30.雨天の曲~少女が嫌いな理由とは~(95.
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それから自分の事や言実の事、……まだまだ付き合いが浅いがシロやフブキの事を話したりする柚紀に対して主に各自自分の事を語る風間隊。(菊地原はシロに関してもちょくちょく口にしていた)そして女子二人が持ち寄ったお昼ご飯を食べて、準備を開始した時にふと歌川が柚紀に"あるモノ"を差し出す
「あっ!?そうだった!!(シュン!ゴソゴソ)……さっき例のエンジニアの方が拾ってくれたのを返し忘れてた。(…スッ)はい、鶴ヶ峰のトリガーホルダー。壊れたりはしないだろうけど無くしたら一大事だから気を付けて」
『あ、有り難う歌川くん!アハハ、どうやら転んだ拍子に上着のポケットから落ちちゃったみたい。……駄目だな~、"嫌な事があると逃げたくなるこの癖"。結局皆さんに迷惑かけちゃうんだもん、でも…仕方ないじゃん。……ずっと、助けてくれる人、…側に居なかったもん。…誰も居なかった訳じゃないけど、皆年上で、大人ばっかりで……だ、だから、…その………』
「……(ナデ)なら少し強引ではあるが引き留めても構わないか?"此処にはお前が頼れる存在が居る"と分からせる為に、…突発的な行動に移す前に一呼吸置くだけでもお前なら……冷静さを取り戻せば円滑に動いたり判断出来る筈だ。(ナデナデ)………何事も急げば良いってモノじゃない、だがのんびりし過ぎも駄目なのは…分かるよな鶴ヶ峰」
『………えっと、迷惑にならないなら…お願いします。(ペコリ……シュン!)さ、流石に現場じゃそんな事、しないだろうけどヤバいと判断したら……って、コレにはベイルアウト機能ないんだった。あ~、うん。…………早く上達しないとな~"まだまだ先が長そうだよ"』
歌川からあのエンジニアの人から受け取っていた柚紀のトリガーホルダーを手渡される。"命綱"であるコレを故意とは言えど手放してしまった事と、そうなってしまった過程内容を振り返り反省を示す。……明らかに落ち込み罪悪感や過去を振り返る柚紀が徐々に顔色が悪くなっているのに全員が気づいたが、いち早く風間が行動に移し頭を撫でてやりながら打開策を提示する。それに対して賛成的な態度を示しながら換装をし、思わず【邪魔や足手まといになりそうなら、…切り捨てて構わない】と言おうとしたが、トリオン体の使用上それでは彼らに更なる負担になると考えに至り口には出さなかったが、思わず悩みを口に出せば……色々気になった菊地原が口を挟む
「(……とりあえず本人にしか分からない事を聞くか)…ねぇ、鶴ヶ峰は"何を目標にして"実践訓練を行っているの?大体のカリキュラムは言実さんが組んでいるとしても、あくまでもそれは"鶴ヶ峰の為"だよね?ただ単純に能力向上や操作・制御が目的なら、……止めた方が良いよ?向上は生きている限り終わりがない気がするし、操作や制御に関しては無理して危険な現場に出る必要がない。………(プイッ)亜種だって君が居なくても対処は出来る。居てくれたら、……多少は楽になるのは事実、ではあるけどさ」
『………(クスッ)…気を使わなくて大丈夫だよ?私が居なくても皆は今までずっとこの町を守っていたのは知ってるから。そうだな~、……コレはあくまでも"途中過程"に過ぎないかな?私には"やりたい事"があって、ソレを実現させるにはこの能力をちゃんと扱える様になる必要がある。………でも"どの程度まで上達すれば良いか"は分からない。…だから、言実さんにジャッチしてもらっている……こんな感じかな?』
「"やりたい事"?……それはボーダー関連の事か?それとも個人的な事なのか?」
『ん~、……両方かな?…【ボーダーでしか出来ない事だけど、きっとそれは組織的にも悪くない事だろうし、尚且つ私の"生きる目標"になる】……そう思うんだ。人に寄っては"ただ生きているだけ"で満足とか思う人も居るだろうけど、………私は……(ソレジャア、イツカキット…タエラレナクナル、カラ)』
「「………」」
菊地原の素朴な疑問から始まった話題の筈が、何故か柚紀の"生きる意味"的な重たく重要な話に流れてしまう。それを歌川と共に側で聞いていた菊地原は何も言えなくなった。…【トリオン体のせいで心の声がただ漏れしており、"どうしてそんな風に考えるのか"分からないからだ】
そんな三人を少し遠くから眺めていた風間は、自分の携帯に新着が来たのに気づき内容を確認すれば明らかに表情が変化する。それに気づいた宇佐美が訊ねる
「ん?……どうしたんですか風間さん。コレから念願の柚紀ちゃんとの合同任務ですよ?……………迅さんから、…ですか?」
「いや違う、……迅には【何事も油断大敵ですよ?】と在り来たりな忠告を既に受けている。…コレは"天気や地震情報の情報が詳しく見れるサイト"のだ。……この後どうやら"雨が降るらしくてな"…鶴ヶ峰が大丈夫か、少し気になってな」
「雨?……!?………成る程、…確かにちょっと不安ではありますね。……流石に敵が居る状態では難しいですが、居ない時なら……"雨が上がるまで任務を中断する"のもアリかと私は思います。…(チラッ)無理をさせれば柚紀ちゃんの負担が増してしまいますし、陽菜さんや市河ちゃんのサポートがあるにしても今日は言実さんはお休みですからね。……【あの方"達"に頼らずとも亜種を歌姫と協力して撃破する】…が、今回の課題ですから(グッ!)私も精一杯頑張ります!!」
「……(ポン)頼りにしているぞ宇佐美、…(シュン!)そろそろ出るぞ、準備は良いか?」
「こちらは問題ありません、風間さん」
『わ、私も大丈夫、です!!(……でも、何だろう?"妙な違和感"がある。…仮想マップに飛ばされた影響かな?…現場に行ったら色々試してみよう)』
「……ナニ不安な音させてるのさ?初めてじゃないんだなら平気でしょ?(違和感……ね、…雨が降るのを察知しているって感じでもなさそうだし、………一応気にしてあげるか)」
……"柚紀がトリオン体の時は聴こえるのが当たり前"的な感じで諦めた菊地原は、それを口には出さずにとりあえず自分の為にも"感情を波立たせない"のを意識するのであった。そして四人が部屋を後にするのを見送った宇佐美も用意しつつ巽とシロの師弟コンビに報連相を入れたのだ。……知っているであろうが"不安事項"も含めて念のために