25.腕試しの曲(90.
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「……流石黒服に選ばれるだけの事はあるかな?あの言実さんが本職でないにしろ苦戦するのも、まぁ、無理もないかな?(にしても、彼女と柚紀ちゃんが友達になるとは、……やっぱり"縁は繋がってる"のかな?)」
「!?迅っ!!?来てたのかお前もっ!ってか、……何であの新人はあんなに…今時の女子中学生じゃ普通ねぇだろっ!?」
「……(スゥ)それ、本気で言ってるの?……言実さんや柚紀ちゃんだけが"特別な存在"じゃない。今だって武芸は廃れてないし、この町にだって道場は健在している。ってか、あの子……野々村ちゃんの強さを否定するのはつまり、…【忍田さんの強さを否定するのと同意】になるけど?」
「!!本部長の強さを否定?……どういう事だ迅。…彼女と本部長は赤の他人だろ?」
何時ものトリオン体姿で太刀川達の元にやって来た迅が、何やら意味深な発言をする。それに真っ先に反応を示した太刀川だったが、……明らかに"禁句"を言ったらしく少し怒気をはらんだ視線を向け重大な事実を口にした。その内容に東が思わず言及を求める中、風間が何やら考える素振りを見せる。そして……ある可能性に辿り着く
「……野々村の強さの秘密は剣術を幼い時からやっていたからで、…まさかだとは思うが本部長に"剣の基礎"を教えたのは……」
「…………そう、現代人である忍田さん、そして俺の師である最上さんに剣を教えたのは、…"彼女の父親"だ。今みたいに資金的援助がまだ確率していなかったから"正式なボーダーメンバー"では無かったけどね。だから名前を知られていない"支援者の一人"だった。生きてさえ居れば彼女の"兄二人"も【ボーダーに入隊していて、(クスッ)下手したら太刀川さんの地位が脅かされていたかもね】。…でも、それは無かった。彼女の家族は第一次に、全滅してしまった。生き残ったのは…あの子一人だけだ」
「!!?」
「っ!?(グイッ!)待てよ迅、……何で、助けなかった?それだけ知っているなら、知り合いならお前はっ!!」
太刀川は勿論だが忍田の強さを知るメンバーは、フブキと忍田は所謂【兄弟弟子】若しくは【同門同士】の間柄と認識出来た。そして強い奴との戦いを何より楽しみにしている太刀川は、"出会えたかも知れない強敵を…心強い味方を何故……見殺しにした?"と、具体的には口にしないが襟ぐりを付かんで怒りを露にさせる。そんな太刀川を風間が腕を掴んで首を降り……柚紀を一瞥した。"下手すれば彼女に感付かれる"と、意味を込めて。更に東に肩を叩かれて渋々手を離した太刀川を、三人を見て迅は悲しそうな表情をして理由を答えた
「……俺は、彼女の父親にも兄二人ににも、"会った事はないし知らなかったんだ"。その存在を知ったのは彼女がボーダーに入隊すると決まった以降でしかない。…俺が師事を受けたのは最上さんであって、……"野々村さん"じゃないからね。でも強かったのは確かだ、……それは忍田さんの弟子である太刀川さんが一番理解してる筈さ。因みに"下のお兄さん"は風間さんと同じ年齢らしいけど、……知ってますか?」
「……いや、俺は覚えていない。容姿もだが野々村と言う名字も特別珍しくはないし、学校だって違う可能性もある。……何かきっかけや特徴でも無ければ、"ただの同級生"。…その程度の認識だっただろうな」
「意外と"ボーダー経由で"って人が多いですからね、知り合った理由が。……俺だって嵐山と知り合えたのはそれが大きいです。…例え小南の存在があっても、ね」
そんな話をしていると、いつの間にかフブキと言実の戦いに決着がついており、モニターには"何やら不満そうな表情をした"言実が映し出されていた。……ちゃんと試合を見ていなかったので何故そんな表情をしてるか分からない迅は、…"些か複雑な表情をしてる柚紀"を見て、何となく軽く手招きしてみる。それに目敏く気づいたらしく、周囲の人に何か話したかに思えば柚紀は小走りで此方に向かってくる。それが嬉しくて笑みを浮かべている迅にこちらも嬉しくそうに笑う柚紀は一直線に近づき
『迅さんっ!!えっと、……私にナニかご用ですか?とりあえず手招きされたから来てみましたが(コテン)』
「ん?う~んとさ~、……言実さんが何で不機嫌そうなのかを知りたくてさ。…理由は分からなくもないけど、確信がなくて。(ナデナデ)…柚紀ちゃんなら正確にあの人の心情を理解できてるだろうと思ってね」
『……(チラッ)…"やらかした"、…それが答えです。多分反射的にシールドを展開しないように、"セットトリガーは一つのみ"の筈です。だけど、……あの弧月も同様の筈ですが…"本気を出してしまい"無意識に放とうとしてしまった。その雰囲気に気取られて怯んだフブキちゃんを仕留めてしまった。だからあの人は納得していないんです』
「放つ?……"旋空"をかな?でも彼女、野々村だって真剣勝負ど自覚してる筈だ。なら"気合い負け"だってあり得なくはないと俺は思うが?」
迅の問いに対して、何となく太刀川を一瞥後に自らの推測を語る。それを聞いてきちんと試合を見ていた東が言葉足らずの部分を補足すると同時に、"それを気にするのか?"…そう思い疑問を口にすれば次はブースから出てきた、……制服姿のまま荒船や村上と話しているフブキと次の相手と戦う言実を見て、更に付け加える
『……恐らくフブキちゃんは"敗けは負け"と納得していると思います。そういう子ですからね。ただ、…今回のテスト目的を考えると言実さんはそう感じている気がします。だって"試す為であって相手を潰す為じゃないから"……あの人に勝たなくても昇格は出来ますもん。と言うよりC級相手に今の所負けなしですからね言実さん。…妙な事をしてそれが原因で"トラウマ"になったらとか(ギュッ)…きっと心配してる気がする、から』
「「「「…………」」」」
柚紀の言葉を聞いて"大袈裟だ"とは四人は言えなかった。この少女がそうだからである。最初は"ほんの些細なきっかけ"から始まったであろうモノが次第に積み重なり、……他の要素はあれど"命を脅かす程のトラウマ"に発展してしまっているのだ。そんな儚く辛そうな少女の頭を、迅は優しく撫でてやるのだった
「!?迅っ!!?来てたのかお前もっ!ってか、……何であの新人はあんなに…今時の女子中学生じゃ普通ねぇだろっ!?」
「……(スゥ)それ、本気で言ってるの?……言実さんや柚紀ちゃんだけが"特別な存在"じゃない。今だって武芸は廃れてないし、この町にだって道場は健在している。ってか、あの子……野々村ちゃんの強さを否定するのはつまり、…【忍田さんの強さを否定するのと同意】になるけど?」
「!!本部長の強さを否定?……どういう事だ迅。…彼女と本部長は赤の他人だろ?」
何時ものトリオン体姿で太刀川達の元にやって来た迅が、何やら意味深な発言をする。それに真っ先に反応を示した太刀川だったが、……明らかに"禁句"を言ったらしく少し怒気をはらんだ視線を向け重大な事実を口にした。その内容に東が思わず言及を求める中、風間が何やら考える素振りを見せる。そして……ある可能性に辿り着く
「……野々村の強さの秘密は剣術を幼い時からやっていたからで、…まさかだとは思うが本部長に"剣の基礎"を教えたのは……」
「…………そう、現代人である忍田さん、そして俺の師である最上さんに剣を教えたのは、…"彼女の父親"だ。今みたいに資金的援助がまだ確率していなかったから"正式なボーダーメンバー"では無かったけどね。だから名前を知られていない"支援者の一人"だった。生きてさえ居れば彼女の"兄二人"も【ボーダーに入隊していて、(クスッ)下手したら太刀川さんの地位が脅かされていたかもね】。…でも、それは無かった。彼女の家族は第一次に、全滅してしまった。生き残ったのは…あの子一人だけだ」
「!!?」
「っ!?(グイッ!)待てよ迅、……何で、助けなかった?それだけ知っているなら、知り合いならお前はっ!!」
太刀川は勿論だが忍田の強さを知るメンバーは、フブキと忍田は所謂【兄弟弟子】若しくは【同門同士】の間柄と認識出来た。そして強い奴との戦いを何より楽しみにしている太刀川は、"出会えたかも知れない強敵を…心強い味方を何故……見殺しにした?"と、具体的には口にしないが襟ぐりを付かんで怒りを露にさせる。そんな太刀川を風間が腕を掴んで首を降り……柚紀を一瞥した。"下手すれば彼女に感付かれる"と、意味を込めて。更に東に肩を叩かれて渋々手を離した太刀川を、三人を見て迅は悲しそうな表情をして理由を答えた
「……俺は、彼女の父親にも兄二人ににも、"会った事はないし知らなかったんだ"。その存在を知ったのは彼女がボーダーに入隊すると決まった以降でしかない。…俺が師事を受けたのは最上さんであって、……"野々村さん"じゃないからね。でも強かったのは確かだ、……それは忍田さんの弟子である太刀川さんが一番理解してる筈さ。因みに"下のお兄さん"は風間さんと同じ年齢らしいけど、……知ってますか?」
「……いや、俺は覚えていない。容姿もだが野々村と言う名字も特別珍しくはないし、学校だって違う可能性もある。……何かきっかけや特徴でも無ければ、"ただの同級生"。…その程度の認識だっただろうな」
「意外と"ボーダー経由で"って人が多いですからね、知り合った理由が。……俺だって嵐山と知り合えたのはそれが大きいです。…例え小南の存在があっても、ね」
そんな話をしていると、いつの間にかフブキと言実の戦いに決着がついており、モニターには"何やら不満そうな表情をした"言実が映し出されていた。……ちゃんと試合を見ていなかったので何故そんな表情をしてるか分からない迅は、…"些か複雑な表情をしてる柚紀"を見て、何となく軽く手招きしてみる。それに目敏く気づいたらしく、周囲の人に何か話したかに思えば柚紀は小走りで此方に向かってくる。それが嬉しくて笑みを浮かべている迅にこちらも嬉しくそうに笑う柚紀は一直線に近づき
『迅さんっ!!えっと、……私にナニかご用ですか?とりあえず手招きされたから来てみましたが(コテン)』
「ん?う~んとさ~、……言実さんが何で不機嫌そうなのかを知りたくてさ。…理由は分からなくもないけど、確信がなくて。(ナデナデ)…柚紀ちゃんなら正確にあの人の心情を理解できてるだろうと思ってね」
『……(チラッ)…"やらかした"、…それが答えです。多分反射的にシールドを展開しないように、"セットトリガーは一つのみ"の筈です。だけど、……あの弧月も同様の筈ですが…"本気を出してしまい"無意識に放とうとしてしまった。その雰囲気に気取られて怯んだフブキちゃんを仕留めてしまった。だからあの人は納得していないんです』
「放つ?……"旋空"をかな?でも彼女、野々村だって真剣勝負ど自覚してる筈だ。なら"気合い負け"だってあり得なくはないと俺は思うが?」
迅の問いに対して、何となく太刀川を一瞥後に自らの推測を語る。それを聞いてきちんと試合を見ていた東が言葉足らずの部分を補足すると同時に、"それを気にするのか?"…そう思い疑問を口にすれば次はブースから出てきた、……制服姿のまま荒船や村上と話しているフブキと次の相手と戦う言実を見て、更に付け加える
『……恐らくフブキちゃんは"敗けは負け"と納得していると思います。そういう子ですからね。ただ、…今回のテスト目的を考えると言実さんはそう感じている気がします。だって"試す為であって相手を潰す為じゃないから"……あの人に勝たなくても昇格は出来ますもん。と言うよりC級相手に今の所負けなしですからね言実さん。…妙な事をしてそれが原因で"トラウマ"になったらとか(ギュッ)…きっと心配してる気がする、から』
「「「「…………」」」」
柚紀の言葉を聞いて"大袈裟だ"とは四人は言えなかった。この少女がそうだからである。最初は"ほんの些細なきっかけ"から始まったであろうモノが次第に積み重なり、……他の要素はあれど"命を脅かす程のトラウマ"に発展してしまっているのだ。そんな儚く辛そうな少女の頭を、迅は優しく撫でてやるのだった