20.妨害の曲(85.
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「電撃だとっ?!!」
《!!?柚紀っ!お(‐ ザー ‐)っ?!な(‐ ザザ ‐)あっ…?!!おう………し…!!?(- ザザザザザザー ‐)》
『(バチッ、バチバチッ)ぅっ、言実さ、…(電撃、受けたら、通信が、……やっはり、コイツ、は、)……で、電波、妨害の……ジャミング、タイプっ!(フラッ)』
触手から発せられた青白い電撃がトリオン体の柚紀を襲う。今まで火や風と言ったファンタジー的要素の攻撃手段を自他共に持たない為か、諏訪も驚きを隠せない。そんな電撃を食らっている柚紀は、…意外と冷静だった。"地面に足が着いている以上"体に帯電しないのを知識的に知っては居るが、一瞬でなくそれなりの時間中攻撃を受けていたのでふらつきはした。たが、結論は出た。【今回の亜種はどんな奴なのか】が。それを伝えようとした瞬間
‐ ……スパッ ‐
‐ ……………ドスッ! ‐
『…………………………えっ??』
‐ トリオン供給機関破損 トリオン体活動限界 ‐
‐ ドンッ!……シュウゥゥ ‐
「っ!?しまったっ!!?どさくさにまぎれて背後からっ!!?……鶴ヶ峰っっ!!?(ダッ!!)」
先ず、笹森が柚紀の腕に絡み付く触手を切断したまでは良かったが……背後から近寄る【レーダーに映らない亜種】によるブレード攻撃により右胸元……トリオン器官を貫かれて換装が解けてしまう。この状況で生身で居るのが如何に危険なのかを重々承知している笹森・諏訪が駆け寄ろうとしたが
‐ シュルル…ガシッ!……バチバチバチバチ ‐
「うおっ?!こっちにも居やがったか!?このっ!!離しやがれ!!!(ドタタタタタ)」
‐ シュルル…ガシッ!……バチバチ ‐
「っ!?こ、これが電撃が体を通る感覚だろうけどっ!?(スパッ……ザシュッ!)…悪いけどトリオン体なら痛くも痒くもな
‐ シュルル…ガシッ!……バチバチバチバチバチバチバチ!? ‐
『えっ?!い、いゃああぁああぁぁぁーーーーーっ!!!!!?』(ふらっ…バタンッ!?……バチ、バチ………ズルッ)
!!?鶴ヶ峰っっっ?!!?このっ!…彼女を離せっ!!!」
二人も亜種による電撃攻撃を受けてしまうが、柚紀より時間が短く、痛覚を切っているのでさほど問題なく処理できたが……柚紀のトリオン体を攻撃した亜種が生身の状態にも関わらず再び電撃攻撃を繰り出し、その身に受けた柚紀はその場に倒れんでしまう。『ぁっ、……あ"ぁ"っ!……ぐっ?!』と帯電しているのか辛そうな呻き声を出している少女を引き摺ろうとした亜種を倒した笹森が駆け寄り抱き起こして声を掛けるが、返答がない
……流石の事態に"言実の雷確定"と覚悟をして通信を繋げて指示を仰ごうとする諏訪だが
《………………………………》
「?…通信が繋がらねぇ?何でだ??……おサノ聞こえるかおいっ!?」
〔………………………………〕
「チッ!!さっきまで繋がったのにどうなっていやがる?!(……待てよ、さっき一発目の電撃を受けた際に鶴ヶ峰が何か言ってたよな?確か)……ジャミング?………!…通信障害を引き起こす亜種なのかよコイツ等は?!!となるとだ、……日佐人っ!途中で堤を拾って荒船と合流すんぞ!?オペレーターの支援が望めない以上単独行動は危険だからな!」
「り、了解っ!?(ヒョイッ!…スクッ)……鶴ヶ峰」
言実とも小佐野とも連絡が取れなくなっていたのだった。その理由を柚紀の言葉から推測した諏訪は直ぐに行動を開始する。…トリオン体ならあの電撃を受けても肉体的な支障はないが、通信が途絶えてしまうのは致命的なのだ。………柚紀が生身で尚且つ気を失っている今、スナイパーの援護射撃を頼った方がより安全なのだ。…苦しそうな呻き声は無くなったが意識が戻らない柚紀を大事に抱えて笹森は諏訪の後を追ったのであった
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『(ダンッ!!)…まさか通信網が遮断されるとはっ?!……スナイパー二人とはやり取りが可能とは言え、…前衛と連絡が取れないのは流石に痛手だな。(それも"電撃攻撃"だとっ?!あの子にとって雷はっ!!)………こう、考えると柚紀の地雷はかなりの数だな(ハァ~)』
「!!……聞いても構わないか?柚紀くんの、苦手なモノだが"対人関連"だけではなく【場所やある条件】も、関係しているのか?」
『………………今から話す事を他言するのは、極力控えてくれよ?忍田さん。……確かにあの子にとってのトラウマの"根底"は対人関係と言って間違えない。が、……そのトラウマとなった"状況"を思い出させる事柄も、あまり良くない。回避出来るモノなら良いが、【人の手では不可能な事象】は……私にもどうにも出来ぬ故にな』
「!!?……次に実践訓練を行う際は"別の区域"にするのと、…"太刀川隊に協力を仰ぐのは"…少し考えもの、だな。それで言実くん、……君は何をそんなに心配している?今回の亜種は、【柚紀くんのトラウマを刺激するナニか】があるのかい?」
加賀美経由で知らされた【前衛に対して行った亜種の行動】を知り、姪が心配でしかない言実。…柚紀が関われば多少は感情が露になるにしても、今は任務中なので傍目からは分かりづらく、付き合いが長い忍田がやっと分かる位の微妙な変化だ。その理由を訊ねて帰ってきた内容から"次"を模索しながら、あの少女に自分が出来ることを見つけるために言実を更に追求したのであった。……言実もだが、柚紀は自分が世話になった先輩…恩人の忘れ形見なのだ。無下には出来ないのは忍田らしい所である
『……あの子は……………』