15.暗礁の曲~課題と気分転換~
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買い物に出掛けてから次の日より柚紀に対して本格的な検査や臨床試験が実行され始めた。初日は開発室を訪れて言実の同僚や上司に挨拶。その際に会議室に居た鬼怒田とも柚紀はきちんと挨拶し、互いに会議室での事を謝罪。…今では鬼怒田にそこそこ気に入られている様子(柚紀もまだ少し怖いが、頼りになる大人と認識)
最初はトリオン量などの基本的な検査から始り、言実を中心に無理のない程度に色んなテスト・実験も実施。本命である歌を用いたサイドエフェクトに関する調査は、特殊な部屋を用いて行い基地に歌が反響させない様にした。"協力者"によるサイドエフェクト効果も数値として一定の変動も見られ、順調に進んでいた……しかし
『………はぁ~、何が駄目なのかな?』
ラボで柚紀は一人、問題集を解いていたが、今発生している"サイドエフェクトに関する問題"について頭から離れず手が止まってしまったら、今日は連日の調査・実験に参加をしている柚紀の体調を気遣い、一日オフとなった。たが、言実は柚紀に関する仕事以外も請け負っている為、ラボには居ない。……柚紀から見た感じ、まだ言実の体力的には大丈夫たが自分の調査がこれ以上結果が出なければ精神的にキツくなるだろう。それを察してしまうから尚更柚紀は落ち込んでしまう
問題となっている事とは"サイドエフェクト効果が断続的になる点"である。初回は誰にでも数値変動が見られ、被験者も変化を感じている。しかし、二回目以降になると人によっては数値変動が出ないパターンが発生したのだ。勿論継続して変化が出るパターンもある。何故そうなるか…そのメカニズムが分からないのだ
『(言実さんは私のせいじゃないって言っていたけど、私の為に協力してくれた人のせいとかは…思いたくないな。迅さんや菊地原くんみたいに常時発動も大変だけど、私みたいに発動条件が不透明な点や能力にムラがあるのも一概に良いとは言えないよね。それに…)』
昨日偶然、協力者の一人と調査に参加していたエンジニアの人が会話をしているのを聴いてしまった
‐ 珍しいのは分かるが調査が面倒 ‐
‐ 一定の効果が継続して出ない能力に意味はない ‐
…そんな会話を
『……どうすればちゃんと出来るかな?どうすれば良いの?…お父さん』
買い物の日は外していたが、次の日の調査からずっと不安を少しでも減らす為に首から翠の石が付いたペンダンド…今は亡き父からの贈り物を首から下げており、それをギュッと握り締める。少しでも心を落ち着かせるために……泣かない為に