9.おさらいの曲~新たなる出逢い~
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『ん~…………ん?…此処は………あ、そっか昨日…言実さんを訪ねて………ボーダーの…中』
意識がゆっくりと浮上し目を開き見慣れない天井をボーっと見つめ、今の現在地を思い出す柚紀。体を起こしてベッドとサイドテーブルしか置いてない寝室の様な部屋の中、冴えない頭を使って昨日の出来事を振り返る
歌を歌い終えた後、嵐山隊の皆から絶賛され嬉恥ずかしいな状態になり、いつの間にか迅は部屋から居なくなっており、程無くして言実が迎えにやって来た。そこで嵐山達とは別れて言実の仕事場でもある個人研究室(ラボ)に連れていかれた。移動中に歌について訊ねられ、言実にも聴こえていた事に驚いたがそれ以上に少しだが顔色が良くなっていたのを見て、歌って良かったと感じていた。ラボに着いてからは、今後の事や元々の目的だった柚紀の悩み相談等を話していた……のだが、途中までしか記憶がない。恐らくだが寝落ちしてしまったのだろう。服装も昨日のままで、よく見ると白衣が自分に掛けられている状態だ。その白衣を持って、ゆっくりとした足取りで部屋を部屋を後にし、白衣の持ち主の元へ。
因みに実家の方には言実が昨日のうちに母親に連絡済みで、「仕事も一段落しているので、顔を見せに来た姪と久しぶり過ごしたい」等の理由を告げていた。今は丁度夏休み中で、受験への勉強も問題ないレベルの学力を既に有しているので特に反対はされなかった。"三門市"に居る点でちょっと心配されたが、言実がボーダーに所属していると聞いて「それなら大丈夫ね」と安心していた
言実の個人ラボはかなり広く、先程居た仮眠室とパソコンが置かれた机に資料ファイルや本が並んだ棚がある所謂仕事部屋、そして廊下に繋がる入口から入ってすぐのモニターや机にソファー・椅子、給湯スペースがある応接室が一つになっていた。(言実曰く、本当はトイレとシャワー室も欲しかったが上司に却下され、仕方なくトイレだけ付けてもらったらしい)仕事部屋を経由して応接室に入れば、白衣なしの黒いタートルネックノースリーブに色抜けした青のジーンズ、黒のパンプスといった昨日と変わらぬ姿の言実が、コーヒー片手に高テーブルに置いてあるノートパソコンを操作していた。ドアの音で視線を柚紀にやればパソコンを閉じて、テーブルの隙間にカップを置き側に移動する
『おはよう柚紀。……よく眠れたか?』
『おはようございます言実さん。お陰様でぐっすり眠ってしまいました。…ベッドを借りてしまってすみませんでした、後この白衣も。それに……寝落ちした私を運んでくれましたよね?お、重たくはありませんでしたか?』
挨拶を交わしながら、自分から仮眠室に行った記憶がない所から言実に運ばれたと考え、迷惑を更にかけてしまったと朝から落ち込む柚紀を見て、言実は溜め息を漏らしてから差し出された白衣を受け取り小さく額を小突く