20.妨害の曲(85.
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〔歌姫発動と共に数値上昇を確認!!…さぁ、パワーアップタイムだよ三人とも!?〕
〔こちらも数値変化を確認!!でも、荒船くんは兎も角スナイパーにはどんな効果があるんですか?〕
《佐鳥から"スナイパーが向上したら戦いやすい性能"を一応聞いてはおるが、…荒船隊は初回故に"全体的な機能向上"を意識しておる。……諏訪隊に関しては本人達からリクエストを元に能力を施行しておる筈だ。【部隊毎・個人毎に向上させる機能を操作・制御する】………これも課題の一つ故にな》
曲のイントロの間にオペレーター二人と言実がそんな会話をしていた。さらっと簡単に言っているが【色んな事を同時進行を課せられている】柚紀が大丈夫かと二人が心配しているのを尻目に、少女は歌いながら移動を開始する
~ 泥だらけの走馬灯に酔う こわばる心
震える手は掴みたいものがある それだけさ ~
『(チラッ、チラッ)(見た感じ"目立つ敵"はいない。……金剛型と一緒で【見た目が変わらないタイプ】な訳か。…少し厄介かも)』
「新種の亜種がどんなのかは不明だが、敵を倒すに代わりない!!"万が一にも"亜種を引いてもさっきの土竜みたいな奴同様に動けば良い!!…頼むぜ二人とも!」
〔〔了解!!〕〕
今の所、亜種の判別も性能も未知数な状況だが、ナニもしない訳には行かないので各自行動を取る。……柚紀は来た道を戻っていくのだが
‐ ズーン!ズーン!ズーン!ズーン! ‐
~ 夜の匂いに (I’ll spend all thirty nights)
空睨んでも (Staring into the sky) ~
『っ!?(見た目が巨大化しただけの、バムスター!は、は、初めて、見たっ!?)……ぁっ(ピタッ!……ガタガダガダ)』
「!!(鶴ヶ峰が立ち止まった?…巨大化"だけ"の亜種は前から認識されているからアイツだって存在は…………!?)マズイっ!?アイツは"長身の人間"ですら怖がる奴だ!なら通常より大きい敵にだって…穂刈!!歌姫の道を阻むあのデカブツを沈めろ!!?急げっ!?下手すれば"サイドエフェクトが暴走"する可能性がある!!(ダッ!!)」
〔!!了解した、対処する、直ぐに〕
前方に現れた敵を見た瞬間、柚紀は歌も足も止まってしまう。やはり【自分より大きな相手】は恐怖対象なのだ、……一人の時は特に。その可能性に気づいた荒船が急いで少女に駆け寄る。ゲート騒動の二の舞を防ぐ為に。そんな巨大バムスターが徐々に近づいてくるが足が竦んでしまい身動きが取れなくなっている所に
‐ ……ドーン!! ‐
「旋空弧月!!…(チャキン…スッ)……落ち着け鶴ヶ峰、大丈夫だ。…お前の行く手を邪魔する敵は俺達が……諏訪さん達が倒す。後ろを振り向くな、お前は……前だけを見ていろ。…自分の役目を、果たせ(スッ、ポーン)……余所見をせずに走れっ!!」
『(ビクッ!)は、は、はいいぃ~~~!!?(ビュゥ~~!!)』
穂刈の狙撃が弱点に命中し柚紀の方に倒れてくるのを見た荒船が、旋空で足を斬り捨てバランスを崩して少女が敵の下敷きになるのをなんとか阻止。それを焦点が合わない虚ろな目でずっと見つめているのに気づき、片手で柚紀の目線を覆い、落ち着かせようとする。……テレビ番組で【催眠術を施す際に目を閉じる手法】を咄嗟に模してみたのだ。以前、あの個室にて嵐山が柚紀を落ち着かせる為にも使った手だ。そして、一喝するかの様に号令を掛ければ効果抜群で脱兎の如く走り去って行ったのであった。それをヤレヤレと見送れば、再び敵と対峙する為に弧月を抜く荒船であった
走りながら言実と《大丈夫か?続けるぞ?》と歌姫再開のやり取りをすれば、走りながらだが呼吸や意識を再び集中させる。……"ゴール"はもうすぐなのだから
~ 変わっていけるのは自分自身だけ それだけさ
強くなれる理由を知った 僕を連れて進め ~
‐ ドタタタタタタタタタ ‐
~ どうしたって!
消せない夢も 止まれない今も
誰かのために強くなれるなら
ありがとう(トン) 悲しみよ ~
走る先に堤の姿を視認したからだ。そして堤も走ってくる柚紀に笑顔で出迎え……銃口を向ける。勿論少女を狙った訳でなく"後続の敵を倒す為に"だ。その堤の横を通過する際に歌詞と相成り、感謝の気持ちを込めて軽く腕を笑顔で叩いた後に止まらずに走り抜ける。そしてゴールを示す"金髪の髪"が相変わらず元気に銃を撃ち続けている姿に、表情が綻ぶ
~ 世界に打ちのめされて負ける意味を知った
紅蓮の華よ咲き誇れ!
運命を
‐ ……シュゥン!…ザンッ!! ‐
照らして ~
やっと諏訪の元に帰ってきた柚紀だが、こちらにも敵がわんさか居る状況だ。……ちょっとした気の緩みが"一瞬の隙"を産み出してしまい、一体のモールモッドの凶刃が歌姫を襲う…かに思えたが、カメレオンで潜伏していた笹森がブレード部分を両断して事なきを得たのであった。これに対して『有り難う』と笑顔でお礼を言う柚紀に、顔を赤くしながら笑い返せば直ぐに戦闘モードに戻る笹森。……まだまだ敵がいるのだから、油断大敵だ