19.帳の曲~導くは緑の雷光~(84.
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一限が中学に比べて少しだけ長い事もあり、丁度よい時間に荒船の通う六頴館高等学校に到着した。…助手席に柚紀が居て些か驚く荒船を車に押し込み、適当に車を走らせ始めた。「昼メシどうする~?買い食いするか~?」と在り来たりな会話をしていると、お昼用に作ったお弁当をどうするか迷い始めた柚紀を見て「どうせだし荒船にやれよ、俺達は食った事あるからな鶴ヶ峰の料理」と諏訪に言われて『……食べますか?』と控え目に聞けば「嫌じゃなければ貰うぞ?鶴ヶ峰は食べたいだろハンバーガーとか」と図星を突かれてちょっぴり恥ずかしそうにしていた
それから半崎を拾い、ファーストフードのドライブスルーで昼御飯を買って基地に向かう最中、買ったものを見てウキウキしている柚紀を珍しそうに半崎は見つめていた
「……そこまで喜ぶもんッスか?ファーストフードとか学生なら食い馴れてそうな気がしますが…」
「ま、"普通"ならな。……スナイパーの訓練施設で東さんや当真とかに話を聞いてれば"こいつは外出をあまりしない"ってのは察せれる筈だぜ?鶴ヶ峰は流行とかに興味ないからなー、趣味も"自宅で簡単に出来ること中心"だ。読書やら動画鑑賞やらな。あ"っ!…先に言っておくがゲームもハマりそうだが、色んな意味でオススメしないぜ?」
「あ~~、……確かに、ですね。ジャンルに寄りますが"あの"国近に勝つほどの腕前、なのは知ってますが…半崎が好む様な【アクション系やRPG系】は多分鶴ヶ峰は苦手だ。……だろ?」
『ふぇっ?!!ゲーム、ですか?……たまに暇潰しで簡単に出来るのは、好きですがその…ストーリが長いのとか"終わりが見えない奴"はちょっと。それに………柚宇先輩に勧められた協力プレイのゲームアプリを携帯に入れてますが、…私は根っからの"サポート向け"みたいでソロは中々』
インドア派な学生が趣味にしそうな"ゲーム関連"の話となり、夏休みの太刀川隊室での騒動を知る諏訪と荒船がそう発言すれば、苦笑いを浮かべて返答する柚紀。…ゲーム好きなシロが眼鏡をしている理由が【ゲームのやり過ぎ】もあり、個人的にも"眼鏡"はあまり好きではないのだった。嫌いではない、…大好きな叔母が着用しているから
そして、太刀川隊室の"あの出来事"がフラッシュバックし動揺していた笹森は自力で回復、何時も助けてくれる堤の有難みを感じつつ話題を返る
「そう言えば諏訪さん、堤さん達には連絡しているんですか?"お昼について"とか」
「んぁ?そんなのおサノに通達済みだ。…彼奴免許最近取ったばっかりだろ?妙なプレッシャー掛けて事故ったら面倒だ、……平気そうなら昼メシ買ってから来い程度に送ってある。基地には食堂あるかんな」
「小佐野だけだと不安ですが、ウチの加賀美や穂刈も居ますから大丈夫ですよきっと。……鶴ヶ峰は食堂のメニュー大体は食ったのか?約一ヶ月居ただろ基地に」
『えっ?えっと……どう、でしょうか?麺類はスープや具材が少し違うだけでメニュー名が違いますから。それに定食系は量が多くて、殆ど頼んだ記憶がないですね』
「………………………なぁ鶴ヶ峰はさ~、…どうして三門市で暮らす事になったんだ?……一応荒船先輩とかに事情は聞いたが、【家族は反対しなかったのか?】体質とか知らなかったとは言え、元は別の場所で生活してたんだよな?……幾ら言実さんが居るにしても、大変さはコッチ上じゃないのか?」
会うのが二回目である半崎が他のメンバーの会話を聞いて"素朴な疑問"を口にした。それを聞いた笹森が「半崎っ!ばっ、おまっ、なんでソレ聞くんだよっ!?」と焦りと怒りを露にし、荒船はナニも言わない。…確かに気になる事ではあるからだ。そして信号が赤で丁度停まったタイミングで諏訪は「平気なら話してやれ、無理なら断れ」と柚紀の背中を押す言葉を掛ければ『えっと、ね』と、言葉を選び始め"どう説明するか"を整理整頓すれば、ゆっくりと口に出していく
『私ね、……親が居ないの。交通事故で亡くしちゃってさ、それから親戚を点々とした。……本当なら一ヶ所に留まっていたかったけど、…この容姿やら親戚とかご近所さんと上手く行かなくてとか、…まぁ色んな理由で盥回しされて、………少し前に住んでいた所でも"とあるきっかけ"で(ギュッ)もう、そこに居れなく…居たくなくて…夏休みになったのをきっかけに言実さんが居るこの街に来たって訳。…本当はね、もっと早く来たかったよ?でもさ、言実さんの重荷になりたくないのと、親戚が親が残した"遺産目当て"で私を奪い合ったりしてたの。それに………"法的な理由"もあったから無理だったって、教えてくれた』
「………法的な、理由?」
「……………恐らく"養子縁組"だろうな。…確かアレは【大人が25歳、子どもが15歳】が条件だった筈だ。"金の亡者"から鶴ヶ峰を安全にかつ確実に護るなら…徹底的に手を尽くす。どんなに面倒でも大事なモノの為なら苦労も惜しまない、そういう人だからなつる姐はよ(ナデナデ)(……やっぱり、親亡くしてたか。そりゃあ荷物であり足枷にも、…トラウマでもある写真……アルバムがないのにも頷けるな。…携帯だって保護者が替われば手続き、居るよな?嫌、ソレ以上に……親戚共がつる姐を恐れていた可能性だってある訳か)」
「(あまり我が儘を言わない、他人を頼らないのはコレが理由で……対人関係のトラウマは"親戚共"が原因な訳か。だが、……【何時親を"両親"を亡くしたんだ】?少なくとも物心付いた後の筈だ。そうでなければ、……あんな辛い経験をしてまで他人を信用しようとするのは、どう考えても不可能に等しいぞ?)」
柚紀が話した衝撃的な事実を聞いて四者四様の反応を示した。諏訪・荒船は更なる考察に入り、半崎は自分が軽率な事を言ってしまった事を謝罪すれば『平気だよ、…昔の事だもん』とちゃんと顔を見ながら返事を返して前を向く柚紀。…座席の位置や角度的な理由で"この場からでも"柚紀の表情が見えてしまう笹森はナニも言えなかった。…彼女が悲しそうな表情をしているのをただ黙っている事しか。そして柚紀は"罪悪感"に押し潰されない様にとお昼が入っている袋を抱き締めていた。【一部は自分の事ではない、…大好きな叔母の過去を少し改竄して話してしまった事】に
それから半崎を拾い、ファーストフードのドライブスルーで昼御飯を買って基地に向かう最中、買ったものを見てウキウキしている柚紀を珍しそうに半崎は見つめていた
「……そこまで喜ぶもんッスか?ファーストフードとか学生なら食い馴れてそうな気がしますが…」
「ま、"普通"ならな。……スナイパーの訓練施設で東さんや当真とかに話を聞いてれば"こいつは外出をあまりしない"ってのは察せれる筈だぜ?鶴ヶ峰は流行とかに興味ないからなー、趣味も"自宅で簡単に出来ること中心"だ。読書やら動画鑑賞やらな。あ"っ!…先に言っておくがゲームもハマりそうだが、色んな意味でオススメしないぜ?」
「あ~~、……確かに、ですね。ジャンルに寄りますが"あの"国近に勝つほどの腕前、なのは知ってますが…半崎が好む様な【アクション系やRPG系】は多分鶴ヶ峰は苦手だ。……だろ?」
『ふぇっ?!!ゲーム、ですか?……たまに暇潰しで簡単に出来るのは、好きですがその…ストーリが長いのとか"終わりが見えない奴"はちょっと。それに………柚宇先輩に勧められた協力プレイのゲームアプリを携帯に入れてますが、…私は根っからの"サポート向け"みたいでソロは中々』
インドア派な学生が趣味にしそうな"ゲーム関連"の話となり、夏休みの太刀川隊室での騒動を知る諏訪と荒船がそう発言すれば、苦笑いを浮かべて返答する柚紀。…ゲーム好きなシロが眼鏡をしている理由が【ゲームのやり過ぎ】もあり、個人的にも"眼鏡"はあまり好きではないのだった。嫌いではない、…大好きな叔母が着用しているから
そして、太刀川隊室の"あの出来事"がフラッシュバックし動揺していた笹森は自力で回復、何時も助けてくれる堤の有難みを感じつつ話題を返る
「そう言えば諏訪さん、堤さん達には連絡しているんですか?"お昼について"とか」
「んぁ?そんなのおサノに通達済みだ。…彼奴免許最近取ったばっかりだろ?妙なプレッシャー掛けて事故ったら面倒だ、……平気そうなら昼メシ買ってから来い程度に送ってある。基地には食堂あるかんな」
「小佐野だけだと不安ですが、ウチの加賀美や穂刈も居ますから大丈夫ですよきっと。……鶴ヶ峰は食堂のメニュー大体は食ったのか?約一ヶ月居ただろ基地に」
『えっ?えっと……どう、でしょうか?麺類はスープや具材が少し違うだけでメニュー名が違いますから。それに定食系は量が多くて、殆ど頼んだ記憶がないですね』
「………………………なぁ鶴ヶ峰はさ~、…どうして三門市で暮らす事になったんだ?……一応荒船先輩とかに事情は聞いたが、【家族は反対しなかったのか?】体質とか知らなかったとは言え、元は別の場所で生活してたんだよな?……幾ら言実さんが居るにしても、大変さはコッチ上じゃないのか?」
会うのが二回目である半崎が他のメンバーの会話を聞いて"素朴な疑問"を口にした。それを聞いた笹森が「半崎っ!ばっ、おまっ、なんでソレ聞くんだよっ!?」と焦りと怒りを露にし、荒船はナニも言わない。…確かに気になる事ではあるからだ。そして信号が赤で丁度停まったタイミングで諏訪は「平気なら話してやれ、無理なら断れ」と柚紀の背中を押す言葉を掛ければ『えっと、ね』と、言葉を選び始め"どう説明するか"を整理整頓すれば、ゆっくりと口に出していく
『私ね、……親が居ないの。交通事故で亡くしちゃってさ、それから親戚を点々とした。……本当なら一ヶ所に留まっていたかったけど、…この容姿やら親戚とかご近所さんと上手く行かなくてとか、…まぁ色んな理由で盥回しされて、………少し前に住んでいた所でも"とあるきっかけ"で(ギュッ)もう、そこに居れなく…居たくなくて…夏休みになったのをきっかけに言実さんが居るこの街に来たって訳。…本当はね、もっと早く来たかったよ?でもさ、言実さんの重荷になりたくないのと、親戚が親が残した"遺産目当て"で私を奪い合ったりしてたの。それに………"法的な理由"もあったから無理だったって、教えてくれた』
「………法的な、理由?」
「……………恐らく"養子縁組"だろうな。…確かアレは【大人が25歳、子どもが15歳】が条件だった筈だ。"金の亡者"から鶴ヶ峰を安全にかつ確実に護るなら…徹底的に手を尽くす。どんなに面倒でも大事なモノの為なら苦労も惜しまない、そういう人だからなつる姐はよ(ナデナデ)(……やっぱり、親亡くしてたか。そりゃあ荷物であり足枷にも、…トラウマでもある写真……アルバムがないのにも頷けるな。…携帯だって保護者が替われば手続き、居るよな?嫌、ソレ以上に……親戚共がつる姐を恐れていた可能性だってある訳か)」
「(あまり我が儘を言わない、他人を頼らないのはコレが理由で……対人関係のトラウマは"親戚共"が原因な訳か。だが、……【何時親を"両親"を亡くしたんだ】?少なくとも物心付いた後の筈だ。そうでなければ、……あんな辛い経験をしてまで他人を信用しようとするのは、どう考えても不可能に等しいぞ?)」
柚紀が話した衝撃的な事実を聞いて四者四様の反応を示した。諏訪・荒船は更なる考察に入り、半崎は自分が軽率な事を言ってしまった事を謝罪すれば『平気だよ、…昔の事だもん』とちゃんと顔を見ながら返事を返して前を向く柚紀。…座席の位置や角度的な理由で"この場からでも"柚紀の表情が見えてしまう笹森はナニも言えなかった。…彼女が悲しそうな表情をしているのをただ黙っている事しか。そして柚紀は"罪悪感"に押し潰されない様にとお昼が入っている袋を抱き締めていた。【一部は自分の事ではない、…大好きな叔母の過去を少し改竄して話してしまった事】に