31.蒼天の曲~仲良く雨宿り~(96.
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「(……迅の名を出せば恐らくすんなり鶴ヶ峰は納得するだろう。だが、……常に自分を偽らない様にしているコイツにそれをするのは…)………そうだな、お前ばかりに昔の事を語らせたり話させるのはフェアじゃないな(ナデ)…迅からその名を聞いたのも事実だが、俺はそれより前に名前を、……いや、"生前の"静樹氏に会った事がある。とは言えそれを知る者はもう居ない、…"本当の職場仲間"は俺でなく、………兄であり、"コンプレックス"に苦しんでいた俺を助けるために会わせたのがきっかけだ(ナデナデ)」
『えっ!?(ガバッ!)……風間さん、お父さんに、会った事があるんですか?でも、誰も知らない?それに……コンプレックス??お兄さん???』
そんな柚紀の問い掛けに、風間は一瞬戸惑いを覚えた。宇佐美や歌川が少女の父親の存在を知った理由は迅なので、偽りではない。が、……【今の自分が居る】のは少なからず"彼"のお陰と自負しており、その大切な忘れ形見が本当の事を知りたがっている。…ならばと、風間は語る。……言実にすら話していない静樹氏との関わりを
そしてそれを聞いた柚紀は風間が嘘を言っているとは思わなかった。が、疑問も生じているのは事実だ。…そんな不安や期待が入り交じった瞳を向けられて居るのに気づいている風間は……少し"目を見ながら話す"のは抵抗がある内容だが甘んじてそれを受け入れつつ続きを話す
「(…ナデ)………俺には一人兄が居て、俺とは違い一般男性並の身長や体格だった。……だから小さい頃から身長が伸びず小柄な俺は、…こんな自分が嫌な時があった。…今でこそこれを長所だと自信を持って誰にでも言えるのと、大きくなることを今も諦めては居ない。まぁ、……餓鬼扱いされるのはやはり癪だがな。(…ナデ)……自力ではどうしようも出来ず、他人と比較してばかりの俺を見かねた兄が"仕事外"…ボーダーのエンジニアとしてでなく"精神科の名医…心の病のエキスパート"である鶴ヶ峰静樹としての彼に俺を会わせた。のだが、三門市のお住まいに伺っても応答がなく携帯も繋がらない。……【過労のせいで何処かに倒れていないか】と兄が心配して、勝手にだが上がらせて貰い探したら…」
『……………押入れ、かは分かりませんが、…【こっそり隠れて寝ていた】訳ですね?……(クスッ)そう言う点はやっぱり兄妹なのかな?言実さんとそっくりだ、…あの人も中々弱音を吐かないし弱っている姿を他人には見せない。あ、後仕事に没頭しすぎて睡眠や食事が疎かになったり、……"痩せ我慢"する点もか?』
「……"痩せ我慢?…言実さんならまぁ、……分からなくもないが静樹さんも?…あの人は生真面目そうな方だから、子どもであるお前の前でなら"立派な父親"的な顔を見せていそうだが?」
風間から語られる自分の過去を家族経由の父親との繋りを黙って聞いていた。……柚紀は"知っていたのだ"、所謂旧ボーダーメンバーに"風間進"と名を持つ者が在籍していたのを。(木崎に関しては会って直ぐには認知出来なかったが、今では理解済み)…だからもしかして、とは予測していた。そして【家でも外でも父親は変わらない】と分かり、思わず笑ってしまう。一方で意外と冷静に受け止めているのと静樹氏の新たな一面を聞き、分かりづらいが驚く風間に柚紀はきちんと説明をする
『……山奥の田舎町って、若者も重宝されますがそれ以上に"医者"が重要視されるんですよね。…お年寄りばかりの町ですと、近場のお医者さんが自分の生命に直結する"命綱"ですから。…医術は常に進歩します、いつの間にか難病に特効薬が出来ていたり、画期的な医療技術が確立していたりします。……お父さんは頭が良かったし、町の皆に期待されていた。【最先端治療技術を学んで町で開業する】と誰もが望んでいたし、最初は本人も"そのつもり"だった。でも、……"ある出来事"をきっかけにそれが叶わなくなった。…多分ですが、風間さんなら……察しがつくのではないですか?"初めてお父さんと出会った時の状況や対応態度を"思い出せば、ね』
「初めての時の……対処態度?(…ナデ、ナデ)あの時の静樹さんは、………驚いたのか目があった瞬間に"襖を閉められた"。で、兄含めて三人で話をしていた時は【雑な扱いを受けている】と感じたな。あの人は"俺の目を見て"ちゃんと話さなかった、…途中からはきちんとしてくれたが…………まさか、"普通の医者"を断念した理由はっ!?」
『……何処まで諏訪さんと情報共有しているかは分かりませんが………"両親を事故で亡くした"のが原因です。一番身近で大切な存在を救えない、…救えなかった自分が赤の他人を果たして救えるのか?……救う資格がない。そう感じてしまったんだと思います。そして、それと同時にお父さんは【血の色である"赤"と喪服の色である"黒"に苦手意識を抱いてしまった】……それのせいでかなり色々と一悶着があったらしいです。そして、私はそれを最初は知らなかった。……怪我で出血しても平然としながら処置してくれていたから。でも後で言実さんに聞きました。【私は血を含めた体質も特殊で、他人には診断や処置を任せられない。バレれば最後……"実験体"にされる可能性があるから、多少無理しても自分が私を可能な限り診る】と』
『えっ!?(ガバッ!)……風間さん、お父さんに、会った事があるんですか?でも、誰も知らない?それに……コンプレックス??お兄さん???』
そんな柚紀の問い掛けに、風間は一瞬戸惑いを覚えた。宇佐美や歌川が少女の父親の存在を知った理由は迅なので、偽りではない。が、……【今の自分が居る】のは少なからず"彼"のお陰と自負しており、その大切な忘れ形見が本当の事を知りたがっている。…ならばと、風間は語る。……言実にすら話していない静樹氏との関わりを
そしてそれを聞いた柚紀は風間が嘘を言っているとは思わなかった。が、疑問も生じているのは事実だ。…そんな不安や期待が入り交じった瞳を向けられて居るのに気づいている風間は……少し"目を見ながら話す"のは抵抗がある内容だが甘んじてそれを受け入れつつ続きを話す
「(…ナデ)………俺には一人兄が居て、俺とは違い一般男性並の身長や体格だった。……だから小さい頃から身長が伸びず小柄な俺は、…こんな自分が嫌な時があった。…今でこそこれを長所だと自信を持って誰にでも言えるのと、大きくなることを今も諦めては居ない。まぁ、……餓鬼扱いされるのはやはり癪だがな。(…ナデ)……自力ではどうしようも出来ず、他人と比較してばかりの俺を見かねた兄が"仕事外"…ボーダーのエンジニアとしてでなく"精神科の名医…心の病のエキスパート"である鶴ヶ峰静樹としての彼に俺を会わせた。のだが、三門市のお住まいに伺っても応答がなく携帯も繋がらない。……【過労のせいで何処かに倒れていないか】と兄が心配して、勝手にだが上がらせて貰い探したら…」
『……………押入れ、かは分かりませんが、…【こっそり隠れて寝ていた】訳ですね?……(クスッ)そう言う点はやっぱり兄妹なのかな?言実さんとそっくりだ、…あの人も中々弱音を吐かないし弱っている姿を他人には見せない。あ、後仕事に没頭しすぎて睡眠や食事が疎かになったり、……"痩せ我慢"する点もか?』
「……"痩せ我慢?…言実さんならまぁ、……分からなくもないが静樹さんも?…あの人は生真面目そうな方だから、子どもであるお前の前でなら"立派な父親"的な顔を見せていそうだが?」
風間から語られる自分の過去を家族経由の父親との繋りを黙って聞いていた。……柚紀は"知っていたのだ"、所謂旧ボーダーメンバーに"風間進"と名を持つ者が在籍していたのを。(木崎に関しては会って直ぐには認知出来なかったが、今では理解済み)…だからもしかして、とは予測していた。そして【家でも外でも父親は変わらない】と分かり、思わず笑ってしまう。一方で意外と冷静に受け止めているのと静樹氏の新たな一面を聞き、分かりづらいが驚く風間に柚紀はきちんと説明をする
『……山奥の田舎町って、若者も重宝されますがそれ以上に"医者"が重要視されるんですよね。…お年寄りばかりの町ですと、近場のお医者さんが自分の生命に直結する"命綱"ですから。…医術は常に進歩します、いつの間にか難病に特効薬が出来ていたり、画期的な医療技術が確立していたりします。……お父さんは頭が良かったし、町の皆に期待されていた。【最先端治療技術を学んで町で開業する】と誰もが望んでいたし、最初は本人も"そのつもり"だった。でも、……"ある出来事"をきっかけにそれが叶わなくなった。…多分ですが、風間さんなら……察しがつくのではないですか?"初めてお父さんと出会った時の状況や対応態度を"思い出せば、ね』
「初めての時の……対処態度?(…ナデ、ナデ)あの時の静樹さんは、………驚いたのか目があった瞬間に"襖を閉められた"。で、兄含めて三人で話をしていた時は【雑な扱いを受けている】と感じたな。あの人は"俺の目を見て"ちゃんと話さなかった、…途中からはきちんとしてくれたが…………まさか、"普通の医者"を断念した理由はっ!?」
『……何処まで諏訪さんと情報共有しているかは分かりませんが………"両親を事故で亡くした"のが原因です。一番身近で大切な存在を救えない、…救えなかった自分が赤の他人を果たして救えるのか?……救う資格がない。そう感じてしまったんだと思います。そして、それと同時にお父さんは【血の色である"赤"と喪服の色である"黒"に苦手意識を抱いてしまった】……それのせいでかなり色々と一悶着があったらしいです。そして、私はそれを最初は知らなかった。……怪我で出血しても平然としながら処置してくれていたから。でも後で言実さんに聞きました。【私は血を含めた体質も特殊で、他人には診断や処置を任せられない。バレれば最後……"実験体"にされる可能性があるから、多少無理しても自分が私を可能な限り診る】と』