26.即座対処の曲~柔軟に対応せよ~(91.
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『(ヒック、…ヒック)……言実さぁ~ん、…(ヒック)は、早く、迎えに、来てよぉ~っ(ヒック、ヒック)』
案内係のエンジニアにブースに押し込められ、入り口付近の機械に触れたと認識した次の瞬間には脳内に‐ 転送開始 ‐と機械的なアナウンスが流れ、いつの間にか見知らぬ場所に柚紀は立っていた。直ぐに風景からしてテストに使用している市街地Aでないと判断し、【選択可能ステージの一つに飛ばされた】と察したが……"そこで打つ手を失ってしまう"。何故かと言うと
『(トリオン体だから"瓦礫の下敷きとか、高い所から飛び降りたって"平気だし、でも"攻撃トリガーを有してないから"…この空間から自力で、出れない。それに……)…下手な事したら、別の場所に、飛ばされるかも、知れない。だから、待つしか、ないっ!!(ギュッ!?…ヒック)でも、……ダレモ、イナイ、ヘンナオト、スル。イヤダ、イヤダヨ。ヒトリハ、ヤダヨ!!(ヒック、ヒック、ヒック、ヒック)』
柚紀は転送された位置から一歩も動かずその場で座り込み、蹲っていた。……佐鳥が前に言った【分かりやすい場所に居てくれれば必ず誰かが見つけてくれる】…それも留まる理由の一つであった。だが、静かな空間内にて"ステージ独自の音"が妙に耳に入り、それを聞き慣れない柚紀の精神は徐々に疲弊していっていた。それでも耐えている……泣きながらではあるが、耳を塞ぎ"自分の世界に閉じ籠る"感覚をイメージしてジッと待っている。そうすれば必ず……
‐ ……カツカツ、カツカツ…パサッ………ギュッ ‐
『……迎えに来たぞ。もう、大丈夫だ。私が来たからな、だから(ナデ)……泣くな、………柚紀』
『!!?……(バッ!)…ぁ、……言実…さ、…………(ギュウゥゥーー!?)ぅ、うわあぁ~~~あぁん!!!言実さぁ~んっ!?こわ、怖かった!寂しかったよぉお~!!?』
見事に柚紀の居場所を探し当て当然の如く言実が迎えに来たのだった。……独りを何よりも嫌い不安な思いをしている姪を他人に任せるつもりは"今の所"言実にはない。選択肢でない訳ではないが、今のボーダー隊員でそれを容認出来るのは一握りのみ。だが、【全員今はこの空間に転送させる訳には行かないのだ】
『(…今回は意図して起きた事でない、所謂"アクシデント"の部類だが……【柚紀関連で迅の予知がアテにならない】のを城戸一派に知られるのを"今は避けたい"。風間は今日は基地には来ていないし、諏訪と…嵐山隊はこの後にテスト・エキシビションマッチが控えておるし、冬島さんはテスト補助を担っている。……さて、どうするか)(ナデナデ、ポンポン)』
腕の中で号泣している柚紀をあやしながら"テストが終わるまでの預け先"を考える言実。……直前まで一緒に居た東達では、…悪いが"今日はもう無理"なのを察しており、風間が不在なのと神出鬼没な迅が本部に居るのが不明な点や"この後のスケジュール"を考慮すると……預け先がないのだ。何より……
『(ポツリ)此処から出す為とは言えど、可愛い姪を撃ち抜くのは……流石に私も嫌だな。(ナデナデ、ナデナデ)………なぁ柚紀、この後のテスト内容を少し難しくしようと思う。…協力、してくれないか?』
『(ヒック、ヒック)…き、協力、……ですか?で、でも、わ、私じゃ、…足手まといに、なります、よ?戦えないし、……対戦相手が誰なのかも、し、知らない、から(……ズビ~)』
『(フキフキ、…フワッ)なに、問題ない。……お前に"相手を倒す手伝い"をさせる気など私には毛頭ない。……(ナデナデ)近頃、危険区域や放置区域に無断侵入する馬鹿が後を絶たぬ。…そんな時にその一般人が敵に遭遇した場合、どう対処や動くべきか……そんな訓練は必要ではないか?市民が敵に狙われない可能性はないとは言えぬ。それにだ、……(ナデナデ)…お前と任務中の隊員………つまりは"見知らぬ隊員と即興タック"を組む事も有るやも知れぬ。…難しいのは分かるが、必要なのも理解できるだろう?(ナデナデ)』
『………(コクン)…だから、私の存在を他の隊員にも知ってもらう必要がある。…さっきみたいな私を知らない人が居たせいでこんな事になっちゃったのは、事実だもんね。(ゴシゴシ)……えっと、その隊員さんに協力するかとか、逃げるかは…私が決めて、……大丈夫?』
言実の言い分を聞いて素直に全面的に賛成な意思を示す柚紀。…テスト内容が代り映えしなければ後続が"対策を練りやすい"のは当たり前だし、悪い事ではない。が、【亜種を含めて、本来なら人生とは予想外な事態が常に起こりうる可能性の方が高いのだ】。…迅の存在があるせいで、その認識が隊員内で"希薄"になっている。……多忙な彼を見ていたらそう思う柚紀は、"叔母である言実にも相談なしに自由に動いて大丈夫かの許可"を求める。それに対して"是"を示すかの様に微笑みながら頷き、頭を撫でつつ通信で【歌姫の保護及び、テスト内容一部変更】を上司に意見したのであった
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『(ヒック、…ヒック)……言実さぁ~ん、…(ヒック)は、早く、迎えに、来てよぉ~っ(ヒック、ヒック)』
案内係のエンジニアにブースに押し込められ、入り口付近の機械に触れたと認識した次の瞬間には脳内に‐ 転送開始 ‐と機械的なアナウンスが流れ、いつの間にか見知らぬ場所に柚紀は立っていた。直ぐに風景からしてテストに使用している市街地Aでないと判断し、【選択可能ステージの一つに飛ばされた】と察したが……"そこで打つ手を失ってしまう"。何故かと言うと
『(トリオン体だから"瓦礫の下敷きとか、高い所から飛び降りたって"平気だし、でも"攻撃トリガーを有してないから"…この空間から自力で、出れない。それに……)…下手な事したら、別の場所に、飛ばされるかも、知れない。だから、待つしか、ないっ!!(ギュッ!?…ヒック)でも、……ダレモ、イナイ、ヘンナオト、スル。イヤダ、イヤダヨ。ヒトリハ、ヤダヨ!!(ヒック、ヒック、ヒック、ヒック)』
柚紀は転送された位置から一歩も動かずその場で座り込み、蹲っていた。……佐鳥が前に言った【分かりやすい場所に居てくれれば必ず誰かが見つけてくれる】…それも留まる理由の一つであった。だが、静かな空間内にて"ステージ独自の音"が妙に耳に入り、それを聞き慣れない柚紀の精神は徐々に疲弊していっていた。それでも耐えている……泣きながらではあるが、耳を塞ぎ"自分の世界に閉じ籠る"感覚をイメージしてジッと待っている。そうすれば必ず……
‐ ……カツカツ、カツカツ…パサッ………ギュッ ‐
『……迎えに来たぞ。もう、大丈夫だ。私が来たからな、だから(ナデ)……泣くな、………柚紀』
『!!?……(バッ!)…ぁ、……言実…さ、…………(ギュウゥゥーー!?)ぅ、うわあぁ~~~あぁん!!!言実さぁ~んっ!?こわ、怖かった!寂しかったよぉお~!!?』
見事に柚紀の居場所を探し当て当然の如く言実が迎えに来たのだった。……独りを何よりも嫌い不安な思いをしている姪を他人に任せるつもりは"今の所"言実にはない。選択肢でない訳ではないが、今のボーダー隊員でそれを容認出来るのは一握りのみ。だが、【全員今はこの空間に転送させる訳には行かないのだ】
『(…今回は意図して起きた事でない、所謂"アクシデント"の部類だが……【柚紀関連で迅の予知がアテにならない】のを城戸一派に知られるのを"今は避けたい"。風間は今日は基地には来ていないし、諏訪と…嵐山隊はこの後にテスト・エキシビションマッチが控えておるし、冬島さんはテスト補助を担っている。……さて、どうするか)(ナデナデ、ポンポン)』
腕の中で号泣している柚紀をあやしながら"テストが終わるまでの預け先"を考える言実。……直前まで一緒に居た東達では、…悪いが"今日はもう無理"なのを察しており、風間が不在なのと神出鬼没な迅が本部に居るのが不明な点や"この後のスケジュール"を考慮すると……預け先がないのだ。何より……
『(ポツリ)此処から出す為とは言えど、可愛い姪を撃ち抜くのは……流石に私も嫌だな。(ナデナデ、ナデナデ)………なぁ柚紀、この後のテスト内容を少し難しくしようと思う。…協力、してくれないか?』
『(ヒック、ヒック)…き、協力、……ですか?で、でも、わ、私じゃ、…足手まといに、なります、よ?戦えないし、……対戦相手が誰なのかも、し、知らない、から(……ズビ~)』
『(フキフキ、…フワッ)なに、問題ない。……お前に"相手を倒す手伝い"をさせる気など私には毛頭ない。……(ナデナデ)近頃、危険区域や放置区域に無断侵入する馬鹿が後を絶たぬ。…そんな時にその一般人が敵に遭遇した場合、どう対処や動くべきか……そんな訓練は必要ではないか?市民が敵に狙われない可能性はないとは言えぬ。それにだ、……(ナデナデ)…お前と任務中の隊員………つまりは"見知らぬ隊員と即興タック"を組む事も有るやも知れぬ。…難しいのは分かるが、必要なのも理解できるだろう?(ナデナデ)』
『………(コクン)…だから、私の存在を他の隊員にも知ってもらう必要がある。…さっきみたいな私を知らない人が居たせいでこんな事になっちゃったのは、事実だもんね。(ゴシゴシ)……えっと、その隊員さんに協力するかとか、逃げるかは…私が決めて、……大丈夫?』
言実の言い分を聞いて素直に全面的に賛成な意思を示す柚紀。…テスト内容が代り映えしなければ後続が"対策を練りやすい"のは当たり前だし、悪い事ではない。が、【亜種を含めて、本来なら人生とは予想外な事態が常に起こりうる可能性の方が高いのだ】。…迅の存在があるせいで、その認識が隊員内で"希薄"になっている。……多忙な彼を見ていたらそう思う柚紀は、"叔母である言実にも相談なしに自由に動いて大丈夫かの許可"を求める。それに対して"是"を示すかの様に微笑みながら頷き、頭を撫でつつ通信で【歌姫の保護及び、テスト内容一部変更】を上司に意見したのであった