21.玲瓏の曲~戦場を駆け抜けろ~(86.
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~ イナビカリの雑音が耳を刺す 戸惑う心
優しいだけじゃ守れないものがある? わかってるけど ~
敵が目視出来るようになってから歌姫を再開させた柚紀。動く度に鈴が鳴り響く中、効果は基本の"全体的性能向上"を意識しているが、更に笹森相手には"素早さ強化"を、…スナイパーには"次弾装填速度強化"を意識している。今回は"素早さ勝負"な気がしたので、流石に全員は無理だから特に効果が見込める面子を絞りこんだのだ
~ 水面下で絡まる善悪 透けて見える偽善に天罰
(Tell me why, tell me why, tell me why, tell me… (‐ ドンドン! ‐)I don’t need you!) ~
『!(ピタリっ!)(今の狙撃音、……"曲に合わせて撃った"のかな?でもこんなに"騒音が鳴り響く中"でそれって、出来るの?ってかスナイパーに、……【生身の私の声、届いているの?】トリオン体なしじゃそれって……石はあるけど"今の状況では"満足な性能も見込めなくないかな?)「鶴ヶ峰っ!?止まるなっ!!考える前に動け!!!気になる事あるなら、…動きながら確かめやがれ!?」っ!!ご、ごめんなさいっ!諏訪さん!!!』
ちょっとしたきっかけだが、柚紀も"増援"の可能性に気づいたのだった。少なくても穂刈や半崎は"今気にした"事をしていないのは知っている。…一番で"ソレ"をしていなかったからだ。"誰が"と気になり足を止めて周囲を見渡してしまう柚紀を諏訪が怒鳴り付ける。戦闘音が鳴り響いているので大声で。それは怒ってはいるが"この状況や自分を心配して"と分かっているから荒船みたいに萎縮したりはしなかった
~ 逸材の花より 挑み続け咲いた一輪が美しい
乱
本気の僕だけに現れるから 乗り越えてみせるよ (ドドーン!) ~
『!!(間違いない、明らかに私の歌の邪魔しないようにしてる!こんな事、……少なくても当真先輩はしない。なら誰?狙撃音は全部で"四"なら増援は……………!…えっ?まさか、……でも、それならっ!!!)(ダッ!)』
‐ ピューー ‐
「えっっ?!?ば、馬鹿っ!!鶴ヶ峰っ?!何で俺達より前に出るんだよっ!!敵が見えてるだろっ!!?」
『スナイパーの、増援が来てるっ!!なら、……"此処じゃ狙撃ポイントが少なすぎる"!!だからっ!…あそこに行きます!!?(それに、…【大物】を釣るなら、もっと目立たなきゃ!!それに"音も足りない"……もっと大きな音を出すには)……意地でも、"親玉"を引っ張り出して見せる。タダで高みの見物は、させない!!?私の歌は、安くないんだから!!!』
ナニかを感じ取った柚紀は堤や笹森より前に出て"ある場所"に向かって走り出す。勿論前方には敵が拓さん居てそこに突進しているのだ。そんな仰天な行動をする柚紀に流石の諏訪も「なあぁっ!!!!馬鹿野郎っ!?暴走すんな~!!?」と顎が外れるのではと思うほど口を大きく開けていた。そんなのお構い無しに歌姫を持続させながら走り続ける。……【徐々に変わっていた髪色が完全に鮮やかな色に変化した状態で】
~ 簡単に片付けられた 守れなかった夢も
紅蓮の心臓に根を生やし この血に宿ってる ~
‐ ヒョイ、ヒョイ……ズサーーー、ピョン ‐
自らも"自己暗示による身体向上強化"を施して正隊員並みになり、軽々と敵の攻撃を回避して走り続ける。トリオン兵は通常でも人間より巨体なので足元をスライディングしたり、…いつの間にか足元から来ていた土竜型の攻撃すら回避していた。そして、その亜種から触手が柚紀に伸びて行くが
‐ ………ドドーーン! ‐
「!!今の射撃"間隔"は……おいまさか、…アイツが増援に居るのか?!って、……"何時から"居やがるんだ?…あ"~~考えるだけ無駄だな!!…追い掛けるぞ!?鶴ヶ峰はただ敵を無視して走っているだけだ!!危険な状況に変わりねぇし、……"何かとんでもねぇ事しれかすぜ"あれはっ!!…あ~いう時のつる姐がそうだ!多分、アイツも同じだ!!」
「言実さんと?!……諏訪さんがそう言うならそう、なんだろうけど………アイツ何処に向かって走っているんだ?!」
柚紀に遅れながら諏訪も"ある可能性"に気づけば、思いっきった行動をし始めた理由も察し、更に勘と経験から"事態が動く"と考える。……これが言実なら焦ったりしないが、今回は生身の柚紀なのだ。心配な訳がない。そして荒船は敵のせいでもあるが、既に姿が見えない柚紀の行き先が分からないのに対して
「目的地なら分かります!!多分鶴ヶ峰は【敵に対して初めてちゃんと"歌姫を発動させた"…あの開けた場所】に向かっている筈です!!?あそこは本部と目と鼻の距離ですし、狙撃ポイントだってかなりあります!何より"生身でも"無事にやり遂げた場所なら、……アイツだって安心できる筈ですから!?(でも"親玉"って、……どういう意味なんだ?)」
ほぼ直感でそう答えた笹森は、敵を倒しながら迷うことなく進んでいく。戦場において"この手の勘"は意外と侮れないのを知っており、尚且つ"こっちに柚紀が居る"気がしてならないのだ。それに対して誰も異義を唱える事なく、笹森を先頭にその場に向かうのであった