17.技能上昇の曲~テンポ・気分もアップ~(82.
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ドンッ
『えっ?…言実……さ、ん?…っ!?ぁ、あっ、ぃ、嫌っ!嫌っ!!…嫌だあぁーー!!?(ペタン!…ポタポタポタ)』
「「「柚紀ちゃんっ?!/鶴ヶ峰さんっ!?」」」
目の前で言実がベイルアウト…光の筋となり基地に飛び、それを見た瞬間柚紀は錯乱状態に陥ってしまう。その場に座り込み泣きながら言実の名を呼んだり【また居なくなった】【何も言わずに】【…一人は嫌】と不満や不安事を口にしていた。そんな柚紀にどうしたらと躊躇する部下二人より前に出た嵐山はそっと抱き締めて「大丈夫だ、あの人は消えてない。ラボで君の帰りを待ってるよ」と背中を叩きながらあやしつつ二人に内部通信で報せたのだ
‐ 迅経由で知った事だが、彼女は父親と最後に会った際に"とある約束"をしていた。それを彼女は楽しみにして帰りを待っていた。…だがそれは叶わず"何の前触れもなく"父親に会えなく……居なくなったんだ。例えベイルアウトがどんなのか知っていても"いきなり"大切な人が突然消えれば、"また"と思うのも仕方ない ‐と
それを聞いて流石の佐鳥も表情が曇り、時枝は…少しだけ冷静さを取り戻していた。あの歓迎会で柚紀が"追い掛けた相手が父親の幻"では?と思ったからだ。実際は風間達(原理は不明)だったが個室でも三人の時でも、会話で父親が度々出てきたし御彼岸…お盆が過ぎていても夏は"そういうのが出やすい・流行る"季節だから。まだ泣き止みそうにもない柚紀を嵐山が優しく抱え、言実の元へ連れて行こうとした矢先
〔っ!?警戒!!バムスター・モールモッド多数接近中です!急いで退避して下さい!!〕
「!?(まさか、"サイドエフェクトの暴走"??…)(スチャ)……おれが時間を稼ぎますから、二人は彼女を連れて先に行ってください」
「!!駄目だ充っ?!柚紀ちゃんが正気に戻った際にお前の姿が無ければ、……きっと自分を責めてしまう。それに俺もだが、…トリオン量殆どないだろ?さっきのテレポートだって"かなり距離があった"筈だ!!」
「(ポン)……一人で背負い込むなよとっきー。大丈夫だよ!…おつるちゃんは【帰り道、柚紀ちゃんを一人にさせない為に】自分一人で敵を片付けた。それにオレが残党の可能性を言ったのを聞いた上であんな事をしたのなら…………"手配済み"な筈だよ
「「旋空弧月!!」」
……助っ人の、ね」
綾辻の通信により"残党"が迫っているのを知り"嵐山が柚紀を抱えている以上まともに戦えるのは"……と、銃を構え直し足止めを宣言する時枝に待ったを掛ける嵐山。更に肩に手を置き、何時もの明るく少しお気楽な表情を浮かべた佐鳥が"あの言実なら…"と、諭している間に接近していた敵を"助っ人による"旋空で両断される。……さて、冬島が頼んでいた助っ人は誰かと言うと
‐ ……ドーン! ‐
〔…東隊現着した!これより"歌姫及び嵐山隊の護送"任務を開始する!!〕
「佐鳥~防衛任務オツカレさん!こっからは俺達が四人を警護するから大船に乗った気持ちで居てくれ!!な?奥寺!!」
「気持ちは分かるけど油断は禁物だって小荒井。……東さんから亜種に関する事を聞いたぜ?アレをトリオン量の減った時枝が一人で相手とか無茶だよ、…きちんと任務達成しているんだから後は無事に帰還すれば良いよ。…鶴ヶ峰も俺達に気付かない程疲れているみたいだし」
〔(どちらかと言えば"泣き顔を二人に見せたくない"から大人しくしている感じだろうな)ま、そういう事だ。……もしかしたら俺がベイルアウトしたのを鶴ヶ峰は責任を感じているのかも知れない。だから言実さんまでもが飛んでしまって、…理由はどうであれ戦場に長居した所で彼女に良くない事だけは確かだ。お前達は"全員無事に基地に帰る事だけ"考えろ〕
東・小荒井・奥寺の三人であった。東がベイルアウトしてから数時間経過している状況、トリオン体の再構築が完了し学校が終わった弟子二人を引き連れて冬島からの要請の元、嵐山達の護衛任務に参上したのだった。……色々言いたい事があった三人だが、東の言葉を聞き【今現在の最優先事項】を改めて認識すれば、奥寺達が先頭・殿を時枝が勤める形で基地へと移動を開始したのであった
途中でやはりトリオン兵と遭遇したが東隊、更には隊長命令により当真までもが助っ人に参加した事により、嵐山達が手を出す事は無かった。そして一番近い秘密経路から嵐山隊"だけ"中に入り、奥寺達は"念のため"別の経路から基地に戻る事になり此処で別れる事になった。………無事に基地に帰還し、音で廊下を歩いているのに気づいた柚紀が『降ろして、…一人で歩けます』と小声ながら嵐山に請うと、素直に解放される。……トリオン体でも泣いたら目が赤くなったりするのは健在らしく、傍目から見れば一発で分かる状況で誰もが何も言えない雰囲気に。……それを撃ち破ったのは
「おっ!来たか!防衛任務ご苦労サンだったな嵐山隊。それと……(カツカツカツ…ナデ)鶴ヶ峰もお疲れさん、よく頑張ったな。冬島のおっさんの所で一緒にモニタリングしてたからお前の頑張りは俺も知ってるぜ?(ナデナデ)つる姐もあれだな、……姪っ子の前で無様な姿を見せたくない的な考えは分かるが、…相変わらず言葉足らずだよな~全く(ナデナデ、ポン)……戻ったら文句の一つや二つ言ってやれ、【無茶するな】とか【無茶な要求をするな】ってな!」
『す、…すわ、さん?(パチ、パチ)』
……私服姿の諏訪が何時もと変わらない態度や口調で嵐山達もだが、柚紀を労った。…何故か柚紀は不思議そうに瞬きしているが諏訪本人はお構い無しで、笑みを絶やしたりはしなかった