.蒼天の曲~仲良く雨宿り~(96.
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‐ …………ガシッ!?クイッ!!……ガシッ!? ‐
『!!(パチリ)…へっ???か、風間さん?…どうしてと…「"言葉は言霊"…何だろ?」……えっ??』
「……"名は呪"であり、"言葉は言霊"…なら、お前の歌だってそうだろう?それに童謡は確かに子どもに親しまれやすい音程で昔ながらの歌だ。が、……"よくよく見返せば"歌詞の内容が恐ろしいモノだったり、それの由来は良くないものも多い。…安易に口にするな。お前の歌は"只の歌ではない"……そうだろう鶴ヶ峰?」
『っ!!?……そう、ですね。…皆さんの為に歌う曲は認知度や歌詞内容をちゃんと厳選しているのに私、…ご、ごめんなさい風間さん。止めてくれて、有り難う御座います(ペコリ……シュン)』
「………………(フゥ)…分かれば良い、だから落ち込むな。(ナデナデ)……俺こそ、途中で止めて悪かったな(ナデナデ)」
肩を掴み後ろに引き寄せ、更に"腕を掴まれて"背後から拘束された柚紀は流石に歌を中断してしまう。邪魔をした風間を不思議そうに見つめるのに対して、風間は真剣な表情は普段と変わらないが瞳には怒りや焦り、"不安や罪悪感"が滲み出ていた。それを見てちゃんと向き合う形で謝罪と礼を述べる柚紀を見つめる部下二人は、宇佐美・シロの両オペレーターから持たされた"三番の歌詞内容"と"言葉は言霊発言の出処"を理解して、顔色を変えたのだ。更に歌に人一倍のこだわりがある柚紀の"歌は歌い始めたら最後まで歌い切る"のポリシーによるちょっとした騒動も"既に発生している"ので、菊地原はそちらも少し気にしていた
さて、"後ろ二つ"は諏訪経由で知っていた風間は歌を中断させてしまった"罪滅し"にとナニやら柚紀と話し合っており、それを聞いて納得したのを確認した上で「歌川、コッチに来い」と風間に呼ばれてその通りに動き、『歌川くん、そのてるてる坊主ちょっと貸して』と柚紀に言われたのでこちらもすんなり要求に応じる歌川。……菊地原の元まで下がった風間は柚紀達の行動を見守る。菊地原に"彼女はナニを?"と目で問われるが"見ていれば分かる"と言いたげに無言を貫く。そんな中、歌川のてるてる坊主の顔部分……正確には"実物に傷跡がある箇所"を指でさすり、目を閉じると
『"チチンプイプイ、いたいのいたいの~、飛んでいけ!!"……(パチリ…チラッ)…うん!!ちゃんと出来てて満足満足!!?(ニッコリ)』
「………………………え、えっと、……か、風間さん?………一体彼女は、ナニを?」
「…何で本人じゃなくて風間さんに聞くのさ?ま、確かに鶴ヶ峰って時々理解不能な事をするから、理解していそうな風間さんに訊ねるのは分からなくもないけど………(ツンツン)鏡がないから分かりづらいかも知れないけど…"消えてるよ顔の傷が"………これもサイドエフェクトの能力、ですか?」
「そうだ、……尤も"他人に使用する際は自他ともにトリオン体の時限定"と、言実さんとあらかじめ約束したらしい。……諏訪と荒船隊の合同訓練時のアレは非常事態だったから生身での"歌姫使用"を許可したが、…代償がやはり大き過ぎて暫く養生生活を余儀なくなっただろう?学生の身でもある鶴ヶ峰の日常生活に支障を出すのはボーダー組織としても良くはない。が、"どんな事が可能なのか"を把握する必要があるのも事実だが、"ナニか理由がなければ"未だに発動も自由自在には無理なのも事実。……だから"歌川の傷補修"を許可した。【トリオン供給】は先を見越すとあまり出来ないが、あの程度の傷なら使用するトリオン量もさほど多くはないし、それこそ"トリオン供給の応用編"に過ぎないからな」
鏡がないので、自分がどうなっているか分からずアタフタしている歌川をクスクス笑いながら落ち着かせようとしている柚紀。……それから"サイドエフェクトで他にはどんな事が出来るか"等を話している二人を見守る風間と菊地原
「……お前を気にしてなのか鶴ヶ峰の対人問題を考慮してなのかは知らないが、歌川は進んでアイツと会話をしないのが些か気になったが、…これを期にもっと話せれば良いがな((……菊地原、隊長として一つ命じる。【今から基地に帰還するまでの間、一瞬たりとも鶴ヶ峰から意識を逸らすな。】…ずっと側に居ろ、視界に入れていろとは言わないが、"アイツの異変はどんな些細なことだろうと見逃すな"。………少し気になることがある))」
「少し前なら"必要以上に"話したり関わる必要が無かったと思いますが、……今は状況が変わりましたから自然と機会が増えると思いますよ?((……貴方にしては大袈裟と言うか"慎重"、…それこそ"過保護"な発言に聞こえますよ?………ナニを気にされているのですか?))」
二重の会話をしている二人に気づかず歌川のてるてる坊主を"誰の隣に飾るか"を検討していると柚紀に『二人のてるてる坊主も飾るので下さ~い。ってか風間さんいつの間に"私のてるてる坊主"取ったんですか??』と言われて「手からこぼれ落ちかけたのを掴んだだけだが?」と"些かはぐらかす"かの様な回答をしながらてるてる坊主を投げ渡し、菊地原も同様に渡したのを確認してから……"重要事項"の発表に移る。それは
((……俺が鶴ヶ峰を見つけた際に、"精神的に限界一歩手前の極限状態であった可能性がある"。…あの時は雷に助けられたが、アイツは【自分自身を見失いかけていた】。そして、……【まるで幽霊にでもなったかの様にその姿すら消えかけたんだ】。…俺が先程、あのてるてる坊主を反射的に掴んだのもソレだ。【あのてるてる坊主も消えそうになっていたから】に過ぎない。…………油断するな菊地原、万が一にも鶴ヶ峰が自分の存在理由を見失ったり"この場に居ることを拒んだら"、…彼女は本当に消えてしまうかも知れない))