18.王道の曲~昇り落ちの繰り返し~(83.
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「………が、学ラン姿って事はおまっ、生身なのか??!"S級隊員"のお前がトリオン体維持できねぇとか、…どうなっていやがる?あのゲート騒動より現場に居たのは明らかに実力者揃いだったろ?」
「まぁそうなんだけどさ~、……流石の実力派エリートも"見た目が通常と変わらない亜種"相手には苦戦を強いられた訳ですよ~。アレは視えても分からないわ、……うん」
「あー、……アレか。確かにアレが混入してたら色々キツイな」
「!!…どういう意味ですか?今回現れた亜種は【モグラみたいに地中移動するモールモッド】だけじゃないんですか?」
諏訪と迅の話を聞いて思わず口を挟んでしまう時枝。嵐山と佐鳥も同じ様な疑問を抱いていると察した迅が「歩きながら話すよ」と、足を動かすことを前提に話を進める。再び移動を再開した所で、迅から話始める
「確かに"今回初めて"な亜種はソレだし、任務前に警告したのもソイツが理由。だけど、亜種は"もう一種類混在していた"……あのゲート騒動の時に【通常より装甲が硬い敵】が居たって三人も聞いたよな?…アレだよ」
「!!!ま、待って迅さん!?アレって確か……【柚紀ちゃんが"サイドエフェクトを暴走させた"のが原因】で、亜種とは関係ないんじゃ…」
「………それは"半分正解"で原因の一つでしかない。…残骸を回収して敵さんのデータを収集した後、トリオンに還元して基地に蓄える。……お前等ならこの仕組み知っているだろ?でだ、……あの後調べたら【最初から硬い奴】と【後から変貌した奴】の二つのパターンが出やがったんだ。後者は鶴ヶ峰の能力が影響したモノで、前者は……多分だが"出水"が原因だろうな」
「出水??…確かに防衛任務に太刀川隊は就いていましたが、…それとナニが関係しているんですか?」
亜種に関して知らない新事実が発覚して驚きと疑問が絶えない三人。…此処まで来たら"全て話すべき"と判断した迅と諏訪は【自分達が知りうる亜種の事】を語り出す
「そもそも、亜種は何も"最近出始めた訳じゃない"。…柚紀ちゃんが三門市に来てから頻度は増えたけど【元から時折出現はしていた】。で、その際は単純に【図体が巨大化】したり【装甲が硬い】的な単純な強化版ばっかりだったし、出現するのも必ず【出水クラスのトリオン量の多い隊員が任務に就いている時限定】。……だから、殆どの隊員は亜種の存在を知らなかったし、知っている隊員はA級の二宮さんやレイジさんクラスな訳だから対処にも困らなかった。…ま、俺も"風刃"を持っている影響でたま~に遭遇したけどね」
「!!(チラリ……ホッ)つまり亜種には途中から"変貌するタイプ"と"そうでない"は居る訳ですよね?……因みにそれって比率や決定的な違いはありますか?後、……【ゲート出現率と亜種の出現率の増加】、これも無関係じゃない。ですよね?」
「……(ハァ~)…そこまで頭が回っちまうか。………途中で変貌するのと元からの…一部の人間が"原初…オリジナル"と称する奴だとやっぱり後者が手強いな。因みに変貌するタイプが出てきた理由は、…多分コイツから聞いてそうだから割愛するが、亜種の存在比率はオリジナルを"1"とすれば途中で変貌タイプの比率は【5~10】らしいぜ?更に言ってしまえば【プライベートで鶴ヶ峰が歌姫を用いた次の日は格段にゲート出現率が上がる】。で、現れる敵が……"分母"が大きくなれば自然と亜種も増えるってこった。それと、関係性はまだ不明だが…例の歌騒動以降【元々数ヵ月に一回だった亜種出現率が週一にまで頻度が増えたに加えて、任務の隊員のトリオン量が平均値でも出現しやがる】。…現に俺達が任務中にも図体が巨大化したのに遭遇している。……明確な法則があるかは不明だが、つる姐や上層部が鶴ヶ峰を現場に出すのを許可したのはコレが理由だ。鶴ヶ峰が狙われるのは確定事項な以上…使わない手はない。敵のデータさえあれば対策は幾らでも対策が練れるってこった」
「っ!!!ナニソレ?…つまり(ギュッ!)……柚紀ちゃんを餌にして亜種を誘き寄せているんですかっ?!?何で、…何で彼女ばっかり狙われなきゃいけないのさ!?成長期である今の彼女はトリオン量は減らせない!!それが出来るのは多分トリオン器官の成長が止まってからじゃないと無理だ!!………ただ、生きているだけなのに、普通で在りたいと願っているのにそんなの…あんまりだよ!!!?」
感情を圧し殺せず爆発させてしまう佐鳥と口には出さないが表情を曇らせている嵐山と時枝を見て、迅は予知が当たった事を理解して複雑な心境を抱く。……こうなると分かっていたから嵐山隊に【今日まで亜種に遭遇しない様に手を回していた】のも【亜種の説明をする際には柚紀にバレない様に】と言実と裏で取り決めをしていたのだ。この三人の表情を自分に取っても大切な少女に見せるのは忍びないのだ。だが同時にこうも思った
「(大人が勝手に決めた事で彼女が傷つかないか、…俺だって心配だよ?でも視えないから分からないんだ。この子の未来が、不確定過ぎる)(ナデ)……君は何処まで知っているの?何処まで、納得しているの?(ナデ)答えてよ?…柚紀ちゃん。……いや」
‐ 勝利に導く歌姫様、…先行きが見えない暗闇に居た俺達を優しく導いてくれた"月の漢字を持っていた"あの人の…… ‐
普段は飄々としている迅が、誰が見ても聞いても分かるほど辛そうな表情を声音で眠っている柚紀の頭を撫でながら訊ねていた。…今の自分は生身で"トリオン量回復の為に"眠っている少女には届く筈がない。………そう、思っていたのに
‐ ………………スッ……サワッ…サワッ ‐
『……誰かの、辛そうな声がしたと思えば…………やっぱり、迅さん、だった。(パチ、パチ……キョロ、キョロ)……皆、辛そうな顔。…………諏訪さん、ナニがあったの?…教えて、ください』
「「「!!?」」」
「それはだな…「良いよ諏訪さん、俺が話すから」……分かった。たが、話すならこの先にあの休憩スペースがある。そこに着いてからにしろ」
まさか柚紀が目覚めるとは思っておらず誰もが驚いたのだった。…発言含めてで。そして質問された諏訪が話そうとしたのを迅が遮り、……人が多数行き交う廊下て話す内容ではないと察して、とりあえずラボから行き先を変更し誰も反論せずに従ったのであった。目を覚ました柚紀を見て佐鳥は素直に喜べなかった
‐ 諏訪隊室での"アレ"は自分にだから反応してくれた訳じゃない。言実だけならまだしも迅にも応えているのだから ‐
そう察してしまったからだ
「まぁそうなんだけどさ~、……流石の実力派エリートも"見た目が通常と変わらない亜種"相手には苦戦を強いられた訳ですよ~。アレは視えても分からないわ、……うん」
「あー、……アレか。確かにアレが混入してたら色々キツイな」
「!!…どういう意味ですか?今回現れた亜種は【モグラみたいに地中移動するモールモッド】だけじゃないんですか?」
諏訪と迅の話を聞いて思わず口を挟んでしまう時枝。嵐山と佐鳥も同じ様な疑問を抱いていると察した迅が「歩きながら話すよ」と、足を動かすことを前提に話を進める。再び移動を再開した所で、迅から話始める
「確かに"今回初めて"な亜種はソレだし、任務前に警告したのもソイツが理由。だけど、亜種は"もう一種類混在していた"……あのゲート騒動の時に【通常より装甲が硬い敵】が居たって三人も聞いたよな?…アレだよ」
「!!!ま、待って迅さん!?アレって確か……【柚紀ちゃんが"サイドエフェクトを暴走させた"のが原因】で、亜種とは関係ないんじゃ…」
「………それは"半分正解"で原因の一つでしかない。…残骸を回収して敵さんのデータを収集した後、トリオンに還元して基地に蓄える。……お前等ならこの仕組み知っているだろ?でだ、……あの後調べたら【最初から硬い奴】と【後から変貌した奴】の二つのパターンが出やがったんだ。後者は鶴ヶ峰の能力が影響したモノで、前者は……多分だが"出水"が原因だろうな」
「出水??…確かに防衛任務に太刀川隊は就いていましたが、…それとナニが関係しているんですか?」
亜種に関して知らない新事実が発覚して驚きと疑問が絶えない三人。…此処まで来たら"全て話すべき"と判断した迅と諏訪は【自分達が知りうる亜種の事】を語り出す
「そもそも、亜種は何も"最近出始めた訳じゃない"。…柚紀ちゃんが三門市に来てから頻度は増えたけど【元から時折出現はしていた】。で、その際は単純に【図体が巨大化】したり【装甲が硬い】的な単純な強化版ばっかりだったし、出現するのも必ず【出水クラスのトリオン量の多い隊員が任務に就いている時限定】。……だから、殆どの隊員は亜種の存在を知らなかったし、知っている隊員はA級の二宮さんやレイジさんクラスな訳だから対処にも困らなかった。…ま、俺も"風刃"を持っている影響でたま~に遭遇したけどね」
「!!(チラリ……ホッ)つまり亜種には途中から"変貌するタイプ"と"そうでない"は居る訳ですよね?……因みにそれって比率や決定的な違いはありますか?後、……【ゲート出現率と亜種の出現率の増加】、これも無関係じゃない。ですよね?」
「……(ハァ~)…そこまで頭が回っちまうか。………途中で変貌するのと元からの…一部の人間が"原初…オリジナル"と称する奴だとやっぱり後者が手強いな。因みに変貌するタイプが出てきた理由は、…多分コイツから聞いてそうだから割愛するが、亜種の存在比率はオリジナルを"1"とすれば途中で変貌タイプの比率は【5~10】らしいぜ?更に言ってしまえば【プライベートで鶴ヶ峰が歌姫を用いた次の日は格段にゲート出現率が上がる】。で、現れる敵が……"分母"が大きくなれば自然と亜種も増えるってこった。それと、関係性はまだ不明だが…例の歌騒動以降【元々数ヵ月に一回だった亜種出現率が週一にまで頻度が増えたに加えて、任務の隊員のトリオン量が平均値でも出現しやがる】。…現に俺達が任務中にも図体が巨大化したのに遭遇している。……明確な法則があるかは不明だが、つる姐や上層部が鶴ヶ峰を現場に出すのを許可したのはコレが理由だ。鶴ヶ峰が狙われるのは確定事項な以上…使わない手はない。敵のデータさえあれば対策は幾らでも対策が練れるってこった」
「っ!!!ナニソレ?…つまり(ギュッ!)……柚紀ちゃんを餌にして亜種を誘き寄せているんですかっ?!?何で、…何で彼女ばっかり狙われなきゃいけないのさ!?成長期である今の彼女はトリオン量は減らせない!!それが出来るのは多分トリオン器官の成長が止まってからじゃないと無理だ!!………ただ、生きているだけなのに、普通で在りたいと願っているのにそんなの…あんまりだよ!!!?」
感情を圧し殺せず爆発させてしまう佐鳥と口には出さないが表情を曇らせている嵐山と時枝を見て、迅は予知が当たった事を理解して複雑な心境を抱く。……こうなると分かっていたから嵐山隊に【今日まで亜種に遭遇しない様に手を回していた】のも【亜種の説明をする際には柚紀にバレない様に】と言実と裏で取り決めをしていたのだ。この三人の表情を自分に取っても大切な少女に見せるのは忍びないのだ。だが同時にこうも思った
「(大人が勝手に決めた事で彼女が傷つかないか、…俺だって心配だよ?でも視えないから分からないんだ。この子の未来が、不確定過ぎる)(ナデ)……君は何処まで知っているの?何処まで、納得しているの?(ナデ)答えてよ?…柚紀ちゃん。……いや」
‐ 勝利に導く歌姫様、…先行きが見えない暗闇に居た俺達を優しく導いてくれた"月の漢字を持っていた"あの人の…… ‐
普段は飄々としている迅が、誰が見ても聞いても分かるほど辛そうな表情を声音で眠っている柚紀の頭を撫でながら訊ねていた。…今の自分は生身で"トリオン量回復の為に"眠っている少女には届く筈がない。………そう、思っていたのに
‐ ………………スッ……サワッ…サワッ ‐
『……誰かの、辛そうな声がしたと思えば…………やっぱり、迅さん、だった。(パチ、パチ……キョロ、キョロ)……皆、辛そうな顔。…………諏訪さん、ナニがあったの?…教えて、ください』
「「「!!?」」」
「それはだな…「良いよ諏訪さん、俺が話すから」……分かった。たが、話すならこの先にあの休憩スペースがある。そこに着いてからにしろ」
まさか柚紀が目覚めるとは思っておらず誰もが驚いたのだった。…発言含めてで。そして質問された諏訪が話そうとしたのを迅が遮り、……人が多数行き交う廊下て話す内容ではないと察して、とりあえずラボから行き先を変更し誰も反論せずに従ったのであった。目を覚ました柚紀を見て佐鳥は素直に喜べなかった
‐ 諏訪隊室での"アレ"は自分にだから反応してくれた訳じゃない。言実だけならまだしも迅にも応えているのだから ‐
そう察してしまったからだ