ボーダー基地を出た二人は交通機関を使い、最近オープンした大型ショッピングモールに買い物に来た。とりあえず一番時間が掛かるであろう着替え関係からと行動を開始し、柚紀も言実もそこまで服に拘りがないので某洋服大型チェーン店で粗方、他数店でも少し買い通路端のソファーに座ってひと休みしていた

『はぁ～……買い物中毒者(ジャンキー)が居る理由、分かる気がするな。買い物意欲のそこまでない私でさえ、久しぶり過ぎて思わず手が伸びて買ってしまった。柚紀は大丈夫か？疲れてないか？』
『ん～……少し疲れました。こう言う無造作な人混みは慣れてないので』
『あぁ、私も苦手だ。靴などの実際に試着が必要なもの以外は、今度からは通販にするか。念のために測って貰ったしな。にしてもだ……柚紀は着痩せするタイプだな』
『なっ！？言実さんっ、そんな事言わなくて良いですから！！それに……大きさなら言実さんの方が大きいでしょ？』
『恐らくそうだが、別に大きくても得はないぞ？仕事中邪魔に思うこともあるがコレばかりは仕方ないさ』

休憩がてら買い物の感想と、同性だから出来る所謂ガールズトークで盛り上がった所で、柚紀が持つ荷物も全て手に持ち立ち上がる言実

『さて、まだ買う物があるがこの荷物を持ったままだと、流石に移動が面倒だ。ロッカーに預けてくる。此所で大人しく待っていろよ柚紀』
『う、うん。…気を付けてね言実さん』

人混みの中に消えていく言実を見送り、初めて来た事もあり好奇心が刺激されて辺りを珍しそうに見渡す柚紀。それでも数分もすれば動かずに見れる景色にも飽きてしまい、暇になってしまう。不意に行き先を示す案内板を見て立ち上がる

『えっと、…御手洗い位なら大丈夫だよ、ね？』

まだ言実の姿が見えないのを確認し、用事を済ませるために移動する。……この時、物陰から見つめる二人組が居たのに柚紀は気付いていなかった