16.初実践の曲(81.
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次の日、柚紀は普通に登校はしたがやはりトラウマ再発の尾を引いてしまい途中で早退する事態となってしまった。腕時計のアラートは鳴らなかったが、自宅を出る前に言実に『少しでも辛くなれば帰ってこい』と強めに言われたので自主的であった。因みに叔母は仕事が溜まると面倒なので、基地で居なくても出来る仕事をと鬼怒田に相談しに出勤していた。柚紀が早退する前に済ませたかったが……予想以上に早く限界を感じて一人で帰ろうとしたが、未来視した迅が学校まで迎えに来てくれていたので言実に身柄を渡すまで一緒に適当に時間を潰していたりしたのだった。本来なら"学校をサボるな"と言いたいが、大学生も講義に参加しているのもだが、不安定な柚紀を一人にさせるよりはマシと割り切っていた
それから数日は学校を休んだり遅刻早退したり、人が少ない時間帯を見計らい時折基地に連れていったりと"一ヶ所に長く居座らない様に"したのだった。自宅にずっと居てしまえば"不登校のきっかけ"に成りかねないし、基地も同様である。そして学校では佐鳥達やフブキ達が、基地では諏訪隊や風間隊が中心に気を使って居たので柚紀が対人トラウマの悪化はしなかったのだった
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「ではHRはこれで。……あ、(コツコツ)鶴ヶ峰さん。先程保護者の方から【今日、通院の為に早退します】と連絡来ましたが、…体調は大丈夫?」
『あ、大丈夫です。その、軽度とは言え症状が長引いているのを気にされて、念のためにと。…午前中でないと診断してもらえないらしくて、お手数をお掛けします(ペコリ)』
「そう。……一応【持病内容】を先生は知ってますから、無理にとは言えませんからね。ただ、勉強はきちんとしてね?貴女も受験生だから、そこは考慮出来ないから」
『わ、分かりました』
女性担任が声を掛けて離れたのを見てから、時枝とシロが近づいて来た。そして隣のクラスのHRが終われば、一日中学校に居れない柚紀がを気にして佐鳥やフブキも隣のクラスから様子を見に来ていた。これが日常と化しているので、クラスメートは何も言わないのであった。因みに烏丸は朝から防衛任務で今は居ないのだった
「鶴ヶ峰さん、まだ辛いの?……おれはそう言う経験がないから、理解できなくて」
「仕方ないよ時枝くん、コレばっかりは経験がないに越したことはないよ。とりあえず(スッ…ギュッ)………(パッ)確かに対人モノはほぼ通常まで回復したけど、若干罪悪感からくるのがあるね。この位なら次の登校からは一日中居れそうだねユズちゃん!」
『…だと良いけどね』
「柚紀ちゃ~ん、今日はどんな感じ?大丈夫そう??」
「もし大丈夫なら帰りに買い食いしないか?(ナデナデ)今日は俺もボーダーに行くつもりがないし、たまには学生らしい事するのも悪くないだろうしさ」
見た目では分かりづらく隠しやすい柚紀の調子を正確に把握するために、一日一回シロによるチェックを受けるのを義務つけられており、それを終えた後に先生に言われた事を皆にちゃんと共有しようとした柚紀だが、タイミングよく新着が入り内容を確認すれば申し訳なさそうな表情を浮かべながら話始める
『えっと、ごめんフブキちゃん。…今日お昼休みより前に早退しないと行けないの。……なんか、その……ボーダーでちょっとした検査を受けなきゃいけなくなった、から』
「ボーダー?………そうか、なら仕方ないな。お前が体調崩す要因の一つは普通の病院じゃ治せないモノだったな。たがユズ、…一人で行くのか?」
「えっ??!だ、ダメダメ!!日中一人でとか危ないよ!!ん~~~~………(ポン)なら佐鳥達が早めに早退すればいっか!どうせお昼から防衛任務で早退するし、どう?」
『……気持ちは嬉しいけど駄目だよ佐鳥くん。言実さんは学校には"病院に行くから早退する"って連絡済みなの。…理由が違う以上それはちょっと……"ズル"になるよ?』
ボーダーと聞いて直ぐにサイドエフェクト関連と察したフブキは、早々に引き下がった。が、次は授業がやっている時間に制服を着た学生が出歩くのは良くないと反論した佐鳥。そして直ぐに妥協案を提示すれば、柚紀はやんわりと断ったのであった。それでも引き下がらない佐鳥を見て、時枝が"しつこい"と意味を込めて軽く小突くのである
「確かに任務はあるけど、おれ達は隊員である前に学生。……サボる言い訳に使うべきじゃないよ。特に佐鳥はちゃんと勉強しないと学力テストとか酷い点数取るよ?後、内申書には"授業態度"とかも書かれるしさ」
「それに(チラッ)…ちゃんと"お迎え"があるみたいだから大丈夫だよ。あの言実さんがユズちゃん関連には抜かりないのは皆知っている事だし、もし手配されてなくても……私がどうにかで、出来る………と思います」
時枝がボーダー隊員の印象悪化を懸念し、シロは柚紀の携帯をチラ見して内容を確認すれば心配無用と太鼓判を押したのであった。それを聞いて渋々ながら納得した佐鳥は引き下がり、チャイムが鳴ったのでクラスに戻る……事を渋ったのでフブキが問答無用で引き摺って退室していったのであった
これが今ではお馴染みの風景であった