嵐山隊がどの日にち・どの時間帯に戦うかを決めたので佐鳥達に共有している間に、柚紀は鞄からメモと筆記用具を取り出して"二枚"程ナニかを書いており、☆のマークが付いたのを嵐山に月のマークのを言実に渡しながら内容を説明する。それを聞いて嵐山は中身を見ずにポケットに入れたのに対して、言実はこの場でメモ内容を確認してしまう。そんな行動を見て柚紀以外が焦るが『可能性の一つ、だろ？…ならそれを知った所で私のやる事、成す事に変わりはない』と涼しい表情で断言したのだった。そして、用事が終わって早々に退室していった言実を見送り、柚紀達も続こうとしたが……五人から"もう少しどうだ？"という言われてしまい、…もう暫くお邪魔する羽目になったのであった

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そして、実力テスト開催日を向かえた。……と、言うより"嵐山隊室でその話を聞いた翌日"だったりするのだ。因みにテスト中に亜種が出てしまえば言実がそちらに駆り出されてしまうので、昨夜有志を募り体調が戻った"歌姫"によりゲート発生の抑制は施されており、日中寝てお昼頃から久しぶりに学校に柚紀が登校した事を一応記載しておこう
実力テストは木～日曜日の四日間。木・金は放課後、主にＣ級を相手に行い、土日にＢ級及びＡ級によるエキシビションマッチを行う手筈である。因みに、始業式の騒動で知り合った笹森のクラスメートは初日にテストを合格して見事にＢ級に昇格していた。(笹森経由で柚紀は知った)そして、期待の新人にして黒服のフブキは金曜日の放課後に受けることとなり…

『フブキちゃん、まだかなまだかな～(ﾜｸﾜｸﾜｸﾜｸ)で、……シロちゃん大丈夫？顔色良くないけど、やっぱり人混み苦手、だから？』
「そ、それも、だ、だけど……わ、わ、私が風間隊のエンブレム付きのふ、服を借りるなんて、お、お、おおお、おそ、恐れ多い、からっ！？ってか、ユズちゃんは、た、たたたたたた、太刀川隊のだしっ！！？よ、余計目立ってるからぁぁ～？！！」
『あ～、成る程成る程！…でも大丈夫だよ！！そりゃあ～、私達"二人だけ"なら色々不安だけどさ～(ﾁﾗｯ、ﾁﾗｯ)…そうじゃないでしょ？』

今日は朝から丸一日学校に行った柚紀は放課後そのままボーダーに直行しており、制服(生身)のまま太刀川隊のエンブレム付きのパーカーを着用して、テスト会場であるＣ級ランク戦ブースに来ていた。……何時もなら人が多いので来ないシロも、幼馴染みの勇姿は見たいらしくトリオン体となり更にオペレーターの制服の上に、こちらは風間隊のエンブレム付きのカーディガンを着ていて色んな意味で落ち着きがないのだ。そして柚紀の発言通り、此処に"二人っきり"で居る訳でなく

「大丈夫大丈夫！！お姉さん達が居るから心配ご無用だよ市河ちゃん！？柚紀ちゃんもだけど、色合いが"各隊長さん"に似てるから二人を知らない人には"彼等の妹とか親族"って言っちゃえば問題なし！？風間さんもだけど、きくっちーやうってぃーも貴女を気にしてるのを聞いて一度私会ってみたかったんだよね～。そして何より……メガネ仲間が増えてとても嬉しいです！！(ｷﾗｰﾝ)」
「いや～、陽菜さんに可愛らしいアシスタント兼お弟子ちゃんが居るのは風の噂で聞いてたけど…まさか、柚紀ちゃんと友達になっているとはね～。それに雰囲気も何処と無く似てるし、……あれかな？"同族嫌悪"的な奴？」
『……柚宇先輩、それを言うなら多分"類は友を呼ぶ"だと思いますよ？後、宇佐美先輩も嬉しいのは分かりますが先程話しました"注意事項"は守って下さいね？じゃないとシロちゃん、此処に居れなくなっちゃいますから』

……そう、エンブレム付きの服"本来の持ち主"に当たる宇佐美・国近が各々の両隣に座って居るのだ。それも二人もエンブレム付きの服を各自着た状態で、だ。歌姫効果で防衛任務はＡ級でなくても平気なレベルなので"どうせだから"と言う感じで、【ボーダー女性代表】とも言える言実の戦いを見学に来たのだった。……そしてそれは二人"だけ"に止まらず

「言実さんの戦う姿も気になるけど、私は"黒服の女子隊員ちゃん"に興味津々かな？別の黒服隊員のえっと……あっ！村上くんね、彼と穂刈くんが一緒のクラスで尚且つ、荒船くんが剣を教える事になってさ、……話によれば"剣の腕前はかなり"らしいのよ。……瑠衣も知ってるよね？」
「勿論！？私は入隊初日に二人を見掛けたからね～。村上先輩とはあまり接点ないけど、野々村ちゃんには興味あるよ！！何せウチの日佐人に勝っちゃったからね～。後、あの子は柚紀ちゃんとかと、"別のベクトルな女の子"だから一度見るべきだよ！何て言うか～……"宝塚の男役"に居そうな子だもん！！アレは下手な男子より格好いいから、うん？！」

"前回の合同任務"で柚紀と組んだ諏訪・荒船隊のオペレーター二人もロビーに来ており、自然と柚紀の側に来ていたのだった。因みに小佐野は面識こそないがシロの事も知っており、完全に初対面な加賀美とも意外とスムーズに挨拶を交わしていた。……何処と無く柚紀と似ているので、二人とも対処の仕方は承知していたりするのだった。そして【オペレーター同士の絆…繋がりも強い】的な発言を小佐野は以前しており、更には【類は友を呼ぶ】……これが合わさり起こりうる事と言うと…………