色んなお店を見た結果、柚紀は色んな薬味とめんつゆ・胡麻の二通り楽しめる冷やしうどんセットで諏訪は夏野菜が分大に盛られた天丼セットをそれぞれ持って、二人を探し歩く

「お前そんなので良かったのか？他にも色々気になっていた食い物あっただろ？」
『えっと…確かに家で作るのは難しい美味しそうなものは沢山ありたしたが、……あんな感じの騒動後は、決まって消化に負担が掛かる料理が食べれなくなるんです毎回。頑張れば食べれますが…戻してしまっては作ってくれた人に申し訳ないので。……あ、これは私個人の事情なので諏訪さんは食べたいものを食べてください』
「あ、あぁ」

目移りしている中で柚紀がかなりシンプルな料理を選んだ理由が、予想以上の重たい内容であり自分が選んだもののせいで気分悪くならないか、と心配する諏訪の表情を見て慌てて弁解を付け加える。これ以上の追求は良くないと判断した諏訪は食べ物関係ではあるが別の話題を振る

「にしても風間は兎も角、つる姐も食べるもの決まってた口振りだったが、あの人何を食うんだ？鶴ヶ峰お前分かるか？」
『言実さんの昼食メニューですか？ん～、……多分オムライスのランチセットで、ソースはホワイトソース、飲み物は普通ならアイスコーヒーだけど今日はアイスティーかな？……何となくですが』
「かなり具体的な予想だなオイ、それが当たったらマジでスゲェけどな。……お、居たな」

諏訪の問いかけに一回りして見たお店の中で、言実が好みそうなメニューを考え今日の行動を色々踏まえて予測を立てる柚紀。若干マジレスが返ってきて引き気味な諏訪だが、先に座って料理をテーブルに置いて待っている二人を見つけて近付く。風間は好物のカツカレー、言実は…

『ん？どうした諏訪。ポカーンと口を開けて、そんなに驚くことでもあったか？』
「……なぁ鶴ヶ峰、お前本当に何で分かったんだ？」
『えっと、その…小学生位から"脳トレ"の一環で、互いに観察や問答をして相手を知ることで何を求めているかを見極める、的な事をゲーム感覚でやってまして……』
『"相手は何を食べたいか？"もよくやったな。まぁこれは難易度は低いから、今回みたいな条件付きだとかなり正確に予測可能だ』
「面白そうだから俺も鶴ヶ峰のメニューを推測してみたが、結果は言実さんは見事に的中、俺は冷やし中華と考えた。…まぁニアピン位だな」
「……色々ツッコミたい事があるが、面倒くせーからいい。おら、さっさと飯食うぞ！？」

言実の昼食メニューが柚紀が言ったものそのままな事に唖然とする諏訪。言実の隣に座りながら、自分や叔母にとっては普通なこの感覚が他人には特殊に感じる事を自覚している柚紀は、苦笑いを浮かべつつ説明し言実が補足、風間も何故か参加し少し自慢げに話すのを見て考えるのを放棄して、昼食を食べるよう全員に促す諏訪だった