31.蒼天の曲~仲良く雨宿り~(96.
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雷は大分収まってきたが、まだまだ音がしていて落ち着かない柚紀はそのまま風間に密着していた。……何も言われないので"嫌じゃない"と判断する傍ら、ふと【以前にも似た状況があった】と振り替える
『(……そう言えば、ちょっと前にもこんな風にくっついた記憶が。(‐ …ドクンッ ‐)っ!あ、あの時も、私が暴走して勝手に一人ぼっちになって、それを、探しに来てくれて、…こんな感じになったけど……)(ポツリ)……何が、違うんだろう?…二人とも頼りになる人だし、落ち着くし、触られるのだって嫌じゃない。でも、……ナニかが違う。……あまり、向こうから私に触れないから?慣れていないから?…分からない、よ(ギュッ)』
「………(ポンポン)(…成る程な、菊地原や市河……迅が言っていたのはコレか。最初は半信半疑だったが、"心の声"らしいのが実際に聞こえれば…疑う余地もないな。しかし、……"誰と比較している"?片方は予想が付くが、もう片方は……俺か?それとも…)(ポンポン)………所で鶴ヶ峰。…何で"この一軒家"に隠れようと思った?此処は流石に今は誰も住んでは居ないが、他人の家には変わらない。…(ポンポン)数ある家から此処を選別した理由は何だ?それと、……何故"押し入れ"に入っていた?(ポンポン)…暗いのは苦手だろ?確か」
『?!(あ、やっぱり気にされますよね~。…更に土足でだし。い、一応室内を汚さないように靴裏は"近場にあった布"で吹いたけど………ってか、風間さんはどうやって……あ!見つけた直後に"市河"って言っていたから…シロちゃんか、私が居そうな場所を風間さんに教えたのは、なら…)えっと、ですね……わ、私が古い山奥の田舎町で生まれ育ったのは、風間さんも知ってますよね?…田舎だから、家もアパートとかマンションとかほぼなくて、"昔ながらの一軒家"に私は住んでました。丁度此処みたいな"二階のない平屋"に……で、押し入れは…い、色んな理由での私の隠れる場所と言いますか…"避難先"?も、若しくは家の中での秘密基地的な場所、で……嫌な事があったりありそうだと、何時も此処でやり過ごしていた。そ、そんな感じです』
…"時枝と風間"の違いが何が分からず【不安のサイン】柚紀は発していた。…手元は見えない風間だったが、能力持ち達から聞いた【不安定である程、この少女の感情は表に出やすく"特にトリオン体はそれが顕著だ"】や【本音を言えない環境だったからこそ、トリオンが放出しやすいトリオン体だと本音も"余計に漏れ出るみたい"、…多分風間さんでも"トリオン体でなら"それを体感出来るんじゃないかな?】等、言われた通りになっていた。……まだまだ任務時間があるのに"無駄な放出"は避けるべきと判断した風間は話題を変える事にした
これに対して"確かにどうやって"と、柚紀が気にし出すと徐々に"何時もの感じ"に戻っていき、自分を見つけた際に口にしていた言葉を思い出して【シロが裏でサポートしてくれている】と察すると、"隠しても無駄"と此方も判断して理由を説明する。…一部は曖昧なままで。それを聞いて風間はすんなり納得したのだった
「成る程な、……お前が"嫌な事があると逃げ出してしまう"のはそれが理由か。…他人より優れた洞察力を手にいれたのと同様に"小さい頃からの習慣"だな。…だが意外と"条件さえ解れば"見つけるのは容易いな。…大体三つか?"自分が見知った空間や地域内"・"何度も使用した覚えのある場所"若しくは"【安心安全な場所】とお前が認識している"更に言えば"自分の意思で出入りが出来る"……こんな感じか?鶴ヶ峰の判断基準は」
『(…チラリ)……そんなに、分かりやすいですか?でも、…分からない人には、分かって貰えません。…何が、違うんだろう?………私が全部、自分の事や気持ちを話せば、良いのかな?』
「……それはお前次第だ、"自分の事を知って貰いたい"なら自ら行動を起こせば良い。だが、…"全員"には無理だ。それは鶴ヶ峰が一番理解している筈だ。………自分が望んだ通りにばかり事が進まないのを、…お前は"その身を持って"体験して、傷を追い未だに癒えていないだろ?(…ナデナデ)……心の病とは厄介だな。…目に見えないから、いつの間にか侵されていても自他共に気づきにくい。……俺にも経験がある、からな。今は"ある人のお陰で"吹っ切れているが」
『……心の病?…ある人?……………ねぇ、風間さん。……どうしてお父さんの名前、知っていたんですか?それに職場仲間ってのは嘘、ですよね?だって【風間さんがボーダーに入ったのは今のボーダーになってから】の筈です。……言実さんに許可貰って歴史とか色々調べて、更に気になったので…"誰と誰が同期か"ってのもし、調べさせて貰いました。…すみません。だからえっと、……私の事をお父さんから聞くのは不可能な筈ですし、そもそも"鶴ヶ峰静樹"が私の父親である確信はない、ですよね?…言実さんが話す筈がないですし、珍しい名字ですが"見ず知らずの赤の他人"の可能性だって…だから、……その…』
風間の推測通りの考え方や行動をしていると自覚がある柚紀は、自分を理解されるのは嬉しいがやはり恥ずかしくてほんのり顔を赤くさせる。が、何処か心の奥底では"自分は他の人と全然違う"と思っており、…理解されない事も沢山あると感じてしまう。何処か"極端な思考"……是非や白黒を付けたがる柚紀の言い分を聞いて"その考えは傲慢で不可能"と遠回しに伝えようとする風間は、…自分に置き換えさせて考えを納得させようとしたが、思わず"心の病"と明確に口にしてしまい、……"ナニかが再発しないか"と危惧して"自分の経験談"も合わせて口にした。……それが決定打となり、風間に柚紀は問う
‐ ……貴方は何処まで知っているのか ‐
と