～♪♪～(ｳﾞｰｳﾞｰ)
『(ﾋﾞｸｯ!!)えっと、…新着メッセージ？誰から……佐鳥くん？』

存在を忘れない為にテーブルに出しておいた携帯のお知らせ音とバイブ音と振動にびっくりしつつ、手に取り操作。画面に表示された内容を確認してメッセージを見る。内容は

【柚紀ちゃ～ん、佐鳥は今日も元気です！！これから皆で広報活動の打ち合わせをしまーす。人気者は大変です】

と打たれており、続け様に嵐山隊皆の写真が添付されてきた。何と返事を返そうか考えていると再びお知らせ音と共に新着メッセージが届く。今回の送り主は時枝で

【佐鳥が煩くてごめん。検査とか大変だろうけど、ちゃんと休憩や気分転換してね？】

と言う内容だ。
あれから嵐山隊全員と連絡先を交換し、携帯不馴れな柚紀の為にと佐鳥がほぼ毎日、他愛のない会話やちょっとした報告をしていた。柚紀の性格的に必ず何か返事をするので次第に携帯に慣れるだろうと考えた。…他にも色々理由はあるようだが。そんな佐鳥のメッセージがあると、大体時枝からフォローメッセージが届く。そんな時枝に対して時間を掛けて何とか返事を返したら

【おれには無理して返事しなくて大丈夫。既読が付けば見てくれたか分かるから。でも、佐鳥には何か反応をしておいて】

と、気遣いされてしまった。それでも出来るだけ時枝にも短くはあるが返事を返している。因みに風間隊の皆とも時折連絡を取っており、一番頻度が高いのは意外にも菊地原だった。とは言っても【任務疲れた】や【歌川のお節介がウザい】と言った一言愚痴る感じで、柚紀も【お疲れ様】や【二人は仲良しだね】と短く返すのを何回か繰り返して必ず【で、何時になったら聞かせてくれるの？】と歌の催促が来る。この件は言実にも相談済みで【許可が出るまでは無理】と言った内容で解答・謝罪している。そうすると【僕が待っているのだから早く許可貰ってよね】と返しが来てやり取りが終わるのが恒例となった

『えっと…【今日はラボで一人受験勉強をしています、お仕事頑張ってください】っと。……あ、写真も送ろう……(ﾋﾟﾛﾘﾝ)』

佐鳥にメッセージを返した後、テーブルに問題集を広げた状態で携帯のカメラ撮影をして、一枚添付する。次に時枝にも返事をしようとした時に、今度は新着メールのお知らせ音が鳴ったのでそちらを開く。相手は迅で

【悩みや不安があるなら誰かに話してみたら？少しは楽になる筈だよ】

と、今回のようなアドバイス的な内容が殆どだ。因みに迅が柚紀の連絡先を知っているのは嵐山経由で、迅も返事を強要はしておらず柚紀が迅に何か用事があれば返信若しくは連絡するようにと言った感じだ。時枝、そしてサイドエフェクトを用いたであろう迅にも気分転換を促されたと感じだ柚紀は、一度携帯のトップ画面に戻れば方眼紙の紙と隅にボーダーロゴマークが付いたアプリを起動させる。……以前宇佐美が言っていた"オプション付きのボーダー基地内マップ"である