29.秋天の曲(94.
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~風間隊室~
菊地原に引っ張られる形でやって来た柚紀が別れた時のままであるのに気づいたが、何も言わずに出迎える二人。身柄を宇佐美に渡した菊地原は歌川も交えて廊下での一件を詳しく風間に説明していた。歌川は【柚紀がトラブルに巻き込まれた】と簡易連絡しかしていなかったからだ。そして話を聞いた風間は何やら考える仕草を取る
「確かにエンジニア共にとっては言実さんの研究データは喉から手が出る程欲しい代物だろう、……特に"手柄が欲しい"と考える野心家にはな。だが、ラボに侵入してもそう簡単にはデータを入手するのは無理な筈。…あの人も"その手"の被害は受けていて色々対策しているらしい。(ハァ~)………そもそも、今の言実さんが手掛けるモノは全て鶴ヶ峰関連のばかりだ。…下手に盗んで公開した所で【何の為に作ったか】を果たして説明出来るか不明だな」
「………あっ!時計も、あのトリオン体もあくまでも"鶴ヶ峰専用"ですからね。確かに技術は凄いですが"他の隊員には必要ない機能"であるのもまた事実…ではありますが」
「…使い方や応用次第では、また強力な代物となる、でしょ?例えば居場所特定する為の発信器の小型化とか、学習能力を有しているなら馬鹿でも簡単に色々覚えたり出来る……多分、"学校の勉強内容"だって可能になる。……悪用されたらタチが悪いし、…犯罪の片棒を担ぐ的なのを言実さんが良しとする訳じゃない。(ハァ~)只でさえ例の"マップ転送事件"のせいで"更に"一部のエンジニアとの仲が複雑になっているって言うのにさ、………嫌ですよ僕、あの時みたいにまた"隠れて密偵する"とか」
と、エンジニアが関わる騒動の再来を危惧し三人が溜め息を漏らしていた。…そんな中、宇佐美と柚紀が給湯室から飲み物とお菓子を持って戻って来た。そして……"今の柚紀の服装"を見てイの一番に菊地原が反応を示した
「はあぁああっ!!!?ちょ、それ、…宇佐美先輩っ!?何"人の服"を勝手に着せてるんですか?!鶴ヶ峰もっ!ソレ着て抵抗ないのっ??!一応男物だよ!!!?何で平気なのさっ?!!?」
「ん?別に良いじゃん!!汚なくもないし~、きくっちーが"今日"これを着なきゃ駄目な訳じゃないでしょ?風間さんは"エンブレム付きの服"使わないし、うってぃーのは小柄な柚紀ちゃんのだとブカブカ過ぎるし、……(ニヤニヤ)ちょこんと大きいのが良いんだよ、萌え袖って奴です!?」
『そ、その、ね?……元々ラボに置いてある風間隊のエンブレム付きの服を"最初から"着るつもりだったから、…あまり厚着してなかったんだけど(サスサス)…思ったより寒くて、流石に"室内でコートを着る"のは、抵抗あって。そ、そしたら宇佐美先輩が【私の予備はこの間シロちゃんに貸しちゃったから】と言われて、こ、コレ渡されたんだけど(ストン)…駄目だった?あ、えっと私は平気だよ?以前に"男子の上着借りた経験"あるから』
さて、本日の柚紀がお召しになっている服はモノクロチェック柄のシャツに焦げ茶の膝上ハーフパンツに学校でも使うネイビーのハイソックスにスニーカーで……菊地原のらしい色がくすんだ水色のパーカー(裏生地にボア素材使用)を着ている。「暑くないのか?」と心配する風間に『平気です』と答えながら配膳をして、空いていた菊地原の隣に座って様子を窺う。…その視線から逃げるかの様にそっぽを向いてしまう菊地原だったが、……髪の下に見え隠れしている耳が"うっすら赤い"のに気づいた隊長や同僚が流石に可哀想かと思い助け舟を出すことに
「そう言えば鶴ヶ峰、…言実さんは何時ラボのドアロックのパスを変更したんだ?丁度お前がトリオン体に初めて換装して、徹夜したあの後訪ねた際には"以前のまま"だったが?」
『!!えっとですね~……確か"その日の晩"…だったかな?……迅さんに【パスを変更しないと面倒な事になる確率が高い】って指摘されて、…私が起きてから実際に新しいパスを入れて番号を覚えた、…記憶があります』
「ふむ、ならもう時効だから聞いても良いかな?……以前のパスワードが"1104"だったけど、コレってさ…………"誰かの誕生日"だったりするの?」
『えっと、…………………言実さんご本人の誕生日です。(ハァ~)……本当に何も話していないんですね、あの人。大人ですから"年を取っても嬉しくない"と思って最初からお祝いされないのを前提にされているんですよ。…なのに他人の誕生日は律儀に祝うとか、本当に矛盾と言いますか天の邪鬼な方ですよね。そこが言実さんらしいと言ってしまえば、……それまでですが』
「………お前もさほど変わらない気がするのは俺だけの、気のせいか?」
「「「うんうん」」」
『???(コテン)』
最後に発した風間の言葉に対して、三人の反応が【肯定か否定か】、又"対称が自分なのか言実なのか"分からず不思議そうにしている柚紀の頭を宇佐美が撫でて「さてさて~、久しぶりに親睦深めるために色々話そっか!」と笑顔で言われて、こちらも笑顔で返す柚紀を見て(やはり女子の存在は重要だな)と改めて思いつつ見守る風間隊三人であった
菊地原に引っ張られる形でやって来た柚紀が別れた時のままであるのに気づいたが、何も言わずに出迎える二人。身柄を宇佐美に渡した菊地原は歌川も交えて廊下での一件を詳しく風間に説明していた。歌川は【柚紀がトラブルに巻き込まれた】と簡易連絡しかしていなかったからだ。そして話を聞いた風間は何やら考える仕草を取る
「確かにエンジニア共にとっては言実さんの研究データは喉から手が出る程欲しい代物だろう、……特に"手柄が欲しい"と考える野心家にはな。だが、ラボに侵入してもそう簡単にはデータを入手するのは無理な筈。…あの人も"その手"の被害は受けていて色々対策しているらしい。(ハァ~)………そもそも、今の言実さんが手掛けるモノは全て鶴ヶ峰関連のばかりだ。…下手に盗んで公開した所で【何の為に作ったか】を果たして説明出来るか不明だな」
「………あっ!時計も、あのトリオン体もあくまでも"鶴ヶ峰専用"ですからね。確かに技術は凄いですが"他の隊員には必要ない機能"であるのもまた事実…ではありますが」
「…使い方や応用次第では、また強力な代物となる、でしょ?例えば居場所特定する為の発信器の小型化とか、学習能力を有しているなら馬鹿でも簡単に色々覚えたり出来る……多分、"学校の勉強内容"だって可能になる。……悪用されたらタチが悪いし、…犯罪の片棒を担ぐ的なのを言実さんが良しとする訳じゃない。(ハァ~)只でさえ例の"マップ転送事件"のせいで"更に"一部のエンジニアとの仲が複雑になっているって言うのにさ、………嫌ですよ僕、あの時みたいにまた"隠れて密偵する"とか」
と、エンジニアが関わる騒動の再来を危惧し三人が溜め息を漏らしていた。…そんな中、宇佐美と柚紀が給湯室から飲み物とお菓子を持って戻って来た。そして……"今の柚紀の服装"を見てイの一番に菊地原が反応を示した
「はあぁああっ!!!?ちょ、それ、…宇佐美先輩っ!?何"人の服"を勝手に着せてるんですか?!鶴ヶ峰もっ!ソレ着て抵抗ないのっ??!一応男物だよ!!!?何で平気なのさっ?!!?」
「ん?別に良いじゃん!!汚なくもないし~、きくっちーが"今日"これを着なきゃ駄目な訳じゃないでしょ?風間さんは"エンブレム付きの服"使わないし、うってぃーのは小柄な柚紀ちゃんのだとブカブカ過ぎるし、……(ニヤニヤ)ちょこんと大きいのが良いんだよ、萌え袖って奴です!?」
『そ、その、ね?……元々ラボに置いてある風間隊のエンブレム付きの服を"最初から"着るつもりだったから、…あまり厚着してなかったんだけど(サスサス)…思ったより寒くて、流石に"室内でコートを着る"のは、抵抗あって。そ、そしたら宇佐美先輩が【私の予備はこの間シロちゃんに貸しちゃったから】と言われて、こ、コレ渡されたんだけど(ストン)…駄目だった?あ、えっと私は平気だよ?以前に"男子の上着借りた経験"あるから』
さて、本日の柚紀がお召しになっている服はモノクロチェック柄のシャツに焦げ茶の膝上ハーフパンツに学校でも使うネイビーのハイソックスにスニーカーで……菊地原のらしい色がくすんだ水色のパーカー(裏生地にボア素材使用)を着ている。「暑くないのか?」と心配する風間に『平気です』と答えながら配膳をして、空いていた菊地原の隣に座って様子を窺う。…その視線から逃げるかの様にそっぽを向いてしまう菊地原だったが、……髪の下に見え隠れしている耳が"うっすら赤い"のに気づいた隊長や同僚が流石に可哀想かと思い助け舟を出すことに
「そう言えば鶴ヶ峰、…言実さんは何時ラボのドアロックのパスを変更したんだ?丁度お前がトリオン体に初めて換装して、徹夜したあの後訪ねた際には"以前のまま"だったが?」
『!!えっとですね~……確か"その日の晩"…だったかな?……迅さんに【パスを変更しないと面倒な事になる確率が高い】って指摘されて、…私が起きてから実際に新しいパスを入れて番号を覚えた、…記憶があります』
「ふむ、ならもう時効だから聞いても良いかな?……以前のパスワードが"1104"だったけど、コレってさ…………"誰かの誕生日"だったりするの?」
『えっと、…………………言実さんご本人の誕生日です。(ハァ~)……本当に何も話していないんですね、あの人。大人ですから"年を取っても嬉しくない"と思って最初からお祝いされないのを前提にされているんですよ。…なのに他人の誕生日は律儀に祝うとか、本当に矛盾と言いますか天の邪鬼な方ですよね。そこが言実さんらしいと言ってしまえば、……それまでですが』
「………お前もさほど変わらない気がするのは俺だけの、気のせいか?」
「「「うんうん」」」
『???(コテン)』
最後に発した風間の言葉に対して、三人の反応が【肯定か否定か】、又"対称が自分なのか言実なのか"分からず不思議そうにしている柚紀の頭を宇佐美が撫でて「さてさて~、久しぶりに親睦深めるために色々話そっか!」と笑顔で言われて、こちらも笑顔で返す柚紀を見て(やはり女子の存在は重要だな)と改めて思いつつ見守る風間隊三人であった