28.満身創痍の曲~それでも生きる為に~(93.
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~C級ランク戦ロビー~
柚紀が落ち着いたのを見計らい、諏訪隊メンバーはロビーからの脱出を決行する。嵐山隊と言実の戦いが拮抗している間に…観客がスクリーンに食い入るかの様に見つめている間に動かなければ……"柚紀の異変に気づく輩"が出ないとも限らないのだ。幸いにもマップに飛ばされた際に押し込まれたブースがロビー出入り口に近いので、コッソリ動けば問題ない……筈だったが、予想外の人物に遭遇してしまう
「コソコソ動くとはお前らしくないな、……嵐山隊との戦いに興味がないなら、悪いが一緒に来てもらうぞ、諏訪」
「なっ!!?…何でテメェが"この時間に"此処に居やがる!!今日のオオトリは確かに"玉狛"だが、……それは良い。…俺に何の用だ?見ての通りコッチも"お取り込み中"だ。悪いが"相当重要な案件"じゃなければ無視させて貰うぜ………レイジ」
「早く来た理由は、"アレ"だ。そして、…俺はただの使いっパシりだ。………"迅がお前に会いたがっている"、…朝から具合が悪く、今だって顔色が優れないアイツが【俺を本部に連れて行け、そして諏訪達に会わないと行けない。でなければ、……サイアクな未来が来る】……あんな無茶をする迅は久し振りに見た」
「迅さんがっ!?ってか"達"って言ってますが、……多分本当に用があるのって(チラッ)」
「…………俺じゃなくて、"背中のコイツ"だろうな。…恐らくだが"一人で泣いてる姿を視えた"から動いたんだろう。……アイツが動く大半の理由はソレだからな」
出入り口付近の壁に寄り掛かっていた木崎が諏訪に声を掛けたのだ。そして接触理由を聞いて【柚紀に迅が会いたがっている】そう察したのだ。……因みに早く来た理由の一つは"遠くからでも"聞こえているので振り返って確認する必要がないのだ。そして諏訪の言葉を聞いて初めて【カーキ色のアウターを被り諏訪におんぶされている存在に】木崎が気づき目を細める
「……その子は、…あの時の?……何故一般人が基地内に居る?お前達と一緒に居た理由は任務中に亜種含めた敵に狙われたのを助けたから、だろ?」
「………あれ?もしかして木崎さん、…迅くんから聞いてませんか?この子……鶴ヶ峰について」
「…ナニ?鶴ヶ峰…だと??!つまり、その子は………たが、髪色が。…何故"青や紫系"じゃないんだ?」
「(……"青"ねぇ~)あ~、そこ気にするよなやっぱり。…何かつる姐曰く【遺伝で色合いは母親のを継ぐ】的な事言ってたかんな~。つまりはコイツの父親が姐さんの兄貴な訳だ。…姉なら色合いは同じ、でもってコイツと姐さんとの年齢の差があんまりねぇから"弟や妹"って考えは最初から除外される。こんな感じか?で、……迅とコイツは"数少ない共通点"を有してたり、コイツが抱えてる問題や事情が複雑過ぎて、尚且つ"その一部はボーダーに関する事"。これ等があって気にかけたりしてるって所だな。あ、後、最初にコイツに会ったボーダー隊員だから面倒見てるのも、少なからずあるか?」
背中の存在、…柚紀について語っていると後方で何だか騒がしくなった気がして視線をスクリーンに向け、実況内容から"一人が言実に落とされ均衡が崩れた"のを察し"早々にロビーを後にするべき"と判断した諏訪は「で、迅は何処に居やがる?さっさと案内しろ」と木崎に行動を促せば、壁から離れて歩き出す。そして"もう一度"スクリーンを見た後に後に続くのであった
‐ ‐ ‐
‐ ‐
‐
木崎に連れて来られたのは、あの喫煙室に隣接した休憩スペースだった。そこのソファーに横たわる迅と、……それを介抱する一人の男性の姿があった
「…ボス、迅の様子はどうですか?」
「ん?…今は落ち着いてるぜ?にしても"トリオン体が保てない程の状態にも関わらず"、本部に連れけって言うとは流石の俺も思わなかったな~~。コイツにも立場があるし、一部からは逆恨みを買っていたりもする。…弱っている姿を去らせば襲われる可能性だってあるのに、そのリスクを分かっていても………柚紀ちゃん、君が心配だから会いに来た訳だな」
「「林藤…支部長……」」
咥え煙草をした林藤がグッタリしている生身の迅に寄り添っていたのだった。そして、……木崎は兎も角一度は面識のある林藤が居るならと、『諏訪さん、…降ろして下さい』と小声で催促する柚紀。それを聞いて、聞こえないフリをして無視しようとする諏訪だが『降ろして、…林藤さんに挨拶しないと。だって何時も世話になっている迅さんの上司さん、だもん』と今度は声を大きくし、理由もきちんと伝える。それでも躊躇する諏訪だが、……しがみつく腕の力を強め首を圧迫してくる柚紀には流石に根負けし「ヘイヘイ、…良いのか?見られても??」と渋っていた理由を仄めかし、頷いたのを確認して背中から降ろし、……頭に被っていたアウターを諏訪に渡して真っ正面から林藤、そして木崎を見据える柚紀の顔を見て…言葉を失ったのだ
『……お見苦しい姿を晒してしまいすみません。ですが、勘違いしないで下さいね?泣いてしまった理由は諏訪さん達のせいじゃありません。…誰のせいでもない、………私が弱いから、泣き虫だからです。それに沢山の人に迷惑や心配、無理をさせてしまった。なら、泣き顔を見られたって平気です。(ニコッ)…コレが今の私ですから。えっと、そちらの方とはちゃんとお会いするのは初めてですね?(ペコリ)……鶴ヶ峰柚紀と申します。以前亜種に襲われていた私を助け、引き連れて撤退する諏訪さん達を助けてくれた方、でお間違いない、ですか?』
泣き跡がくっきり残ったままの顔で、眼は充血しており瞼は腫れぼった状態だが、…恥ずかしがる事なく寧ろ申し訳なさそうにしつつ話す礼儀正しい少女がそこに居たのだった
柚紀が落ち着いたのを見計らい、諏訪隊メンバーはロビーからの脱出を決行する。嵐山隊と言実の戦いが拮抗している間に…観客がスクリーンに食い入るかの様に見つめている間に動かなければ……"柚紀の異変に気づく輩"が出ないとも限らないのだ。幸いにもマップに飛ばされた際に押し込まれたブースがロビー出入り口に近いので、コッソリ動けば問題ない……筈だったが、予想外の人物に遭遇してしまう
「コソコソ動くとはお前らしくないな、……嵐山隊との戦いに興味がないなら、悪いが一緒に来てもらうぞ、諏訪」
「なっ!!?…何でテメェが"この時間に"此処に居やがる!!今日のオオトリは確かに"玉狛"だが、……それは良い。…俺に何の用だ?見ての通りコッチも"お取り込み中"だ。悪いが"相当重要な案件"じゃなければ無視させて貰うぜ………レイジ」
「早く来た理由は、"アレ"だ。そして、…俺はただの使いっパシりだ。………"迅がお前に会いたがっている"、…朝から具合が悪く、今だって顔色が優れないアイツが【俺を本部に連れて行け、そして諏訪達に会わないと行けない。でなければ、……サイアクな未来が来る】……あんな無茶をする迅は久し振りに見た」
「迅さんがっ!?ってか"達"って言ってますが、……多分本当に用があるのって(チラッ)」
「…………俺じゃなくて、"背中のコイツ"だろうな。…恐らくだが"一人で泣いてる姿を視えた"から動いたんだろう。……アイツが動く大半の理由はソレだからな」
出入り口付近の壁に寄り掛かっていた木崎が諏訪に声を掛けたのだ。そして接触理由を聞いて【柚紀に迅が会いたがっている】そう察したのだ。……因みに早く来た理由の一つは"遠くからでも"聞こえているので振り返って確認する必要がないのだ。そして諏訪の言葉を聞いて初めて【カーキ色のアウターを被り諏訪におんぶされている存在に】木崎が気づき目を細める
「……その子は、…あの時の?……何故一般人が基地内に居る?お前達と一緒に居た理由は任務中に亜種含めた敵に狙われたのを助けたから、だろ?」
「………あれ?もしかして木崎さん、…迅くんから聞いてませんか?この子……鶴ヶ峰について」
「…ナニ?鶴ヶ峰…だと??!つまり、その子は………たが、髪色が。…何故"青や紫系"じゃないんだ?」
「(……"青"ねぇ~)あ~、そこ気にするよなやっぱり。…何かつる姐曰く【遺伝で色合いは母親のを継ぐ】的な事言ってたかんな~。つまりはコイツの父親が姐さんの兄貴な訳だ。…姉なら色合いは同じ、でもってコイツと姐さんとの年齢の差があんまりねぇから"弟や妹"って考えは最初から除外される。こんな感じか?で、……迅とコイツは"数少ない共通点"を有してたり、コイツが抱えてる問題や事情が複雑過ぎて、尚且つ"その一部はボーダーに関する事"。これ等があって気にかけたりしてるって所だな。あ、後、最初にコイツに会ったボーダー隊員だから面倒見てるのも、少なからずあるか?」
背中の存在、…柚紀について語っていると後方で何だか騒がしくなった気がして視線をスクリーンに向け、実況内容から"一人が言実に落とされ均衡が崩れた"のを察し"早々にロビーを後にするべき"と判断した諏訪は「で、迅は何処に居やがる?さっさと案内しろ」と木崎に行動を促せば、壁から離れて歩き出す。そして"もう一度"スクリーンを見た後に後に続くのであった
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木崎に連れて来られたのは、あの喫煙室に隣接した休憩スペースだった。そこのソファーに横たわる迅と、……それを介抱する一人の男性の姿があった
「…ボス、迅の様子はどうですか?」
「ん?…今は落ち着いてるぜ?にしても"トリオン体が保てない程の状態にも関わらず"、本部に連れけって言うとは流石の俺も思わなかったな~~。コイツにも立場があるし、一部からは逆恨みを買っていたりもする。…弱っている姿を去らせば襲われる可能性だってあるのに、そのリスクを分かっていても………柚紀ちゃん、君が心配だから会いに来た訳だな」
「「林藤…支部長……」」
咥え煙草をした林藤がグッタリしている生身の迅に寄り添っていたのだった。そして、……木崎は兎も角一度は面識のある林藤が居るならと、『諏訪さん、…降ろして下さい』と小声で催促する柚紀。それを聞いて、聞こえないフリをして無視しようとする諏訪だが『降ろして、…林藤さんに挨拶しないと。だって何時も世話になっている迅さんの上司さん、だもん』と今度は声を大きくし、理由もきちんと伝える。それでも躊躇する諏訪だが、……しがみつく腕の力を強め首を圧迫してくる柚紀には流石に根負けし「ヘイヘイ、…良いのか?見られても??」と渋っていた理由を仄めかし、頷いたのを確認して背中から降ろし、……頭に被っていたアウターを諏訪に渡して真っ正面から林藤、そして木崎を見据える柚紀の顔を見て…言葉を失ったのだ
『……お見苦しい姿を晒してしまいすみません。ですが、勘違いしないで下さいね?泣いてしまった理由は諏訪さん達のせいじゃありません。…誰のせいでもない、………私が弱いから、泣き虫だからです。それに沢山の人に迷惑や心配、無理をさせてしまった。なら、泣き顔を見られたって平気です。(ニコッ)…コレが今の私ですから。えっと、そちらの方とはちゃんとお会いするのは初めてですね?(ペコリ)……鶴ヶ峰柚紀と申します。以前亜種に襲われていた私を助け、引き連れて撤退する諏訪さん達を助けてくれた方、でお間違いない、ですか?』
泣き跡がくっきり残ったままの顔で、眼は充血しており瞼は腫れぼった状態だが、…恥ずかしがる事なく寧ろ申し訳なさそうにしつつ話す礼儀正しい少女がそこに居たのだった