27.決断の曲~少女を救う為に~(92.
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いつの間にか片腕が無くなり片足に損傷を負い、よくみれば他にも"数か所斬り傷や被弾痕跡のあり"……満身創痍な姿の柚紀を見て男子三人が顔色を変えてしまう。そしてゆっくりとなら動けていた柚紀もそろそろ限界なのか【顔にヒビの様な現象が発生しており】近くの壁に凭れるかの様に座込み…柚紀を見た瞬間から狙撃ポイントからコチラに向かっていた佐鳥が真っ直ぐに側に駆け寄っていた。そんな中、"目の前に居るトリオン体の市民役"が柚紀だと気づいていないらしい木虎が【午後の部が再開してから"ずっと"彼女だったのかと、…これだけ損傷しているのに何故"トリオン切れ"による戦闘不能判定がされないか】を言実に訊ねると【是と頷き、"少女のトリオン量が通常の者の倍以上"】そして【今は意図的にモニターに映らない様にしている】と説明をする。…それを聞いて更にナニかを訊ねようとしたが嵐山に止められる。……今"一番早急にしないといけないのは"議論ではないと思ったからだ
「……午後の部が始まって既に"数時間"経過している。…足の損傷は恐らく"変更アナウンス"があった辺りだとしても、……他の怪我を負って"どれだけの時間が経過しているか"分からない。何時までも治らない傷を抱えたまま逃げ隠れするのは、かなり精神にクル筈だ。終わりが見えない、…長期戦を一人で耐え凌ぐ訳だからね。………彼女は責任感が強い、そしてこのテストの重要性も理解している。だから"自分が楽になる為に"…挑戦者側に助けを求めれなかった。贔屓すれば…ズルをしてしまったらこの"実力"テストは意味を成さない」
「っ?!ですがっ!?あんな自らがボロボロになるまで耐える理由なんてっ!「…木虎は、彼女を知らない。だからそう思えるし言えるんだよ。別にその考えを否定はしないし間違えでもない、でもさ……世の中には"他人主義で自己犠牲をも厭わない"…そんな人が居るのも事実なのも、分かって欲しい。彼女が、そうだから(スタスタスタ)」……時枝、先輩?」
嵐山の言い分にはほぼ納得は出来たが、やはり納得出来ない部分もある木虎。それを何時もの口調で諭させる様に意見した時枝がゆっくりと柚紀(と佐鳥)に近づいていく。…丸腰の佐鳥とは違い"銃を携えたまま"。そして……
‐ ……………スチャッ ‐
「っ?!?!なっ!?(バッ!!)……何してるのさ?…誰に武器向けてるか分かってるの?それにお前が手を下さなくたってこのままトリオン切れを待った方が、彼女に新たなトラウマを植え付けなくて、済むよ?」
「……でも"何時トリオン切れになるかは"お前だって分からないだろ?彼女のトリオン残量は未知数、例え限界に近くても直ぐに落ちるとは言い切れない。それに……長くモニターに映らないでいると観客側が不審に思う可能性がある。それじゃあ彼女の頑張りが無駄になる、…直ぐに楽にしてあげるべきだ。彼女はもう、限界なのは分かってるだろ?」
「………………………………(スッ)分かった、よ。…でも、誰が……彼女に止めを刺す?皆、やりたくない…でしょ?((あ、木虎は駄目だよ?彼女は年下には特に甘いんだ。なのにそんな事させたら……自分のせいで"手を汚させてしまった"って罪悪感、…彼女に持たせたくないからね!!))」
「「『(コクコク)』」」
「(ムスッ)((……分かりましたよ。佐鳥先輩は"全ての女性がお好き"と豪語されていますから、…きっとそうすべき、何でしょうね。私はその方を全然知りませんから、対処はお任せします))(……確信がない以上、先輩方にお任せするべき、よね今は)」
時枝が柚紀に銃を向けた事に対して反射的に庇う体制を取り対峙する佐鳥。それに対して正論を述べて説き伏せ前を退けさせることに成功はするが、…時枝も辛そうだと察した佐鳥は【顔見知りで木虎以外から"汚れ役"を】と再提案する。そして、誰が殺るかを内部通信内で決めて……代表者が発射体制に入る。…空気の変化に気づき"ぼんやりと"そちらを見ようとしたら"誰かの手によって"視界を遮られてしまう。それが分からず『……あなた、は……だれ?』と柚紀が訊ねてくる
「!(目の前に居たのに認識出来ていない?……トリオン切れが近くてもう、ちゃんと見えない程の状態?……なら)……怖がらないで、直ぐに、解放して上げるから。でも、君に見られると……撃ちづらいから、…目は閉じていて欲しい。それと、……恨まないで上げて、その人を。………誰も、こんな事をしたいとも、させたいとも思っていない、から。でも必要だと分かっているから、だから出来るんだと。皆、優しい人達、だからさ、……ね?」
『……(コクン)…あなたも、でしょ?でも、……ごめんなさい、…すがたも、だけど、……"だれのこえ"かも、わたしは、…わからない。……なにを、はなしているかは、わかる。いま、……このばに、いるのは、……みんな、…わたしは、……"こわくない"、…"だいじょうぶなひとしか"いないから、……"てきか"を…はんべつ、するひつよう、…ないから……』
「っ!?……そっか(スッ)」
"誰かが"そう諭し、怖がらず素直に頷く柚紀を見て翳していた手を退ける。そして
‐ …………バーン! ‐
‐ トリオン体活動限界 ベイルアウト ‐
‐ ‐ ‐
‐ ‐
‐
「おっ?!やっと復旧したみたいだな!!さて、新人が加入しました嵐山隊との試合だが、巽の姐さんに代わって三輪隊の米屋と」
「こ、こ、こ、古寺がお、おおおぉお、お送り、ししし、しますっ?!あっ、い、致しますがた、正しいですかね???(アセアセ)」
「大丈夫だ、肩ひじ張らずに気楽に話してくれ。…俺は変わらず解説を勤めるが皆、古寺を暖かく見守ってくれ。さてさて、一般市民役の子は試合前に巽さんがシステムを弄って出してあげている。……ま、一部から"こんな見せしめは気分が悪い"と開発部門に苦情が入ったらしいからね。因みに発言者達はオペレーターの方々だ。………言実さん程ではないけど、敵に回すと色々厄介だから、発言や行動には注意をするように。……注意事項を話した事だし実況と解説をしようか」
モニターに言実と嵐山隊が映し出されて試合が始まった片隅、一つのブース内では……無事にマップから脱出出来た柚紀は諏訪に出迎えを受けていた。…色んな事をポツリポツリ話ながら…諏訪の腕の中で泣き続けているが、それを文句言わずに受け入れあやす諏訪と、入り口付近に陣取り見張る笹森と堤は、…複雑な気持ちを抱いていたのであった
「……午後の部が始まって既に"数時間"経過している。…足の損傷は恐らく"変更アナウンス"があった辺りだとしても、……他の怪我を負って"どれだけの時間が経過しているか"分からない。何時までも治らない傷を抱えたまま逃げ隠れするのは、かなり精神にクル筈だ。終わりが見えない、…長期戦を一人で耐え凌ぐ訳だからね。………彼女は責任感が強い、そしてこのテストの重要性も理解している。だから"自分が楽になる為に"…挑戦者側に助けを求めれなかった。贔屓すれば…ズルをしてしまったらこの"実力"テストは意味を成さない」
「っ?!ですがっ!?あんな自らがボロボロになるまで耐える理由なんてっ!「…木虎は、彼女を知らない。だからそう思えるし言えるんだよ。別にその考えを否定はしないし間違えでもない、でもさ……世の中には"他人主義で自己犠牲をも厭わない"…そんな人が居るのも事実なのも、分かって欲しい。彼女が、そうだから(スタスタスタ)」……時枝、先輩?」
嵐山の言い分にはほぼ納得は出来たが、やはり納得出来ない部分もある木虎。それを何時もの口調で諭させる様に意見した時枝がゆっくりと柚紀(と佐鳥)に近づいていく。…丸腰の佐鳥とは違い"銃を携えたまま"。そして……
‐ ……………スチャッ ‐
「っ?!?!なっ!?(バッ!!)……何してるのさ?…誰に武器向けてるか分かってるの?それにお前が手を下さなくたってこのままトリオン切れを待った方が、彼女に新たなトラウマを植え付けなくて、済むよ?」
「……でも"何時トリオン切れになるかは"お前だって分からないだろ?彼女のトリオン残量は未知数、例え限界に近くても直ぐに落ちるとは言い切れない。それに……長くモニターに映らないでいると観客側が不審に思う可能性がある。それじゃあ彼女の頑張りが無駄になる、…直ぐに楽にしてあげるべきだ。彼女はもう、限界なのは分かってるだろ?」
「………………………………(スッ)分かった、よ。…でも、誰が……彼女に止めを刺す?皆、やりたくない…でしょ?((あ、木虎は駄目だよ?彼女は年下には特に甘いんだ。なのにそんな事させたら……自分のせいで"手を汚させてしまった"って罪悪感、…彼女に持たせたくないからね!!))」
「「『(コクコク)』」」
「(ムスッ)((……分かりましたよ。佐鳥先輩は"全ての女性がお好き"と豪語されていますから、…きっとそうすべき、何でしょうね。私はその方を全然知りませんから、対処はお任せします))(……確信がない以上、先輩方にお任せするべき、よね今は)」
時枝が柚紀に銃を向けた事に対して反射的に庇う体制を取り対峙する佐鳥。それに対して正論を述べて説き伏せ前を退けさせることに成功はするが、…時枝も辛そうだと察した佐鳥は【顔見知りで木虎以外から"汚れ役"を】と再提案する。そして、誰が殺るかを内部通信内で決めて……代表者が発射体制に入る。…空気の変化に気づき"ぼんやりと"そちらを見ようとしたら"誰かの手によって"視界を遮られてしまう。それが分からず『……あなた、は……だれ?』と柚紀が訊ねてくる
「!(目の前に居たのに認識出来ていない?……トリオン切れが近くてもう、ちゃんと見えない程の状態?……なら)……怖がらないで、直ぐに、解放して上げるから。でも、君に見られると……撃ちづらいから、…目は閉じていて欲しい。それと、……恨まないで上げて、その人を。………誰も、こんな事をしたいとも、させたいとも思っていない、から。でも必要だと分かっているから、だから出来るんだと。皆、優しい人達、だからさ、……ね?」
『……(コクン)…あなたも、でしょ?でも、……ごめんなさい、…すがたも、だけど、……"だれのこえ"かも、わたしは、…わからない。……なにを、はなしているかは、わかる。いま、……このばに、いるのは、……みんな、…わたしは、……"こわくない"、…"だいじょうぶなひとしか"いないから、……"てきか"を…はんべつ、するひつよう、…ないから……』
「っ!?……そっか(スッ)」
"誰かが"そう諭し、怖がらず素直に頷く柚紀を見て翳していた手を退ける。そして
‐ …………バーン! ‐
‐ トリオン体活動限界 ベイルアウト ‐
‐ ‐ ‐
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「おっ?!やっと復旧したみたいだな!!さて、新人が加入しました嵐山隊との試合だが、巽の姐さんに代わって三輪隊の米屋と」
「こ、こ、こ、古寺がお、おおおぉお、お送り、ししし、しますっ?!あっ、い、致しますがた、正しいですかね???(アセアセ)」
「大丈夫だ、肩ひじ張らずに気楽に話してくれ。…俺は変わらず解説を勤めるが皆、古寺を暖かく見守ってくれ。さてさて、一般市民役の子は試合前に巽さんがシステムを弄って出してあげている。……ま、一部から"こんな見せしめは気分が悪い"と開発部門に苦情が入ったらしいからね。因みに発言者達はオペレーターの方々だ。………言実さん程ではないけど、敵に回すと色々厄介だから、発言や行動には注意をするように。……注意事項を話した事だし実況と解説をしようか」
モニターに言実と嵐山隊が映し出されて試合が始まった片隅、一つのブース内では……無事にマップから脱出出来た柚紀は諏訪に出迎えを受けていた。…色んな事をポツリポツリ話ながら…諏訪の腕の中で泣き続けているが、それを文句言わずに受け入れあやす諏訪と、入り口付近に陣取り見張る笹森と堤は、…複雑な気持ちを抱いていたのであった